浮かれた五条悟は死ね   作:moti-

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【警告文】

 本作品はキャラの心象の勝手な推測・捏造があります。
 また、ぼかしておりますが原作のネタバレがあります。呪術廻戦8~9巻部分です。
 それ以上のネタバレはありませんので、ネタバレが嫌いな方はその二冊だけを読んで頂いてからの読了をおねがいします。
 そうでない方はこのままどうぞ。


かっこいい五条悟は死んだ

 目を覚ますとTS踏み台テンプレ転生者になっていた。

 

 ここまでの記憶はない。覚えもない。

 すぐ近くにあった鏡を見たら、髪は銀色。かなり白っぽくもあるが。目は赤と青のオッドアイ。

 どうしてオレがこんなことになっているのかさっぱり見当もつかないが、オレは天才だからさっくりと理解する。

 

「次回は百年後か……感謝の意を伝えねば……な!」

 

 きっと神がオレを選んだのだろう。そういうことだ。これは明白なる天命。まにふぇすと・ですてぃにー。

 声は低め。男であった事情を考慮してだろうか。神様というやつはなんていい人なんだ。前世の冷蔵庫にある餅は全部あげます。

 あんこが詰まってておいしいよ。

 

 はてさて、自分自身のことについてしっかり理解できたなら現状把握のお時間だ。

 周囲を見回す。

 窓が鉄格子で覆われている。天才なオレは一瞬ですべてを理解した。

 

 ──監禁だこれ……。

 

 文句なしに監禁であった。

 自分の見た目が天に愛されすぎたものであるということは理解しているが、だからといってここまで厳重にするものだろうか。

 鏡に向かってポーズ。顔の横にピースを二つ。そして頬に笑みを象ってみる。

 

 はい、かわいい。

 これは人類史史上最大のかわいさでないだろうか。

 

 うん、間違いない。

 オレは間違いなく美少女だった。

 

 

 おわかりいただけると思うが、一般人が転生したときにすべきことというのは意外とわからないものだ。

 だがオレは歴戦の転生モノ読者。

 つまるところ、こういう際のテンプレートというのは自分の頭の中にしっかりと描いている。

 テロリストが襲ってきたときの対処法なんかもきっちり考えていた歴戦のなろう読者なのだ。

 

 こうした際にすべきことというのは、まず魔力だなんだの探知から始めるのだ。

 

 オレの転生は見た感じ、比較的若い。

 たぶん十三歳程度。

 つまり訓練をするにはうってつけなのだ。

 

 よし、なろう式の基礎力特訓やろう。

 

 さっそくオレは魔力を探る。

 鏡の前でやることにした。

 椅子の上に胡座で座って、だ。

 瞑想の途中で目をあけてもかわいいオレの顔が見えるわけだし。

 

 よし、そうとなったらさっそく魔力の訓練である。

 がんばっちゃうぞ。

 

 

 

 暇です。

 魔力探知はできるようになりました。

 

 自分の天才さが祟って、一瞬で探知できました。今は魔力をぐるぐる回して遊んでます。

 なーんも起こらねぇでやんの。

 退屈だ。

 退屈は人を殺す。外に出たりはできないんだろうか。

 ぼーっとする。

 鉄格子がなければいいのになぁ。そう思って、じーっと睨んだ。

 

 ──なにかが放たれた。

 それはまるで、なにかに食われたかのように、オレの目の前のものを消し飛ばして進んでいく。

 外が見えた。

 

「…………」

 

 え、なに。

 ひょっとしてオレ、睨んだだけでこんなチートなもの出せるの? やばくない?

 遠くから聞こえる声。悲鳴。怒号。

 違うんです、そんなつもりじゃなかった。

 

 そう弁護しつつ、一方でオレの頭の中は『逃げれる』という思いでいっぱいだった。

 まるで自分のものじゃないかのような思いに突き動かされるように、そのままオレは外へと飛び出す。

 

 とっさの思いつきで、魔力を体に纏わせる。

 目に見えて速度が変わった。

 やっぱりオレは天才かもしれない。いいや、天才だ。

 だからあっさりと、どこか古臭い門を走り抜けて、外へ外へと飛び出していった。

 

「おっと」

 

 ──そいつと出会ったのは、そんな折だったはずだ。

 

「そんなに急ぐと転ぶよ」

 

 オレの腹に手を当てて、動きを止めやがった男。

 オレと同じような白い髪。そして輝いているのは二つの蒼い目。

 数瞬考えて結論を出す。

 

 きっとこいつはオレの兄なのだろう。

 エクセレントな解答だ。テストならきっと満点越えて五千兆点だろう。ふっふっふ。

 

 しかしオレの天から賜った美しすぎる体にナチュラルに触るのは許せない。

 

「……お気遣いどーも」

 

 軽く睨んだ。

 瞬間吹き荒れる、なにか。

 忘れてた。

 おそらく睨むことがトリガーだ。やっちまった。

 あんな破壊を生むもの、人に向けたらどうなるかなんていうのはわかっている。

 やべぇよやべぇよどうしようあそれどうしようとあたふたするのは一瞬。

 

 オレの後ろに立っていた男が、ぽん、とこちらの頭に手を置いた。

 

「危ないねぇ。僕じゃなかったら死んでたよ」

 

 よかった、生きてた。

 ほっとすると同時に、『どうやって?』という疑問が浮かぶ。

 普通なら死ぬと思う。

 なのに生きてるってことは、つまり普通じゃないということか。

 

「虚式「茈」が睨んだだけで発生する──だからこその幽閉措置。

 けどあの程度じゃ足りなかったみたいだね。ほとんど希薄だったはずの自我も復活したらしい。僕が戻ってきた理由としては、ちょうどいいくらいではあるけど」

 

「……?」

 

 きょしき・むらさき。それがあの()()()の正体。

 専門用語でオレにはよくわからなかったが、危険性だけはわかる。

 普通、外に出したくはないはずだ。

 

 だからといってまたあの場所に戻るというのもなんか違う。

 オレは睨まないようにしながら、男のほうを見た。

 努めて無表情。その成果が出たのか、例のむらさきとやらは出ることはなかった。

 魔力を纏ってないのもよかったかもしれない。

 

 こちらの顔を見て、どこかわかったように笑う男。

 

「大丈夫。心配しないでも、あの部屋には戻ることはない。僕に任せといてよ」

 

 

 

 

 

 

 

 ──しかしながら。

 

 この男というものは、どうにもこうにもろくでもないところがある。

 それなりにちゃんと考えてはいるのだろうが軽薄であり。

 そしてなにより人の心がわからない。

 

 だからオレが、こう思うことくらい許してほしい。

 

 

「浮かれた五条悟は」

 

「死ねっっっ!」






 だ、だってじゅじゅさんぽで五条悟がじゅじゅ○んぽしたからぁ!

 この作品に浮かれてない五条悟はいません
 彼に幻想を抱いてた系の人間と共に死にました

 続きません
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