ガンダムビルドダイバーズ Behind the scenes 作:ほぼ読み専
「デッッッカッ!」
そろそろ昼に差し掛かる時間の、よく晴れた日差しで暖められたアスファルトの路肩に、一台の古い原付バイクが止まっている。嶺が愛車として使っているスーパーカブだ。
少し痛んだシートに跨る彼女は道路を挟んだ向こう側に見える長い塀を確認して、つい心に浮かんだ感想をそのまま声に出してしまった。
「え、ちょっと待って、ホントにココ?」
病院で知り合った桜庭 世那という少女と、連絡先を交換して別れた後の週末。
約束通りに世那の専用機を作るため、嶺は住所を教えられた彼女の自宅へとこうして出向いてみたのだが……携帯端末に入れたナビアプリに従ってカブを走らせた先にあったのは、まさにこれぞ豪邸、と庶民の嶺にもわかるほどに広大な敷地を持つそれは立派な屋敷であった。
嶺の住む商店街からそれなりに離れてはいるものの、カブでも無理なく行ける距離にある住宅街。そこに佇むのが、まさに「邸」と名付けるのが相応しい規模の、桜庭 世那の家だった。
「……間違いない。ここだ……うわー……マジかー……」
ナビアプリを再度確認して、目的地が間違いなくこのバカみたいにデカい屋敷であることを認識した嶺は、あんぐりと口をあけて延々続く白い塀を眺める。
現代のナビアプリは優秀だ。案内に従えば迷うほうが難しい、とさえ言われているほどに。
だから当日まで碌に下調べをせずとも、ナビにしたがって走れば大丈夫と、事前に世那の自宅を地図で調べることもしてこなかった。
「まさかこんな豪邸に訪問することになるなんて……えぇ……ここに入るの? 私……」
いちおう念のため、と、塀を迂回して正門と思われる──それはそれは立派な門構えの──ところに来ると、スタンドを立てたカブから降りて歩み寄り、かかっていた表札を検める。
『桜庭』
達筆な書体で刻印されたいかにも高そうな表札には、無情にも嶺の友人と同じ苗字が刻まれている。それでも屋敷の大きさに気圧されて勇気が出ない嶺は、諦め悪く最後の頼みとばかりに、世那の携帯端末へと電話をかける。
『もしもし、嶺? どうしたの?』
三回目のコール音が鳴る途中で繋がった。
「あ、世那。うん。えっと、その、近くまで来たんだけど……」
今日にいたるまで二人はメッセージアプリなどを通じて友好を深めていて、お互いを名前で呼び合うようになっていた。
それというのも、嶺にしても世那にしても、GBNでのダイバーネームが本名そのまま「レイ」と「セナ」であり、ならば
『……あれ? もしかして迷った、とか? ウチって
──結構どころじゃない。
喉元まで出かかった言葉をぐっと飲み込み、嶺は確認するように再度問いかける。
「いや、えっと、多分すぐ近くまで、っていうか玄関……じゃなくて入口? 門? みたいなトコに来てる。なんか延々なっがい塀が続いてる通りの……」
『あっ! 今、家政婦さんから嶺の姿が正門のカメラで見えたって連絡がきたよ! 今開けるから、そのまま入ってきて!』
嶺が「どうか違うって言って」と心の中で願いながら説明している最中、世那の嬉しそうな声に遮られて通話が切れた。
「家政婦とか雇ってるのか……てか、やっぱここか……」
屋敷の規模を考えれば、維持、整備をするのに専門業者に頼らなければならないことは嶺にだって理解できるが、まさか軽い気持ちで訪れた友人宅がガチのお屋敷だったとは。
「……ドレスコードがどうとか言われないよね?」
今の自分の服装を見下ろした嶺は不安そうに呟く。
上はグレーのパーカーに
ゲーム好き、それも
ヤバい……ヤバくない? と今更になって己の恰好を確認していた嶺に、門柱の脇にあるインターホンのスピーカーから女性の声で呼びかけられる。
『岩永様』
「……ひゃ、はい!」
『ただいま門のほうを開きますので、どうぞそのままお入りください』
「アッ、ハイ」
電動式なのか遠隔操作によって開いていく頑丈そうな門扉を、どこか遠い出来事のように呆然と眺めながら、暖かくなってきた日差しの中で嶺は立ち尽くしていた。
§
「いらっしゃい! 嶺!」
年配の家政婦に案内された広い部屋──おそらくは応接間──に嶺が入ると、そこではとても嬉しそうな顔をした世那が出迎えてくれた。
私服なのだろう可愛らしいワンピース姿でにこにこと満面の笑みをうかべ、嶺にはわからないがなんとなく雰囲気がお高そうなテーブルに誘導される。
顔が映りこむレベルで磨かれたテーブルの上には、これまた上品なティーセットが湯気を立てて、宝石のように綺麗な菓子と共に並んでいた。
「……うん」
言葉少なにぎこちなくテーブルに着いた嶺を不思議な生き物でも見るようにして世那は小首を傾げる。
「どうしたの? なんだか元気がないみたいだけど」
「いや、うん……圧倒されてるというか、落ち着かないっていうか……」
「ふーん……?」
嶺の反応にますます首を傾げて、嶺をここまで案内をした家政婦がサーブしてきたティーカップへ口を付ける世那。その所作はとても洗練されたもので、彼女の育ちの良さがうかがえる。
自分と同じ蛮族だと思っていた相手のハイソな一面を見せつけられ、ただただ困惑するしかない嶺。つられるようにして口を付けた紅茶は、慣れ親しんだコンビニのものとは随分と違っていた。
「ま、いいや。それより、今日は私のガンプラを作るために来てくれたんでしょ? いったいなにをするの? すっごく楽しみ」
星が瞬くように瞳をキラキラと期待に輝かせ、どこか落ち着かない様子で訊ねる世那に、嶺は足元に置いていた厚みのあるアタッシュケースのようなものをテーブルに──
「あ、ここ、置いても大丈夫?」
「え? うん」
──念のため確認を取ってから、間違っても天板を傷つけないよう慎重に置くと、留め金を外して中を見せた。
そこには何体ものガンプラが、ウレタン製の緩衝材に包まれて並べられている。
「えっとね、まず、素体にするガンプラを決める所から始めようと思って、世那の戦闘スタイルに合うと思ったのをこっちで勝手にピックアップして持ってきた」
「ふんふん」
ガンダム知識がほとんど無い世那に膨大なガンプラカタログを突き付けて、「さあ、この中からお前の愛機となるガンプラを選べ!」などと出来るはずもなく、嶺はヴァルガで対戦した際の世那の動きと、彼女から聞いた意見を参考にして、主に白兵戦闘を主体にした機体を選んだ。
「全部パチ組みで申し訳ないんだけど、とりあえず日替わりで使ってみて。一番気に入ったかしっくりきたヤツを素体に手を加えていこうと思うから」
「ほー……これ全部、あれから作ったの?」
会話をしながらも緩衝材から取り出したガンプラたちを次々とテーブルに並べる嶺。その中のひとつ、ガンダムエクシアを手に取った世那は蒼い剣士をしげしげと眺めながら相槌を打つ。
「いやー、パチ組みでもそれは流石に……前に組んだまま放置してたのを持ってきたのもあるよ」
モデラー歴十年を誇る嶺をしても、購入したガンプラをすべて塗装込みで組み上げているわけではもちろんない。
こうしてパチ組みでも作るのはまだマシなほうで、実家の私室のクローゼットには罪プラならぬ積みプラ──購入はしたが組み立てずに死蔵しているプラモデル──が文字通りに山と積まれている。
中には欲しいパーツのためだけに購入し、必要な部分以外は組み立てずに放置しているものさえあった。ガンプラマニアにはまま見られる光景であるが、もしガンプラの声が聞こえていたならば、嶺の家は怨霊ひしめくホラースポットのようになっていたかもしれない。
「えっと、このガンプラたちをわたしが日替わりで使ってみて、一番気に入った子を改造するってこと?」
「概ねはそうね。場合によっては別の新しいキットを使うことになるかもだけど。メッセージアプリでも聞いたけど、白兵主体の機体で良かったのよね?」
ヴァルガで対峙した世那のRX78-2の動きを思えば、彼女が近接戦闘タイプを選ぶのは当然だろうと嶺も納得していたのだが、世那はといえばもじもじした、どこか申し訳なさそうな様子で口を開く。
「それなんだけど……んとね。メッセージアプリだと上手く伝えられないから書かなかったんだけど……わたしGBNだとどうしても射撃が上手く当たんないんだ……まあ、近接戦のほうが得意なのはそうなんだけど……」
「……射撃が?」
思わぬ発言に嶺は首を傾げる。初心者かつパチ組みであれだけのバトルが出来るセンスがあるというのに、射撃だけが絶望的に下手、などということがありえるのかと思ったからだ。
「うん。自機が止まってる状態だと問題ないんだけど、動きながら、特にスラスター吹かしながらの高速移動中だと、ロックオンしてても射線がブレるの。ライフルもそうなんだけど、バズーカが酷かったなー。発射の反動で砲身が跳ね上がって、弾が明後日の方向にいっちゃうんだもん。だからもう割り切って、射撃武器は牽制や誘導に使って、近づいてビームサーベルで倒すってやり方してた」
「というか、それしか出来なかったんだけどね」と、身振り手振りを交えて話す世那の現象に嶺は心当たりがあった。
「……ああ、なるほどね。それ、作った人には申し訳ないんだけど、ガンプラの問題だわ」
「ガンプラの?」
「うん。バズーカの反動でそこまでブレるなら、肩の関節が緩くなってるんだと思う。予測になるけど、貸してくれた人はGBNやってないみたいだから、ポーズを付けたりして遊んでるうちにポリキャップの軸受けが緩くなったか、キット自体が元からそういう状態だったか、ね」
いわゆるブンドドというやつで、ガンプラの遊び方のひとつとしてあるものだが、ガンプラの状態が如実に反映されるバトルでは、機体コンディションに重大な影響を及ぼすため敬遠されている。
「ん? 買った時から関節が緩いとかあるの? ……不良品?」
「うーん……プラモデルだと、こういうのは
「ほー。そうなんだ……てっきりバズーカは威力が高いから、しっかり足を止めて撃たないと、ロクに当たんないよーっていうカテゴリの武器だと思ってたよ」
「私としては
「あはは。わたしGBNやガンプラのこと全然知らないから、そういうの全部ゲームの仕様だと思い込んでた」
世那の話を聞くほどに彼女の圧倒的な才能に驚かされる。
確かに世那はVRゲームに関して嶺と比べれば一日の長がある。知り合ってから今日までのやり取りで、世那がこれまでプレイしたというタイトルをいくつか聞いたが、嶺はほとんど知らなかったし、それらはいずれもPvP要素をメインにしたものとのことで、ならばVRの対人戦に関しての経験は確かに豊富なのだろう。
だが、ガンダムの「ガ」の字も知らないような状態で、パチ組みの関節がヘタったガンプラを使ってあの地獄で生き残ってみせたというのは、実例が目の前にいなければ、きっと嶺は信じなかった。
「じゃあ世那、射撃機体も持ってきたほうがいい?」
「んー……別にいいよ。やっぱり鉄砲よりチャンバラのが好きだし、なにより
「わかった。それと安心して。このガンプラたちは全部可動域をチェックしてあるから、そんな不具合起こらないわ」
可憐な外見に似合わなない物騒な事を言う世那に、嶺は自信を持って応える。そこには一人のビルダーとしての自負が垣間見えた。
「それで、話は変わるんだけど、こっちは世那が嫌じゃなければ、なんだけど……」
テーブルにずらりと並べられた十体以上のガンプラたちを珍しそうに見ていた世那の前に、おずおずと差し出されたのは、箱ではなくポリプロピレンの袋にパッケージされたガンプラ。
エントリーグレードモデル、と呼ばれるニッパーすら不要で組み立て可能な、まさにガンプラ入門用のキットだった。
「袋詰めのガンプラなんてあるんだね。知らなかった」
「これ、さ。世那、作ってみない?」
「え……?」
思わぬ提案に嶺の顔を見つめた世那は、大きな瞳をぱちぱちと瞬かせた。
§
タッチゲート、という技術がある。
これは一部のガンプラに採用されている技術で、パーツを
モデラーの中にはゲート処理がかえって面倒だという理由で否定的な意見もあるが、小さな子供や世那のように工具がひとつも無い完全な初心者が、入門用として初めて作るには適している。
世那がプラモデル作りを出来ないのは、ヤスリをかけた際に空気中に漂うプラスチック粉だったり、接着剤や塗料を使用することで揮発する有機溶剤が問題なので、それらに無縁なこの
「えっと、このまま押し出すようにしちゃっていいの?」
「そうそう。思い切って、ぐっ、と押しちゃって」
「う……うりゃっ!」
隣に座った嶺に促された世那の気の抜けた気合とともに、彼女がか細い指をかけていたパーツからパチンと音がしてランナーから外れると、テーブルの上をコロコロと転がる。
「本当に簡単だし、困ったらアドバイスするから」と嶺に勧められた世那は、家政婦にティーセットを脇に片付けさせると、その場でさっそく組み立てに挑戦しはじめた。
組み立てる部位ごとにランナーが纏められているために、完全な初心者の世那でも、説明書を見ながらほとんど迷うことなくサクサク組み上げてゆく。
初心者向けとして設計されたEGモデルは組み立てこそ簡単だが、シールすら不要とされる本キットは色分けが素晴らしく──頭部のツインアイや腰部の小さなV字も色分けされている──また可動域も広くてよく動く。
「……これで、完成!」
唯一足首のパーツだけ嶺が確認──ここだけ向きに上下があり間違えやすい──して、組み上げた四肢を胴体に組みつけ、最後に頭部をはめ込んだら、ついに世那が生まれて初めて作ったガンダムが大地、ではなくウォールナットの一枚板テーブルに立った。
「……わぁ……」
「おめでとう……どう、かな? 実際にプラモデルを作ってみて」
「……うん」
「世那?」
「……うん」
テーブルに顔がくっつきそうなほど視線を下げて、自分の作ったガンダムを見上げる世那の瞳は連邦の白い悪魔に釘付けで、そんな彼女を嬉しそうに見ながら嶺はランナーをパッケージの袋へ片付ける。
EGガンダムの
「おーい、世那ー。そろそろもどってこーい」
ランナーを纏め終えた嶺が苦笑しながら呼びかけた声に、ようやく気が付いた世那が顔を上げる。
「うん……え? あっ……うん。うまく言えないけど、なんかこう、バラバラだったパーツがだんだんガンダムになってくのが楽しかった……」
「あ、私の話聞いてたんだ……」
「ねえ、嶺。気になったんだけど、この子武器ないの? 病院で借りてた子にはライフルとか盾とかあったけど」
「このキットには生憎ないわ。付いているバージョンのもあるけど、そっちは持ってなくて……」
EGモデルには二つのバージョンがあり、嶺の持ってきたライトパッケージ版はガンダム本体しかないタイプだった。一応ライフルとシールドが付いたものもあるが、そちらは都内のTHE GUNDAM BASEでの限定販売品である。
「そっかぁ。残念」
「でも、こんなのはあるよ」
しょんぼりする世那の前に、嶺はピンク色をした棒状のクリアパーツを置いた。
嶺が荷物のリュックから取り出したのは、ビームサーベルのエフェクトパーツで、サーベル基部のパーツ──ガンダムなら背中に二本生えてるアレ──に接続することで、劇中のビームサーベルを再現するためのものだ。
世那の目の前で手早くサーベル基部パーツをバックパックから外して、エフェクトパーツを接続してやり、ガンダムに持たせてみせる嶺。
「ほら、こうすると……私と戦った時の世那のポーズ」
例の二刀流の剣道みたいなポーズをさせてみせると、世那は嬉しそうにそれを眺める。
「前にチャンバラ主体の対人ゲーやってたから、つい咄嗟に構えたんだよね。そのゲーム、ヴァルガにちょっと似てるんだ」
「……
「? ヴァルガのがマシだよ? インした時に無敵時間あるし。あ、でも住民の攻撃の規模はヴァルガのほうが大きいから、別の意味で油断できないけど」
とりあえず天誅と叫べばどんな外道行為も許容される、某サツバツチャンバラゲーとGBNを比較しても仕方がない。ゲーム性も住民の性質からして違うのだから。
「ま、それはいいとして。そのEGガンダムは世那にあげる。エフェクトパーツもね」
「え、いいの?」
「安いキットだから気にしないで。ほとんどガンプラに限られるけど、こういう誰でも作れるプラモデルがあるのを世那に知ってほしかっただけだから」
「……ありがと」
「気が向いたらでいいから、またこういうのを作ってみてよ。……せっかく
こちらを見つめて嬉しそうに微笑む世那の顔が眩しくて──加えて自分の言った台詞に照れて──つい「所詮は私のエゴなんだけどね」と視線を逸らして付け加える嶺。
「なんだかわたしばっかり嶺にもらってる気がする──あ、そうだ! わたしからも渡すものがあったんだ」
壁際に控えていた家政婦に世那が目配せをすると、年配の家政婦が応接間を出てゆき、入れ替わりに別の──今度は少し若い──家政婦がティーポットを携えて入室してきた。
「ちょっと待っててね。あ、せっかくだからお菓子食べよ? これおいしいんだー」
世那の言葉に新たに入ってきた家政婦が、静かな動作で脇にどけていたティーセットを再びテーブルの中央に戻すと、何も言わずとも淹れたての紅茶を世那と嶺の前にサーブする。
そうして嶺が見たことも無いような綺麗で美味なお菓子と、飲みなれない紅茶で暫しティータイムを楽んでいると、先ほどの年配の家政婦が封筒を手に戻ってきた。
「お嬢様、こちらです」
「ん。ありがと」
封筒を受け取った世那はそれをテーブルに置くと、おもむろに隣の嶺の前へとそれを押し出す。
「世那、これは?」
封筒──しかもなんかやたら分厚い──に入れるようなものを受け取る覚えのない嶺は、頭にハテナマークを浮かべて隣を見る。
「ふっふっふ……わたしだってちょっとは調べたんだよ。オリジナルのカスタムガンプラの相場とかね」
自信満々に不敵な笑顔で嶺を見つめる世那の言葉に、嶺はパーカーの下に着ていたTシャツの背筋に嫌な汗が滲むのを感じる。
「えっと、つまり……?」
「いくらなんでも、嶺に
「え、っと……」
世那の雰囲気に押されて、とりあえず封筒を持ち上げた嶺は、行儀が悪いと自覚しつつも──中身を見ないで受け取る方が怖いため──遠慮がちに封筒の口を開けてみる。
──五千円くらいならまあ、素体になるキットの値段含めて貰ってもいいかな。
明らかにそんな金額では済まない分厚さをしているのを理解はしているが、脳が現実を拒んだためにそんな逃避じみた考えが嶺の脳裏によぎる。
まあそんな甘い考えは、封筒にぎっしりと詰まった
「わたしの
──金持ちって怖ぇ……
無言で白目になり天井を仰ぐ嶺。彼女は口から
Tips
・プラグイン
GBNにおいてガンプラに原作作品のような特殊な機能や機構を再現、あるいは追加するために必要なプログラム。
販売されているガンプラに封入されているコードで入手したり、データそのものを公式から直接購入するほか、GBN内のミッション報酬などで入手することができて、その中にはレアなものも存在する。
再現する機能や機構は、プラグインを使用するガンプラの設定に沿ったものならば、比較的簡単にゲームに反映されるが、世界観が違うものや、一部の強力すぎるものなどには制限がかけられている。