「・・・ここが、大樹のなか」
あたりを見渡しても暗闇のみ。目がまだ闇に慣れていないのもその原因の一つなんだろう。
まだ体は自由に動ける。しばらく動いたあと、やっと慣れた目で壁に触れる。
それは、木の枝のように長いものだった。
明らかに木材。
それは幹のように太く、そこに存在していた。
「・・・脈動してる?」
壁は、ドクンドクンと心臓のように音を立てていた。
気味が悪いけれど、そこに小さな穴のようなものがあった。
少しためらったが、声が聞こえたためかついそこから中を覗き込む。
『…………アァ…………ア"ァ"……』
うめき声がやまない。
そしてその醜い惨状に、つい僕は声をあげて尻餅をついた。
カチカチと歯が鳴る。
恐ろしくってたまらなかった。
ここに取り込まれた人だろうか?
『種』を植え付けられ、そのうえで人は水分を奪われる。それに比例するように成長して行く枝。
枝はやがて葉をつけ、ぐにぐにとまがって人の体に絡みつく。
それを締め上げ、果てにはポキリ、と嫌に耳にこびりついた音。
「・・・っ、これが、成れの果て・・・?!同意しなかった人の、か?!」
血も涙もない、その光景が頭から離れない。
次の瞬間、何かが僕を組み敷いた。
木だった。小さな木に、人間の腕のような枝が横から生えただけの。
僕は察する。
こいつは、あの人たちをああした原因だと。
上半身にまとっていた服を脱がされる。
すると、次にグリグリと左肩に何かが押し付けられる。
それは皮を破り肉を破り・・・。
「ッグゥァアアアアア?!」
すべて元どおりに直された。・・・いや、しかし中には異物が残ったまま。
次に腕が切り落とされる。
痛みですでに声すらも出なくなった。
『ヤット・・・・ミツケタ・・・・“ゲンソウジュ”ノ適任者・・・』
なんだそれは、と声を上げることも叶わず、僕は意識を失った。
——————————————————
瀬良Sido
「食われないように・・・あなたは、たった一人の適任者だ・・・。俺が知ってる限り、たった一人の・・・」
「瀬良さん?」
「・・・なんでもないっすよ。これで幻想樹は人を喰らわない。また種に戻し、植えない限りは」
「戻ってきますかね」
風が吹く。妖夢の銀髪がふわりと揺れる。
俺はそれを見て、幻想樹を見上げた。
「・・・おそらく。あと、数年はもってくれれば」
「・・・そうですか」
「まあ、戻るっすよ~」
「わかりました」
以後、幻想郷の住民(と言っても一部だが)に活気がなくなった。
一人の犠牲によって・・・。
うぇええええい!
人外!人外が増えるよ!
想鵐「僕は・・・一体・・・」
うんまあ、少なくともただの人間ではなくなるね。
瀬良くんも次の章からは天魔とかになっちゃうし。
瀬良「まだ決めてなかったんすか」
はい。誰か助けて(汗
まあ二人とも出るのは少し後でしょう、と。
次は地霊殿含め新主人公登場ですよ!
そして特に百話記念はやりませんっ!
では、では!