~あの夏の日の絆~原作キャラクターコメンタリー 作:真黒 空
あけましておめでとうございます。
本編を書く息抜きに書いてみました。
スザク「というわけで始まりました、コードギアス原作キャラクターコメンタリー」
ルルーシュ「というわけで、じゃない。これは一体なんなんだ」
スザク「えっ? ルルーシュ企画書読んでないの?」
ルルーシュ「違う。そもそも企画とはなんだ企画とは。俺達は何をさせられているんだ」
スザク「嫌だなぁ、いまから始めるんだからまだ何もさせられてないよ」
ルルーシュ「だからそういう事じゃない!」
スザク「はいはい。細かい事は良いから進行進めちゃうよ」
ルルーシュ「お前という奴は……」
スザク「この企画はコードギアス~あの夏の日の絆~のキャラクターである僕達が、原作のアニメを見てそれについてコメントしていくというものです。初回の司会は僕、枢木スザクと」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージだ。っておい、キャラクター? 原作? アニメ? お前は一体何を……」
スザク「ダメだよルルーシュ。そういうところは突っ込まないのがお約束なんだから」
ルルーシュ「お約束とはなんだ! さっきからお前は何を言っているんだ!」
スザク「はいはい。とりあえず正面のモニターに映像が流れるから、それについて自由に話していけばいいみたい。それじゃあ早速始めようか」
ルルーシュ「だから話を聞け!」
<原作アニメ開始>
スザク「あっ、7年前の僕達だ。子供だね」
ルルーシュ「子供の頃からお前はやはり体力バカだな。というか、いま瞳のアップで出たのはC.C.か? あいつ、もしかしてこの頃から俺達の事を知っているのか?」
スザク「どうなんだろう? と、そのC.C.のナレーションが始まったね。ブリタニアと日本の戦争の話みたい」
ルルーシュ「正直あまり思い出したくもない話だが、この戦争が世界に与えた影響は大きい。世界で初めてナイトメアフレームが実戦投入されたのがこの極東事変だからな。日本ではまだ戦車や戦闘機が主流で、機動力も火力も文字通り桁違いだ。日本が一カ月と持たず敗戦したのも仕方ないと言えるだろう」
スザク「そんな中で藤堂さんが厳島の戦いでブリタニアに勝ったのって凄い事だよね」
ルルーシュ「ああ。まだブリタニア側がナイトメアフレームを使った実戦経験がなかった事を差し引いても、戦力差をひっくり返した手腕は見事なものだ。まぁ結局は局地的な勝利でしかないため、戦争自体の勝敗にはなんら影響を及ぼさなかったがな」
スザク「本当に酷い戦争だったよ。僕らも戦争の勝敗以前に、生きる事に必死だったもんね」
ルルーシュ「10歳の子供が生き延びられたのが不思議なほどにな。もしあの戦争が長引いていたら、お前はともかく俺とナナリーは生きていなかっただろうよ」
スザク「それを考えれば、戦争が早期に終結したのは不幸中の幸いだったね。丁度画面もその場面だよ。日本が敗戦して、ルルーシュがブリタニアぶっ壊すって宣言するところだ」
ルルーシュ「この日の事は7年間一度たりとも忘れた事がない」
スザク「僕もだよ。――そういえば、この頃って一人称が逆だよね。ルルーシュが自分の事を僕って言ってる」
ルルーシュ「そういえばそうだな。お前もこの頃は自分の事を俺と言っていたな」
スザク「なんだかそう考えるとちょっと面白いね。お互い自分の呼び方が逆なんて」
ルルーシュ「あの頃のお前はいまより自分勝手だったな」
スザク「そういう君はいまよりお淑やかだったよ」
<オープニング>
スザク「良い曲だね」
ルルーシュ「ああ。聞いてるだけで闘争心が湧き立てられるようだ」
スザク「ルルーシュの心情を歌った曲なのかな?」
ルルーシュ「そういう一面はあるだろうな。当然、それだけではないだろうが」
スザク「……実は僕、ちょっと気になったところがあるんだけど」
ルルーシュ「ん? どこだ?」
スザク「君、馬乗ってたよね。実際乗った事あるの?」
ルルーシュ「乗馬の経験は本国にいた頃に嗜み程度にはあるぞ。といっても、本格的な指導は受けていないがな」
スザク「は~さすが皇子様」
ルルーシュ「乗馬くらいで大袈裟だな。ブリタニアじゃ貴族でなくても乗馬くらい趣味でやる人間は大勢いるぞ。あと、こっちに来てからは一度もないからな」
スザク「じゃあオープニングのあれはイメージ映像なんだね」
ルルーシュ「そういう事になるな」
<本編開始>
スザク「始まったね。もう戦争から7年経ってるみたい」
ルルーシュ「おそらくこれはカレン達が乗っているトレーラーか。軍に追われているようだな」
スザク「という事はあそこにC.C.もいるんだね」
ルルーシュ「軍の機密を良くあのグループが盗み出せたものだ」
スザク「画面が切り替わった。これって……チェス? あっ、ルルーシュが来た」
ルルーシュ「ああ。これは貴族相手の賭けチェスのシーンだな。そういえばあの日は代打ちの依頼があって足を運んだんだったか」
スザク「一応聞いてはいたけど、本当にやってんだね。そりゃ学生なのにお金持ってるわけだよ」
ルルーシュ「俺とナナリーの状況を考えれば金はいくらあっても足りないからな。俺の腕があれば負ける心配はないから、相手さえ選べば効率の良い資金調達法になる」
スザク「それが黒の騎士団の活動資金になったっていうんだから、この人達にとっては笑えない話だよね」
ルルーシュ「いまの俺達が活動できているのは、こういったバカな貴族達のおかげというわけだな」
スザク「口悪いよ。ルルーシュ」
ルルーシュ「ふん。取り繕ったところで結局はそういう事だろう?」
スザク「そうかもしれないけどさ。君の同級生も心配してるよ。頭の使い方おかしいって」
ルルーシュ「シャーリー、そんな事を言ってたのか。ふん、俺の頭脳をどう使おうが俺の勝手だ」
スザク「そういうところが心配される原因だと思うけどな」
ルルーシュ「だとしても、俺の行動は俺が決める」
スザク「はいはい。画面はクロヴィス殿下の演説だね」
ルルーシュ「こういう弁舌だけは達者だな。兄上は」
スザク「結構演技派だよね。でもちょっと言ってる事も動きも大袈裟過ぎない?」
ルルーシュ「好感を得るには多少オーバーな方がいいんだよ。目に見えて分かるくらいが、多くの共感を得やすいんだ」
スザク「ふぅん。ちょっと僕には良く分からないな」
ルルーシュ「総督は看板役者だとクロヴィスはほざいているが、一面から見ればそれは正しくもある。といってもそれはあくまで一面であって、そんな風にしか考えられないから失脚したんだろうがな」
スザク「……前から思ってたんだけど、ルルーシュって妹には甘いのに上の兄弟には厳しいよね」
ルルーシュ「クロヴィスの総督としての采配がそのまま俺達の生活環境にも影響するんだぞ。見る目が厳しくなるのは当然だろう」
スザク「ああ……なるほど。そういう考え方なんだ。――あっ、ここでルルーシュが言ってる『王様が動かないと部下がついてこない』っていうの、これってルルーシュの考え方が如実に表れてるよね」
ルルーシュ「当然の事だと思うがな。黒の騎士団の活動でいうなら、仮面で正体を隠した男が安全圏からあれこれ指示を出しているのを見て素直に従おうなんて思うか?」
スザク「その理屈には返す言葉がないんだけど……僕としては前線に出てくるのはやめてほしいな。危なっかしくて見てられないよ」
ルルーシュ「ふん。こればかりはお前がなんと言おうとやめるつもりはない。危なっかしいというなら、お前が俺を守れ」
スザク「もちろん。そのつもりだよ」
ルルーシュ「そんな事を話しているうちに、カレンの乗ってるトレーラーが事故を起こしたな」
スザク「みんな遠巻きで見てるだけで何もしようとしないね」
ルルーシュ「どいつもこいつも写真を撮って面白がるばかりだ。ゲームじゃないんだぞ」
スザク「それで君が助けに行ったんだね。さすがルルーシュ」
ルルーシュ「茶化すな。あいつらと同類になりたくなかっただけだ」
スザク「茶化したつもりはないんだけど、でも少し小言は言いたいかな。助けに行くのは良いけど、巻き込まれてトラックに乗り込むなんて迂闊過ぎないかい?」
ルルーシュ「俺に文句を言うな。いきなり動き出したんだから仕方ないだろう。これは周りも確認せずトレーラーを動かした運転手の不手際だ」
スザク「そんな事言ったってもう少し巻き込まれないように立ち回れなかったの? これ傍から見ても最悪の状況だよ?」
ルルーシュ「うるさい! 俺だって巻き込まれたくて巻き込まれたんじゃない!」
スザク「まぁそんなこんなあって、このトレーラーが新宿に行くんだね」
ルルーシュ「名誉ブリタニア人部隊の投入だな。お前もこれに参加していたわけだ」
スザク「うん。命令通り地下鉄網を捜していたらあのトレーラーを見つけて、同時に君も見つけたんだ」
ルルーシュ「相手がお前だったのは、不幸中の幸いだったのかもしれないな」
スザク「僕もテロリストが相手だと思ってたから、思いっきり蹴り飛ばしちゃったよ。痛くなかった?」
ルルーシュ「痛かったに決まっているだろう。そもそもお前の蹴りを紛いなりにも俺が防げたのは奇跡に近い。あのまま蹴り飛ばされて気絶していれば、間違いなく殺されていたぞ」
スザク「ははっ、なんかごめんね」
ルルーシュ「笑い事じゃない。本当に死んでいたかもしれないんだからな」
スザク「まぁまぁ、そうならなかったんだからいいじゃない」
ルルーシュ「能天気な奴め」
スザク「C.C.のカプセルが開いたね」
ルルーシュ「毒ガスと聞いていたのに、迷わず俺にマスクをつけて押し倒したな。入っていたのがC.C.じゃなく本当に毒ガスだったらお前が死んでいたぞ」
スザク「あの時は咄嗟だったからさ、つい」
ルルーシュ「ついで自分を犠牲にして他人を助けようとするのか、お前は」
スザク「他人じゃないよ。相手はルルーシュなんだから」
ルルーシュ「……ふん。まぁいい」
スザク「ここまでは僕らの記憶通りだよね」
ルルーシュ「おそらくな。俺達の知らないところで何か変わっているのかもしれないが、それは知りようもない事だ」
スザク「クロヴィス殿下の親衛隊が来たね」
ルルーシュ「絶体絶命だな」
スザク「ここで殺されそうになって一緒に逃げたんだよね。ルルーシュが親衛隊に僕が撃たれそうになったのに気付いてくれなかったら、本当に危なかったな」
ルルーシュ「あの距離から躱せるお前の身体能力あってこそだがな」
<スザク撃たれる>
スザク「えっ!? 僕撃たれたよ!」
ルルーシュ「なんだと! これはどうなってる!」
スザク「なんで教えてくれなかったの!? ルルーシュ!」
ルルーシュ「俺はちゃんとお前に言っただろう! いや、画面の中では言っていなかったが、おそらくお前の身体が影になってあの男の動きが見えなかったんだろうな」
スザク「そんな冷静に分析してる場合!? 僕撃たれたんだよ!」
ルルーシュ「だからといって俺にどうしろというんだ! 実際の俺はちゃんとお前に警告しただろうが!」
スザク「でも……!」
ルルーシュ「とりあえず、続きを見るぞ。あの時と同じようにトレーラーが爆発して俺とC.C.は逃げたようだな」
スザク「軍に日本人が殺されてるね。酷い……」
ルルーシュ「嫌な光景だ。ブリタニアという国が良く分かるな」
スザク「ルルーシュも混乱してるね。らしくもなくC.C.に当たってる」
ルルーシュ「目の前でお前が撃たれて、新宿はこのありさまだ。状況的にはお前がいたあの時より尚悪いんだから、こうもなるだろう」
スザク「親衛隊、赤ん坊まで殺すんだね……」
ルルーシュ「一体何人殺されてるんだろうな……」
スザク「でもルルーシュは見つかってないみたい」
ルルーシュ「そのようだな。ひとまずあんし……」
スザク「携帯!? ルルーシュ、電源切ってなかったの!?」
ルルーシュ「こんな事態だから切るのを忘れていたんだ! まさかこのタイミングで着信が入るとは……」
スザク「どれだけうっかりなのさ!」
ルルーシュ「ええい! あれは俺であって俺ではない!」
スザク「捕まっちゃったよルルーシュ!」
ルルーシュ「まさか、ここで死ぬのか……!」
スザク「僕もルルーシュも新宿で死んじゃうの!?」
ルルーシュ「だとしたらなんて悪趣味な企画だ! 自分の死ぬ姿を見て雑談しろだと!」
スザク「そんな事言ってる場合!?」
ルルーシュ「場合も何も、俺達にできる事などないだろうが!」
スザク「あっ! 撃たれる!?」
ルルーシュ「C.C.!?」
スザク「C.C.が庇って、助かった……?」
ルルーシュ「いやまだだ。状況は何も変わっていない」
スザク「本当に殺されるの!?」
ルルーシュ「待て。C.C.が俺の手を……」
スザク「これって、C.C.が言ってた契約?」
ルルーシュ「文言は同じだな。俺は断ったが、この状況であれば、選択肢などあってないようなものだ」
スザク「ルルーシュが……立ち上がった」
ルルーシュ「これは、契約が結ばれた……のか?」
スザク「死ねって、そんな事言っても聞くわけ……えっ!?」
ルルーシュ「全員死んだな。なるほど。これがC.C.の言っていた力の正体か」
スザク「えっと……君の言う事を、なんでも聞くって事?」
ルルーシュ「断定はできないが、見た限りではそういう類の力だろう」
スザク「凄い……人知を超えてるよ」
ルルーシュ「C.C.が必ず俺の役に立つと言っていたのも頷けるな」
スザク「ルルーシュ、笑ったね」
ルルーシュ「笑っていたな」
スザク「殺されそうになってあんな訳の分からない力貰って初めて人を殺したのに、なんであんな風に笑ったの?」
ルルーシュ「…………俺に聞くな」
スザク「……」
ルルーシュ「……」
スザク「……まぁなんとなく分かるからいいけどね」
ルルーシュ「だったら最初から聞くな」
スザク「この人でなし」
ルルーシュ「うるさい」
<エンディング>
スザク「終わったね」
ルルーシュ「ああ。なんだか、どっと疲れたな」
スザク「結局僕ってどうなったんだろう? 死んじゃったのかな?」
ルルーシュ「どう、だろうな……」
スザク「もし死んじゃってたら僕、これからずっと自分が死んだ後の世界を見ながら話す事になるの? それってさすがに酷過ぎない?」
ルルーシュ「……」
スザク「やめてルルーシュ。そんな同情した目で見ないで」
ルルーシュ「スザク、次回からは俺が一人でやっても……」
スザク「気遣わないでよ! まだ死んでない可能性もあるんだから!」
ルルーシュ「あ、ああ。そうだな。その可能性もあるな。希望を捨てるには早すぎる」
スザク「だから慰めないでって! もうこの話はおしまい! 終わりの挨拶するよ」
ルルーシュ「挨拶? 一体誰にするんだ?」
スザク「それは――――誰だろう?」
ルルーシュ「お前も分かっていないじゃないか。相手もいないのに挨拶なんて滑稽だろう」
スザク「でも台本には最後はきちんと挨拶で終わらせてくださいって書いてあるよ」
ルルーシュ「おい待て。なぜお前は台本を持っている。俺は何も渡されてないぞ!」
スザク「いまそういうのはいいから。とりあえず挨拶して終わろっか」
ルルーシュ「なんだか釈然としないが、まぁいい。このくだらない茶番をとっとと終わらせるぞ」
スザク「といっても次回があるんだけどね」
ルルーシュ「思い出させるな。正直次は辞退したいがな。心臓に悪すぎる」
スザク「君は生き残ってるんだからいいじゃない。それじゃ僕から挨拶するね」
ルルーシュ「ああ。任せる」
スザク「ここまで付き合ってくれてありがとうございました。また次回も読んでくれたら嬉しいです。枢木スザクでした」
ルルーシュ「本当に誰に対する挨拶なんだ……」
スザク「いいから。ほら、ルルーシュも」
ルルーシュ「分かっている――――このくだらない茶番に付き合ってくれて感謝する。気が向いたなら、次回も見てくれ。ルルーシュ・ランペルージだ」
スザク「それじゃみんな、ばいばーい」
本編とはまるで関係ないギャグ話。
パラレル時空から引っ張ってきてるので、~あの夏の日の絆~のルルーシュやスザクはこの時空での会話を憶えていません。
ルルーシュ達にギアスについての知識があるとかないとか、このキャラクターの事を知ってるのはおかしいとか、~あの夏の日の絆~のどの時間軸から来てるとか、細かいところはフィーリングで補う形でお願いします。
ニーズがあれば続けようかなと思うので、評価や感想などをいただけると嬉しいです。
ちなみにあくまで息抜きで書いてるので、この作品を続けるからといって本編である~あの夏の日の絆~の方の執筆が遅れるような事はありません。