東方妖々夢 予告編
とある雪の降る日、俺は再び夢を見た。
死霊が飛びまわる美しくもどこか悲しげな桜並木の道。
その先にはまるで死へと誘うように咲き誇る美しくも恐ろしい桜の木。
それを眺めているのはまるで亡霊のように幽かな雰囲気を持った死装束の女性。
「桜が綺麗だな……」
「貴方も、死んでみる?」
彼女の美しい微笑みは、文字通り俺を死へと誘っているようにも思えた。
とある雪の降る日、幻想郷から春が奪われた。
「……死へと誘う桜か」
『五月です。ちなみに夏みかんの旬でもあります』
「今年の冬が長いだけよ、多分ね」
「これは春度っていって、簡単に言うなら目に見える春だな」
「こんなのにお嬢様が倒されたというのが未だに信じられません」
「――気を付けて。この異変、ただで終わる気がしないわ」
失われた春を取り戻すべく、俺と月美は異変解決へと乗り出す。
しかし、今回の夢で出会った女性のあの言葉が、まるで俺を誘っているように思えた。
「まったく、遊び過ぎは体に毒よ」
「生憎、こっちは寒さの所為で身体がかじかんでんだよ」
「猫だからってなめないでくださいよ‼」
「猫は大人しくこたつに丸まっていた方が良いぜ」
「その魔法使いと出会った不幸を呪う事ね」
「ったく、可愛い猫又の次は綺麗なお人形さんかよ。気が滅入るぜ」
「……演奏会前で忙しいけど」
「久々のお客さん相手のリハーサルとして」
「プリズムリバー楽団の奏でる音楽を存分に楽しんでいってね」
「ああ、期待させてもらうぜ」
「魂魄 妖夢、お嬢様の盾としてここは死守させていただきます‼」
「神無 悠月、俺と幻想郷の為にここは死ぬ気で通らせてもらうぜ‼」
「紫様に手出しした罪、万死に値します」
「伝説の妖獣が従者ですか、何か親近感を感じます」
「貴女にはわからないわ。大切な友人を失った私の哀しみなんて」
「解りたくないわ。その友人を助けることも出来ない妖怪の哀しみなんて」
「……大丈夫、俺が必ず食い止めてやるよ」
「お気を付けて、この先で待っているのは最凶の死ですよ」
「それがアンタ自身を滅ぼすとしてもか?」
「ふふ、もしそうだったら紫に怒られちゃうわね」
様々な想いが交錯する冥界に集う表と裏の役者たち。
そしてユウキが目にしたものは、夢で見た死を誘う桜、西行妖の咲き誇る姿。
その前に揺らめきながら佇んでいたのは、夢で出会った死装束の女だった。
「お前は……」
「――貴方、死んでみる?」
死装束の女は美しく微笑みかける。
それは文字通り、俺を死へと誘っているかのように残酷な笑みだった。
「――そんなので、私は斬れないわ」
「だったら当たるまで攻撃するだけだ‼」
『まさかあの西行妖、意志を持ってるの……』
「こういう状況で言う事ではありませんが、綺麗ですね」
「邪魔する奴らは全員殺す。例え誰だろう」
「ああもう、今日は散々だぜ」
「こういう時に霊夢はどこをほっつき歩いてるのかしらね」
「ああ、今日はツイてないわね」
「情けないわね、賢者何て呼ばれてるくせにが大切な友人一人救えやしないなんて」
「私を、殺して……」
「アンタはどこまで行っても人間よ。それにだって限界だってあるわ」
「こんなこと言ってもアンタは躊躇わずに前に進むのね」
「さっさと終わらせなさい。あのお姫様を助けるんでしょ」
「俺は人間だから、アンタの苦しみと悲しみを理解することも背負うことも出来ない」
「でもさ、そう簡単に絶望なんてするな。アンタには大切に思ってくれる奴らが居るだろ?」
「それにさ、アンタは泣いているより、笑っている方が何倍も綺麗だぜ」
「アイツは、幽々子は涙を流すより笑顔を咲かせた方が美しいからな」
「魂を殺す桜と神を殺す刀、どっちが強いのか勝負と行こうぜ」
「――貴方、一体何者?」
「ふ、綺麗な景色が好きなだけのただの人間だ、憶えておけ」
空亡「さて、いよいよ始まります妖々夢、果たしてどんな展開になっていくのか」
悠月「序盤から面倒な奴が参戦しそうなセリフがあったんだが?」
月美「それよりも私の台詞って少なすぎませんか‼」
悠月「たった二言、それも片方はただの豆知識だな」
空亡「何を言いますか、月美に言わせたらおもしろうなのをわざわざネットで調べて……」
月美「その労力をもっと他の方に活かしてはもらえませんか‼」
空亡「あはは」
月美「笑い事じゃありません‼」
悠月「月美の奴、ここに来てからキャラが崩壊し始めたな」
空亡「まあ、そんなこんなで次回からもよろしくお願いします。それでは」
月美「作者ー逃げるなー‼」