その次の夜。宴会で大騒ぎの中、僕は砂暗に乗って夜空を散歩していた。
僕はなにをしていたんだ・・・。
なぜ霊夢を枯らし尽くそうとした?彼女は大切な人のはずなのに・・・。
「あら、ご機嫌よう、想鵐」
ふと止まった瞬間、くぱあとスキマが開く。
「・・・ああ、紫か。何の用だ」
「あなたはまだ命をつなぐのね」
頬杖をついた紫が恨めしそうに僕を見た。
「なにが目的なんだ」
「いいえ。あなたに、少し頼みたいことがあるの」
「・・・」
僕は黙って先を促す。
夜空に広がるスキマと、その中から覗く金髪。
紫が口を開いた。
「あなたと妖夢にね。フランドールの世話をしてほしいの」
「は」
「だぁかぁらぁ」
紫はもう一度同じ言葉を言う。
僕は黙って固まり、紫につつかれるが気にしない。というか反応できない。
なんで妖夢と、しかもフランドールの?
「まあ、レミリアと咲夜の手は空いてないってことで。ほら、泊まり込みで世話をするのよ。準備なさい・・・・心の、ね」
「いやいや?!なんでさ!」
「いいから!ほいきたドンドン!」
紫は僕を砂暗ごとスキマへいれてくれやがりました・・・・。
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目が覚めると、銀髪と金髪。声から妖夢とフランだろう。
「いてて・・・あ、砂暗」
一つ鳴いて砂暗は自動的に札へと戻った。
フランが僕の背中に抱きつくと、言い放った。
「おそーい!!」
ぷくーっと聞こえそうな頬に笑ってそれをぷにゅと押すと、てへへと笑ってフランは笑った。
「妖夢は、いつごろから?」
「あなたが来る少し前です。どうがら、レミリア様の人選らしいです」
「なぜ僕が・・・」
「想鵐さんは少しフランドール様の意見もあって、とのこと」
「ああそうっすか・・・」
僕は至って普通の妖夢にため息をつきながら、フランを見た。
世話といってもなにをすればいいんだろう?
と、フランが僕に話しかけた。
「ねえねえ、想鵐!想鵐が幻想郷にくる前って、どんな人と話してたの?」
「・・・そうだな。僕と話してくれたのは、な。未来と・・・あと一人、守矢神社っていう神社の巫女の、東風谷早苗さんだ。他にも・・・ずいぶん前に死んじゃったっていう噂の五人の問題児だよ」
早苗さんは僕の親友・・・と言ってもいい存在だけど、未来を殺しちゃってからは話していない。
五人の問題児、か。今頃どこにいるのかなぁ。
贔屓が大嫌いな真面目な人と、しこたましばかれて痙攣してた人と、無口で見守ってた人と、のんびりしてる人と、その弟。
・・・彼らはきっと僕にとって大切な人だった。
でも、一番最初に霊夢に会った時の伝説の人・・・緋乃くんに似てたなぁ・・・。
彼らの輪の中にはいることはできなかったけど、其れなりに仲は良かったな。
「そう、ですか」
「うん。・・・でも会いたいなぁ」
「問題児さんに?」
フランが首をかしげて聞いてくれば、僕は首を振って答えた。
「ううん。早苗さんに」
「私も会ってみたいです。あなたがそう言った人のこと」
にっこりと笑った妖夢に気恥ずかしくなるも、至って冷静に務め、僕は笑う。
すると、ガタンと扉が開いて、そこから美鈴が登場する。
台車をもって、ボロボロな状態で。
台車の上には美味しそうな料理が三人分。
「妹様、お料理ですよ~」
「うん!美鈴、私の分には混ぜて置いてね!」
「わかりました~」
僕はあちこちに傷がついた美鈴の体をジロジロと見てしまう。
それに気づいた美鈴が照れたようにほおを染めて僕に声をかけた。自らの腕を切りつけながら。血がポタリとスープや紅茶の中へ入って行く。
「この傷が気になりますか?」
「うん・・・それ」
「妹様を守るために風見幽香さんと相打ちしましてね。そうしたら気に入られたのか、毎日来ましてねぇ。訓練になるのでいいんですが」
あれ?確か美鈴って魔理沙にコテンパンされてたような。
・・・・んん?強くなったってことかな?
「では、これで。なにかあったら門まで~」
「あ、うん。わかった、美鈴助かった」
「いえいえ。ではごゆっくりー」
美鈴が退室する。と、フランが台車へ飛び込んだ
自分の分を床へおくと、僕らの分らしい料理の皿を手近のテーブルにおいて行く。
床へ置いていた自分の分を取ると、ベッドに腰かけて椅子に置き、食べ始めた。
気がつけばテーブルには椅子が二脚用意されていた。
「どうも」
「ううん!いっただきまーす!」
フランが美味しそうに頬張る料理には美鈴の血が入ってるんだと思うと、なんだろう・・・食欲が。いやまあ出されたからには食べますけど。
———懐かしい再会はすぐそこに。僕は気づかなかった。
こんなつもりじゃなかった。
でも五十話目いったからよし。
ではでは~!
緋乃「こいつ・・・・無駄に後書き短くしようとしてやがる」