幻想散々的   作:Lan9393

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百五話:遂に、始動

久遠Side

 

しばらく経つと、バサリ、と羽音を立てて誰かが訪問する。

部屋の中からだらりとその様子を見ていた。

そちらには、白い羽に赤髪。赤目のモグラ帽子をかぶった青年が立っていた。

その青年の隣には黒髪で黒い羽を羽ばたかせて着地する女性。

明らかに不審者です。俺は縁側から外へ出る。

 

「霊夢さんいるっすかー?」

「・・・霊夢に何か用か?不審者さん」

「はは、まさか。オイラは不審者じゃないっすよ」

「もう!天魔様、そんな口調は自重してくださいと・・・」

 

女性は青年へ咎めるように言った。

その女性の言葉に、青年はムッと表情を変える。

 

「そっちこそ、オイラにそんなかたっくるしい言葉を使わないでくださいと何回———」

「あー、瀬良と文。何の用?お賽銭箱はあっち」

 

霊夢さんが障子を開けて彼らに向けて問う。

瀬良、と文?

 

「なんすか!そんな適当に流して!霊夢さんはどうでもいいっていうんすか!」

「どうでもいいわよ。瀬良が天魔と呼ばれようが魔縁と呼ばれようが、私にはね」

 

うわぁ、辛辣。

えーっと、霊夢さんの言葉を整理すると、あの白い羽の人が天魔で瀬良。黒い羽の人が文さん。

ふんふん。・・・人じゃないよな、この人たち。

すると、俺の隣に永久がやってくる。

先ほどまで寝ていたようで、目をこすりながらやってきた。

 

「・・・何の騒ぎ?」

「いやぁ、あの人たちがな?」

「そういえば、自己紹介がまだだったっすね。オイラは園瀬良。こちらが射命丸文さん。オイラ達は天狗っす」

「ふむふむ。俺は齊藤久遠だ。よろしく」

「ああ、久遠くん・・・君が、かい」

 

霊夢と一緒に、瀬良の言葉に首を傾げる。

俺が・・・?

 

「白野想鵐を知る人。違う?」

「・・・想鵐先輩を知ってるのかよ?」

 

瀬良は「そうっすよ」と笑って見せた。

霊夢の顔が一気にしかめっ面になる。なにがあったんだろう?

 

「おーい霊夢!面白そうな感じがしたから、妖夢連れてきたぜ~!」

「迷惑。帰りなさい」

「す、すいません~!!」

 

金髪の少女が銀髪の少女を連れてきた。

誘拐ですかそうですか。

 

「・・・!」

 

霊夢がいち早く後ろを振り返った。

そこの方向は、俺が地底から出てきた場所。

殺気のようなものを感じる。

 

ふわり。

 

霊体のようなものが浮かんでいる。それも、たくさん。

 

「ななな、なんじゃこりゃ!」

「あっちゃー、地底の輩だね、こりゃあ」

「地底の怨霊さんですね」

「なにこれ」

「魔理沙、あんたのせいよ」

「断じて違う」

 

金髪の少女が否定した次の瞬間、ぐわぁ、と吠えた怨霊が霊夢に向かう!

危ない、と手を伸ばそうとしたが届かない。

 

「・・・邪魔」

 

札を怨霊に張ると、怨霊はたちまち消え去った。

・・・呆気ない。

 

「飛焔!出番よ!」

 

彼女が短く呼びつけると、九尾の青年が霊夢の隣に現れる。

霊夢はくいっと顎で指し示すと、飛焔というらしい九尾の青年は走り出す。

うーん、なんなんだ。

 

「飛焔くん有能~」

「もう・・・瀬良さん、私は天狗組織に報告してきますね」

「了解」

 

文さんが飛び上がり、去って行くと瀬良が羽を揺する。

一個だけ落ちてきた種。それを出来るだけ遠くに投げた瀬良はあとは楽と言わんばかりにリラックスし始めた。

ぐんっ、と生えるそれに、俺は驚くばかり。

しかし、少々遅い成長に痺れを切らしたらしい永久が指を鳴らした。

するとその種が瞬間的に成長した。

 

「おやおや、すごいね!」

「・・・これでどう!」

 

地底から湧いて出た怨霊どもを絡め取る蔦がびっしり。

・・・地底?

 

「さとり、こいし!」

「久遠、ちょっと待ちなさいよ!どこへ行くつもり?」

「地底だよ!地底から湧いてるってことは、地底にもなんかあったわけだろ!?」

「・・・?まあ、一人で行くのは得策じゃないわよ。・・・魔理沙」

「おう、わかったぜ。久遠とやらをエスコートすりゃいいんだな?」

 

魔理沙が笑う。

あ、俺がエスコートされるんだ。

 

———刹那、地鳴りが響いた。

 

「今度はなんですか?!」

「みんな、身構えろ!」

「!」

 

ザパァアアアアン!!

地鳴りが止めば、少し向こうで水が吹き出した。

間欠泉、だと!

 

「・・・!おい、よくみろ霊夢!もっと怨霊が湧いてるぞ!」

「なにあれ、変なの・・・」

「・・・魔理沙、早く行こうぜ!」

「おう!」

 

俺は魔理沙(と永久)を連れて勇儀に教わった道から入る。

あの位置はおそらく旧都・・・。

なにがあったっていうんだ、さとり!

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