牡丹に連れまわされ家に帰る頃にはへとへとになり、シャワー浴びて寝る、と告げると”また明日来るね”と告げられ、牡丹は仕事に向かっていった。
シャワーを浴びようとしたら合鍵で母が来た。
「うっわ、加工なし?コワ…」
「息子に対してなんやその反応」
脱衣所で中途半端に服を脱いでいる途中で来たもんだからまだがっつりメイクに髪のセットもほとんど崩れていないような状況。
「お義母さんみたいな美人っぷり…薄い本が厚くなるわ…」
「やめろ、息子で掛け算すんな」
まぁ、先にシャワー浴びてくる、と言ってざっとシャワーを浴びる…つもりだったのだが、髪が長い、乳房で体が洗いずらい、と数十苦。
男の時の2倍以上の時間を掛けながらシャワーを浴びて出るとカメラ構える母。
ドア脇のタオルをつかむとそのまま投げつけた。
「何やってんねん」
「いや、その構図欲しくて」
「実の息子で構図とんな、親父とやってくれ、そう言うの」
「はっ、母さんの体系じゃロリキャラしかできないんだよ!」
「威張るところじゃないからな」
華麗に避ける母に対してツッコミを入れるが、それでも資料集めを辞めようとしない母。
この母、古平美代子(こだいら みよこ)は人気イラストレーター兼同人作家。
その関係か幼い頃からゲーム、漫画、アニメには非常に寛容的で、“ゲームは一日一時間ではありません、キリのいいセーブポイントまでです。あ、そこ後もう少し進むと激熱ポイント。続けなさい”止めるどころか推奨してくる始末。
それにそれ終わったら宿題しなよーと緩くいってくるのが父と言うのが我が家の構図。
「ちょっとした出来心ジャン」
「せめてタオルくらい巻かせろ、データ流出した時が怖い」
「ひゅーっ!さっすが雛菊ぅ!息子娘がやってくれないことをやってくれるぅ!そこにしびれるあこがれるぅ!」
「数枚だけだからな」
「じゃ、さっそく」
長年こんなリアクションの母に育てられたか、もはやこれくらいの奇行には驚くことすらなくなった。
そうでもなければ牡丹が俺に女装させようとしてくるときに“いい服あんだけどさ…使う?”と流れるように中学生が着れるサイズのメイド服とか出てこない。
……あれ?もしかしてサイズ的に母のじゃね?
なんて、過去のことを思い返しつつも無駄に細かい指定なんかを熟していった。
〇
そんなこともありつつ、土曜であるものの、それなりに特殊な病気として色々な手続きをしてきたと、母から住民票やらを預かる。
色々ナイーブな面のある病気であることから夜間、休日窓口なんかにも対応しているとのことで実際の男性がアレをアレして性別を変えるための簡易裁判所などを経由せずに医師の診断書等で変更が効く模様。
「古平雛菊…名前変動なし、ありがちの年齢変更なし、住所変更もなし…免許書き換え行かないと」
「あと銀行と会社も忘れないように」
「あーうん了解」
「一人で大丈夫?」
「まぁ、成人してるし大丈夫。母さんもう40半ばなのにロリロリしてるからどっちがどっち状態になるし」
「ねー、旦那と歩いてても事案とか、息子と歩けば兄妹ですか、なんていわれるんだもの」
うちの母はロリロリしている。
幼馴染だったと言う父曰く中1から見た目にほとんど変化がないとのこと。
「よく役場大丈夫だったn―――ああ、叔父が役場職員だっけ」
「そーそー。事前に話付けといたからスムーズに済んで助かったわー」
そんなロリロリしてる母とは対照的に叔父は長身イケメンのイケオジである。
たぶん夕莉が歳を取ったらこんな感じなんだう、とうらやましく思う。
「おかん助かった」
「別に良いわよこれくらい。昔っから雛菊には牡丹と夕莉の面倒見てもらいっぱなしだったもの、母親らしくやれることはちゃんとやるわよ」
「で、母だからってVになって息子に絡んで来ようとするのはやめてくれませんかねぇ!」
「ほら、息子が名義別だけど自分で自分のママになるって不思議なことするからお母さんはジェラシーを焼いただけよ」
「母レベルの人気イラストレーターがママになると薄い本にされること必須なんだよ、ってかなんで息子のキャラ見た瞬間全経緯察するの?超能力でも持ってるの?」
「そりゃあんたに絵を教えたの誰だと思ってるの。手癖ぐらいわかるわよ」
…うちの母はバ美肉してる。
イラストレーター”もっちーもんもん”として俺の所属するVtuberグループと並んで二大Vタレント所属企業と呼ばれる企業のグループで2名ほどのママをやっており、自身もイラストレーター仲間と遊ぶためバ美肉している。
「ほら、私が絡んでるのはイラストレーターのベア小町さんだから、熊平虎徹じゃないから」
「なんともリアクションのし辛い返しをしよって!」
俺自身も色々変な経緯があってVtuberになった身なのだが、ママどうする?と言う話の中に、もっちーもんもんが候補と上がっており、それくらいなら、趣味で活動していたイラストレーター“ベア小町”を起用。当初は同一人物でバレなかったのだが社内では税金関係の下りでバレてしまっているが、他のグループ内ではバレていない。情報漏洩絶対許さないマンの弊社最高。
「はぁ、とりあえずベア小町のコラボの件はまだ会社に何も言われてない…と言うか専属じゃないから言われても困るんだけど、どうにかなるから心配しないで」
「その件はザルが缶詰されてるから流れた」
「え、うそ、マジ?またやったのあの人」
「そ、あのサルはソシャゲのログで担当バレして締め切り缶詰」
サルで酒豪でザルの”しゃんぱんサル”さんと言う人気女性イラストレーターがいるのだが、とにかく自分の欲求に素直なので、よくソシャゲの嫁に課金しては納期を遅らせるという、やばい人なのだが、実力はとある出版社が出しているイラストレーター人気格付けで3年連続ラノベの部でクランプリを取っているやべー人。
「俺は来月出る終刊でしばらく落ち着くから問題ないんだけど」
「私は今まで一度も締め切り落としたことないから。出版社から大天使扱いだから」
「相変わらずの化け物っぷり」
ちなみに母はイラストレーター人気格付けで殿堂入り果たしたおかしい人。
「Vやって切り抜きやってイラストレーターやっておまけに声優やってる息子、いや娘の方がよっぽど化け物よ、ほんとに休んでる?」
「休んでる休んでる」
…とまあ、客観から見たら過労死一歩手前と呼ばれるのが俺。
Vtuber:熊平虎徹
イラストレーター:ベア小町
声優:原田鉄
オタクっぽいこと大体やってる系の人、それが俺古平雛菊である。
〇
俺がVtuberになったきっかけは知り合いの音響監督から、声優でVtuberに興味がないか、と言われたこと。
高校時代の後輩からモブの増援を頼まれた仕事終わりのことだった。
以前からVtuberと言う名前は知っていたし、もともとその手のサブカルチャーが好きで、あったが手を出していないジャンルだった。
素人でも、喋りが面白い奴が結構いてよ、と監督のスマホから動画見た次の瞬間、ハマった。結構ドはまりした。沼入りだった。
個人でこんなに面白いんだからバックアップのある状態でやったらそりゃ一つの文化だろ、なんて言われて、監督の知り合いのもとに連絡して色々あってVtuberになった。
声優として伸び悩んでることもあったし、イラストレーターとしても伸び悩んでた時期だったので、ある程度人気になったら正体を告知してもいいか、と言う条件で契約。
…いうタイミングを逃してずるずる過ごしてたら声優としてはイベントの司会の天の声として、イラストも画集出したりとてんやわんやの馬鹿みたいに働いてた。
現状、Vtuberとしても多忙、と言っても問題ないくらい人気やらせてもらっているし、イラストレーターとしても実力が認められた。
ここに声優業が一気に襲い掛かってくる、と考えたらたぶん死ぬ。
医療従事者系の人はどんな体力してるんだろう、ってホントに思う。
そんな感じで、Vと絵描きとしてはそれなりに忙しく、声優としてはのんびりやらせてもらっている。
TSしてしまったから色々と問題だらけなんだけど。
「ひとまず今の問題かたづけないとなー」
私はハイスペックなのにメンタルクソ雑魚ヒロインが好きです(謎のアピール)
配信上のキャラセリフ前に略称
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いる
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いらない