不世出の考察班たちによる語らい 作:アル・パッキャ
【みんなも】不世出個体について語るスレpart2【おいでよ】
29:プラリア
前スレで生存するための突然変異による不世出個体について考えたじゃないですか。他に突然変異する要因から考えていくともっと増えませんかね
30:マルマルトン
病気
31:幌宵
シャンフロ世界に病気って中々無いよね、怪我は大量にあるけど。サードレマに近づいてる大疫青くらい?
32:ノーローン
病弱って喧伝されるNPCは元からステが低いのが大半、たまに常時【衰弱】みたいな人はいる
33:ドラタン
「状態異常」で一括りにされてるイメージ
34:雑踏鯨
>>31の大疫青も結局は状態異常付与だし
じゃあ毒に妊娠したまま汚染されないといけないのか
35:シックスロード
きっつい。普通に死んで流産になっちゃう……
いや途中で治癒しても良いならワンチャンある?
36:秀舞
じゃあ子供が最初から毒持ってるパターン
37:バランバラン
あの毒糞飛ばす蛇みたいな?
38:たぶんきる
あの蛇の解毒剤、次のエリアだと普通に買えるのにファステイアだと裏路地行かないと買えないの性格捻れすぎだよね
39:雑踏鯨
>>37
貪食の大蛇は元は無毒だよ、毒草食べて体内に蓄えるフグ型
あのタイプが特別な毒作れるようになったとしても結局レアモンスター止まりなんだよね、不世出個体ではない
40:雑踏鯨
それはそれで検証する価値あるけど、いや特殊な毒の変換器官でも生まれながら持ってたら話は別かな
41:ドラタン
植物系なら球根の状態から毒持ちとか多そう
42:良弁当主菜者
実は植物モンスターで完全に自己生産する毒持ってるのは7割くらい。滅多にいないけど植え替えたら毒性消えていったモンスターも何種類か見つかってるし、変化したのもいる
43:ノーローン
何やってんの……生態系壊さない?
44:バランバラン
>>39
へぇ
45:良弁当主菜者
>>43
※安全に考慮して実施しています
46:秀舞
元から毒持ってるのは蠍とか蜘蛛とか蜂とか毒蛇とか。あ、これ豆だけど蛇の中でも【スネーク】は毒無しの個体か毒はあるけど他の要素が主な個体、【ヴァイパー】は毒の強い個体って見分けられるよ
47:ドラタン
毒に汚染された側かする側かどちらにせよ生息地は毒持ちの近くなのでそこまで厳密に今は考えなくてもいいのでは?
48:ノーローン
それはそう
49:プラリア
撮影場所はどこにしますか、というか状態異常メインのモンスターってどこら辺にいますか
50:たぶんきる
攻略マップの必須項目に「毒消し」ってあるエリア
51:バランバラン
広すぎる多すぎる
52:幌宵
しかもそれゴブリンが毒草塗布して襲ってくるのとかハミングリッチとかも一々カウントしてるから、あてにならない場所もある罠よ
53:雑踏鯨
具体的には【ファウルフロッグ】が汚染しつくした「酷紫の暗沼」、【トキシックイーグル】が飛び回る「深嵐の峻剣山」、そこかしこに【ヴァイパー】系が待ち伏せる「枯毒の城砦林」、この辺?
54:秀舞
その辺
55:ノーローン
沼地は嫌なので行くなら誰か別の人で
56:プラリア
酷紫の暗沼にまだ行った事ないんですが、そのフロッグってもしやマッドフロッグの親戚か何かですか?
57:たぶんきる
親戚というか色違い、厳密には違いあるのかもしれないけど素人目には分からない。ただ、毒腺が増えたせいか胴回りはもっとぷにぷにしてる感
58:バランバラン
バリバリの玄人視線で草なんだ
59:ノーローン
沼地はお前らで行ってくれ、任せた
60:プラリア
>>57
ありがとうございます!
61:マルマルトン
あの、今度イーグルの素材取りに峻剣山行こうと思ってたんですが、戦い方とかってあります?
62:幌宵
対空手段と状態異常対策さえあれば大丈夫
魔法職ならヌルゲー
63:秀舞
なんなら水晶設置に行く時ついでに解説しようか?
64:シックスロード
サファリパークかな
65:ドラタン
(ただし安全は保証しない)
66:秀舞
むしろこっちが保証されたい
◆◆
「ああ、あったあった」
「やーっぱり今回も溶解してますね」
「となると近くに新しいレアモンスターか不世出個体かは確実に生まれてる」
「それはまた嬉しいような、面倒なような」
歩み状態を強制される沼地を嫌いすぎた結果、空中ジャンプを極めつつある「Mr.アンチ沼地」ことノーローンとたまたま手が空いていたドラタンが傾斜の急な岩肌を軽快に跳ねる。荒れた地面とは逆に、雲海を望む光景は絶景だが彼らの興味はそちらには向かない。
「コーティング代結構高かったのに……秀舞さんかわいそ」
「で、荒れてムセン嵐に叱られるんだろうな」
岩肌に隠れるよう巧妙に迷彩を施された、半壊した水晶を拾い上げる。上半分は高熱に晒され固まったような歪な凹凸を作っている。
記録用の水晶は市販で買えるため、非破壊オブジェクトではない。故にライブラリが野外で定点観察に使用する際は、損傷を防ぐために対策を講じる場合が多い。
暴風による風化を防ぐ塗装を用いるだとか、あるいは撒き散らされる酸毒を防ぐコーティングを施すだとか。「深嵐の峻剣山」に設置された水晶も、トキシックイーグルの作る毒物には耐えられるように加工してあった。
「残り4ヶ所は無事だったのを考えるとこっちの方だよな」
「そうですね……それにしても、モンスターが少なくないですか?」
「件のモンスターに狩り尽くされて逃げ出したか?」
「いかなシャンフロ運営でも一体で生態系破壊するような危険物は何らかの処置しますよきっと、リュカオーンが無秩序に暴れまわるような物ですし」
とはいえ今の峻剣山に入ってから、モンスターは上空を旋回するトキシックイーグル一種しか目撃していない。明らかな異常事態だ。
「あっ、あれ違いますかね。あの峰に座ってる奴」
『モンスター
『討伐対象:トキシックイーグル“
『エクゾーディナリーモンスターとの戦闘が開始されます』
「……そうっぽい」
ドラタンの指の先。見上げた遠くの峰に、ポカンと口を開けたトキシックイーグルが一羽。同時に他のトキシックイーグルは飛び立ち、アナウンスが流れる。
「ファフロツキーズねぇ」
「なんですかそれ、英単語じゃないですよね。造語ですか?」
「そうそう、“falls from the skies”の略語だったかな」
「空からの落とし物」
「蛙やら魚やら、その場にあるはずのない物が空から降ってくる怪奇現象、まあ竜巻みたいな上昇気流が原因じゃないかって言われてるが」
ドラタンに解説しながらも目線は製洪雨毒から外さない。彼らの本領は観察であり、無駄話ではない。今も彼の頭は製洪雨毒がエグゾーディナリー足り得る理由を考え続けている。
(何故口を開けているのか。呼吸? 違う、口はトキシックイーグルにとっては毒の排出口でもある。呼吸なら鼻でいい、開口の主目的としてはこちらか)
まだ製洪雨毒が二人に気づいた気配は無く、微動だにしない。ずっと口を開けたままだ。
トキシックイーグルは貪食の大蛇と異なり、喉の奥の毒嚢から吐瀉物の形で毒を仕掛けてくる。スナイパーが銃身に頬を当てるように、視点と近い所を発射点にした方が命中率は上がる為だと言われている。距離のある超高度からの狙撃で、命中率を疎かにする理由はない。貪食の大蛇の場合はフレキシブルな体を持つからこその芸当であり、それすら窮地にならなければ使わない。
(しかし見た所、毒を垂れ流している様子はない。ただ口を開けているだけ。しかし上空からの毒散布が彼らの戦法。飛ばないで地上に居続けるメリットは何か。明らかに羽休めとしては長すぎる。逆に上空に行けないデメリットがあるのか。体が重すぎるとか)
「毒の過剰生産による体重増加」
「は?」
エグゾーディナリーモンスターである時点で“毒の特殊性”はあると見なして良いだろう。それは溶けた水晶も証拠になる。だが“量”については異常が無いとは誰も断言していない。
「だとしても毒を吐けば軽くなって、いやそんなに簡単に吐ききれない量だとしたら? 毒嚢が破裂するか」
「あの、何の話してます?」
「何故あいつは飛ばずに口を開けっ放しにしているか」
「さあ? ただアホなだけじゃないですか? まだ私たちに気がつかないようで……ん?」
ぽつりぽつりと
しかしここは山の上、雲は下に広がっている。
「雨……はあああ?!」
じゅわりじゅわりと装備が溶け、ドラタンの薄い装束に穴が空く。減り続ける装備の耐久値とは対照的に、ステータス欄には【稀毒α】【稀毒β】【稀毒γ】エトセトラの表示が続々と増えていく。1つとして同じ表示はない。
「気がついてない? アホはどっちだよ、
既に戦闘は始まっていた。
既に製洪雨毒は毒を吐いていた。
そしてノーローンは漸く理解した。
「液状に吐瀉するんじゃなくて
「トキシックイーグルって毒の形状変更できたんですね」
「それも含めての不世出個体かも知れないが?」
「普通なら余計なリスクもなく上から下だけでいいから気化毒なんて使うメリット無いですもんねぇ……どう検証したものか」
トキシックイーグルの生態をよく知り尽くしたが故の盲点。吐かれた軽い気化毒はさらなる上空で冷やされ凝固し、雨のように降ってくる。酸性雨の何千倍も凶悪な毒の雨だ。
こんな所に来る以上、当然ながら装備も耐性や耐久値のある物を持ってきており、解毒薬も複数用意している。しかしそのどれもが効果を発揮しない。雨に打たれる度に装備は壊れ、状態異常の項目は増えていく。
「……この場に存在しない物どころか、今までこの世に存在しなかった
一通り用意した治療を試したものの、何も改善しなかったノーローンが忌々しげに呻く。
だからアナウンスと同時に、自分たちには耐性の無い劇毒が撒き散らされるのを察知した他のトキシックイーグルも逃げ出したのだろう。
不気味な薄緑色の
「これ錬成毒と同じパターンですね。麻痺毒と見分けがつかない。手袋でもしてれば良かった」
「それより口頭でもウィンドウ操作できるようにしてほしいなぁ」
五十を越え始めた【稀毒】の表示。増える度に体力の減少と痺れが酷くなる。それらは一つ一つが異なる効能を持ち、単純なダメージを与える猛毒に限らず溶解毒や麻痺毒など多岐にわたる。隠れた麻痺毒によって行動を極限まで制限された彼らに出来る事はもはや残されていない。
諦めた二人はしとしとと降り続ける雨を浴びて何も為せず、ただその命を溶かして無念に散っていくしかなかった。
最適な討伐法は「アナウンスと同時に速攻で殴る」or「超遠距離からの狙撃」のどちらかです。非戦闘状態では周囲の同族に気を遣って弱めの毒しか垂れ流してませんし、なんなら雨にもなりません。周りのモンスターは全滅はさせず、ちょっとお引っ越ししてもらいました。なので隣接するエリアだと逆に増えてる。これは保存食とか作れないんで全滅されるとむしろ困る……というトキシックイーグル側の都合ですね
エクゾーディナリースキル「