不世出の考察班たちによる語らい   作:アル・パッキャ

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前回のアンデッドの不世出考察からの続きです




表裏一体part1

172:ドラタン

しゅうまいさんの言いたい事ってアンデッドも「希少な想念を芽生えさせてポップできれば不世出になり得る」って事ですよね?

 

173:秀舞

せやね

 

174:ノーローン

異論なーし

 

175:シックスロード

まぁ記憶喪失みたいに逆に想念を失っても不世出になるけど、他に考えるならそうだろうな

 

176:ドラタン

なんかこれって対象狭すぎません?

 

177:たぶんきる

あ~~~確かに思考ない系のプレーンなアンデッドは不世出になれないわ

 

178:秀舞

下位のモンスターからも不世出は出てくるからそこはフォローしないと不味いか……

 

179:ドラタン

ですです

 

180:ノーローン

生きてる側だとゴブリンクラスでも不世出いるもんな、めちゃくちゃ頭いいゴブリンだっけ?

 

181:秀舞

タクティガね、いるいる。けど頭の良さってステータスを乱用するとも思えないから他の特性で考えるか

 

182:たぶんきる

そもそも頭脳派アンデッドって結構違和感ですけどね。理性的に怨念に支配されてるってアンガーマネジメントの達人か何か?

 

183:シックスロード

アンデッドの頭の良さってどこから反映されてるんだろ、生前?

 

184:秀舞

……あんまり生物っぽくないからアンデッドの話題触りたくないんだよね

 

185:秀舞

生前を引き継ぐんだとしたら、こんな規則正しくポップするのが意味不明だし。多分マナ粒子班とか世界観班の担当な気がする

 

186:グーゾー・スーハイ

暇だから口挟むわ。マナ粒子班の見解は「人の思念がマナ粒子に転写されてどこかに保存と蓄積、それが定期的に定量漏れ出て現世に表出してる」感じ。依代の人骨やらは知らん、その辺にあるからあるんだろ

 

187:ドラタン

あっ死んだ時点で画一化されてそう……

 

188:シックスロード

確かにポップの理由とキャラが画一的な理由は説明できてそう

 

189:ノーローン

怨念の蓄積先がモンスター毎に違うのか。黒死の天霊用のストレージと一般人スケルトン用のストレージとハミングリッチ用のストレージと、みたいな

 

190:秀舞

この理論が正しい場合、ストレージに干渉する以外に不世出が生まれるには……

 

191:ドラタン

>>186

もし人骨とかの依代がない時はどうなるんですかね

 

192:グーゾー・スーハイ

ゴースト的な非実態に落ち着くんじゃね?

もしくは頑張って骨も構築する

 

193:ノーローン

別の依代に入るとか……

 

194:たぶんきる

規定外の依代に入った個体って不世出になりません?

 

195:秀舞

はいはいはいはい、なりそう

 

196:ドラタン

けどさっき素体が特殊でも怨念が本体だから大差ないみたいな事言ってませんでした?

 

197:秀舞

語弊というかイメージの更新というか……

スケルトンの魂が、例えば“くる病”みたいな異常な遺骨に宿ったとしても、精々レアスケルトン止まりで不世出にはならないと思ってた。いやまぁこれすら推測だから実際はなるかもしれないけど。

で、今のはスケルトンの魂がそもそも別のアンデッドXに使われるはずの依代に入った場合。これはスケルトンでもないしアンデッドXでもないし、扱い的にはどちらかの不世出個体として扱われるんじゃないかという感想

 

198:ドラタン

はー……

 

199:幌宵

ええんじゃない?

転生とチェンジリングの合の子みたいな話でしょ

 

200:秀舞

うん、この考えは好きだわ

全種のアンデッドに不世出の可能性がちゃんと残る

 

201:シックスロード

じゃあ今度答え合わせに行きますか、渓谷

 

202:グーゾー・スーハイ

ワシもついて行っていい?

ロストメモリーができたらほしい

 

203:ノーローン

3回蘇生、普通にブッ壊れなんだよな

 

204:秀舞

僕ら不世出を扱うから初見殺しされがちだし欲しいよね

 

205:ドラタン

その初見殺しのおかげでECOプランとか愉快なことができますけどね

 

206:グーゾー・スーハイ

なんそれ

 

207:たぶんきる

>>205 あれロマンの塊で好き

 

208:秀舞

Ex-ordinary Collectors' Officer、簡単にいうと、不世出スキル全部集めて初見殺しの塊を作ろう計画

 

209:ノーローン

それ自体はいいけど中身知られると面倒なんだよな……乱獲起きそうで黙ってる不世出個体とかそこそこいる

 

210:グーゾー・スーハイ

クッソ面白そうな事してて草

 

211:秀舞

あと他のクランから頼まれそうでヤダ。研究の時間削って対人とかしたくないわ

 

212:グーゾー・スーハイ

じゃあワシに話してよかったん?

 

213:秀舞

いやまぁいつか気がつかれそうだから引き込んだ方がまだね。あとグーゾーさんミスサー討伐戦いたし

 

214:グーゾー・スーハイ

おっけ、察したわ。だからお前ら全員参加で討伐戦してたんか

 

215:ドラタン

黙っておいてください!

 

216:グーゾー・スーハイ

音圧が凄い。ちなみによそに話した場合は?

 

217:ムセン嵐

ハヤブサ便で発狂懇願嗚咽ボイスメッセージが届き続ける

 

218:グーゾー・スーハイ

異常者がよ……!

 

219:雑踏鯨

やりそう

 

220:シックスロード

拷問だろこれ

 

221:ノーローン

>>219 おかえり

 

 

 

 

「やっぱりプロの方の話って分かりやすいんですね。モーションの説明が口頭だけであんなに伝わりやすいとは」

「しかもこれ初見クリアだろ? スキル封印とか時と場合によっては致命的だろうに」

「土葬最強!」

 

『モンスター不世出(エクゾーディナリー)……解明(クリア)!』

『討伐対象:喪失骸将(ジェネラルデュラハン)"綺憶喪失(ロストメモリー)"』

『エクゾーディナリーモンスターが撃破されました』

『称号【決して届かぬ手】を獲得しました』

『称号【消エタ想イ】を獲得しました』

不世出の奥義(エクゾーディナリー・スキル)綺憶像失(ロストメモリー)」を習得しました』

 

 奥古来魂の渓谷にて。ライブラリからの刺客四名により、黒炎を()()()()鎮火させられた四足二手の獣騎だったポリゴンが、土砂の隙間から零れて昇る。

 術師二人(グーゾー&シックスロード)タンク一人(雑踏鯨)遊撃一人(私こと秀舞)のやや火力重めの編成。つまりまぁ攻撃パターンの割れた相手に対しては中々強い。しかもシックスロードなんかは対アンデッドに特化したような魔術師だし。具体的には火葬土葬とあと浄化。私が不意打ち警戒だけしておけば事故はない。

 

「とりあえずこれでワシ満足なんだけど、まだ回る?」

「次のポップがすぐだから粘りますわ。それジェノったら俺も落ちます。キリがいいので」

「先落ちるならムセン嵐の方にテキストだけ渡しといてくれません?」

「りょ~」

 

 わざわざ乗りやすいように改造した長杖に横座りしてふわふわと飛ぶ少女向けアニメのヒロイン──偶像崇拝(グーゾー・スーハイ)。彼女は軽い口調で今しがた手に入れた素材のフレーバーテキストを流し読みしながら去っていく。

 あんな見た目でも新大陸出戻り組……というかマナ粒子の研究には魔法職の方が秀でてるため、それを極めた結果【転移門】まで使えるので新旧大陸を往復できる上位層だ。あんなに油断しててもフルオートで迎撃魔法が用意してある。

 だからきっとそっちからの轟音と突風は、それらが全部発動して、なおかつ形を保ったものが岸壁に衝突してできた物だろう。えっヤバくない?

 

「あら~ギリセーフ」

「よく無事でしたね今の。完全な奇襲だったのに」

「用意した砲台のうち一番近いやつはタゲをワシに固定してんのよ。で【逆鱗の先触れ(ふっとばし力強化)】で緊急脱出してる。結構便利な安全装置だから真似していいよ」

「俺はそのシステム聞きましたけど、常時展開してるとMP持たないんすわ」

「あとあなたじゃないとそんな飛ばないですよそれ」

 

 幼女という軽さもそうだし、飛行のために反重力魔法を常用してるのもある。吹き飛ばし重視での運用、反応装甲的な扱いか。いや見掛け倒しだとしても、あの爆炎を強硬突破できるフィジカルを持つモンスターに心当たりがない。ということは?

 

『モンスター不世出の発見(ディスカバー・エクゾーディナリー)!』

『討伐対象:スケルトンワイバーン“憑裏逸体(バイスバーサク)”』

『エクゾーディナリーモンスターとの戦闘が開始されます』

 

「来た、大当たり!!」

「あの突進受け止めるの普通に怖いな……」

「次はもっと強火で火葬してみません?」

「【魔法透過(マジック・トランスミット)】はいらんね。【護衛星砲装(アマルテア・アーマー)】五門に【岩戸貫く射光(クレパスキュラ・ヘイロウ)】を充填。火耐性の度合いよりも別属性の耐性を確かめるのが先やろがい」

 

 怯えながらもタワーシールドを立てる者。大槌のようなT字の杖で地面を叩いて隆起させる魔術師。隠蔽を解いた赤と黄色の魔法陣を周囲に循環させる魔法少女。誰も彼も逃げ出す者はいない。だって私たちは未知を楽しむゲーマーであり、さらには未知を手繰る研究者だから。

 さて、『中』はどうなっているのか。

 

「グ、ギ、ガガガガ!」

 

 砂煙から予告(アナウンス)通りの骨竜が、ヒュウと風切り音を立てて飛び出してくる。シックスロードは土壁を建てて、グーゾーは手の届かない上空に待避する。私は純粋に距離を取り、逆にタンクは前に出て突進を受け止めようとする。各個が正しい判断をしたと思う。

 

「……ちょっとアイツ火ィ吹いてない?」

「あっミスっ」

「おわ【攻性物質遮断障壁(マテリアルプロテクション)】」

 

 受けに失敗した雑踏鯨がぶっ飛ばされたし、ブレスでグーゾーが狙い撃たれた!? 吐いた火球は空中で無数の光線で穴を開けられながらもグーゾーまで到達して包むように爆発する。本来ブレスはおろか対空攻撃も持たない、スキルも身体も空っぽになったはずなのに。タンクはどうせステータス的に耐えられるけど魔法少女は……防御が間に合っていたみたい。それはよかったが、これかなり厄介な匂いがするぞ?





続きます。
突然ですが、原作が「いっぱい生まれるけど残れない」ケースが体感多いので、ここは「そもそも生まれる数が少ない」ケースで戦ってます
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