東方絆紡録   作:空亡之尊

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第一章『紅い霧に潜む狂気』
東方紅魔郷 予告編


とある夏の日、俺は夢を見た。

 

夜の闇すらも覆う深紅の深い霧が月を紅く染めていた。

目の前には血の様に真っ赤な紅色に染まる不気味な館がそびえ立ち。

その頂上には紅い月を背に七色の不思議な羽根をシャランと鳴らす幼い少女の姿。

 

 

「君は……?」

 

「ねぇ、遊びましょ♪」

 

 

少女は無邪気に笑った。

それはそれは無邪気で楽しそうに、そして残酷なほど狂おしかった。

 

とある夏の日、幻想郷は紅い霧に包まれた。

 

 

「紅い月…………これはこれでありかもな」

 

「めんどくさいわね。私はまだ眠りたいのに」

 

「にしし。それじゃあ、私は先に行ってるぜ」

 

「“紅魔館”、そこに異変の首謀者と“彼女”がいるわ」

 

 

紅い霧による異変の解決に動く博麗 霊夢と霧雨 魔理沙。

そして、夢で出会った少女を見つけるべく“紅魔館”へと向かう神無 悠月。

 

 

「わは~。美味しそうなのか~」

「この紅い霧の所為で狂ってるのか。面倒だな……‼」

 

「あたいが成敗してあげるから、覚悟しろ‼」

「やれやれ、今度は氷の妖精か。……いいぜ、相手してやるよ」

 

「紅魔館の門番、紅 美鈴。ここから先は一歩も通しません」

「神無の御子、神無 悠月。悪いが無理にでも通らせてもらう」

 

「今日は侵入者が多くて大変ね。静かに本も読めないわ」

「心中お察しするが、文句ならこの館の主に言ってやれよ」

 

「貴方に私の能力(トリック)が見抜けるかしら?」

「見破れないトリックなど存在しない、俺の友人の言葉だ」

 

「不幸体質は今でも健在の様ね、ユウキ」

「咲妃、お前まで幻想郷に来てたのかよ……」

 

「“あの子”に会えば、貴方、“死ぬ”わよ?」

「それでも俺は会いたい、いや、会わなきゃいけないんだ。“あの子”が悲しむ理由を知りに」

 

 

紅魔館の主、レミリア・スカーレットの制止を振り切り、辿り着いたのは暗い地下室。

一見普通の部屋の中、紅く染まる月明かりの下に、“彼女”はいた。

“彼女”はその背に生えた七色の不思議な羽根を鳴らしながらこちらへと振り向く。

 

 

「君は……?」

 

「ねぇ、遊びましょ♪」

 

 

彼女、フランドール・スカーレットは無邪気で残酷な笑みを浮かべる。

そして、弾幕ごっこという死亡遊戯(ころしあい)が始まりを告げた。

 

 

「アハハハ♪ 楽しいね、お兄さん」

 

「この子、本気で殺りにきてる」

 

「こんなの、弾幕ごっこじゃないぜ……‼」

 

「止めなさい‼ フラン‼」

 

「そ、そんな……ユウキ……‼」

 

「嘘吐きッ‼」

 

 

 

 

 

「貴方は本当にお人好しね。赤の他人でもある吸血鬼の少女を助けてる為に命を懸ける」

 

「だったら、もう一度立ち上がりなさい。ユウキ」

 

「貴方になら使えるはずですよ。今まで紡いできた“絆の力”を」

 

 

 

 

 

「もしも、君が狂気に呑まれるのが運命と云うのなら、俺がその運命をぶち殺してやる」

 

「ならば、君が抑えきれない狂気に心を委ねてしまったなら、俺が必ず受け止めてやる」

 

「それなら、君が孤独と絶望に押し潰されそうになった時は、俺がいつでも傍に居てやる」

 

「だから、今度は思い切り俺らと遊ぼうぜ。なぁ、フラン?」

 

「お兄さん、一体誰なの?」

「面倒事が嫌いなただの人間だ。憶えておけ」

 

 

 

 

 




空亡「さて、そろそろ紅霧異変ですね」
悠月「前から言おうと思ってたんだが。前のと同じならまとめて出せよ」
空亡「………………はあ」
悠月「その『夢の希望もない人間』を見るような眼で俺を見るんじゃねえ」
空亡「まあそれは僕も一度考えましたけど、ちょろ出しの方が長続きしやすいので」
悠月「その前に見てくれる人が居ればの問題だけどな」
空亡「直視したくない現実を見せないで下さいよ……」
悠月「相変わらずの茶番だが、まあ、これからも温かい目で見てやってくれ」
空亡「紅魔郷編、楽しみにしていてください」
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