秋霜烈日の正義   作:一切衆生悉有仏性

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 明けましておめでとうございます。今年は皆様が公私ともに充実した日々が過ごせますように祈願いたします。
 

 どうも、お正月パワーですっかり書く気力が失われていた作者です。やっぱりこの時期は余計だらけたくなりますよね。スマホゲームもお正月ムード真っ盛りですし。 

 さて、今回が新年一発目の投稿となります。素人なりに今までで一番気合を入れて書いてみました。また、読者の皆様にご報告することがございます。本作は見切り発車のうえ、このサイトの機能も熟知していないド素人ですので、皆様の知らぬ間に、文章や設定を修正している点がいくつかあります。例えば、第弐話で登場した臼井瑤子の名前を律子と変更するなど、それなりに重要な修正をしている箇所もございますので、気になさる方にはご迷惑をおかけします(※大部分はこの名前変更ほどの修正ではないので、気になさらずともお読み頂けると思います)。今後は各話ごとに修正点を入れていきますので、第壱話と第弐話に関しては読者の皆様に直接ご確認いただく必要があります。ご了承くださいm(_"_)m


では、長々とお書きしましたが、2021年も頑張っていきましょう!どうぞ!






 


 


第参話 手掛かり

 

 現在、修也と律子は庁舎地下にある科学分析室*1にイ・ウーの手掛かりを探しに向かっていた。二人で歩いていると律子は修也に話しかけた。

 

 「先輩、これから私達が調べるイ・ウーとはどんな組織なんですか?話を聞く限りだとその全容はほとんどわかっていないようですが・・・。」

 

 「あぁ。少なからずわかっていることは、その組織が実力者揃いの戦闘集団ということだけだ。世界中のどんな軍事国家も手出しできないだしく、最近は日本でも活動しているという情報が入ったくらいで、その目的もメンバーの素性すらわかっていない。」

 

 「イ・ウーは日本で一体何をしようとしているのでしょうか?」

 

 「さぁな。少なくとも、この国に害を為す存在なら叩き潰すしかない。」

 

 「そうですね・・・でも私たちならきっとできますよ!」

 

 「・・・そうだな。」

 

  そう話しながら歩いていくと、科学分析室前に到着した。

 

 「ここに来るのは初めてか?」

 

 「はい、存在自体は知っていましたが、こんなところにあるとは知りませんでした。」

 

 「扱う物が物だからな。用がない限り近づくこともないし、ここには武検局*2でも武装検事ぐらいしか訪れない場所だ。君も将来来るだろうから覚えておくように。」

 

 「わかりました!・・・それより先輩、私たちもう長い付き合いですし律子と呼んでください。他人行儀みたいで少し寂しいです・・・。」

 

 「・・・わかった考えておくよ。」

 

 こうして、二人は仲睦まじく・・・

 

 「はい!(ちょっと強引すぎたかな?まぁでもここまで(武装検事局)追いかけてきたんだから今更だよね!せっかく一緒に仕事をするんだから、このチャンス活かしていかないと・・・。でも仕事もしっかりやらないといけないし・・・どう両立していこうか?)」

 

 仲睦まじく?科学分析室へと入っていった。

 

 

◆■◆■◆■◆

 

 

 科学分析室へと入っていった修也と律子であったが、律子は初めて入ったためか少し期待に胸を膨らませながら思案していた。

 

 「(初めてここに来るけどんな感じなのかな?やっぱりドラマみたいにクールに仕事をこなして・・・)『おい!事件番号D306SWで使われた銃の線条痕の特定終わったか!』・・・(うん?)」

 

 「まだです!ほかの作業に精一杯で終われません!あと追加の分析依頼も来ています!」

 

 「くそが!どんだけ仕事しても一向に増え続きやがって!そんなに俺たちをあの世に逝かせたいのか!?(うーん!?)」

 

 「グダグダ言わずに仕事しろ!いつまでたっても終わらないぞ!(うーーん!!?)」

 

 しかし、律子の予想をことごとく裏切り、そこには予想していたものと正反対のもの、有り体にいえば修羅場が眼前に広がっていた。あまりに思っていたのと違かったためか、律子は動揺を禁じ得なかった。

 

 「せっ先輩。これは一体?何やら皆さん鬼気迫る勢いなのですが・・・。」

 

 隣にいる修也にこの惨状について聞くと・・・、

 

 「あぁ、そういえば話してなかったな。ここでは分析官*3が武検局の扱う全ての事件の分析を引き受けているんだが、たまに膨大な量の依頼が一気にきてこうしてパンクしかけることがあるんだ。普段はこれほど殺気立ってはいないんだが、知っての通りうち(武装検事局)はどこも多忙でな。ここ(科学分析室)も例外ではないということだ。予算の問題的にもまぁ仕方ないとしかいえないな。」

 

 何度か経験があるのか、修也は平然としながら律子にこの状況について説明した。武検局のブラック性の一端を改めて実感した律子は・・・

 

 「なっなるほど。武装検事も大概ですが、本当にここ(武装検事局)は大変ですね。」

 

 「そう思えるのは最初だけだ。いずれ骨の髄まで(・・・・・)身に染みて慣れるさ。」

 

 少々この職場を引き気味に感じ、修也も在りし日の自分を思い出したのか、どことなく死んだ目で見ていた。

 そんなこんなで、この光景を眺めていた二人のもとに、一人の女性が近づいてきた。

 

 「あら、修也君じゃない。こんな朝からどうかしたの?」

 

 「(うわーすごい美人)。」

 

 律子は突然現れたこの女性に少し見惚れていたが、修也は見知っていたのか平然としていた。

 

 「おはようございます桂木さん。実は、お忙しいのを承知の上でお願いしたいことがあるんですが・・・。」

 

 「勿論、修也君の頼みなら喜んでしてあげるけど、見ての通り忙しくてね。ものによっては時間

がかかるわよ?」

 

 「構いません。ありがとうございます。」

 

 彼女の名前は桂木美佐江(かつらぎみさえ)。科学分析室の主任分析官で、修也もよくお世話になっている人物だ。

 

 「どういたしまして。ところで修也君?隣にいるこちらのお嬢さんは?」

 

 美佐江は律子に会うのは初対面だったので、隣にいる律子について修也に聞いた。

 

 「あぁそういえば。紹介します。本日付で、私のもとで実地研修を受けることになった臼井武装検事です。」

 

 「初めまして。紹介にあずかりました臼井律子です。せんぱっ神谷武装検事のもとで本日から実地研修を行うことになりました。よろしくお願いいたします。」

 

 「可愛らしい新人さんねぇ。私は桂木美佐江。ここで主任分析官をしているわ。よろしくね。何かここに用があったら私に遠慮なく言ってちょうだいね。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 「でも驚いたわ、まさかあなたが教育係をするなんて。あなたの性格なら引き受けないと思っていたのだけど、もしかしてこの子のことが好きなの?」

 

 紹介が終わると、美佐江はいきなり爆弾発言をかましてきた。突然のことに、律子は 

 

 「!?(え?いやそんなわけ・・・先輩鈍感だし、今回の実地研修も乗り気じゃなかった。でも、桂木さんの話通りだったら多少なりとも私に好意があるのかな?もしそうだったら・・・もしかして相思相愛!?(※違います)だったら、そこからどんどん私への好意を高めていって、あわよくば・・・)

 

 ひどく動転していた。

 

 仮にも探偵科のSランク武偵に匹敵する能力を有する彼女は、修也のことになるとその能力も形無しになってしまうようだ。その優秀な頭脳を、お花畑ワールド全開で高速回転させ深い(浅い)考察をしていた律子であったが、

 

 「いぇ、そんなことは。臼井の実地研修の教育係に適任なのがちょうど私しかいなかったので、角宮部長に頼まれまして。」

 

 「あら、そうだったの。」

 

 「(ガーン!!)」

 

 現実は非情であった。律子は打ちひしがれてしまい、悲壮感漂わせる結果となった。そんな律子の心中を察することなく、修也は話を進めた。

 

 「では、立ち話もこれくらいにして、早速お願いしてもらってもいいですか?」

 

 「ほんとせっかちね。まぁいいわ仕事をしましょう。何をしてほしいの?」

 

 「はい、きょう未明に起きた爆破事件で、港湾地区の倉庫で遭遇した人物の顔の3Dモデルを作成して、各機関のデータベースと照会してほしいんです。」

 

 「なるほどね・・・わかったわ。じゃあ付いてきて頂戴。」

 

 一行は分析ルームへ足を進めた。

 

 

◆■◆■◆■◆

 

 

 分析ルームに向かった修也たちは、修也が見た人物の特徴をもとに顔の3Dモデルを作成していた。あのとき、月明かりが差し込んではっきり見えた人相を修也ははっきりと記憶しており、現状これが唯一の手掛かりだった。

 

 「・・・(あのとき、奴はわざわざ自分でフードを上げて顔を曝け出した。自分の人相を知られても問題ないという愉快犯なのか。それとも絶対にたどり着けないと確信していたからだったか・・・。おそらく後者だろうが、あえて見せてきたんだ。何かしらのヒントを残していると考えるのが妥当だろう。これが糸口になればいいが・・・)。」

 

 カチャカチャカチャカチャ!カチャッ!

 

 「よし。できたわよ修也君。修也君?」

 

 「・・・あっはい。すいません考えごとをしていました。」

 

 作成しながら犯人像を思案していた修也であったが、美佐江の呼びかけにいったん我を戻した。

 

 「そう・・・。まぁともかくこれでできたと思うけど、どうかしら。」

 

 画面に映し出された3Dモデルを見た修也たち。そこにはあの時修也が遭遇した人物と瓜二つの顔が表示されていた。

 

 「思っていたのと随分と違う印象ですね。これが例の爆破犯なんですか?」

 

 「えぇ確かにこの顔です。桂木さん、これをデータベースで照合してくれませんか?声の特徴から日本語を流暢に話しており、年齢も10代半ばのような声でしたのでまずは、日本の各教育機関のデータベースから照会してみてください。これが奴の本当の顔なのかはわかりませんが、実在する顔ならば手掛かりになります。」

 

 「わかったわ。ただこの顔だけだと結果が出るまでしばらく時間がかかるわ。早ければ今日明日中にわかるから、結果が出たら連絡するわ。」

 

 「ありがとうございます桂木さん。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 「ふふ、いいのよ。さぁ行って二人とも仕事がまだあるんだから。」

 

 「はい、これでお暇します。」

 

 目的も達成し、美佐江に促されるまま退散しようとしていた修也たちだったが、部屋を出る前に彼女に声を掛けられ

 

 「あっ修也君。ちょっと話しておきたいことがあるんだけどいい?」

 

 ドアのところで呼び止められた。少しいつもより真剣そうな顔をしていた美佐江を見て、修也は

 

 「臼井・・・先に外に出ていてくれないか?少し話があるようだから。」

 

 「先輩・・はい、わかりました。外で待っています。

 

 先に律子だけ外に出し、カチャンとドアが閉まると美佐江が口を開いた。

 

 「ねぇ修也君。あなた最近生き急いでいない?さっきもかなり真剣そうに考えていたようだけど、この事件に何か執着していることでもあるの?」

 

 「・・・。」

 

 修也は黙っていたが、美佐江は話を続けた。

 

 「この仕事は本当に忙しいわ。公務員だから薄給だけどその割に仕事は多いし。でも、あななたち武装検事は常に危険と隣り合わせ、特にあなたたちのような若手はどんなに優秀な人材でも殉職することが少なくない。そんな子たちを見てきたからわかるけど、修也君、あなたこのままだと早死にするわよ。」

 

 「・・・確かに、私はこの事件に執着しています。おそらく今回の教育係に任命した角宮部長も、そのことを察して、彼女をそばに着けたのでしょう。安全装置のために、私が先走らないように。」

 

 「なら『ですが・・・私は止まりませんよ桂木さん。』・・・。」

 

 「私は、あいつ(・・・)のために、この事件の犯人を必ず見つけなけばいけない。絶対にだ。」

 

 「あの子が修也君を慕っていても?明らかに彼女、あなたに好意を寄せていると思うけど・・・。」

 

 「えぇ、たとえ臼井が私に好意を寄せていたとしても、いま言ったことを変えるつもりはありません。」

 

 「・・・わかったわ。でも死んじゃ駄目よ。また若い子が死ぬのは悲しいわ。」

 

 「勿論です。どんな危険な目にあったとしても、彼女だけは守ります。私の問題に、彼女を巻き込めませんから。」

 

 「彼女だけじゃなくあなたもなんだけどね・・・。」

 

 「・・・善処します。」

 

 修也の執着心に気づいて忠告した美佐江だったが、彼の強い意思に、美佐江はなくなく折れてしまった。

 

 「じゃあ、私の話はこれでおしまい。さぁ行った行った!」

 

 「呼び止めたのはあなたでしょうに・・・ありがとうございます桂木さん。あと、この事件の遺留品も警察から取り寄せるのでその分析もお願いします。」

 

  ガチャン

 

 美佐江の話も終わり、修也は部屋を出ていった。一人部屋に残った美佐江は、椅子に座り

 

 「(全く、忙しいって言ったばかりなのに、置き土産にまた仕事を増やしていって・・・。頑張りなさい二人とも。死ぬんじゃないわよ。)さてと、仕事仕事。」

 

 手間のかかる弟の世話をする姉のような思いに駆られながら、仕事を始めた。

 

 

◆■◆■◆■◆

 

 

 部屋の外に出ると、そこでは律子が待っていた。

 

 「あっ先輩!お話は終わりましたか?」

 

 「あぁ終わったよ。待たせてすまんな。」

 

 「いえいえ。先輩、次はどこに行くんですか?」

 

 「事件現場に向かう。警察が何かつかんでるかもしれない。」

 

 「ついに現場ですね。楽しみです!」

 

 「余りはしゃぐなよ。」

 

 「わかっています!」

 

 そして、二人は科学分析室を後にする。ちょうど二人の後姿を見た分析官の一人は、一見仲がよさそうにみえるも、その実二人の間には歪な溝が引かれているように感じた。そして、その分析官は同時に、その構図に一時の哀愁も感じたのだとか。これが彼らの今後にどう影響していくのか。それはまだ、誰も知らない。

 

   

◆■◆■◆■◆

 

 

 互いにすれ違う想いのかたち。果たして、この二人の武装検事が真のバディとなる日は訪れるのだろうか・・・

 

次回、第肆話臨場part1

 

 

 

*1
中央合同庁舎6号館A棟地下にあるラボ。武装検事局所属で、他の捜査機関と同様に科学的な分析を必要とすることから、武装検事局設立と同時期に設置された。技官(分析官)が数名おり、日夜(・・・)仕事に勤しんでいる。

*2
武装検事局の略称。

*3
武装検事局に所属する技官の呼称。文中にもある通り、彼らは武装検事局が扱う事件すべてを引き受けることから、常に多忙を極めている。また、たまに分析依頼が一挙に押し寄せることがあり、その時の分析官たちは武装検事(・・・・)ですら引くほどの形相になり(原因はこいつら(武装検事))、関係者は余計近寄りがたくなる。なお、桂木さんは例外の模様。全員が法務省採用の技官ではなく他の省庁から出向している技官もいる。そのため、人員の入れ替えがそれなりにあり、最初は大抵その仕事量に押しつぶされるが、数年で出向から戻ってくると、出向前より段違いに逞しくなっているのだとか・・・。




人物紹介

・桂木美佐江…科学分析室主任分析官、年齢は『女の年齢を聞くのは野暮よ♪』・・・不明。科学分析室の中では在籍年数がかなり長い古参分析官。たいていの分析官は、数年で出向するが彼女は出向せずに残り続けている。彼女曰く、「仕事は大変だけど、ほかの職場より楽しい。」とのこと。修也とは彼が入局したときからの付き合いで、よく彼からの依頼を引き受けている。優秀な分析官で、一度大手民間企業からヘッドハンティングされたが、断っている。同性でも見惚れるほどの美人。


 社畜は武装検事だけではないのだよ?ということで武装検事局の捜査をアシストする役割を持つ科学分析室が登場しました。まぁ武装検事が多忙ならそれをアシストする彼らも然りですね?まぁちょっと書いててかわいそうな気持ちにもなりましたが・・・。
 それはさておき、新オリキャラとして主任分析官の桂木さんが登場しました。正直自分で言うのもなんですが、私の書いたオリキャラの中で一番好きなキャラです(ゆーてまだ3話目だけど)。こういうお姉さん系の人ってなんかいいですよね?おかげさまで文量が増えましたw
 あとは律子ですが、一気にフラグを圧し折っていきましたね。小説情報にオリヒロインと記載していますが、いったいいつ登場するんだ(すっ呆け)?
 今回、じっくり前回の更新からそれなりに経って、結構いい話ができたと思います。今後もこれくらいのペースでいい感じに仕上げていきたいと思います(自分でハードルを上げていくスタンス)。
 ここまで読んでくださりありがとうございました。次回の更新も生暖かい目でご覧ください。
  
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