魔法少女リリカルなのはStrikerS~もう一人の副隊長~   作:三日天下

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 二次創作のモチベショーンがほぼ無くなって三日天下です。大学の期末が近いわけですが……テストが近くなると掃除したくなる病の亜種に感染してしまい絶賛執筆中というわけです。

 久しぶりの更新で文が拙いですがお許しください、そして感想、誤字脱字報告いつでも待ってます。では最新話をどうぞ(注意:この二次創作のヒロインはあくまでフェイトです)


第十三話:ホテルアグスタⅠ:準備編

「「「「警備任務ですか?」」」」

 

 昼食を食べ終えたFW陣とヴァニアスは部隊長室にてはやてから次の任務の概要を聞かされていた。FW陣は驚きの表情を浮かべているがヴァニアスは特に驚いた様子もなく淡々と話を聞いている。

 

「そうや、場所はホテルアグスタ。目的はそこで行われるオークション終了時までの拠点防衛と警護」

「あ、あの~少しよろしいでしょうか?」

 

 はやての話を聞いていたティアナが少し居心地悪そうに挙手していた。

 

「ん?なんや、ティアナ」

「大変言いにくいことなんですが……」

「『なんで六課が警備を任務を担当するのか、他に適したところがあるんやないか?』てな感じか?」

 

 はやては不敵な笑みを浮かべながらティアナの言葉を遮りまるで犯人が分かっている探偵のように少し偉そうにしている。実際この部隊の中では一番階級が上なわけだが。

 

「っ!?……は、はい、部隊長のおっしゃる通りです」

 

 ティアナは少し身を固くし警戒しながらもはやての問いに答える。

 

「そんな警戒せんでもええやん。別に魔法も使っておらんし、ましてやそんなレアスキルなんて持ち合わせておらんよぉ」

 

 はやてはティアナの反応がおもしろかったのか笑いながらティアナをなだめる。

 

「ではなぜ……」

「簡単な話やよ、わたしも同じ疑問持っただけ。まっ、理由はそのオークションに出品されるものなんやけど……ティアナ、六課の正式名称は?」

 

 はやてはまるで教師になったかのような素振りをしてティアナに問う。それは凄く尊大で机の下で足を組みなおしたりして雰囲気を出していた。

 

「え?古代遺物管理部機動六課ですが……」

「なるほど、出品物がロストロギアというわけか」

 

 質問の意図がイマイチ掴めていなかったティアナの代わりにヴァニアスが答える。だがそのことが気に入らなかったのかはやては眉を顰める。

 

「教育実習の先生が答えては意味がありません~。生徒たちに考える時間をください~」

「きょ、教育実習って……くっ」

「はぁ……さしづめお前は担任の教師かなにか?」

 

 はやてはヴァニアスを咎めるがその表情に真剣みは一切無くただヴァニアスをからかって遊んでいるようだった。ちなみにスバルはヴァニアスが教育実習の先生になっているのを想像をして今にも笑い出しそうであった。

 このように少々?ふざけていたはやてだが一気に雰囲気を変えた。その雰囲気の変化に気が付いたのかFW陣は緩んでいた空気を引き締める。ヴァニアスはようやくかと言いたげな表情をしたがそれは一瞬のことですぐにその表情は消えた。

 

「理由は出品物がロストロギア……その所為で出現することが大いに予想されるカジェットが原因や。普段専用の訓練を積んでない一般局員には少しばっかしAMFは荷が重すぎる。機動六課以外が担当すると各部署からエースか準エース級の人らを引っこ抜いて部隊を構成せなあかんくなる」

 

 はやては全員が話を理解しているか確認してから続きを話始める。

 

「私ら隊長陣は要人警護、副隊長らとFWのみんなでカジェットの迎撃や。つまり今回は機動六課全員出動の大がかりな任務になる、それ故に責任も重大になっちゅう訳やけど……みんな、やりきれる自信はあるか?」

 

 FW陣を試すような視線を投げかけるはやて、それを横目で見守るヴァニアス、少々不安げな表情を浮かべながらも答えは決まっていると風貌のFW陣。

 

「「「「勿論あります」」」」

 

 満足な答えをもらえたはやては嬉しそうに顔を綻ばせる。

 

「自信があろうとなかろうと結局は任務やから行ってもらうこともらうんやけど……訓練がいい自信になってたようで安心したわ。そこんとこはそこの副隊長さんやらなのはちゃんやらヴィータやらに感謝やな、わたしは教導できひんし」

 

 二つの意味でとはやては付け足しながら部隊長室を支配していた緊張感を解すように軽い口調になる。そしてヴァニアスも他人から見ても機嫌がいいがわかるくらい満足げな表情を浮かべていた。

 

「任務詳細は今夜に確認しといてな、詳しいことはそこに書いてあるで。それとみんな個別訓練に入ってそうそうで悪いんやけど訓練は今回の任務重視、つまりチーム戦を意識した訓練に切り替えてもらうで」

「任務までの日数は?」

「一週間と二日。なのはちゃんには話通ってるから訓練メニューのことは心配せんでもいいよ、少し前の訓練に戻ったようになるだけとか言ってたし」

 

 はやてとヴァニアスが任務についての話をしているときその話を聞いていたティアナが肩を震わす。まるでなにかに怯えているいるように。

 

「……戻る?」

「ん?ティア、どうかした?」

 

 スバルの呼びかけでティアナは正気に戻ったらしく目に力も戻る。

 

「だ、大丈夫よ。それより部隊長達の話聞きなさい。あんたはたださえ理解力に乏しいんだからここで聞いといた方が楽でしょうに」

「う、うん、わかったよ」

 

 ティアナは自分がいつも通りであるかのように振る舞うために普段よりきつめの言葉をスバルに投げかける。スバルはそれに違和感を感じたようだが本人が大丈夫と言うので引き下がる。その様子を見ていたエリオとキャロも勿論心配するわけだが。

 

「ほらあんたたちもしっかり聞きなさい」 

 

 ティアナにそう言われてしまえばはい以外の言葉が出ないのであった。そうこうあるうちに任務の話は終わり、

 

「では解散。午後の訓練も頑張ってな」

「「「「「はい!!」」」」

「ん、元気があってええね。あっ、でもヴァニアス君は残ってくれるか?シグナムから伝言や」

 

 はやては今思い出しという表情をしてヴァニアスを呼び止める。

 

「……お前らは先に高町のところへ行け。俺は後で行く」

「はい」

 

 代表してエリオが返事をしてFW陣はなのはが待つであろう訓練場に移動を始めた。

 FW陣が去ってから少し経ちヴァニアスが口を開く。

 

「この狸が……」

「こんな美少女捕まえといて狸とかないわ~。……あんま勘が良すぎる男はどうかと思うんよ、私」

 

 ヴァニアスは少しはやてを睨むようにして話を催促する。それを感じたはやてはため息をつき話し始める。

 

「学ばないやっちゃなぁ、そうやって急かす男も嫌われる……さておふざけはここまでお仕事の話しよか」

「ふざけていたのはお前だけだがな」

 

 はやては先ほどFW陣に見せた緊張感がまるでお遊びのように感じるくらい重たい雰囲気を出し、ヴァニアスを見るその眼光は鋭くなる。

 

「先に言っておく。これは命令やから断ることはできないし、私情を挟むことも許さない」

「……」

 

 さすがにこのはやての雰囲気に呑まれたヴァニアスは姿勢を正し、その『命令』を聞く覚悟をする。

 

「このオークションに紛れて裏である取引が計画されていると情報を地上のある部隊が入手した……これだけなら普通の事件となんら変わらないんやけど取引物に問題があった」

「……レリックでは無いんだな?」

「そうや。レリックやある程度のロストロギアならFWのみんなにも聞かせても良かったんやけどな……」

 

 はやては一回目を閉じて深呼吸してからヴァニアスの眼をしかと捉え言葉を放つ。

 

「その取引物は……人造魔導師の可能性が高いんよ」

「っ!!??」

 

 ヴァニアスはその言葉を聞いた瞬間肩を震わせた。先ほどのティアナの震えとは違い怯えではなく明らかな怒りが見て取れた。そのヴァニアスの様子に気が付きながらもはやては話を続ける。これをヴァニアスに『任務』として伝える為に。

 

「ヴァニアス君の任務はこの人造魔導師を保護、そしてその後前線からの離脱。私と合流して本部へ直行。この間に色々な“邪魔”が入ると思う……これをすべて排除。排除と言っても……」

「管理局員として人を殺す様なことはするな……か?」

「その通りや」

 

 ヴァニアスは少し落ち着いたらしく深呼吸をして気分を正す。これは『任務』で私情を挟むことは許されないのだから。

 

「ヴァニアス君がどんなに人造魔導師の取引に恨みを持っていようが私らは『管理局員』でこれは『任務』や。そのことを踏まえた上でこの任務を完遂させる自信は?」

 

 はやては確認するように、ヴァニアスを値定めするかのような視線で問う。それに対してヴァニアスは

 

「ヴァニアス・マルディニス三等空尉、その任務承りました」

 

 自身があるかないかの答えは要らない。自分は出された任務を受けるだけだと言わんばかりにはやての問いには直接答えず敬礼で返答する。それに対してはやては待ってましたと手を叩き椅子から立ち上がり、ヴァニアスの前まで移動する。

 

「よろしく頼むで、敬礼が似合わない三等空尉さん」

「よろしく頼まれた、自称美少女二等陸佐さん」

 

 そういいながなら二人は握手した。

 

 

 


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