秋霜烈日の正義   作:一切衆生悉有仏性

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 不定期更新と書いておきながら、早速その日にまた投稿した作者です・・・。というのも、まさか、こんな拙作を読んでくださる方がいたとは思えず、嬉しくて思わず筆が走ってしまいました。大まかな構成はもともと温めておいたのですが、この二次創作をどう原作にぶつけるかは、今のところ未定です。作者的には二次創作らしく原作キャラとオリキャラを絡ませたいですが、しばらく独自の世界観が繰り広げられると思います。ですので、原作キャラが好きな方には申し訳ありません。今一度ご容赦くださいm(_"_)m


 作者は素人ですので至らぬ点が多々あると思いますが、ご指摘の点があれば感想欄などにお書きください(作者は豆腐メンタルですのでお手やわらかにお願いいたします(-_-;))。また、本作では、原作の武装検事の設定を尊重しつつ、独自設定を加えていきたいと思っておりますので、原作での設定についてご存じの方も是非情報提供していただければ幸いです。



 最後に、凧の糸様、アドバイスのほどありがとうございました!


 



第弐話 捜査再開

 

 

 倉庫での爆発の後、駆けつけてきた警察官たちと現場処理を終えた修也は、いったん自宅マンションに戻り、幾ばくか仮眠をとった。しかし、少しして彼が起きるとすでに朝日が昇っていた。わずかな休息を味わった修也は、部屋の壁にかけていた時を一瞥し、

 

 

 「もう朝か・・・。」

 

 

 とつぶやき、起床した。

 

 

 あまりに短い睡眠時間ではあるが、武装検事である彼にとってこんなのは日常茶飯事である。武装検事はその職内容から、激務であることはお察しいただけると思うが、それゆえ睡眠時間すらろくにとれないことはざらにある。同じ公務員でいえば、官僚や警察官などの公安職も同様に言えるかもしれないが、武装検事はその仕事のリスクが一味違う。もし給料とリスクがかみ合っていない公務員ランキングがあったら、確実にトップに入るだろう。

 

 

 武装検事、社畜極まれりである。

 

 

 シャー―ッ!

 

 

 シャワーを浴びながら、修也はほんのさっき起きたことを考えていた。

  

 

 『お前は何者だ。なぜビルを爆破した。』

 

 

 『俺の目的のためだ。』

 

 

 『それはおまえが調べることだ武装検事、いや元Sランク武偵『オールラウンダー』神谷修也。』

 

 

 『さらばだ。また会う時まで、死ぬんじゃないぞ。』

 

 

 『ドカーーン!!!』

 

 

 「・・・いったい奴は何者なんだ・・・。」

 

 

 キュッ!

 

 

 シャワーを浴び終えて部屋に戻ると、テーブルの上で携帯がバイブ音を鳴らしていた。タオルで頭をふきながら、修也は電話をとった。

 

 

 「『ブーブーブーピッ!』神谷です。はい、今は自宅にいます。はい、わかりましたすぐ登庁します。『ピッ!』さて、支度するか。」

 

 

 そう言うと、神谷は早速出かける支度を始めた。まず、帰ってきたときに着ていたスーツは汚れてしまったので、予備のスーツ一式をクローゼットから出した。そして、このスーツはただのスーツではない。これは武偵校の生徒が着る制服のように防弾性を兼ね備えており、このような武装検事用の装備*1がいくつか支給されている。次に、腰のベルトにヒップホルスター付きの拳銃を装着し、一度抜いて弾倉などを確認する。確認し終わるとホルスターに戻し、あとは、手錠を腰の後ろに着けて、ナイフを袖の内側に忍ばせ、最後に検察官記章を身に着け準備が整った。

 

 

 「よし・・・行くか。」

 

 

 修也は部屋から出ていった。そして、人のいない閑散とした部屋に静寂が生まれ、その無機質な内装が色濃く顕在化した。ただ一点、机に置かれている”少年少女3人が写っている写真立て”を除いて。

 

 

◆■◆■◆■◆

 

 

 修也が車で向かった先にあるのは、霞が関、知っての通り、日本の中央省庁が犇めく行政の中心地だ。その中で、法務省本省とはじめとして、公安調査庁、そして検察庁が入っている中央合同庁舎6号館A棟、ここに彼の所属する組織、武装検事局本部がある。この庁舎の地下駐車場に車を停めると、彼の元に若い女性が近づいてきた。

 

 

 「先輩!おはようございます。先輩も朝から呼び出されたんですが?」

 

 

 「あぁ、お前も上に呼び出されたのか?」

 

 

 「えぇ、激務なのは覚悟していましたが、研修中でも早朝から出勤することがこれほど多いとは思いもしませんでした。しかも残業時間が長すぎて過労死しちゃいますよ・・・。」

 

 

 「まぁ今のうちに慣れておくのも悪いことじゃないさ。武装検事になればこんなことはざらにある。」

 

 

 「そうですね・・・精進します!」

 

 

 彼女の名前は臼井律子(うすいりつこ)。今年採用試験に合格し、現在研修中の局内で最若手のプロビー*2だ。小柄で人柄もよく、明るい性格であり、修也の所感としては武装検事として優秀な人材であるとの印象を持っている。中でも、プロファイリングの腕は、探偵科(インケスタ)のSランク武偵に引けを取らない実力を持っている。まだ採用試験に合格して2ヶ月しか経っていないが、誰もが通る地獄巡り*3を順調に体感しているようだ。

 

 

 臼井と話しながら庁舎内部に入り、武装検事局のオフィスの前まで歩いていた修也だったが、ロックがかかっているドアの前で止まり、

 

 

 ピーーーピロン♪…ガチャ コツコツ・・コツコツ・・『今日未明、都内の高層ビルで爆発が起きました。警察は事件と事故両方の可能性を視野に捜査を行っています。また、同時期に港湾地区で起きた爆発において、警察は高層ビルでの爆発との関連性があるかどうかについても捜査を行うとのことです。今回の事件では、死傷者はでておらず・・・・・・。』

 

 

 網膜認証を行いロックを解除した。オフィスに入ると、テレビがつけられており修也がかかわった件についてのニュースが流れていた。時間的に人はほとんどおらず、修也と臼井の他には同僚の武装検事が何名かと、直属の上司にあたる角宮(かどみや)部長がいた。彼が、今朝修也を呼び出した張本人だ。彼は、修也たちが入ってきたのに気が付くとこちらに近づいてきた。

 

 

 「神谷、お前今日の未明に起きた爆破事件の犯人を取り逃がしたそうだが、犯人の目星

はついているのか?イ・ウーについての情報は得られたのか?」

 

 

 「いえ犯人の目星はついてはいませんが、どうやら私を知っていたようで、今回の件は罠だったと思われます。犯人がイ・ウーの関係者であるかは確証を得られませんでしたが、私に接触を仕掛けてきたというということは、ほぼ間違いないと思われます。犯人の顔は覚えていますので、ひとまずその線から洗ってみようと思います。」

 

 

 「そうか・・・取り逃がしたのは残念だったが、今の我々は奴らに関する情報をほとんど知りえていない。極力殺さず生け捕りにしろ。」

 

 

 「了解です。」

 

 

 一通りの報告を終えると、角宮はさらに話を続けた。

 

 

 「それから神谷、ちょうどいいお前に頼みたいことがある。」

 

 

 「?何でしょうか。」

 

 

 「実は臼井についてなのだが、お前に実地研修*4の教育係を務めてもらいたい。」

 

 

 「私がですか?なぜです。」

 

 

 「あぁ、彼は研修を始めてすでに2ヵ月は経っているし、そろそろ頃合いだと思うんだが、教育係をする暇がある武装検事がいないんだ。そんな中、現状のお前の任務は、リスク面からいっても教育係としてプロビーを同伴させるにはうってつけだ。」

 

 

 確かに、臼井はもう実地研修に挑むには十分な仕事をこなしている。そろそろ、教育係を選考する時期ではあるが、修也にとってはこの捜査は”ただの捜査ではないのだ”。そんな心中の修也にとっては、いくら臼井であってもそう簡単に連れていくわけにはいけない。それも”彼女以外と”バディを組むのは、少し抵抗を感じてしまう。修也は反論しようと口を開くものの・・・。

 

 

 「ですが・・・「ついに現場に行けるんですか!?先輩とご一緒できるなんて光栄です!」・・・臼井。」

 

 

 「まぁそんな訳だ。こいつのプロファイリング能力は、きっとお前の役に立つだろう。」

 

 

 「・・・了解しました。臼井の教育係拝命します。」

 

 

 結局押されてしまった・・・。

 

 

 「ありがとうございます部長!まさか先輩と捜査ができるなんて・・・ふふ。先輩!よろしくお願いします!」

 

 

 「あぁ、よろしく臼井。」

 

 

 正直不本意ではあったが、修也は隣にいる後輩の純粋な笑顔を見て、仕方ないなとばかりに苦笑交じりに答え、握手をした。

 

 

 「よし、ではこれより2人にはイ・ウーに関する情報収集にあたってもらう。心してかかれ!」

 

 

 『了解!』

 

 

 そして、2人の掛け声とともに新たなバディが誕生した。

 

 

◆■◆■◆■◆

 

 

斯くして、2人の武装検事による捜査が開始された。この先彼らに待ち受けるものは一体・・・。

次回、第参話手掛かり

  

*1
文中でも言及されていたように、スーツをはじめとした、武装検事のために作られた装備が武装検事に支給される。スーツの他にも、新米の武装検事には火器類一式が支給されるなど、様々な装備を支給している。しかし、仕事柄任務中にこれらの装備が損傷することは少なくなく、ある程度経費で落とせるが、別途自己負担することが多い(ただでさえ薄給公務員なのにさらに負担しなくてはいけないのには涙目にならざるを得ない)。また、中には自分で装備を調達する武装検事もおり、ある程度キャリアがあるほど、その傾向が強い。まさに仕事人のこだわりである。

*2
新入りや見習いに対して使う言葉である(本作では研修中の新米武装検事のことを指す)。海外ドラマでは、刑事ものでこの言葉が使われることがある。本作における武装検事の設定には、FBIをはじめとしたアメリカの連邦機関の仕組みにインスパイアされた面があり、これはその一端として表れているのだ。まぁ、要するに作者の趣味である。

*3
難関である採用試験を突破した武装検事の卵は、半年間の研修を受ける必要がある。まずは事務手続などを覚えるためにデスクワークをこなし(基本2ヶ月)、ある程度経過して、問題ないと認められると次は実地研修に赴き、教育係たる武装検事がこれを監督、評価し最終的な合否を判断し、合格すれば正式に武装検事としての身分が与えられる。これを経験した者が一貫していうのが「地獄だった。」という言葉である。以降、地獄巡りといわれるようになったこの研修では、武装検事としての職務を全うできるか、最後の関門として立ちふさがる(要するにめっちゃ働く)。まさに最難関。これを突破したものは、一人前の社ち…おっほん!武装検事になることだろう。

*4
研修期間をある程度過ごしたプロビーは、実際に犯罪捜査を行い、武装検事としての職務を全うできるか、最終的な判断が下される。本作では、臼井が実地研修に挑むこととなり、修也がその教育係を務めることになったが、文中でも言及されていたように、武装検事は多忙であるほか、基本単独で行動する武装検事にとってプロビーの存在が邪魔に思われていることもあり、教育係を務められるものがなかなか現れない。そんな事情から、あまりにひどいと研修期間(地獄)が延長されることもある。




人物紹介

・臼井律子…武装検事(プロビー)、年齢は23歳。今年武装検事局に入局した新人武装検事。武装検事としての能力はさることながら、特筆すべきはプロファイリング能力で、その実力は探偵科のSランク武偵に引けを取らないほど。武装検事としては、最短コースでの入局であり、この年で入局できたものは数少ない。修也とは、彼女がまだ高校生の時からの付き合いで、まだ修也が武偵のとき、依頼を受けた先で出会った。その後、当時修也が通っていた大学に進学し、とうとう武装検事にまでなって追いかけてきた・・・え?やばくね?

・角宮部長・・・武装検事、年齢は45歳。武装検事としてのキャリアが豊富なベテランであり、現在は、武装検事局第2部長として修也をはじめとした武装検事を指揮している。武装検事局内に部長は2人いるが、彼は主にテロといった公安関係の事件を扱う第2部の部長をしている。武装検事としての長年の経験を活かし、捜査の指揮をとることから部下たちからは厚い信頼を置かれている。


いやーどんどんオリキャラが投入されましたね。あと遂に女性のオリキャラが登場しました!自分でこういうオリキャラのプロフィール、特に女性のを考えるのは本当に難しいですね。それはさておき、今回のお話はいかがだったでしょうか?正直原作に入る見通しが全く立っておらず、作者自身どうしようかと焦り始めたのですが、一応本作のテーマは「武装検事」ですので、まずは武装検事という職業を作者の考える世界観で構築していきたいと思います。前書きでも書きましたがこんな感じのがしばらく続きます(そもそも続きを書くのか?)。ここまでお読みいただきありがとうございました。次回の更新も生暖かい目で見ていただけると嬉しいです。



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