幻想散々的   作:Lan9393

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九十九話:種受

「・・・ここが、大樹のなか」

 

あたりを見渡しても暗闇のみ。目がまだ闇に慣れていないのもその原因の一つなんだろう。

まだ体は自由に動ける。しばらく動いたあと、やっと慣れた目で壁に触れる。

それは、木の枝のように長いものだった。

明らかに木材。

それは幹のように太く、そこに存在していた。

 

「・・・脈動してる?」

 

壁は、ドクンドクンと心臓のように音を立てていた。

気味が悪いけれど、そこに小さな穴のようなものがあった。

少しためらったが、声が聞こえたためかついそこから中を覗き込む。

 

『…………アァ…………ア"ァ"……』

 

うめき声がやまない。

そしてその醜い惨状に、つい僕は声をあげて尻餅をついた。

カチカチと歯が鳴る。

恐ろしくってたまらなかった。

ここに取り込まれた人だろうか?

『種』を植え付けられ、そのうえで人は水分を奪われる。それに比例するように成長して行く枝。

枝はやがて葉をつけ、ぐにぐにとまがって人の体に絡みつく。

それを締め上げ、果てにはポキリ、と嫌に耳にこびりついた音。

 

「・・・っ、これが、成れの果て・・・?!同意しなかった人の、か?!」

 

血も涙もない、その光景が頭から離れない。

次の瞬間、何かが僕を組み敷いた。

木だった。小さな木に、人間の腕のような枝が横から生えただけの。

僕は察する。

こいつは、あの人たちをああした原因だと。

上半身にまとっていた服を脱がされる。

すると、次にグリグリと左肩に何かが押し付けられる。

それは皮を破り肉を破り・・・。

 

「ッグゥァアアアアア?!」

 

すべて元どおりに直された。・・・いや、しかし中には異物が残ったまま。

次に腕が切り落とされる。

痛みですでに声すらも出なくなった。

 

 

『ヤット・・・・ミツケタ・・・・“ゲンソウジュ”ノ適任者・・・』

 

 

なんだそれは、と声を上げることも叶わず、僕は意識を失った。

 

——————————————————

 

瀬良Sido

 

「食われないように・・・あなたは、たった一人の適任者だ・・・。俺が知ってる限り、たった一人の・・・」

「瀬良さん?」

「・・・なんでもないっすよ。これで幻想樹は人を喰らわない。また種に戻し、植えない限りは」

「戻ってきますかね」

 

風が吹く。妖夢の銀髪がふわりと揺れる。

俺はそれを見て、幻想樹を見上げた。

 

「・・・おそらく。あと、数年はもってくれれば」

「・・・そうですか」

「まあ、戻るっすよ~」

「わかりました」

 

以後、幻想郷の住民(と言っても一部だが)に活気がなくなった。

一人の犠牲によって・・・。




うぇええええい!
人外!人外が増えるよ!

想鵐「僕は・・・一体・・・」

うんまあ、少なくともただの人間ではなくなるね。
瀬良くんも次の章からは天魔とかになっちゃうし。

瀬良「まだ決めてなかったんすか」

はい。誰か助けて(汗
まあ二人とも出るのは少し後でしょう、と。
次は地霊殿含め新主人公登場ですよ!
そして特に百話記念はやりませんっ!

では、では!
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