神を嫌う少年はダンジョンで何を見るか?   作:ゆず1252

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仕事に余裕が出来たので見切り発車です!好評だったら続きます!



プロローグ

『ギャハハハハハハハ!!!』

 

品のない笑い声が聴こえる。

 

少年は床下に隠れ震えていた。

 

「絶対にここから出たらダメだからね…。」

 

姉との約束を守り息を殺して隠れていた。

床の隙間から滴る赤い液体が誰のものなのか、それを考えないようにして。

 

「良い事しろ。そうすれば必ず何か良い事が返ってくる。神様は何時でも見てるんだ。」

 

何か悪い事をしたわけじゃない。できる限り、自分にできることなら何でもしてきたつもりだ。

 

静かになった。笑い声も叫び声も何も聞こえない。

 

自分と同じで、隠れていた人がいるのかもしれない。もしかしたらあの人達を全員やっつけたかもしれない。もしかしたら…姉も…。

 

確認しなくちゃ…。その一心で床下の戸を開いた。

 

 

「あぁ…。」

 

目の前には真っ赤になり横たわる姉。玄関の先、庭には母がいる。腹が開かれていて、内臓が飛び出している。

 

「神様…どうか、嘘だって…言ってください。」

 

おもむろに出た言葉。涙を流しながら先に進む。

 

皆で耕した畑はぐちゃぐちゃにされ、家には火を付けられていた。

 

歩く…。

 

遠目から見た時は鳥避けの案山子に見えた…。隣の家のお爺さんの頭が代わりに付いていた。

 

吐く…。そして歩く…。

 

出来るだけ上を見て歩いた。下を見たらもう生きる気力が無くなるから。

 

泣き叫びながら歩く…。

 

「とう…さん?」

 

父がいた。

 

「なん、で…。」

 

片腕は無くなり、残った片方の腕からは骨が突き出ている。

 

「何でだよ!!!」

 

もう立ち上がれない。どうにでもなれ。ここで死のう。みんなと一緒に…。そんな気持ちで一杯だった。

 

「い、のり、、か?」

 

「っ!!!」

 

自分の名前を呼ぶ声が聴こえた。

 

「りょうすけ!!!」

 

僕の大事な…親友の声だ。

 

「いき、てたか…。よかっ、た。」

 

「りょうすけも……それって…。」

 

浅はかだった。唯一の生き残りだと思った彼は…。腹から大量の血を流して、壁に寄りかかっていた。

 

「い、今!今すぐ治療用の何か持ってくるから!」

 

まだ助かる…!きっと助かる!懇願に近い思いで立ち上がろうとする。

 

「ま、て。」

 

「急がないと!」

 

「こどもでも、わかんだろ。ムリだ。」

 

「……っ!」

 

分かってる分かってるさ!そんな事!

 

「おまえは、いきろ。つよ、くなっ、て。こんなこと、もうおこらない、ように…。」

 

「りょうすけも生きるんだよ!!僕と一緒に!!そんでまた遊ぼうよ!海に行こうって約束したじゃないか!!狩りの練習だって!皮の剥ぎ方を教えてくれるって!!」

 

「だから!!」

 

その声が届く事は無かった…。

 

「あぁ…。あぁぁ!!」

 

どうしてこうなった?

 

「誰か…誰でもいいから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最悪の朝だ…。」

 

悪夢を見た。服が汗で濡れて気持ち悪い…。

 

「シャワー浴びないと…。」

 

汗を流すために浴場へ向かう。

 

 

「あれ?いのりじゃん!おはよー!」

 

「ティオナ、おはよ。」

 

「もうおはよって時間じゃないわよ。もう昼食の時間よ。」

 

「あー、ごめんよ。昨日装備の手入れしてたら寝るの遅くなっちゃって。ティオネ達もこれからご飯?」

 

「うん!一緒に行こー!」

 

元気がいい方がティオナ、お淑やかだけど時々野蛮なティオネ。双子とは思えないくらい差がある所があるけど、気にしてるみたいだから触れちゃいけない。

 

 

 

「重役出勤かい?いのり。」

 

「朝は弱いんだ。許してよ。」

 

「ハッハッハ!まあ良いじゃろうフィンよ。じゃが、明日は寝坊するでないぞ?」

 

「ガレスも二日酔いで寝坊とかやめてよね?」

 

「よー言うわい。」

 

明日は遠征日…。寝坊したらリヴェリアに怒られる。それはもうめちゃくちゃ怒られる。

 

「おー!いのりん!おはようさん!」

 

「おはよ、ロキ。」

 

「いのりんも今日は、ステータス更新するやろ?」

 

「うん、よろしく。」

 

「いのりんの体は華奢そうに見えても、意外と引き締まってるのが良い!!楽しみやわ〜!」

 

この変態は、ロキ。一応神様らしい。

 

「って無視かいな!」

 

その場にいる全員が苦笑を漏らす。

 

「ご馳走様。じゃ、僕は準備したりするからお先に。」

 

「えー!もう行ってまうん?もうちょいお話しよーや!」

 

「ロキ。また今度ね?」

 

そう言ってその場を去る。

 

 

 

 

 

そのまま外に出て、門番の人に挨拶をする。

 

「ポーション…切らしてたっけ。買い足さなきゃ。」

 

僕は…神様という存在が嫌いだ。暇だったから下界に降りてきた。そう言って今、このオラリオでファミリアを作り過ごしている。暇なら救えただろ。暇なら悪人を裁けただろ。

 

「今日は…嫌な日になりそうだな。」

 

助けを求めてる人を助けずして、救われるべき人を救わず、それでも暇を持て余していた自堕落な神共が僕は嫌いだ。自分勝手すぎる?それはお互い様だろ。

 

神様は嫌いだが、強くなるためには神の恩恵が必要だ。僕の親友との約束…これだけは守らなくちゃいけない。強くならなきゃ、救う為に。それで最後は……。

 

 

 

 




こんな感じです!

数話分は書きますが続くかは不明ですのでご了承ください…。
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