想鵐Sido
あの異変は終結し、宴会も終わった。
それは、それは喜ばしいことなんだけど。
「・・・最近、瀬良たちが忙しそうだね」
「そうね。まあ、聞きたいことがあったけど落ち着いてからでも遅くない、か」
天狗たちが忙しいようで、ぱったりと来なくなってしまったのだ。
霊夢と縁側で並んで座る。
僕は空を・・・否、大樹を見上げ、霊夢は茶をすする。
嘆息した霊夢に、僕はやっと大樹から顔を背けた。
「霊夢?」
「・・・レミリアのあの苗は、なんだったのかしら・・・まさか・・・いやでも、何故・・・」
「・・・霊夢」
泣きそうな霊夢が湯呑みを置いて膝を抱えてつぶやく。
僕はただそれを見ていた。
「・・・ねえ、霊夢」
「なによ?」
「偶然かなぁ」
「・・・は?」
僕は、ふと思ったことを口にした。
案の定、霊夢は素っ頓狂な返事を返してくれる。
「この世界があること。この世界にきたこと。この世界に霊夢がいること。みんながいること。・・・全部、偶然かなぁって」
「・・・偶然なんてないわ。すべてはそうあるべきだったから。あなたが幸せになりたいと願った瞬間、生まれた幻想郷。・・・そう、考えればきっと、それは必然になるわ」
「ははっ、なんだかすごい発想だね」
「そうね。そうやって考えれば私たちはあなたのおかげでここに住んでいることになるわ」
霊夢は苦笑して僕の問いに答えてくれた。
なんだかスケールの大きい話のようで、ちょっぴり小さい話だ。
「・・・未来を探すためだったのになぁ」
「ここにきたのは?」
「うん。何時の間にやら、ここにいるのが楽しくなってきてさ・・・。帰りたくないなって。守りたいなって」
手を握って、僕はつぶやくように言った。
あの問題児たちもよく言ってたな・・・、あの世界を守りたいって。
「そう・・・。なら、あなたが居たいだけいるといいわ。・・・たとえ、あなたがどこかで死んでも、居たいだけ」
「そうだね。ありがとう、霊夢」
「ふんっ。まあ、居候にしては手間のかかる居候だけどね」
「なんだそれ」と返して、僕は、コロリと転がる。
霊夢はそれを見て、「暇そうね」と言った。
「まあ暇だね・・・妖夢も魔理沙も来ないから」
「あの騒がしい奴らがいないだけで、こんな平和になるのね・・・」
「あはは!それじゃまるで、魔理沙たちが嵐じゃないか!」
「なによ。その通りでしょ?」
まったくいつもどおりな会話。
楽しい、とても楽しい。
「・・・ずっと、続けばいいのに」
「何か言った?」
「いいや!なんでもない!」
僕ははぐらかす。
霊夢が「なによ」と不機嫌そうにするも、効果は無し。
なんだか自分で思ってて笑えてくる。
・・・翌日、僕は白玉楼へ出かけた。