"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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くるくるくるくる回る歯車達。

狂いは無く、回っていた。

その中に一つの歯車が足され、歯車達の回転がズレ始める。

既に回る歯車達は果たしてこの新しい回転について行けるのか?

それはまた、『運命』のみぞ知る事である。
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ガバ飲みブラックコーヒーと胃薬で何とか間に合わせました!

日曜日が恋しい…

後久しぶりにイメソン訊きながら書きました(シャッフル&ループ設定可)。


第14話 一場の春夢(前編)

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 士郎、三月 視点

 ___________

 

 そしてその次の日の朝、いち早く昨日の夜に退院した大河は士郎とセイバー、そして同じく早く退院した桜に愚痴を零していた。 「自分も患者の筈なのに『健康体の模範そのものですから献血してみて行ったらどうですか?』ってどういう事よ?!」と。

 

 昨日の出来事があったというもの、学校は閉鎖されずに次の日には普通に開いていたので、皆学校へは登校する準備をしてから朝御飯を食べている最中に大河は愚痴をしていた。

 

 それに苦笑いを浮かべる士郎は大河の隣にいた三月を見る。

 昨日病院で見て貰ったら?と提案したところ、三月は頑なに断り「家でお腹一杯にご飯を食べてグッスリ寝たらきっと治る」と言い、今に至る。

 確かに顔色は多少良くなったものの、何処か元気が無いように見えた。

 

 それは大河と桜も気付いた様子で、いつも以上に彼女に気を使っていて、ワザと元気に二人は振舞っていた。

 

 三月はと言うと────

 

「…………………(ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、だーるーいー。 ねーむーたーいー。 頭もボ~っとするー。 変な夢も()()見るし最悪~。 休みた~い)」

 

 ────と寝ぼけながら考えていた。 

 

 今回の夢は誰もいない廃墟を延々と歩生きながら「(()()())」と考えていた物だった。

 

 そして昨日寝る時に髪の毛を三つ網ポニーテールにしたまま寝ていたので、今日の朝解いたら立派な金髪ウェーブにあら不思議。

 

「…………………ハァー…(あ~、もうこのままでいいや~)」

 

 そう鏡の前で思いながら髪型を軽く整えて、三月は士郎達と共に登校すると視線を集めていた。

 何せ三月は基本的にストレートをベースにしたヘアスタイルを今まで衛宮邸の外ではほとんどしていた。

 

 だが今日はいつもと違う儚げな表情(疲れ気味+憂鬱な気持ち)と落ち着き(体のダルさ)のおかげで『お嬢様』っぽい雰囲気が増していた。

 ただここで遠坂凛がお構いなしに二人に話があると言い、校舎裏の方へと引っ張り、『柳洞一成』がキャスターのマスターとして怪しいと言い、そこで士郎が言いだした。

 

「────なら俺達が確かめてやるよ」

 

「え゛? (俺()って、私も入っているの? 昼休みが…)」

 

 三月はその日珍しく昼休み中、仮眠を取ろうか考えていた。 余談で年に一度あるかないかの頻度だが、その寝顔は貴重で学園の『裏マーケット』ではその写真は高く売れるのだそうだ。

 

「なぁ、三月?」

 

「…………あー。 ウン。 ハイ、ソウデスネー。 (さようなら、私の昼休み…ハァ~)」

 

「で、どうやって確かめるのよ? 衛宮君の事だから、『おーい、一成。おまえマスターか?』なんてストレートに問い質す訳じゃないでしようね?」

 

「安心しろ遠坂、そんな事しなくてもマスターかどうか確かめる方法ならある!」

 

「…………ま、いいわ。 衛宮君なら嘘を付かないでしょうし。 と言うか付けないし」

 

「と言う訳で三月、今日の昼は生徒会室で────」

 

「────あー。 ウン。 ハイ、ソウデスネー」

 

 そしてその日、三月は何時もと違う雰囲気と言動で注目される中、士郎は「妹を紹介してくれ!」と迫る男子&女子生徒に隙あらば殺到してきて絡まれた。

 先日の「兄さん」宣言とその日の登校した様子の効果である。

 

 これまでも「妹を紹介してくれ!」と士郎に迫った人たちはいたが、今回は何時もより大勢の上にほぼ全員の目が(何故か)血走っていたので純粋に士郎は引いた。

 

「なんでさ?!」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 そしてその昼休み、三月は生徒会室にある二つのドアの内の一つの前に立っていた。

 

『柳洞一成』。 穂群原学園の生徒会長であり、柳洞寺の住職を代々務めている柳洞家の次男で、寺育ちらしい独特の口調を使い容姿端麗、頭脳明晰とくる実直で真面目な好青年だが堅物で遊びのない性格。 

 ただ筋さえ通れば融通が利くところもある人物で、猫を被っていた凛の本質を見抜くなど、鋭い洞察力の持ち主でもある。

 

 三月との接点があるとすれば、それは同じく柳洞寺に住んでいる葛木先生と顔をよく合わせ、葛木先生の頼み事を聞く時などだった。

 ただ直接言葉を交わした事は少ないので、三月からすれば『……………………………………………………………………ああ! 生徒会のメガネ!』程度の認識であった。

 

 もしこれを一成本人が聞けば外見と中身同時に落ち込むだろう。

 

 何せ彼自らが苦手なものは「女性」と挙げているが、これは女性特有の強かさやねちっこさ、小悪魔な部分を忌諱しているためであり、さっぱりした性格の持ち主に対しては特に悪印象は抱いていないし、場合によって好意に思える事もある。

 

 そしては三月その例外に当てはまっていた

。 

 色々な人に対して言葉や行動を若干変える三月だが、以上の『女性の強かさやねちっこさ、小悪魔な部分』と言う『裏』などの部分が三月からは感じ取れなかったので、一成は意外と普通に接する事が出来た。

 

 それこそ『顔見知り以上、友達未満』と言った具合に、と一成は思っている。

 

 そんな彼女が用事もないのに士郎と一緒に生徒会室に来た為、一成は内心ビックリしたが、三月は四段弁当箱のおかずを分けに来たという事で彼の期待は滝登り具合だった。

 何しろ士郎の料理は旨いのだから(三月の手作りとはまだ知らされていない)。

 

 後はいつもと違う三月の髪型に何か感じたからかも知れない。

 

 カチリ。

 

「???」

 

 ただ何故か三月は二つの出入り口の内、一成に一番近い一つに鍵をかけ、そこを封鎖するかのように立っていた。

 

 そして士郎はもう一つのドアに鍵をかけた。

 

「…………衛宮?」

 

「…(あー、早く終わらないかなー。 兄さん曰く『ただもう一つのドアに鍵をかけて立っていれば後は俺がやる』って言っていたけど………)」

 

「一成………………何も聞かずに裸になれ

 

 三月の目は見開き、今日で一番頭が覚醒した。驚きで。

 

「…………………………へ?」

 

 一成はと言うと────

 

「────な なんですとー?! 正気か、貴様! あ、あれか?! 新手の押し問答か?! そもさんなのかッ────?!?!」

 

 ────()()()()を感じ、三月の方をチラッと見る。

 そして彼女も心底ビックリしている顔に一成は更に焦っていた。

 

「そ、それに貴様!こ、ここ、ここには女子がいるのだぞ?!」

 

「そう、せっぱせっぱ。 てか三月は俺が呼んだ

 

「んなっ?! き、貴様よもや()()()()()()()()()()とは?!」

 

「あ? ああ、大丈夫だ一成。 三月は義妹だ」

 

尚更悪いわ、戯け! ま、まさか! こ、これは義妹の趣味ではあるまいな?!」

 

「へ?! (え? 何? どういう事? てかお兄ちゃん、何を────?)」

 

「────そんな事はどうでもいいから脱げ、一成!」

 

ひゃあぁぁぁぁぁぁぁ?! お、おおおおおおおおお兄ちゃん?!」

 

 士郎が一成に迫り、飛び掛かった瞬間、三月は顔を両手で覆う。

 指の隙間から事を見ながら。

 

「やめぬか、戯け! 貴様それでも武家の息子かぁぁぁぁ?!」

 

「良いから脱げって!」

 

「………………………………………………(ふわぁ、柳洞さんの身体って……男の人って鍛えると、ああいう風になるんだー)」

 

 ポーっとしながら一瞬、その場に見惚れた三月だった。

 

 デュフフ。 まさかこのような場面に出くわすとは! しかも兄者が『攻め』で学友が『受け』────

 

「(────良く分からないけどヤな予感がするので『腐女子』は再度『封印』ッッッッッッ!!!!)」

 

 そして他人から見れば士郎が文字通り、一成に追いはぎ行為を行っているかのような状況が過ぎていった。

 

 最後に上半身と下半身と共に身に纏う物が無くなった一成はただ赤くなり、床に座りながら自身の身体を出来るだけ隠す。

 

「良かった、良かった! いや~、本当に良かった!」

 

 上機嫌な士郎がホッとした顔で満面の笑みで笑う。

 

「何が良いものか! こ、こんな辱めを受けて何もないとはどういう事だ?!」

 

 そしてブチギレ寸前の一成が叫ぶ。

 

「あ、ああそうだな。 三月、弁当渡してくれるか?」

 

「いらんわ、この馬鹿者! 大体────」

 

 一成が三月の方を見ると、彼女は顔を両手で覆っていて、耳まで赤くなっていて、ドアを向きながら俯いていた。

 

「……………………」

 

「み、三月?」

 

「……………………………お、終わった二人共?」

 

「ああ、終わったぞ。 だから弁当を一成に渡してくれ」

 

「あ、うん。 ど、どうぞ…柳洞さん…」

 

 三月が顔から手を離し、弁当箱の一段をいそいそと服を着直す一成に渡す。

 

 彼女の顔は『心ここに在らず』と言った感じと共に視線を合わせず、茹蛸みたいに真っ赤になっていて、この状態の三月を見た一成も顔を更に赤くしながら視線を逸らし、弁当箱を受け取る。

 

「あ、ああ。 か、かたじけない」

 

「いや、わりぃ三月」

 

「衛宮。 悪い事をしたと思うのなら、一体どういう事なのか俺に理由を説明してもらおうか?!」

 

「いや、詳しくは言えないがどう~しても調べたい事があったんだ」

 

「それで裸にされたのか俺は?!」

 

「ご、ごめんなさい柳洞さん!」

 

「「三月?」」

 

「じ、実は昨日のガス事件の影響で変な痣が浮き出た人達もいるみたいで、それで兄さんは心配していたんです! お寺の人なので尚更……………その……………ごめんなさい!」

 

 そこで三月は頭を一成に深く下げた。

 

「…………い、いや頭を上げてくれ。 もしそうならそうと前もって説明さえしてくれれば良かったものを」

 

「その………兄さんは昔からたまに暴走するのを柳洞さんならご存じだと思いますが」

 

「おい、おr────ッ」

 

 反論しようとした士郎に「ギッ!」とした睨みで三月が黙らせる。

 

「まあ、確かに衛宮は時々その節があるからな…………」

 

「ごめんなさい柳洞さん、後もう一つ聞いてもいいでしょうか? 今日は葛木先生を見なかったのですけど………もしかして昨日の影響でしょうか?」

 

「ああ、そう言えば三月は宗一郎兄とは顔を何度か合わせていたな」

 

「ん? どういう事だ三月? 何で葛木先生の事を一成に訪ねているんだ?」

 

「あれ? 衛宮には話していなかったか? 数年前から宗一郎兄とは柳洞寺で一緒に住んでいるぞ?」

 

「な?! それ本当か、一成?!」

 

「あ、ああ。 あと、三月の質問だが昨日とは別件で、柳洞寺にてお世話になっている宗一郎兄の婚約者が料理中、()()()()()()らしくてな。 看病を…って、どうした衛宮?」

 

 この事を聞いた士郎は何か考え込むような表情になっていた。

 

 あと、三月の弁当を食べた一成は感激で泣いたそうだ。

 何せお腹に重い肉、肉、肉。

 肉系ばかりの弁当だったのだ。

 

 隣で三月が楽しそうにギッシリと同じようなおかずが入っていた三段弁当箱をパクパクと一人で完食したのは関係が無い………………………………………………筈。

 

 あまり。

 と言うかもしかすると泣いたのは士郎の手作りでは無く、三月の手作りだったと後から知ったからかも知れない。

 

 もしくは金髪とは言え今まで見た事のないような、珍しく『大和撫子似』の三月を見たからかも知れない(普段とは違う仕草や行動など)。

 

 ともあれ、次に学園で『裏マーケット』が開催された時にマスクとサングラスをかけた青い髪の毛の男子の新人がいて、ぎこちない言動で三月関連のグッズを探していたとか、『三月の弁当箱』などといった、超スーパー激レアな代物を持ってきたその新人が弁当箱の買い値を聞いた瞬間、その場でよろけて倒れそうになったとかなんとか。

 

 その日の学校帰りに、凛に一成の事を報告しようとした士郎と三月は凛が既に下校した事に驚きつつも、取り敢えず明日学校で伝える事にした。

 

 その帰り道、三月は覚醒したままの頭で士郎に伝える。

 イリヤの伝言を。

 

「ハァ?! お、お前()イリヤと会っていたのか?!」

 

「『()』って、士郎も会っていたの?」

 

「あ、ああ。 何度か、な。 そこで森の中にあるアインツベルン城も前に『見せて』貰ったんだ」

 

「へー、お城かー。 何か楽しそうだな~。 それはそうとイリヤが私達二人が『来ても良い』って言っていたから────」

 

「────ん? 遠坂?」

 

 士郎の視線を辿ると凛が先の道で物陰から誰かを尾行していたのが見えた。

 士郎達は凛のそばまで来ると声をかける。

 

「お~い、とおs────」

 

「────黙って!」

 

 小声かつキツイ言い方で凛は士郎と三月を歩道から物陰の中へと引っ張る。

 

「ん?」

 

 凛が尾行していたと思われる金髪青年が振り返り、これを見た凛は士郎達を更に物陰の奥へと押す。

 

「ちょ、遠坂さ────ムギュッ」

 

「少し黙ってて」

 

 丁度ビルの壁、士郎、三月、凛の順で物陰に隠れる三人に気付かなかったように金髪青年は歩みを再開する。

 

「ど、どうしたんだ遠坂? あの金髪が気になるのか?」

 

「あの人、この頃ずっと間桐邸を彷徨ついているの」

 

「もがもがもがもがもが」

 

「ずっとって────?」

 

「────ここほぼ毎日よ。 ほら、移動するわよえみ────いぃぃぃぃぃ?! な、何で衛宮君がここに?!」

 

「…………………」

 

「何でって、遠坂が見えたからさ。 一成と、葛木先生の事で話があったのにもう学校を出たって言うから」

 

「…………………………………………………」

 

「え? も、もう分かったの?! ってあれ、三月は────?」

 

「そう言えばさっきから────」

 

 士郎と凛が自分達の間を見ると二人の身体にギュウギュウ攻めに会い、顔が空気の無さから紫色に変わりつつあった。

 すぐ二人は離れると三月は大きく息を出して、新鮮な空気を吸う。

 

「────ブハァ! スーハースーハースー! …し、死ぬかと思った………」

 

「ご、ごめんなさいね三月」

 

「す、すまない。大丈夫か?」

 

「つ、漬物の気分だったよ」

 

「「え?」」

 

「重石とお味噌の間の野菜────」

 

「「────あ」」

 

 ここで士郎と凛は何となく分かった。士郎=()()()()、と凛=()()()()()()

 

「ほ、ほら! 行くわよ、二人とも!」

 

 ズカズカと赤くなりながら先を歩いて行く凛に、何となく気になった士郎と三月は付いて行き、三人は間桐邸の近くまで来ていた。

 

「てか金髪って珍しいな、三月以外で」

 

「うん、そうね」

 

「ふーん、そうなの? (先日会ったような気がするけど………)」

 

 金髪青年は数分ほど間桐邸を見ると来た道を戻り、士郎達はまた隠れる。

 コツコツとした足音が通り過ぎた後、士郎は凛に一成の事を話し始める。

 

「結論から言うと、一成はマスターじゃない」

 

「へー? かなりの自信ね、どうやって調べたの?」

 

「服を()()脱がせて、体のどこかに令呪があるかどうか確かめただけだ。 な、三月?」

 

「………………………………………………………………ぅえ゛

 

 凛が何とも言えない顔になりながら目を見開き、三月の方を見ると三月はまた顔を両手で覆い俯いて、赤くなりながら士郎の言葉に頷いた。

 

「………………………………衛宮君、三月に手伝わせたの?」

 

「手伝わせたと言ってもドアの封鎖を頼んだ()()だぞ? 『鍵をかけてドアの前に立っていろ』って」

 

「………………え、え、衛宮君って…………」

 

「ん????」

 

 顔を引きつらせる凛に対して士郎は話を続ける。

 

「あと遠坂に確認したいんだが、葛木先生は今日見たか?」

 

「え? そう言えば、今日は休んでいるって聞いたわ。 彼がどうかしたの?」

 

「一成から聞いたんだ。 葛木先生は数年前から一成とは柳洞寺で一緒に住んでいて、今日は葛木先生の婚約者が料理中、火傷を負ったから柳洞寺で看病をしているって」

 

「ッ! そ、それってまさか?! 葛木先生が、キャスターのマスター?! でも、そんな事…………」

 

「ああ。だから遠坂、今夜は世話になってくれないか?」

 

「………………………………………………………………………………………………………え?」

 

 これを聞いた凛がキョトンとした数秒後に「信じられない」と言った表情で顔を赤くしながら声を出した。

 

「え、え、え、え、衛宮君? そ、それって…」

 

「??? 俺は今夜、セイバー達と共に柳洞寺で弱っているキャスターとアサシンの襲撃を提案したつもりなんだが…………都合、悪かったか?」

 

「……な、な、な、な、な~んだ! そ、そうだったの~! も、もちろんそうなのよね~! オ、オホホホホ!」

 

 不自然に笑う凛を?マークで見る士郎と三月たちは今夜の為にセイバーとアーチャーに話をつける為に各自の家に戻り、その夜柳洞寺の階段の前で合流する事となった。

 

「(何で遠坂さん最後の方赤くなっていたんだろう?)」

 

 着替えながらそう思う三月だった。

 

 ___________

 

 キャスター運営 視点

 ___________

 

 

 そう時間も過ぎていない夜が更けた円蔵山の柳洞寺にて、葛木宗一郎はキャスターの帰りを待っていた。

 前日、慎二に『ギリシャの火』を付けられたキャスターは傷を癒す為、貯めていた魔力を使い、補充と霊脈の確保の為に新都へと飛んでいた。

 この頃遠坂凛と間桐慎二の二人の独自の行動でキャスターの予定は狂いつつあった。 本来なら目的を果たす為に新都までわざわざ出向かなくても良かったのだが最近の出来事などがキャスターを焦らせていた。

 

()()()()()()()()()()()()』。

 

 なのでリスクはあるものの、新都へすぐ向かい、霊脈の保持をしなければなくなったのでキャスターは自信のマスターである葛木宗一郎に今日は学園に行かないように言い、

ありったけの魔術防御や補助に結界などで柳洞寺を要塞化して、

寺にいる坊主達に暗示をかけて、『()()()()()()()()()()()()()()』という生きた盾達にした後、

キャスターはアサシンに令呪を使い、『何人たりとも自分の許可なく()()柳洞寺に入れるな』、

とガチガチの防御を施した後、最後に葛木宗一郎にはキャスターに異変がすぐ分かるような瓶を彼に渡した。 

 

 瓶の中身は特殊な魔術の籠った液体で、瓶が割れて床に液体が溜まるとキャスターを強制的にそこへ転移させるという限りなく『魔法』に近い代物だった。

 門番を務めているアサシンに良く言い聞かせた後、キャスターは新都へ向かった。

 

 

『アサシン』。 彼は日本において最も名の知れた剣士の一人の「佐々木小次郎」────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────ではない。 彼は「佐々木小次郎」という英霊を形作る上で、「佐々木小次郎の伝承」に最も条件の当て嵌まる()()()()()の亡霊が選ばれただけの事。

 なのでセイバーと対峙した時、自分を「ただの無名」と語っていたのは本心からであった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()』が彼のような異例、否、()()()()()を可能としていた。

 

 そして()()()()()である彼の願いは「強者との真剣勝負」。 「我が秘剣、どこまで通じるか試さずして何が剣士と言えようか。」

 

 ただそれだけだった。

 

 ただそれだけであったのに────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────カランとドライな音が夜に響く。

 

 金属と石がぶつかる音。

 

 アサシンが自身の得物の「物干し竿(長大な太刀)」を手放して落とした音。

 

「よもや………蛇蝎磨羯(だかつまかつ)の類とは…………」

 

 ボタボタと設置された堆積岩の道に血が落ちる。

 アサシンの口から流れ出る血だった。

 

 アサシンは令呪の補助もあった事により、いつもよりも気配などが敏感に察知でき、()()()()()()()来ていたのを警戒し刀を抜刀していた。

 

 だが彼もまさか()()()()()()()()()()()()()()()()()などと言う行動を仕掛けてくるのは夢にも思っていなかった。

 

 アサシンは膝をつき、彼の身体の中心が爆散すると中から血を浴びた黒いローブを纏い、特徴的な髑髏を模した白色の仮面を装着した人型のナニかが現れ、何処とも分からない所から老人の声が響く。

 

『クカカ、元気が良いのぉ』

 

 どこか可笑しそうに笑っていたアサシンの無残な体が仰向けに地面に落ち、ゆっくりと()()()へと消えて行く。

 

「(ああ、何とも…短く、儚い夢であった……すまぬ、セイバー。 再戦は………果たせぬようだ………だが………最後に可憐な……………………女性達と会って……………良かっ…………………た………………………)」

 

後に残ったのは先日、その可憐な女性の一人に貰った、懐に入れていた熱燗の徳利(とっくり)セットだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【告。 『()()()()()()()()()』を()()シマしタ】




マイケル:アサシーン?!

ラケール:この人でなし!

作者:自分だって嫌だよ! アサシン好きだし! しかも最後の方のイメソンがプロメアのΛsʜᴇsだったし! 俺は悪くない! (逆ギレ

三月(バカンス体):あー、逃げた方が良いかも

作者:え?

チエ:貴様………そこへなおれ!

作者:ヤバ、抜刀までしている────イヤァァァァァァァ?! ヤメテ!ヤメテ!死んじゃうぅぅぅぅぅ!

三月(バカンス体):えー、只今作者が命懸けでチーちゃんから逃げているので今回のコントはここまでです。 楽しんで頂ければお気に入りや感想、評価等あると嬉しいです!
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