瀬良Sido
オイラのせいで空気が悪くなってしまった・・・。
ど、どうしよう・・・。
ガサゴソ、と茂みが揺れる。
え・・・もう出てくるんすか?
その茂みから、アニキが出てきた。
「瀬良、遅い———早苗、さん?」
「・・・!想鵐さん!」
早苗にギュッと抱きしめられたアニキはあたふたとする。
刹那、アニキへ向けて四つ殺気が向けられた。
オイラに霊夢さん、咲夜さん・・・って四つ?ん・・・?
よ、妖夢、も・・・?
そんな中アニキは理不尽だと全身で伝えていた。
オイラ的にも理不尽とも思えるような光景が目の前にある、それを理不尽と思えぬ。思えぬのだよアニキ
ハートを撒き散らしている早苗をオイラは引き剥がす。何か面白くないし。
「瀬良さん?」
「なんでもないっすよ。つか、アニキ!妖夢たちに殺気向けられてるの気づかないんすか?!」
「なんで?!なんで妖夢に向けられなきゃいけないの?!」
「それは・・・だって、ねぇ?」
全部言うとおそらく斬られる。
そうか、妖夢、自覚したか。
オイラに言えることはただ一つ、一つだけなんすよ!!!!
「アニキ、がんばっ」
「放棄?!」
まあ少なくともアニキが幽々子さんに歯向かわなければ妖夢はアニキを傷つけないし、だから霊夢さんもおとなしくしていられるんだし・・・。
こういう時って、ほんっとうに鈍感っすよね。アニキ。
早苗はレジャーシートの上でアニキを見上げた。
アニキはそれを見て、懐かしげに見やっていた。
「・・・懐かしいな、このレジャーシート」
「はい。私たちが恋人ごっこしてた時のものですよ」
「ごっこじゃないと思うけど、ね」
アニキ、なにしてたんだろう・・・。
人殺しからの恋人ごっこ。
それに別に好きな人はいるし・・・・・・。ダメじゃないすか?!
「あれ、まだ終わりって言ってませんし、続いてますよね」
「・・・そう、なのかな」
アニキが申し訳なさげに目を伏せた。
そんな悲しそうな顔をするなんて・・・。
「オイラ、帰りますね」
オイラの出る幕ではない。
帰ればいいんだよ、園瀬良。
そうすればまるくおさまるではないか。
「瀬良?」
近づかないでほしいっす、アニキ。
何でかよくわからないけど、アニキを染めてしまいそうで怖いんすよ。
そんなこと言えないからただ笑ってごまかす。
誤魔化さないとおかしくなりそうだ。
「あとはお二人で殺気の中頑張ってくださいっす」
「はぁ?!」
早苗はキョトンとしていた。
オイラはただ、モヤモヤをどうにかするため、飛び立った。
なぜこうなった。
では。