八十二話:宴会、飛焔誕生
第三者Sido
「大丈夫ですか?想鵐さん。まだ手が痛むのでは・・・」
「だ、大丈夫大丈夫」
「今日は私が食べさせましょうか?」
「っい、いいい、いいよ!幸い、利き手じゃないし!」
「そうですか・・・。ならいいのですが」
想鵐は妖夢とともに砂暗に乗って博麗神社へ訪れた。
そこはもう人で賑わっていた。
「あややや!想鵐さんじゃありませんかぁ!そうだ、ここで取材を・・・」
「うーんと・・・後ででいいかな?ちゃんと取材させてあげるから」
「本当ですか!やたー!」
喜び舞う文を笑って見やると、妖夢が待ってるというように、その辺に立っていた。
想鵐は眉を下げて博麗神社の縁側へ向かった。
「あら、誰かと思えば・・・あんたね」
「やあ。霊夢、元気だった?」
「といっても数日・・・そっか、あんたどこいってたの?」
「山ごもり、かな」
「・・・あっそ」
霊夢が興味なさげに茶を啜った。
「へぇ、宴会なのに茶飲んでる。珍しいね」
「・・・どうでもいいでしょ」
「怒ってる?」
「ええ。とっても」
「・・・ははっ、怖いや」
想鵐は肩を竦めて霊夢に向いた。
手を伸ばして、目を細めて———霊夢の顔の前で握る。
「神社の土を枯らしてしまったんだ。能力が暴走したのかな・・・。だから、逃げた。・・・霊夢、僕の体に封印をお願いしていいかな?」
「・・・それが止んだあとに言ってよかったわね。枯らしまくる真っ只中なら、札すら枯れてたわ」
「ははっ、確かに」
想鵐は笑った。
「ほら、とりあえずあっちいった。札は作っておくから」
「・・・うん」
霊夢はそのまま想鵐を追い出す。
ふぅと息を吐いて落ち着いた霊夢は、そのまま口笛を吹いた。
すると、ドロンと霊夢の目の前に狐火が現れた。
「霊夢様、お呼びでしょうか」
「・・・あんたを、私の式神にするわ」
「そ、それは真でしょうか?!」
「ええ。今回、あんたは私への攻撃を一度その身に受けたでしょ?ご褒美と・・・お礼」
「それは・・・霊夢様が守るべき存在であるからで、これしきのこと当然のことと思います」
狐火少年は、跪いたまま顔だけをあげて、霊夢の言葉に首を振った。
くいっと狐火少年の頬を掴んで上を向かせた霊夢は、そのまま彼のひたいに口付けを落とす。
「・・・--------」
「・・・っ!」
何か印を唱えると、狐火少年の周りに炎が現れ、それは狐火の周りをブンブンと勢い良く飛び回り、挙げ句の果てに狐火の中へ入って行った。
ボゥッと狐火が燃え盛る。
悲鳴は上がらない。ただ、包むように燃え盛る。
「・・・“飛焔”。あなたをそう名付けるわ」
霊夢の目の前には、九尾の狐がいた。
しかし、どこぞのスキマの式神のようにシンプルではない。
首には紐が回され、それには札が巻かれている。
それに左耳にはピアスのような輪がつき、九つの尾すべてに火が灯っていた。
鋭い眼光は紅い。
「・・・我は、主人に絶対の忠誠を誓い、その力の礎となりましょう」
「・・・飛焔。あんたを頼りにしてるわ」
飛焔の背中を撫で、霊夢は笑ってそう言った。
「御意に」
低い声で唸るように言った飛焔に、霊夢はどこか遠い目を向けるのだった・・・。
おめでとう!▼
狐火が▼
飛焔になったよ!▼
というわけで狐火成長話。そして式神できたよやったね!
これは百話以降に向けての準備だと思ってください!
では、宴会後半すぐ投稿します!どうぞ!