え?待ってない?知ってますごめんなさい!
本来の目的、来月(九月ですね)には終幕させるということ。
達成いたしませんでした、本当に申し訳ありません。
さてさて、異変解決に本格的に乗り出した四人。
博麗神社を離れて向かった先は?!
そこで、久遠はずっと会いたかった人物と出会う!
どうぞ!
天魔の家。
久遠たちは真っ暗な中、瀬良の案内によってその場所にたどり着いた。
広くはない部屋に、でっかく空いた穴。
その底は見えず、どれだけ覗き込もうとも目を凝らそうとも底らしいものは一切見えなかった。
「ここっす」
「・・・うん、ここな気がする」
「・・・・・・やっぱ、私は・・・」
「アイリス・・・」
ミレイは瀬良をちらっと見やって口を開き、なにを思ったのかそのまま閉じた。
瀬良がそれを見てはぁとため息をつく。
アイリスに巻き付いていたツタがするするとほどけていく。
「・・・ここから離れないこと。勝手に逃げたら今の状況じゃうっかり食われても知らないっすよ」
「わかってるわ。・・・ミレイ、ありがと」
「いいよ、大丈夫大丈夫。彼のことは見たことあるし、平気だよ」
笑みを浮かべるミレイが「いこっか」と催促する。
黙っていた久遠が口を開く。
「どうやって降りるんだよ。底がないって・・・」
「オイラにまたつかまって。飛ぶ」
「うげぇ!お前、速度がやばいから嫌なんだよ!」
久遠が露骨に嫌な顔をして見せれば、瀬良は少々傷ついたように「えー」と声を漏らす。
「そんな嫌な顔しなくても・・・。傷つくでしょうが」
「まあまあ。瀬良、お願いしてもいい?」
「あ、うん。大丈夫っすよ」
瀬良に頼むミレイを見て、久遠は勢いよく彼女の肩をつかんで必死そうに訴える。
「ミレイ、正気か?!」
「降りるだけだよ・・・?」
「そうだけどよ・・・」
冷静な言葉にバツが悪そうに「だけど」とぶつぶつと彼らにも聞こえないくらいの声量で文句を言う。
ミレイは苦笑してから、「瀬良」と呼びかけた。
「じゃあ、行くよ久遠くん・・・・・・あ、アイリス」
「?」
「いってくるね。なにがあったのかは聞かないけれど・・・。大丈夫だから!」
「ミレイ・・・」
瀬良につかまったミレイが力強くそういうと、瀬良を思いっきり引っ張って穴に落ちていった。
瀬良がとっさに久遠を引き寄せる。二人は体勢もきちんとなってないまま、真っ逆さまに落ちていった。
「・・・・・・・・・私が、『不思議の国の少女』って呼ばれてるの聞いたら、連想するでしょう・・・?」
穴を覗き込んで、嫌な顔をしながらつぶやく。
「お仲間と別れたか、アイリス――――なぁ、未だあの国にいる姉に幸せを奪われた少女。気分はどうだ?」
「最悪よ、本当に」
「そうかそうか、それはよかった。・・・時期に、お前のふるさとも、姉のいるところも闇に包まれる」
「・・・」
「楽しみに待っていろ。そこで高みの見物というやつだな・・・クククッ・・・面白いだろ?」
「・・・どこが」
アイリスは不満げにそういった。
―――――――――――――――――――――
「危ない!危なかっただろ!なあミレイ!?」
「あはは、でも瀬良が持ち直してくれたからいいじゃん」
「結果オーライってやつっすね」
「だからって言ってだなぁ!急に落ちるか普通」
久遠は呆れたようにため息をつき、瀬良は小脇に抱えた少年少女のやり取りに苦笑した。
穴の中はとてもファンシーというか、いろんなものであふれていた。
家具が落ちてきたかと思えば、時計やぬいぐるみも落ちてくる。
ぐるぐると三つの針が一回転しては逆に回転して。
ただ一人、久遠だけはこの穴に覚えがあった。しかし、通ったとかそういうわけではない。
このような描写がされていた書籍や絵本があることを思い出したのだ。
「・・・・・・アリス?」
ボソリトつぶやいた久遠は、自分を抱える瀬良の腕をつかみながら穴を見渡す。
あたたかい光がさしているような穴。もうすでにアイリスの姿も見えなくなっていた。
「・・・あいつが、アリスなのか」
首を傾げながら推測を立てるも、彼の中でそれが決定づけられることはない。
そんな久遠の様子を見ていないミレイは下を指さして声を上げた。
「わわっ!減速して瀬良っ。ぶつかっちゃう」
「おっとそれはいけませんなぁ」
「・・・・・・っておい!減速する気ねぇなおいゴラ!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ久遠を無視した二人は身構える。
だんだん地面が近づいた時、ミレイはきゅっと目を硬くつぶった。
しかし、衝撃は何も来ない。
ミレイはおそるおそる目を開けた。
瀬良はいつの間にか着地していて、物珍しそうにきょろきょろしていた。
久遠もすでに下ろされていて、穴を見上げて「やっぱり?いやでも・・・」とぶつぶつとつぶやいている。
先ほどから様子のおかしい久遠のことは置いておいて、ミレイは瀬良に話しかけた。
「どうして無傷で・・・後おろして」
「ん?簡単っすよ。なるべく体に影響が出ないように滑空しただけっす。普段からオイラ、木の上からやってるから」
「・・・そ、そう」
おろしてもらったミレイは穴の底―――広間のようになっている空間を見渡す。
真ん中にはぽつんと椅子とテーブルがあり、その上においしそうなお菓子とお茶が置いてあった。
向こうには扉が見え、その隣には小動物用なのかと思うような小さな扉もあった。
穴の景色とそう変わらないその空間は、まるで自分たちをもてなしているかのような雰囲気で、瀬良は早々に椅子に腰かけた。
「・・・ほう、これはおいしそうだ」
「食べないでよ。こんなところにおいてあるのなんて、怪しいじゃん」
「ん?・・・まあ、それもそうか」
「もう。久遠君は何をやっているの?」
「・・・いや、この光景に覚えがあったから」
頬をポリポリ掻く久遠が二人のもとへ歩く。
――刹那、彼の足元がゆがんだ。
「なッ?!」
「久遠、飛んでっ」
「んな無理な話・・・」
久遠はゆがんでいない地面に手をつき、「土の精霊!」と鋭く呼びつける。
と、その地面が動き、とられた足を捉えて引き上げた。
「おっと」
前へ転がった久遠がゆがんだ地面から離れて、様子を見る。
そこから顔が見えた。
フードを深くかぶった少年。青い瞳が久遠をにらみつける。
「なぁんだ。かからなかったか・・・。ん?姉貴がいねぇぞ?」
「・・・アヤト」
アヤト、と呼ばれた少年は久遠の視線に気づき、「ハンッ」と鼻で笑った。
「そんな目で見るなよ。感動の再開じゃねえか」
「・・・・・・なんで未來に手を貸してるんだよ」
「お前らをたたきつぶせるから。ほら、久遠、ここに残れよ。・・・・・・後の奴はユーマに任せるって決めてるから」
「ユーマ・・・」
「ユーマって・・・優馬?」
どこか冷たい声音でアヤトは言うと、瀬良が彼らしくない表情でつぶやき、ミレイが首を傾げた。
久遠が舌打ちをすると、瀬良がミレイの手を引いて奥の扉に向かって歩く。
「とりあえず、俺たちは先行くぞ、久遠」
「・・・・・・りょーかい。すぐ追いつく」
久遠はそれだけ返すと、マッチを取り出した。
「・・・空間の精霊、アヤト。お前を連れて、永久のもとへ行く」
「できるものならやってみろよ、精霊に愛された俺の主人」
次回はおそらくアヤトvs久遠かと思われます。
久遠「勝ち目がないんだけど・・・なあ、俺マッチでなにするの?いつの間にもってたの?」
まあそれは次回わかるよ!やったね!
ミレイ「・・・・・・私がここに居る意味あるかなぁ」
ありますよ!?
久遠「なんていうか・・・ミレイ活躍章なんだよな?」
・・・ハイ。
とりあえず、それは次回かその次に期待しておいてくださいよ!
それでは次回予告!
二人(え?!)
二人と別れた久遠。
自らを慕ってくれた永久の弟である精霊の彼を倒すことをためらうのか、否か。
そして先を急ぐ二人。
その目の前に立ちふさがるのは――――――?!
それでは、次回、こうご期待!