五十三話:風に願うものとは
僕が急いで館を走る。外へ向かうために。博麗神社へ向かうために。
後ろから鋭く声が響いた。
「もう、東風谷はいないわよ」
「なっ・・・」
レミリアの声だった。東風谷・・・なぜ、早苗さんの名前を知っていたのか、と思うが、真面目な彼女のことだ、自己紹介から入ったのだろう。
そこに居合わせたか噂かで知ることは可能だろう。
「山へ向かったらしいわ。さて、妖夢、咲夜。想鵐と一緒に『妖怪の山』へ」
「私が、ですか」
「ええ。咲夜。信頼してるわ。妖夢も、任務のためよ」
レミリアに言われ、咲夜は頷き妖夢はうつむいた。
なんだよ、と僕はレミリアを見やるも、レミリアはふいと顔を背けた。
・・・任務ってなんですか。
何で僕に隠すんですか。
妖夢さんはあからさまに様子がおかしいし、咲夜にいたっては、もう無表情である。
聞いたところで教えてもらえることはないだろう。
まったく、何が楽しいのだろうか・・・。
しかたなく僕は口を開いた。
「・・・行きましょう。霊夢と早苗さんをドンパチさせるわけにはいかない。さっさといかなきゃね。きっと霊夢のほうには瀬良がいる」
早く行かないとと僕はまた走る。外へ転がるように出ると、砂暗を召喚する。それに飛び乗って後ろを振り返る。咲夜に抱きかかえられた妖夢が砂暗に確かに乗っていた。
よし、と砂暗の後頭部を撫でてやる。すると機嫌をよくした砂暗がぐんぐんスピードをあげて行く。
刹那、遠くで赤の何かが高速でそこを飛んでいた。
・・・え。
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瀬良Sido
オイラと霊夢さんは今、妖怪の山をさっさと登ってあの巫女さんを「ギャフンと言わせよう」・・・というところで話が合い、「よしならばさっそく攻め込もう」という考えへと行き着き、二人で激走している。そう、激走であって、仲のいい男女のするウフフアハハなゆったりペースじゃない。
何でこの人は天狗のスピードについていけているんだ?!
という疑問は、巫女に聞いたところであまり意味はないだろうなと自問自答し、少々前を行く霊夢さんについて行く。
ふと、川の近くに見慣れた青髪の少女を見つけた。
「やぁ。瀬良」
「ああ、にとりさんじゃないっすか!すいません、今忙しくて」
青い髪を振って、元気そうに手をあげたにとりさんにふと足を止めてしまい、翼をはためかせたまま彼女の顔を見た。
河城にとりさん。この山に住んでいる河童で、エンジニア・・・だった、かな。物作りが大好きでよくものを作ってくれる。
この頃異様に物をくれるけど・・・なんなんだろ。
「ああ、私も雛んとこにいかなきゃだからな。雛はしばらく厄離れするって言って奥にこもってるよ」
にとりさんは呆れたように厄神だったか妖怪だったかの雛さんのことを言った。
オイラはあははと苦笑したのち真顔に戻る。
「あの人から厄を奪っちゃいけない・・・・っとと、ここで失礼するっす!雛さんによろしく伝えてくださいっす!」
「もちろんだよ。いってらっしゃーい」
「はいっ!!・・・・・霊夢さぁああああん!!!」
オイラは霊夢さんを必死に追いかけた。
思ったより遠くにはおらず、待っててくれたのかと不機嫌そうな彼女を見て思った。
さて、行こうと前へ屈む。
「待ってください!」
しかし、凛とした、しかし幼い声にオイラたちは止まった。
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早苗Sido
「え、ここに・・・想鵐さんが!?」
私はつい叫んでしまいました。しかたないでしょう、あんな別れ方をしてしまった元彼氏・・・まあ、彼はきっと未来ちゃんのことが好きなままだったから、あえてそういうことをしていた親友・・・なんて思ってるんでしょうけど。
そんな考えをどこかへ追いやり、目の前に立つ烏天狗——射命丸さんに詰め寄る。
射命丸さんは軽く笑ったあと、「はい」と頷いた。本当に・・・。
「まあ、私はここで。では!」
「はい。ありがとうございました!」
私の心は踊っていました。
会える、想鵐さんに・・・!
彼が私を覚えていなくても、せめて、せめて会えれば・・・。
・・・私は、博麗神社から来る気配に、早くくださいと呟いた。
風神録。
やっっふい。
瀬良「あれ・・・。なんでオイラの視点に」
だって今回多くたらしこむのは瀬良くんだもの。
というか早苗さんが想鵐くんの元カノとか初耳。
二人「自分で書いたくせになにをいうか」
いや、あの・・・。早苗さんだったら健気に何かするかなって。
あとにとりさんは瀬良のハーレム一員ですw
では!