瀬良「今回はしょっぱなから急展開っすよ。ちょい気をつけてくださいっす!」
久遠Side
なんやかんやあって、俺は二人に追いついた。
追いついて、ホッとしたかと思ったら、俺の背後にさとりが隠れる。
瀬良が高笑いしてるのをみる。こいつ、何か言ったな?!
「・・・なあ、瀬良」
「ん?なんすか?そろそろこの神社の巫女さんが———」
俺は瀬良の言葉をかき消して、言った。しかし、それが瀬良とさとり以外に聞かれてるなんて思わず。
「すいません、お待たせしましたー」
「幻想樹の中にいた人って・・・もしかして、想鵐って人?」
声と声は同時に放たれて、重なり合って、消えた。
シィン、と静まり返る場面。
冷や汗を流した瀬良と、瀬良が見つめる巫女。
巫女さんは呆然とこちらを見ていた。
まるで時が止まったかのように誰一人動かない。しゃべらない。
「・・・久遠、一回その話は」
「どこで見たんですかっ?!」
瀬良の声がきっかけで、巫女さんが瞬時にこちらへ駆けてくる。
ガシッと肩が掴まれ、思い切り揺さぶられる。
うわぁああああ、目が、目がぁ!
「早苗、落ち着け」
「さなえ・・・?久遠!早苗さんっ!」
「!!早苗先輩?!」
俺はバッと早苗というらしい巫女さんから距離をとって、永久の言葉に反応した。
神隠しの被害者の友人だったって重要参考人扱いされていた、あの・・・??!
・・・・・・真実に近づけるっていう興奮よりも、別の感情が湧き上がってくる。
「えっ?」
「なんで、なんで!!あんたは急に消えたんだよ!!」
———怒り。
俺がそう叫ぶと早苗さんはビクッと肩を震わせて、怯える。
そうさせるつもりは無かった。
でも、なんでか体が動いた。
拳を振り上げた。
「久遠ッ!!!」
パシンッ、と俺の手が止められる。
興奮からかどこか浮ついた頭では今の状況は把握できない。
俺はなぜこの人を殴ろうとした?
なんで?なんでだ?
「・・・あんた、こいしを知ってるか?」
「何で、その話に」
「いいから答えてくれ。こいしは」
「・・・神奈子様のところです。案内しますので、どうぞ」
「いいや、オイラと久遠はいいっす。さとりと永久ちゃんがいってきてくだせーっす」
俺が手を引かれて、瀬良に連れられ、少し離れたところに着く。
移動していた時に見えた、さとりのあの顔・・・何を見たってんだ。
俺はわけがわからなくって、前髪をくしゃっとまぜっかえした。
「あんたって、木の内部が見えるのか」
「ああ。その木に精霊がいるなら」
「精霊がいない木があるのか。枯れた木とか?」
「そう。俺はその精霊と同調することで、様々な効果を得ることが出来るんだ」
「・・・それで、木の内部を見たってことか。そういうことね」
瀬良は先ほどと違った口調で頷く。
・・・なんなんだ?
「・・・兄貴ってか、想鵐さん元気だった?」
「前髪と後ろ髪が邪魔なんじゃないかってくらいのびてた。・・・両腕が枝みたくなってて、・・・精霊が食われてた」
「っ?!」
瀬良は俺の話を聞いて目を見開いて。
・・・ただ、ただ、後悔するように片手で顔を覆った。
「連れ出せることは、出来る?」
「あの木に、精霊が足りない。一匹ではせいぜい体の一部を木と同化させるだけだ」
「そんなことできんの?」
「ついさっき試したばっか」
中の人がつぶやいた言葉。
『君は、誰かな』
あれは、俺の脳内に響いたのか、この耳に届いたのか、わからない。
でも、確かに救いを求めてるような、すがるような———。
「・・・まあ、この話は、あとでにしようか」
「ああ」
「おや、どうやらこいし嬢が見つかったようだ」
肩を竦め、瀬良は神社を見やった。
俺もその視線を追いかける。
ドン、と胸元に強い衝撃。
気がつけば、こいしが抱きついていた。
俺はその頭を撫でた。
「・・・よかった、見つかって」
「えへへ~♪」
「どうしてここに?」
「だって、お空が力をもらったっていうんだもん!」
はい?
・・・俺らは同時に目を丸くした。
あれおかしいなこうなるつもりはなかったんだが。
久遠「ははは・・・まあ期間空けば前やろうとしてた展開なんて忘れるよね」
ですよねぇ・・・仕方ないって言っていい?
久遠「でも期間が空いたんだからダメだよ」
・・・はい、すいませんでした。
瀬良「今回、どういう話にしたかったんだか」
早苗さんに抱く感情はいかに・・・という伏線のつもりでしたすいません。
久遠「・・・早急に日常話にしたかっただけなんじゃない?」
まあそれもありますね。
ただ、うん。
妖夢さん・魔理沙さん・輝夜さんと絡めておかないとなぁとは。
それでは!また次回もお願いします!