魔法少女リリカルなのはStrikerS~もう一人の副隊長~   作:三日天下

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第四話:模擬戦後

「シ、シグナム副隊長と引き分け?」

 

「え、えっとヴァニアス副隊長のランクって確か…」

 

「AA+でリミッターがついてるからいまはAだよ」

 

スバルとティアナは驚き、なのははティアナの疑問に答える。

 

「シグナムさんはS-でリミッターでAAだよ。リミッターについては今度教えてあげるね」

 

「は、はぁ」

 

なのははティアナの疑問に思ったことを察して答える。

 

ライトニングの二人もスターズの3人ほどではないが驚いている様子だ。

 

「うん♪さすがヴァンだね」

 

その中でフェイトだけが納得していた。

 

ちょっと誇らしげだ。

 

「さぁ、早く行こう?ヴァン達を待たせちゃうよ?」

 

フェイトはそう言って先頭に立ち、屋上を出ていった。

 

笑顔で。

 

 

 

 

ヴァニアス達が訓練場からでてくるとそこには既にフェイト達が待っていた。

 

「…すまない、待たせた」

 

「大丈夫だよ、今来たとこだから」

 

ヴァニアスはフェイトに謝ったが、フェイトそれをやんわりと否定する。

 

その会話を聞いていたなのはは、

 

「なんかデートみたいだね…」

 

っと呟いた。

 

「え?そうかな?」

 

呟きが聞こえたフェイトは首を傾げる。

 

そして、別に違うよね?っと言わんばかりにヴァニアスの方を向く。

 

「俺に振るな…」

 

ヴァニアスは言われてから気が付いたのか居心地が悪そうに素っ気なく答える。

 

「フェイトちゃん…」

 

なのはは親友の天然ぷりに呆れていた。

 

「苦労するな」

 

シグナムはヴァニアスに労いの言葉をかける。

 

「…なんのことだ?」

 

ヴァニアスはシグナムの言葉に対してわからないっととぼけた。

 

「テスタロッサのことだ」

 

シグナムは少し楽しそうに答える。

 

「…なにが言いたい?」

 

対してヴァニアスは不機嫌ですっと言わんばかりの声でシグナムを問いただす。

 

「先輩騎士からただの戯言だ。受け流せ」

 

シグナムはそう言ってヴァニアスの問いに答えることはなかった。

 

「ヴァンさん!!模擬戦格好良かったです!!」

 

「感動しました」

 

シグナムとひと悶着あったヴァニアスのもとにエリオとキャロが来て、ヴァニアスを賞賛する。

 

「……課題点の多かったと思うが?良いか悪いかと聞かれたら悪い部類に入る模擬戦だった」

 

「「……」」

 

ヴァニアスはエリオとキャロの評価を否定する。

 

それを聞いた二人はどう反応していいか分からず黙ってしまう。

 

「もう、だめだよヴァン。エリオとキャロは褒めてるんだから素直に受け取らなきゃ」

 

なのはと話し終えたのかフェイトがヴァニアスのもとに来て、説教をする。

 

「…悪い」

 

「謝るなら私じゃなくてエリオとキャロに。素直に褒め言葉を受け取らないのはヴァンの悪い癖だよ」

 

フェイトの様子は息子を叱る母親のようだった。

 

まぁ、叱り方がいかにも「怒ってますー」っといった感じで可愛いよりなので迫力はないが。

 

「さすがの銃剣の騎士もテスタロッサには形無しだな」

 

ヴァニアスはフェイトにタジタジである。

 

それを見てシグナムは少し楽しそうに言う。

 

「……」

 

ヴァニアスは言わせておけっと思ったのかシグナムを無視してエリオとキャロの方を向く。

 

「すまないな」

 

「い、いえ、あの模擬戦はとても参考になりましたし、ヴァンさんも自分に自信を持ってください。僕はヴァンさんに憧れてますよ」

 

「わ、わたしもヴァンさんのこと凄いと思ってます!!」

 

エリオとキャロは謝ってくるヴァニアスに戸惑いながらもヴァニアスを再度賞賛する。

 

「…俺はそんなに大した奴じゃない」

 

ヴァニアスはだがっと続ける。

 

「お前達の期待には少しくらいは答えようと思う」

 

「ヴァン、それに嘘はないよね?」

 

フェイトは確認をとる。

 

「ああ。ない」

 

「じゃあ、機動六課の試験採用期間が終わって解散した後魔道士ランク昇格試験受けてくれるよね?」

 

フェイトは笑顔で言い放つ。

 

それはヴァニアスにとっては爆弾に等しいものだった。

 

「……それとこれとは話が」

 

「違わないよ」

 

「…ランクが上がると不便なことが」

 

「あるけど低い方が困ることあるよね?」

 

「…今の給料で満足してるんだが」

 

「そういう問題じゃないよね」

「…これ以上仕事は増やしたくない」

 

「管理局は人で不足なんだからランクが高い魔道士がいるに越したことはないの。仕事が増えるのは仕方ないよ」

 

ヴァニアスの言い訳は悉くフェイトに撃沈されてしまう。

 

「…六課の運用期間が終わった後でいいんだな?」

 

「うん♪」

 

フェイトは勝利の笑みを浮かべた。

 

そこへちょうどなのはが来て、

 

「ヴァニアスくんの推定ランクってどのくらいなの?」

 

っと問う。

 

「あっ!それわたしも気になります!!」

 

「少なくともAA+ではないことは確かですし…」

 

なのはの言葉にスバルとティアも乗ってくる。

 

「…AAA「まさかAAAなんていわないよね?フェイトちゃんが魔道士ランク試験受けろっていうくらいだもん」…」

 

ヴァニアスの言葉はなのはによって遮られた。

 

「シグナムどう思う?」

 

「S-ってところだろ。テスタロッサに勝てたとしてもあれが致命的だ…。あれが直らん以上これ以上のランクは無理だろう」

 

「そうかもね…。Sはあげられないね」

 

フェイトとシグナムの方では話し合いが済んだらしい。

 

「S-っていうのが私達の考えかな」

 

「フェイトちゃんなんでSはあげられないの?それに”あれ”ってなに?」

 

なのははフェイト達の意見と話し合いで出てきたものに疑問を持つ。

 

「…模擬戦を見て不自然だったところはないか?」

 

ヴァニアスがここにいる全員に問う。

 

「「「「……」」」」

 

フォアード4人は分からないらしい。

 

「う~ん、シグナムさんの『紫電一閃』を避けてビルに突っ込んだ時に背中に防御魔法を使わなかったことかな?普通なら貼るよね。貼ってなかったから反応できなくって直撃したものだと思ったんだけど…」

 

「…正解だ」

 

なのはの答えに対してヴァニアスは肯定する。

 

「俺が防御しなかった理由は簡単だ。俺は防御が元からできないからだ」

 

「「「「「っえ?」」」」」

 

ライトニングの二人とスターズの三人は驚く。

 

「俺は防御系統の魔法が一切使えない」

 

ヴァニアスはそう言い放つ。

 

だが5人は納得できなかった。

 

当たり前である。

 

魔道士として攻撃よりも回避よりもまず身を守る防御系統の魔法を習う。

 

これは古今東西どこでも一緒で、それができないっと言うのは魔道士としては致命的だ。

 

自分の身を守る術を持たない者は最終的に足手まといになるだけだからである。

 

そんな魔道士をやる上で重要な部分が欠落してるにも関わらずヴァニアスは推定S-という評価をえている。

 

正直な話ありえない。

 

だから、

 

「ありえません」

 

ティアナは否定する。

 

「防御魔法が使えない魔道士がどうやって管理局に入るんですか?嘱託魔道士にしても無理があります」

 

ティアナは自分の常識を守ろうとする。

 

「ランスター、実力が防御魔法を使えないっというデメリットを超えていた場合人手不足の管理局はどうすると思う?」

 

シグナムはティアナに問う。

 

「そ、それは…でも!防御魔法が使えないのを上回る実力があるはずが」

 

「ティアナ、それがあったんだよ。ヴァンは管理局に入った時からAランク、訓練校にも行かずに現場に即投入されるだけの実力があったんだよ」

 

フェイトがティアナを論す。

 

「…お前だって最初からAAAランクだったろ」

 

「ヴァンみたいにデメリットを抱えてたわけじゃないもん」

 

「……」

 

ヴァニアスがフェイトに言い返すと、逆襲が飛んできて何も言えなくなる。

 

「…才能か」

 

ティアナはそっと一人で呟いた。

 

ヴァニアスはフェイトとの言いあいに劣勢になったのかフォワード陣の方を向く。

 

「…とにかく、防御魔法が使えなくても、射撃ができなくても、近接戦闘ができなくても、速さがなくても、レアスキルがなくても魔道士はいくらでもやっていけるっということだ。自分にないものねだるな、あるものでどうにかしろ」

 

「っ!?」

 

ティアナは自分の考えを読まれたような気がして少し顔を強張らせる。

 

「…返事がほしい」

 

「「「「はい!!」」」」

 

ヴァニアスの姿を見たフェイトは

 

「さすが副隊長」

 

っと茶々を入れる。

 

「…黙れ、分隊長」

 

ヴァニアスは満更でない様子で言うのであった。

 

 




独自設定:管理局ではまず最初に防御を習う。

まぁ、普通に考えたらそうですよね…自分の身を守れない奴は最終的にケガをしたりして足手まといになるし、味方に守ってもらわないと攻撃もできんないんじゃ話になりませんもんね
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