想鵐Sido
「へ?幽々子様と紫様とお話がしたい、と?」
妖夢は首をかしげた。
それに、僕は頷いて見せる。
「うん。呼んでもらえないかな?」
「それは構いませんが・・・どうして」
「・・・ちょっと、ね。レミリアと話したし、二人とも話したい」
「わかりました。少々お待ちください」
妖夢は何処かへ走っていく。しばらくすると、半霊がふよふよ浮いて僕を連れていく。
連れられていった場所には、幽々子と紫がいた。
「・・・何の用?」
「君たちに折り入って相談があったから」
「相談?」
「ああ・・・相談」
扇子を口元にやって笑んだ幽々子に、僕は笑う。
紫は無言で先を促した。
「みんなのこと。僕、きっといつかこの世界からいなくなると思う。その時は、霊夢によろしくってね」
「あら、簡単じゃなぁい。それに、当たり前のことよぉ~」
「・・・どうして、居なくなると思うの?」
「あの神社裏に植えられた樹。僕はあれが嫌いだ」
どうしても、能力が反応してしまう。
あれは実らせる木だから、なんて本能的に察してしまって。
だから、嫌いだ。
「・・・なにがあったかは聞かないわ。ただ、あなたの魂は私の元へ来ないと許さないわよ」
「ははっ、なんでかは知らないけど、それはないなぁ!」
紫の扇子が閉じたままこちらに向けられる。
くいっと顎を押しやったその動き。僕はただ笑った。
すると、幽々子が口を開く。
「妖夢のそばにいたいから?」
「・・・・それは、ちょっと違うかな。魂じゃあしゃべれないでしょ?しゃべれないのに、付きまとうのはダメだよ」
僕は幽々子の言葉に笑って返す。
ストーカーにはなりたくないものだ。
「・・・そう」
「あ、そぉだぁ!」
紫が頷けば、幽々子が笑って声をあげた。
僕と紫は幽々子を見やって首をかしげた。
「・・・新しい子に、博麗神社を見守らせればいいのよ!ね、いいでしょ!」
「異世界と繋ぐの、疲れるのよ・・・。ま、候補がいないわけでもない。いいわ、その案を採用しましょ」
「わぁい!紫大好き~♪」
「私もよ幽々子」
「あの、もういいっすか?」
僕は二人の世界に入った二人に向けて笑った。
紫がこちらを睨んだ気もしたが、杞憂のようだ。なにもない。
「・・・あなたの用はあれだけ?」
「はい。あなた方に守ってもらいたいので。ではこれで・・・うわぁああ?!」
「じゃあね~♪」
スキマだっ!
気づいた時には遅く、もうすでに博麗神社の境内で尻餅をついていた。
あ、なにかがクッションになったようだ。痛くない。
しかし舞い散る葉。
青筋を立てる霊夢。
状況を把握した。
これは、逃れることができなさそうだ、と。