想鵐Sido
「おにーさま♪」
ぎゅうっと何かが僕の背にくっつく。
何かなんて言い方はやめよう。フランだ。
あれから急に懐くようになったフランは、今は博麗神社で霊夢の監視下のもとで暮らしている。あの後、僕がそばにいれば安定するのではないか——魔理沙の馬鹿らしい発言に皆乗ってしまい、今に至る。
そういえば、紅魔館の住民達が人里に言って代表・・・確か、慧音さんか。その人に全員頭を下げていた。
よいことだなと思う。
なぜなら、彼女らは館から出ようとすることはなかった。宴会の時を除けば。
宴会にこぞって現れる彼女らを見て、もっと外へ行けばいいのにとも思うが、なにより姉妹は吸血鬼だ。
宴会は基本異変が終わった晩に行われるから来れるが、それ以外はきっと昼間しか活動する時間はないだろう。
そして、彼女らは昼間に日傘を持って出ている。
とても開放的な関係を作れるようになった証拠である。
僕はそれが何となく嬉しいのだ——おっと、なぜかフランが頬を膨らませている。
「フラン?」
「お兄様、あのね?」
「なんだい?」
フランがもっともっとと抱きついてくる。
じゃれついてくる感じでくすぐったくて、・・・まあ退けるようなことはしない。
「今晩は、宴会でしょう?」
「ああ、そうだね。レミリアたち、ずっと忙しかったから・・・だから紅魔館の人たちと、ね」
僕はフランの頭を撫でると笑ってあげる。
フランはこくりと頷いて僕から離れた。
「迷惑じゃないのかなって」
「え?」
「お姉様たち、霊夢とお酒飲んでる・・・。今日はお仕事だったんでしょ?」
「霊夢はね。でも、異変が終わってすぐは彼女たち出れなかったじゃないか・・・」
フランはまた頷いた。
「フラン。迷惑なんてことはないよ。話せるならそれでいいんだ。霊夢も、口ではつっけんどんなこと言うけど、きっと話せて嬉しいって感じてるはずだから」
「そっか・・・」
霊夢を仰ぎ見る。
レミリアたちと酒を飲み交わしながら楽しげに話している。たまに真顔やらに戻るが、あれはきっと面白いからだろう。
思いっきり笑うこともあるが、霊夢は隠れて笑うことがある。真顔になったりもするのだ。
まあ、真顔の意味は他にもあるから、これは最近気づいたことになる。
僕らが見ていたのに気づいたのか、手招きする。
フランは一瞬戸惑ったように眉を寄せるが、僕が歩くの見たかすぐ追いかけてくる。
「どうかしたのか?」
「いいえ?二人で話しててもあれだし。どうせならメイドとか相手してなさい。ちょっとレミリアと真剣な話してくるから」
「・・・ああ、わかった」
霊夢はどこかさみしげに笑みを浮かべながらレミリアを連れていく。
レミリアはというと、こちらにも目もくれなかった。
どこか死んだように霊夢の後をついて行ったのだ。
「・・・レミリア?」
「お兄様、咲夜たちとお話しましょー!」
「ああ、うん」
僕はフランたちに向き直る。霊夢が座っていた場所に腰掛け、小さい盃を持ち上げた。
酒を飲み下し、霊夢たちの去った方を見やる。
この異変の時僕を閉じ込めていた部屋があるところだ。
霊夢らしき影が部屋の前でウロウロしているのをみる。
いや、あれはウロウロしてるんじゃない、貼っているんだ。
僕は視線を外す。
霊夢の、見ていてはいけない、憂鬱な表情が見えたから。
今回は地の文が長かったかなと思います。
ちょっと意味わかんない。
想鵐「書いたのは君だ」
うん、そうだね。
ずいぶん期間が空いた気がします。
更新してないものからして行こうと思うので、よろしくお願いします。
では!