幻想散々的   作:Lan9393

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六十七話:永遠亭にご挨拶・2

  出口から出ると、そこに待っていたのは砂暗を撫でる未来の姿だった。

未来は僕を見つけたのか、こちらを向いて駆け寄ってくる。

無邪気な笑顔。

 

「あー!先輩!終わったんですね!」

「み、らい・・・?」

 

明かりもろくにない暗闇で、未来の笑顔を見て、その言葉を聞いて、絶句した。

『あの時』の未来そっくりである。

いや、本人であるからには、そっくりでないとおかしいのだけれど。

 

「・・・あの地獄の時には、そんな笑わなかったよね・・・?」

「え?だって・・・あの時はまだ思い出してませんでしたし」

「思い出したの?!」

「・・・私の能力覚えてるんですか?」

 

確か、事実を知る能力・・・・だったね。

僕はそれを思い出して、一人がっくりと肩を落とした。

・・・正確に思い出したわけではない、と。

 

「・・・あなたのしなければいけないことは知っていますし、とやかく言う権利は私にはありません。ただ、一つだけ」

「・・・?」

「私を枯らしたという事実は消えませんし、未來という存在は、そのことによる恨みが具現化したものでもあります。・・・誰のせいかは知りませんが」

 

そっぽを向いて無表情で・・・未来はそう言った。

僕はそれを聞いて、強く胸を叩かれた感覚がする。

 

「僕の、せいか・・・」

「いえ。あなたでないことは確かです。他の人がやったことですから」

 

暖かな、とは言えないほどだが笑みを浮かべた未来は、僕をしっかりと見て言った。

 

「・・・そう、かな」

 

ぺちん、とでこぴんが僕のひたいを襲う。

結構痛かったんですが。

 

「何でも自分だと思い込むのは良くないですよ。決して、可能性がないわけじゃないんですから」

「・・・そっか」

 

未来がそう言った。僕はひたいを摩りながら俯く。

 

「ええ。・・・そうですね。私もあなたになにかしてあげたいですが、生憎と今は未來に見つからないようにしなければなりません。・・・すいません」

「いや、いいんだ」

 

僕は笑みを浮かべるよう努めつつ、未来に言った。

 

「じゃあ、僕はそろそろ行くよ」

「ええ。いってらっしゃい」

「・・・うん」

 

未来の目をしっかりと見た僕は砂暗に飛び乗る。

未来はやがて何処かへ行き、暗闇で見えなくなった。

月が出ている。空も黒く染まり、青白く輝く月がよく映える。

その光景に目を奪われながらも、博麗神社へ目を移す。

その近くには青々とした大樹が立っていた。

なるべく月の近くまで飛び上がり、僕は博麗神社へ飛んだ。

 

・・・朝までは、まだ僕は生きているんだから、ね。

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