メキメキと音がなる中、霊夢と魔理沙は飛んで移動していた。フランドールは魔理沙に抱えられたまま。
心配などは一切ない。信用しているという感情から。
「・・・なんで鈴仙は来たの?」
「ああ!てゐがいねぇ!・・・てゐを追っかけてきたんだとよ。まあ、あとは・・・フランもいるらしいって聞いて、な」
「想鵐のことは」
「聞いたら顔をしかめてたよ。『あの人は・・・波長が合わないんですよ』だと」
波長の問題か、とも思った霊夢だが何も言わず、ただ無言で移動する。
フランドールは、たまに後ろを振り返り、先ほどの恐怖に身を震わせる。
霊夢も魔理沙も、介入出来なかった自分を責めていた。
劇薬を飲んでしまった妖夢は、怒りより、諦めに近い感情を露わにし、自らが傷ついても冷静に刀を振るった。
なぜそこまで変えたのか。
『・・・飲みました。強くなる方法って、何かの薬を』
妖夢はなんのために強くなりたいのか。霊夢たちには、いつもならアタフタしたりと、バレバレな妖夢の心境がつかめなかった。
最近そうだ。想鵐が関わった中で、自らが悪い。そう感じる事件は多くなっている。
最初にもある。春雪異変・・・妖夢のおかげで霊夢と魔理沙との関係に一時的にヒビが入った。
永夜異変はとくに関わりはなかった。が、彼女自身思いつめたこともあった。自らの師匠を思い出すほどだ。
あの宴会騒ぎだって、あまり想鵐に妖夢はかかわらなかった。
出会ってからの日数はあるものの、異変ごとに見ていくと短い。
そもそもが想鵐は約一年ほど前にきたばかりだ。
そんなに人々との関わりがなくて当然だ。だがまあ、人(主に妖怪)が集う神社に居候し、霊夢の後について回れば人との交友関係は築けるだろう。
その交友関係で、妖夢は想鵐のために、何故強くあろうというのか。
霊夢は彼に惹かれたから。苦手な努力すらしてみようかなどというきっかけは、彼にあった。彼が人を殺すなどという過ちを犯し、未來を生まれさせたからであるのだ。
魔理沙は純粋に人柄に。そもそも、ほとんどが想鵐を想い、その人柄に惹かれているのだろう。
彼女らが想鵐を助け出すのは、その想いからである。
霊夢の場合は・・・異変、という意味もあるだろうが。
そんな時、霊夢はふと隣を見やる。魔理沙が何かを思いつめたようにこちらを見ていたからである。目が合った時、彼女は慌てて前を向いた。
「・・・なによ」
霊夢が意味不明、というような視線を送ると、魔理沙は「たはは」と笑って流す。
フランドールは魔理沙に抱えられ、その魔理沙の顔を見る。
複雑そうな、今にも泣き出しそうな魔理沙。
なにがあったのかと聞こうとした瞬間、魔理沙はフランドールの頭を撫でて速度をあげた。
霊夢はそれを黙って追う。フランドールはその魔理沙を見て、また彼女も心配そうに顔をうつむかせた。
「どうしたのぜ?さっさといくぜ!」
「さっさと想鵐を見つけて連れ戻さないとね」
「・・・いいや。想鵐は殺すのぜ」
魔理沙は止まったまま、フランドールを離した。霊夢も止まり、フランドールを引き寄せる。その眼光は鋭く、魔理沙を睨む。
無理したように笑って箒でブーストをかけ、彼女ならではの速度で飛んで行った。
「・・・魔理沙」
なにかを思いつめている。それしかわからない。
霊夢はフランドールと顔を見合わせて、それを追いかける。
後ろで爆音は響く。
命の終わりを示すような、大きなものだった。
「妖夢!?鈴仙!?」
「れいむ、れいむ!今は置いていこう!はやく、お兄ちゃん助けないと!」
「え、ええ。ごめんなさい、取り乱しちゃった」
「いいの!ほら!」
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カンカン、と小槌の音が響く。
開廷。
裁判長は頬杖をついて少年を見下ろす。
少年の隣には、少女がいて、その頬はひび割れていた。
ローブを着た男がその少女を押し倒し、その首に手をあてがう。
「・・・あなたは、歪な交友関係を持っているのですね。寂しい・・・」
「うるさい!お前になにがわかる!地獄に来て、平々凡々に暮らしてきたお前に!」
「・・・・・・なあ、なんで、なんで未来が地獄に・・・」
彼の体は動かない。未来と呼ばれた少女を見上げることも、手を組んだまま動くこともできないのだ。
未来はただその少年のとなりにいて、押し倒されて、頭を抱えるだけ。
「私は未来。未來と似て非なる真実。私が知れるのは、その人の真実」
たんたんと告げる。
彼は目を見開いた。なぜなら、彼の知っている未來はもういなかったのだから。
自分を尊敬して、明るくて、でも丁寧な彼女はもういない。
四季映姫のお供となってしまった、思い人の姿がそこにあった。
「・・・博麗霊夢。地獄に侵入。小野塚小町と風見幽香が対応。これが今の真実」
目を細くして、彼を見やる。
首にかけられた重圧にもろともせず。
「さあ、職務怠慢の罪へのお仕置きを考えましょう?」
地獄の主は、それだけいうと全員へ目を配る。
闖入者になんて、反応もしていない。不法侵入が罪であろうとも。
やっふうううううう!!!
想鵐「は、話の持ち運び方が雑すぎる・・・っ!」
しかたないよ!
霖之助「僕は出れたから満足だけどね」
結構前にね。
ではでは!また次回よろしくおねがいしますー!