ガンダムビルドダイバーズ Behind the scenes   作:ほぼ読み専

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招かれざる者たち

「な、んだ――! なにが起きた!?」

 

 ラビアン・クラブのコアユニットへ、ビームサーベルを突き立てたテンカワが困惑して叫んだ。

 

 ――00:00:48――

 

 ブラックサレナが二本のビームサーベルを振りぬく。

 

 ついに耐久値がゼロとなり、内部から爆発が起こり崩壊してゆくコアユニット。

 

 撃破判定が間に合ったのか、それは誰にもわからなかった。

 

 

 ――なぜならば、残り時間コンマ五秒を残してタイマーがストップしていたからだ。

 

 

 それはミッションがクリアされたことによるものではない。いくら待てどもミッションの終了告知がされる様子がないのだから。

 

「これはどういうことだ! ロータス卿!」

 

 あまりにも不可解な事態に主催者を問い詰めようと、オープンチャンネルでテンカワが問いかけたと同時。

 

『ぐおっ!? なにやつ――ッ!!』

 

 レイと相対していたロータス卿の乗るマーメイドガンダムを、どこからか飛来したビームが貫き、主催者である彼の姿は爆炎の中に消えた。

 

「なに!?」

「攻撃!? どこから!?」

 

「きゃあ――ッ!?」

「ラピスッ!?」

 

 背後からの悲鳴にレイが振り向けば、そこには信じられない光景が広がっていた。

 後方に位置していたユーチャリスの船体、槍の穂先のようなそれが()()()にへし折れていた。

 

「……ごめん! アキトッ――!」

 

 力なく呟かれたラピスの言葉を最後に爆散し、ポリゴンの塵となって消えるユーチャリス。

 

「ラピス! 「テンカワさん! 囲まれてる!」なにッ――!? ぐっ!?」

 

 コアユニットから離れたテンカワのブラックサレナを、四方からの複数のビームが襲う。

 

「これは……!?」

 

 機体の特性から一番索敵範囲の広かったレイ。彼女の警告によってなんとかそれらの射線をかわして周囲を確認すれば、いつの間にそこにいたのか。テンカワは六機のMSに包囲されていた。ライフルにシールドというスタンダードな装備をした完全な人型であるそれらは、どう見てもロータス側が用意したNPD機ではない。

 

 次々と起こる異常事態。明らかに何かおかしな事が起きている。早く事態を把握しようと、焦りながら周囲を探るレイの耳にその声は聞こえた。

 

「天誅――ッ!」

 

「――セナッ!?」

 

 ウィングスラスターから光の尾を引きながら、最大速度で加速したカイムがイフリート・ゲヘナの背後に迫る影に切りかかる。

 

『――あれ~? バレちゃった?』

 

 振り下ろされたビームサーベルの先にいたのは一機のガンプラ。ウェイブライダーのような形態で、機体全体を歯車のような巨大なサークル状の刃の中に納めている。

 機首の先にはその刃が突き出して、それが高速で回転してぎゃりぎゃりと耳障りな音を立てては、カイムのビームサーベルと火花を散らせていた。

 

 セナの割り込みがなければ危うく背中から両断されていただろう。いくらレーダーに集中していたとはいえ、殺気に気を配ることを疎かにして奇襲を許した事実にレイは内心で歯噛みする。

 

「わたしは少し離れたトコにいたからね。ラピスさんを攻撃したヤツの動きが見えたんだ――よッ!」

 

 手首、肘、肩、腰。カイムの関節を総動員してこちらへ向かってくるベクトルを逸らし、物騒な武器を装備した敵機を明後日の方向へといなしてやりすごしながらセナが答える。

 

『チッ、つまんないわね~』

 

 ふてぶてしくもオープンチャンネルで舌打ちをひとつ。レイたちから距離を取った襲撃者の機体が変形しMS形態になる。それは【機動戦士ガンダム 水星の魔女】に登場した【ガンダムルブリス・ソーン】の改造機で、ダークレッドに変更された機体色と、両手には半円の形をした特徴的な刀身の実体剣を持っている。

 

 ――そしてなにより、その機体は禍々しい紫色のオーラを纏っていた。

 

『……もう遊びは十分だろ。さっさとやるぞ』

『はいは~い』

 

 どこか気だるげな、覇気を感じさせない声音と共に、さらにもう一機のガンプラが姿を現す。

 

 こちらは【ガンダムルブリス・ウル】の改造機であり、機体色はダークグレー。元キットではひとつだったビームガトリングガンを二丁持ちし――このガンプラも紫のオーラを纏っている。

 

「……マスダイバーね」

「そういえば前にもミッションに乱入されたね」

 

 乱入してきた二機の出すエフェクトにレイたちは見覚えがあった。それは【終末を召ぶ竜】にて邪魔をしてきた者たち。レイにとっては印象深い一人のビルダーを思い出させる。

 

「ハァ……よりによってこんなタイミングでこな、くて――も……」

 

 ルブリス・ウルの改造機、その全身をカメラに収めたレイの言葉が半ばから途切れ、呆然としたようにモニターを見つめる。

 

「……レイ? どうかしたの――」

 

 その姿に訝しむようにセナが問いかけたその時だ。

 

『クソガキ、てめぇはあっちのガンダムフレームを――「おまぇぇぇぇッ!」』

『うわっ! ちょ、なによ!?』

()()()()()()をどこで手に入れた!? クソマスダイバー!!」

「レイ!?」

 

 突然フルスロットルでブーストを吹かし、レンジに捉えるやイフリート・ゲヘナの全てのビーム砲から射撃を浴びせながらレイが叫ぶ。その様はセナをして、ここまで激昂した姿を見たことがないほどに荒れ狂っていた。

 

『あァ!? なんだテメェ!』

「そのガンプラはなぁ! お前みたいな薄汚いチート野郎が使っていいものじゃないんだ!」

『ンだとテメェ! なに様のつもりだコラァッ!!』

 

 浴びせかけられたビームの雨を、ルブリス・ウルはシールドビットらしきものを展開して防ぐ。おそらくは水星の魔女で使われたガンビットに区分されるそれは、ブレイクデカールの効果もあってかレイの攻撃を受けても全くの無傷だった。

 

「レイ、いったいどうして――あ、……」

 

 イフリート・ゲヘナが放つビームによって照らされた敵機の肩。そこにあるエンブレムを見つけたセナは全てを理解した。

 

 ――ヤタガラスを意匠化した特徴的なパーソナルマーク。

 

 それはロータスチャレンジに挑む前、レイに見せてもらったもので、彼女の師匠が制作したというエンブレムデカール。カイムの高機動ユニットにも「必勝祈願」としてレイが貼っていたため見間違うことはない。

 レイによれば一般には決して出回っていないはず。つまりそのデカールを持つガンプラとはすなわち。

 

「どこで手に入れたのか知らないけどね! そのガンプラはアンタみたいなチート野郎には相応しくないのよ! 落ちろ!」

 

 レイのビルダーとしての恩師である【ヤガミ・クロウ】が制作したガンプラに他ならなかった。

 

『チッ! わけわかんねぇキレかたしやがって! めんどくせぇ! おいガキ! さっき言いかけたが俺はこのイフリートをやる。お前はガンダムフレームをやれ!』

 

 イフリート・ゲヘナからの猛攻をシールドガンビット防ぎつつ、両手のビームガトリングで応射しながら、ルブリス・ウルのダイバーが叫ぶように指示を出す。

 

『アンタに指図される覚えはないんですけど~? でもまあ、あんなキレ散らかしてるの相手したくないし、言う通りにしてあげるわ』

 

 そんな相方の状況を見ても全く慌てる様子のないルブリス・ソーンのダイバーは、セナのカイムを見据えて構えを取る。

 

『まぁ、アタシにかかればこんなヤツ瞬殺だから、すぐにそっちを手伝ってあげるわよ』

 

 完全にこちらを舐め腐っている態度に、セナの意識が切り替わる。

 

「……へぇ。チーターのクセによく吠えるね?」

『はぁ~? ブレイクデカールはチートじゃないんですけどぉ~? 公式からアナウンスもないのに決めつけないでくれる?』

「どっちみち非公式のツールじゃん。そんなのに頼ってる時点で自分を弱いって認めてるようなものだよ」

 

 トラッシュトークは対人のマナーとばかりにセナも相手を煽る。

 

『……あったまきた。いいわよ。アンタなんかアタシとこの【ルブリス・ラド】がバラバラにしてやる!』

 

 ビームサーベルを構えるカイムと、刀身が半円を描く鉈のような得物を構えるルブリス・ラド。

 

「こいつら、ガンヴォルヴァか! NPD機のくせに硬い……ッ! すまない二人とも!」

 

 六機のガンヴォルヴァ――これも水星の魔女に出てきた無人機のMSだ――を相手に、GNドライヴを失ったことで、粒子残量を気にしながら立ち回ることを強いられて苦戦するテンカワ。

 

 混迷を極める戦場で、主催者不在のままカオスなダンスパーティが開催されることになった。

 

 

 

 

 

§

 

 

 

 

 

 沈黙した巨大要塞を前にして二機のガンプラの火箭が交差する。

 

「落ちろ! 落ちろ! 落ちろぉッ!」

『ケッ! 無駄な足掻きだなァ! そんな攻め手じゃ【ルーク】の守りは抜けねぇよ!』

「黙れッ! チート野郎がぁッ!」

『なァにを熱くなってんのか知らねぇが――そんなザマじゃあガンプラが泣くぜッ!』

 

 ルブリス・ウル改め、【ルブリス・ルーク】と名乗るマスダイバー機は、五基のシールドガンビット【ディフェンダー】を展開し、イフリート・ゲヘナの射撃を的確に防ぐと、ビームガトリングに加えて下半身の追加装甲に仕込んだ小型のミサイルを放ち、さらに追撃にとガトリングのシールド裏からグレネードも発射する。

 

「こんのッ!」

 

 ビームガトリングに対してアブソーブシールドでの無効化を狙っていたが、実弾を混ぜられてはどうしようもない。

 ミサイルはこちらも背部の六連装ミサイルポッドから時限信管に設定した迎撃用弾頭を、グレネードは腰部の120mmマシンガンを用いて対応する。

 

『おうおう、咄嗟によく判断するじゃねぇか。カッカしてても上手くしのぎやがる』

「その余裕ヅラ、いますぐブチ抜いてやるわ! そのエンブレムを付けたことを後悔しなさい!」

 

 ミサイルの誘爆による爆炎を隠れ蓑に、イフリート・ゲヘナが展開させた四基のインコムがルブリス・ルークの死角から狙い撃つ。

 

 ――狙いは完璧。これならッ!

 

 ブレイクデカールで強化されたシールドガンビットは脅威だが、操作しているのは人間。完全に意識外からの攻撃には対応できない。パルスジェットを用いずともリレーインコムによって方向転換するインコムは、そういった意味でのアンブッシュにもうってつけだ。

 

 完璧な位置取り。

 完璧なタイミング。

 

 そのはずだった。

 

『パーメットスコア、フォー』

 

 レイがトリガーを押し込んだまさにその瞬間、敵がその言葉を唱えるまでは。

 

 ――カチン――

 

「――は?」

 

 カチカチと何度も操縦桿のトリガーを押すも反応がない。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 マスダイバーの声が聞こえていればすぐに気づけただろうが、敵もそこまでバカではない。

 

「……アンチドートかッ!」

 

 しかし敵機が水星の魔女が出典の機体であることから、レイは即座に連想して原因を看破する。

 

『正解、ってなぁ!』

 

 動きの止まったインコムへとルブリス・ルークが狙いを定め、ガトリングから吐き出されたビームの雨が降り注ぐ。

 

「チッ、やられたッ!!」

 

 装甲部分に耐ビームコーティングこそしてあるものの、ブレイクデカールの前では意味をなさない。レイは舌打ちをしながら、ハチの巣にされたインコムが爆発する前にケーブルをパージ。これでイフリート・ゲヘナはビーム砲を四つ失ったことになる。

 

 アンチドート・デバイス。水星の魔女に出てきた装備で、劇中ではGUNDフォーマットのリンクを阻害することで、ガンビットや機体そのものを停止させる効果があった。

 GBNではプラグインとして実装され、一定時間ビット系に分類される装備を停止させることができる。対策系スキルの中では比較的コストが軽く、いわば簡易的なサイコミュジャックのような位置づけにあるスキル。

 流石に原作そのままでは強力すぎるのか、GBNではMSを機能停止させる効果はないが。

 

「でも、あれは確か効果範囲内に無差別に影響が出るはず……」

 

 面制圧をかけてくるルークの弾幕をかいくぐり、両腕のビームアサルトカービンで応射をするも、ことごとくがシールドガンビットによって阻まれる。

 

 一見すると便利なビット対策に見えるアンチドートデバイスだが、レイの言うとおり敵味方の識別はできず時間制限があるというデメリットを抱えているはず。

 

 ――いや、待て。

 

「パーメットスコアか」

 

 GUNDアームに搭載されているパーメットスコア。それを四以上まで引き上げれば、オーバーライドして影響を受けなくなる特性があった事を思い出した。

 これはGBNでも再現されているし、相手はルブリス・ウルの改造機。ならば【プラグイン:GUNDフォーマット】を搭載していて当然。

 

「……そして、デバイスを積んでいるのは、ガンヴォルヴァ――!」

『おー、大正解。良い観察眼してるじゃねぇか。褒めてやるよ』

 

 元キットのスタンダードな形状ではない、十字架のような形のシールドは、グラスレー寮のシャディク隊が使っていたベキルペンデが装備していたものだ。

 アンチドートは複数機で同時運用することで、効果範囲と持続時間を延長する特徴がある。

 

「……なるほど、ね。そして、複数機を持ち込むデメリットは、ブレイクデカールの力で踏み倒した、ってワケ――」

 

 GBNではひとつのアカウントにつきゲーム内に持ち込める機体数に制限はない。だが、同一アカウントで使えるパラメータリソースは持ち込んだガンプラ間での共有なので、複数機を持ち込むとそれだけパラメータが分散してしまう。

 

 例えば、パラメータリソースを百とした場合、一機なら百使えるが、二機なら五十ずつ、あるいは極端に九十と十、みたいになるわけだ。

 振り分ける割合はあらかじめ任意に決めることができるが、複数機を登録すれば、そのぶんだけ基本性能が落ちることは免れない。

 

 そのため普通は一機。SFSや分離合体機構を持つ機体でも二から三機が限界で、それ以上となると戦力にならないほど弱体化してしまうし、極端な振り分けをしてしまえば、せっかく持ち込んだサブ機が使いものにならなくなる。

 

 だが、その制限も機体パラメータの限界を超えて強化できるチートがあれば話は別だ。

 

『……ハハハハッ! まさかそこまで見抜くとはなァ! 少し驚いたぜ!』

 

 敵のからくりは見えた。

 

 アンチドートデバイスでこちらのビット装備を無力化し、自分はパーメットスコアでその影響から逃れる。アンチドートの効果を強化するための、同一アカで複数機の同時運用に伴うリスクはブレイクデカールの効果で踏み倒す。

 

「悔しいけど、実によくできた組み合わせね……」

『お褒めにあずかり光栄、ってかァ! んじゃ、そろそろ、落ちろよッ!!』

 

 ブレイクデカールの効果は武装のリキャスト時間も無視するようで、さっき撃ったばかりのミサイルやグレネードも絶え間なく降り注ぎ爆風が吹き荒れる。城塞(ルーク)の名を示すように、こちらの攻撃は一切受け付けず、嵐のような弾幕砲火でイフリート・ゲヘナは追い詰められていく。

 

「ぐっ、このッ……! ちくしょうッ!」

 

 手数が減ったことで相手の射線を通す機会が増えてしまい、どれだけ繊細なマニューバで回避を試みても細かな被弾が増えていく。

 

「こんなッ、こんなヤツに――ッ!」

 

 脚部のスラスターにガトリングのビームが掠って爆発を起こす。

 

 胸部の増加装甲にマイクロミサイルが着弾し、寸でのところでパージする。

 

 焦ってアブソーブシステムを起動したシールドがグレネードの餌食になって吹き飛んでいく。

 

 まるで切れ味の悪いノコギリでゆっくりと削られるようにして、イフリート・ゲヘナはその身を削ぎ落されていく。

 

 

 ――いつもより動きが悪い。

 

 しかし追い詰められながらもレイは冷静に状況を俯瞰しはじめている。逆境が彼女の頭を冷やしてくれた。ファイターとして骨の髄まで染み込んだ闘争本能が、感情よりも状況の打破を優先したのだ。

 

 不調の理由は明確で、先ほど述べたパラメータリソースの問題だ。今回のミッションに挑むため、イフリート・ゲヘナは半分のリソースをミーティアユニットに振り分けていた。

 そのせいで機体の基本性能が普段よりも落ちているのだ。

 

「……だからって、()()を言い訳に負けられるかァ! ――EXAMッ!!」

 

 満身創痍の単眼に焔が灯る――。

 

 レイにだって矜持がある。譲れないものがある。たとえ刀折れ、矢尽きて倒れども、それでも腕を前に伸ばしてその(ツラ)に爪をかけ、前のめりに倒れて喉笛を食いちぎってやる。

 

 ――なぜなら。

 

「クロ(にぃ)のガンプラを、そんな風に使うヤツなんかに負けてたまるかァ――ッ!!」

『――ッ!? テメッ、まさか――ッ!!?』

 

 レイの叫びに動揺したマスダイバーが操作ミスを起こし、ほんの一瞬、刹那の間だがシールドガンビット(ディフェンダー)の動きが止まる。

 

「くたばれぇーッ!!」

 

 両腕のビームアサルトカービンを前腕ごとパージ。二の腕に直結されたビームサーベルを最大出力で発振させて残ったスラスターを全力噴射。

 

『チィ――ッ!』

 

 ルブリス・ルークが咄嗟に胴体の前で交差させた両腕を肘から叩っ斬ると、コクピットへと渾身の突きを差し込む。

 

「――ッ!? 装甲が、再生して――!?」

 

 しかし撃墜判定が降りることはなく、ルブリス・ルークの胸部に追加された装甲がビーム刃で融解する端から元へと戻っていく。

 

『……残念だったなァ。こいつは()()ブレイクデカールなんだよ』

「出力をもっと上げて再生力を上回れば……ッ!」

 

 諦めることのないレイが機体限界を無視して全てのエネルギーをビームサーベルに回そうとする。しかし――

 

『――させると思うか?』

「――ッ!!」

 

 いつの間にか再生していたルブリス・ルークの腕が、手にしたビームサーベルをイフリート・ゲヘナのコクピットへ突きこんでいた。

 

「……!」

 

 もはや言葉もない。

 

 充血して真っ赤になった瞳でレイが敵機の顔を睨んでいた。その姿を魂に焼き付けるように。

 

『……なァ』

「……なに。アンタのガンプラ、覚えたから。どこにいたって必ず見つけて――」

『こっちでも負けん気の強さは変わらねぇのな。なんか、安心したぜ』

「はぁ……? なにわけのわからないことを――」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その人の名前を聞いた瞬間、金から紅に変色したレイの瞳が見開かれる。

 

「……ッ!!? まって、え、なんで、どうし――『俺はな、リンネからガンプラバトルを取り上げたGBNが気に入らねぇ』」

 

 ぶっきらぼうな口調。懐かしいエンブレム。見覚えのあるマニューバ。

 

『こんなゲームは本物のガンプラバトルじゃねぇ。俺は認めねぇ。だからぶっ壊す。だからもう――』

 

 突然ポップした通信ウィンドウには、髪と瞳の色こそ異なるが見覚えのある青年の顔が映し出される。

 

 ――俺の邪魔をするな――

 

 かつて師匠と慕ったビルダーが、今GBNを騒がせているマスダイバーになっていた。

 

 全てがレイの中で繋がり、絶望へと変化していくなかで最後に聞こえた言葉がそれだった。




Tips:【ガンダムルブリス・ルーク】

素体キット:HG ガンダムルブリス・ウル

武装

・ビーム・バルカン×2
 両肩部前面に計二門が内蔵された連射火器。頭部搭載型より大型化しているため、通常のMSなら近距離斉射で撃破できる程の火力がある。

・ビーム・ガトリングガン×2
 銃身を回転させてビームペレット弾を高速連射する携行火器。側面にはガンシールドを接続し、射撃時の銃身を保護している。
 原型機では一丁だったが本機は二挺持ちにしたため、前腕下部に銃本体と接続する箇所があり片腕でも安定した射撃ができるようになっている。

・フェーズドアレイキャノン
 背部に装備される大型装備。
 指向性の高い大出力ビームを発射可能なほか、展開することでガンヴォルヴァを操るために必要な装備でもある。
 収束させ貫通力を高めたり、薙ぎ払うように放ったり拡散させて広範囲をカバーすることが出来る。

・マイクロミサイル
 左右のサイドアーマーと脹脛部外側に追加されたスラスター内蔵式追加装甲の中に格納されている小型のミサイル。一か所につき六発あり、合計で二十四発ある。

・グレネード×4
 ガンシールド裏に設置されたグレネード発射装置で左右それぞれに二機ずつある。元はビームサーベルの発振器をマウントしていた所に設置されている。

・ビームサーベル×2
 ニーアーマーの裏に格納されている近接武装。
 膝部のアーマーが展開して発振器が下からせり出す仕組みで、膝に格納したままでもビーム刃を発生させられる。これを利用して近距離戦闘では膝蹴りから相手を串刺しにすることもできる。

・防御用ビットステイヴ「ディフェンダー」×5
 両肩と下腿部に四基、リアスカートに一基の合計五基装備されている防御用兵装。
 GUNDフォーマットにより制御されるシールドガンビット。
 エアリアルのエスカッシャンと同様にかなり有機的で立体的な挙動と防御用のフィールドを展開できる。性能としてはガンヴォルヴァの持つ大型シールドには劣るものの、通常のビームライフル等を防ぐには充分な強度を持つ。
 通常はビットオンフォームとして機体各所に装備され機動力の底上げに寄与している。機体から分離することで広範囲をカバーすることが出来るが、こちらは機動性が若干低下する。

・改造ガンヴォルヴァ×3
 クロウによって製作されたGUNDビット。データではなく三機全て実際にガンプラを元に作られ、その完成度から高性能を誇る。
 原型機にはなかったアンチドートデバイスを展開するためのベギルペンデのシールドを装備している他、ビームカービン一丁とビームサーベル二基を装備しており、ウルのビームガトリング用のエネルギーパックを備える。
 ブレイクデカールの恩恵でビットMSのデメリットであるパラメータの減少を踏み倒して運用できる。


概要
 ヤガミ・クロウによって製作されたルブリス・ウルの改造機。

 原型機では一つだったビームガトリングガンを二挺持ち、さらに火力を上げている。

 ビーム兵器の他、機体各所に追加された装甲にスラスターやマイクロミサイルを内蔵。防御力を上げつつも増加した重量による機動力の低下を抑えている。イフリート・ゲヘナと似たような作りをしている。
 ミサイルに加えてシールド裏にグレネードを備えたことで実弾兵装を用いることが出来るようになっている。
 五基のシールドガンビット【ディフェンダー】を持ち、ビットオンフォーム状態だと機動力を、展開状態だと広範囲をカバーする防御力を強化する。

 ルークの名の通り鉄壁の城塞から放たれる弾幕は対峙した相手を粉々に粉砕する。
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