ようこそ葛城康平に補佐がいる教室へ   作:地支 辰巳

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 正真正銘最終話です! 本当に長い間ありがとうございました!!

 サーたんさん ふぁみちかさん誤字報告ありがとうございます!!


エピローグ
後日談 この先も俺は


 

 身支度も終え、南雲先輩への綾小路に関する情報も書き終わった俺は校門前に居た。綾小路清隆が居るこの学園に戻って来ることはもう無い。だが、それでも、俺に後悔は無い。後悔は……無いんだ。

 

「康平。わざわざ見送りに来る必要なんて無かったのに」

 

「いや、これは俺の罪だ。涼禅一人に全てを任せた俺の罪だ」

 

 俺が勝手に復讐に巻き込んだって言うのに康平は本当に俺と違って、真面目で実直で良いやつだ。だからこそ、康平のような人間は俺なんか以上にいる価値がある。

 

「謝るのは俺の方だ。こんな形で康平に傷と罪を負わせてしまった。俺のことなんて気にせず、この学校を生き残ってくれ」

 

「っ! ……ああ」

 

 唇を噛み締め、不本意ながらも俺の要望を受け入れてくれる康平。康平だって、俺が独自に何かに動き、何かをしようとしていたかは察していただろう。だからこそ、こんな状況になっても俺を尊重しようとしてくれている。本当にありがたい限りだ。

 

「……もう行かなきゃならない。……ここを卒業した康平と会えることが今から楽しみで仕方ない」

 

「最後に一つだけいいか? 俺はお前の補佐に相応しかったかな」

 

 何故か出てしまった疑問。康平の補佐としてこの学校に入ったのに、結局は康平よりも自分の復讐を優先してしまった。そんな自分は相応しく無かったんのだと分かっている。だが、それでも俺は欲張ってしまった。

 

「ああ! 涼禅、お前は俺の補佐で右腕だ。それは疑いようのない事実だ」

 

「ありがとう。俺も康平の補佐が出来て満足だった」

 

 これは別れじゃない。少しだけ別行動をするだけだ。そう、お互いに成長しあった姿でまた再会するために。この学校を生き残った康平と会う為に俺も研鑽しないとな。

 

 

★ ★ ★

 

 

 真嶋先生からの親切などもあって、俺は真澄と同じ学校に転入し、真澄との再会を果たしていた。だけど、めちゃくちゃ喜ばれた訳ではなく、どちらかと言えば、何をやっているんだという風な顔で見られた。まぁ、それでも受け入れてはもらったんだけど。

 

「はぁ、これからどうすんの?」

 

「具体的には考えてない。でも、とりあえずは大学に合格して、それからはパイプもあることだし政界に行こうと思ってる」

 

「そう言えば、お爺さんが元大臣だっけ?」

 

「うん。今は党内の役職についてる。未だに政治のために父さんの死を解明しなかった爺さんを許すことは出来ない。それでも、綾小路父に近づく為なら、その首に手をかけれるなら、秘書でもなんでもしてやるさ」

 

 綾小路清隆には確かに負けたさ。だが、綾小路を倒すというのは俺の人生の目標と言ってもいいものだ。真澄も巻き込んだこれを勝手に終わらせる訳にはいかない。俺はいつまでも綾小路篤臣の首を狙って生きてやるさ。

 

「無理しなきゃ賛成。……私は綾小路に復讐果たそうが、果たなくてもいつまでも支える気でいるけど、どうなの?」

 

 いつもはストレートに甘えた言葉は伝えない真澄。でも、今は俺の目を見て、問いかけてきている。そして、これは正式じゃないとは言え、添い遂げるのかという誓いだ。そんなものは考えるまでも無い。俺の道は真澄と共に進むだと既に決まっている。

 

「決まってる。俺は真澄と一生一緒に居たい。一生隣に居て欲しい。だから、結婚もして欲しい」

 

「……はぁ、気早過ぎだから」

 

 結婚というワードはまだ真澄からすれば早かったらしく、照れるようにして俯いてしまった。こんな可愛い真澄を見たくてわざと言った節とあるが、本当に思っていることに変わりない。俺は真澄と人生を共にし、そして、綾小路に復讐するのだ。それが俺の求める人生そのものだ。

 

 

★ ★ ★

 

 

「よぉ、遅かったな。随分待たされたぜ」

 

「ごめん。お前と会う覚悟が出来なかった。でも、やっとその覚悟が出来た」

 

 ある病室の一室。そこで俺は自身の妹と久しぶりの再会を果たしていた。涼葉とは涼葉が眠っていた時に会っていたが、目を覚ましてから会うのは本当に久しぶりだ。自分の妹だから、もちろん、会いたかったが、涼葉のこちらの心内が分かっているような目に見つめられるのが怖かっんだ。こんな復讐に塗れた心を覗かれたく無かったから。

 

「聞いたぜ。高度育成高等学校に入学してたんだろ? その様子だと敗れたみたいだけだけどな。まっお兄の選択だ。あたしがどうこう言わねぇぜ」

 

「ああ。俺はこの結果に後悔は無い。自分を貫き通した」

 

 俺を見抜くような瞳に対してももう俺は怯まない。それじゃあ、駄目なんだ。自分の妹にぐらい正直に生きないとな。

 

「あたしはその憎しみなんかには興味ないけどよ。お兄の代わりに2年分楽しんできてやるよ。高度育成高等学校にな」

 

「涼葉! まさか、もう」

 

「ああ、既に合格済みだぜ」

 

 ニヤッと笑う涼葉。そのいたずら心を十分に感じさせる笑みは肩までかかる茶髪とよく合っていた。しかし、何でわざわざあの学校なんかに。涼葉なりに何か目的でもあるのか?

 

「別に大した理由ないぜ? あたしと張り合うような奴が普通の学校には居ないからな。あそこなら、二癖も三癖もある野郎がいるだろうからな」

 

「……確かに……いるだろうけど。だけど、涼葉。舐めていると、退学することになるぞ」

 

「ハッ、あたしはこれまで大して負けてきてないんだぜ? 舐めてもらったら困るな。まっ、だからお兄はもう休め。お兄の後始末ぐらいしてきてやるから」

 

 あの学校の恐ろしさを分かっていないという心配ももちろんあるとは思うが、それを差し引いても涼葉なら、上手く生き残るんじゃないと思わせてくれる。それがどうしても兄として少し誇らしく、頼もしかった。

 

「頑張って生き残ってくれ。3年後に会えるのを楽しみにしてる」

 

「任しておけよ。あたしの実力をあの学校が計り知れるならな」

 

 今日は暗い気持ちで来てしまったが、なんだかんだ、最後には心が楽になったな。でも、本当に楽しみだな。あの嘘を見抜く涼葉の能力が活躍するのが。

 

「ああ、そうそう。お幸せになお兄」

 

「! ありがとう」

 

 本当に食えなくし、俺には理解し切れない妹だ。だが、涼葉のような人間こそが綾小路を上回ったりするんだろうな。




 自分が二次創作を書き始めた頃から始めたこの作品ですが、ようやく完結にすることが出来ました! 本当に読んでくださってありがとうございます!!
 タイトルとはコンセプトが段々と変わっていったなとは思ったりもしたのですが、それでもヒロインとして選ばれた神室をしっかりメインヒロインと出来た思っていますし、葛城をAクラスで生かすという目的もある程度は出来たと自負しております。もちろんご指摘などもあった通り、自分の文才の至らなさが目立つ場面はありましたが、完結出来たことは本当に嬉しく思ってます。
 綾小路を一貫して敵として挑み続ける。そのテーマも上記の書きたかったこと以外に一貫してきていました。自分としては綾小路の評価を上げたいとか、綾小路上げをしたいと言った意図は無く、綾小路がどれだけ人として異質なのかということを涼禅を通して知って欲しかったというのがあります。そのために涼禅には多くの試練が訪れてしまいましたが、彼は彼なりの幸せを掴み、人生はある程度はしっかりと進んでいます。普通の人の人生とは違いますが、これもハッピーエンドであると思っています。
 いまいちキャラを使いきれなかったというのも自分の大きな反省点であると思っています。もっと魅力があるキャラがいっぱい居たはずなのに、その人たちを活躍させられませんでした。
 個人的にはある程度は軸を通し、やりたいことをやれ、自分の書きたかった場面を書けたことは本当に嬉しいです。しかし、ここまで何年もかかってしまったのは本当に申し訳なく思います。

 最後でも匂わせてますが、2年生編を書くのだとしたら、下関涼葉を主人公に据えて書いていくつもりです。ですが、ややこしくなるのと、原作の要素を残したいという点から原作から続く2年生編を舞台にしたいと思っています。次の相棒枠は葛城と同じく不遇感があった一年生にする予定です。投稿予定は未定ですが、この作品のように何年もかけずに投稿したいと思ってます。よろしくお願いします!!
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