"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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この話を書いている時、前話の後編からのプロメアのΛsʜᴇsからイメソンがひぐらしとかうみねこ系になっていました………ハイ……………


第15話 一場の春夢(後編)

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 キャスター運営 視点

 ___________

 

 円蔵山の柳洞寺で、葛木宗一郎は何かに気付いたかのように山門の方へと視線を素早く移す。

 

「宗一郎兄?」

 

 一成が彼の動きに気付き、宗一郎はそこにいた一成と他の者達に部屋を出るなとくぎを刺してから出ていった。

 

 

 場は変わり、魔力の温存をする為に空を舞いながら焦るキャスターへと変わる。

 

 新都での細工を終えてから魔力を温存しつつ、最高速度で柳洞寺へと戻る途中だった。

 

 さて、キャスターが施した柳洞寺の魔術的拠点防御のおさらいをここでしようと思う。

 

 • ありったけの魔術防御や補助に結界などで柳洞寺を要塞化。

 

 • 寺にいる坊主達に暗示をかけて、『()()()()()()()()()()()()()()』という生きた盾達に

 

 • キャスターはアサシンに令呪を使い、『何人たりとも自分の許可なく()()柳洞寺に入れるな』

 

 • 葛木宗一郎本人には液体の入った瓶が割れて床に液体が溜まるとキャスターを強制的にそこへ転移させる『魔法』に近い代物

 

 以上の事を部外者から見ればマスターから一時的に隣町への遠出で離れるとは言え、オーバーキル気味かも知れない。

 が、魔術師としてはこれ以上の無い()()()魔術的防御処置で、どれだけキャスターが優れた魔術師か見せていた。

 キャスターがここまでする事には理由があり、その理由が「何とも()()()()()()()()ものだ」と第三者の魔術師が嘆きながら卒倒していただろう。

 

 何故ならキャスターは以上の処置を全て『愛』からしていたのだから。

 

『キャスター』。 その正体、真名はギリシャ神話におけるコルキスの王女の「裏切りの魔女メディア」である。

 

 元々は故郷のコルキスで家族と国民に愛され平和に暮らす箱入り王女であった。しかしイアソン(船長)率いる()()()()()一行の上陸により、女神アフロディテの呪いによってイアソンに妄信的な恋をさせられた幼きキャスターは追っ手を退けるために自らの肉親の弟を文字通りバラバラに殺害し、アルゴー船に乗り込む事となった。

 

 その後もイアソンに言われるがままで、己の魔術で多くの非道を働き、英雄や人間達両方から「裏切りの魔女」として非難、中傷を受けていく。

 しかもそこまでしてイアソン(船長)に尽くすものの、彼はメディアを一度も労わることなく、最終的にイアソン(船長)に裏切られ、捨てられた。

 

 呪いにより正気を失った状態で非道を働かされた末に、全てを失うことになったキャスターは正真正銘の『魔女』へと堕ち、その後はイアソンに復讐を誓ったが、その復讐は終ぞ叶わなかった。

 

 ただ箱入り王女だったため、本来は清純な女性で根はきちんとした良識と道徳を持つ『お嬢様』。 今回の聖杯戦争に召喚され、聖杯にかけたい願いは至極純粋な「自分の愛した故郷(コルキス)に帰ること」だった。

 

 今回の第五次聖杯戦争に参加する予定の魔術師によってキャスターは聖杯戦争開幕前の早い段階で召喚されたが、「自身を召喚したマスターが魔術師としてサーヴァントに嫉妬する」という異例の事態に陥る。

 またキャスター自身もそのマスターの考え方がかつてのイアソン(船長)に似ていたので反感を抱いたため、マスターの意に反する行動を取り、激怒の中で令呪を全て消費させ自由の身となると、直ぐさまマスターを殺害した。

 

 そこに残ったのはマスターを無くしたサーヴァントだった。

 

 キャスターは魔術師としては最優に近いが、所詮はサーヴァント(使い魔)。 自分の存在を保つ魔力を提供してくれる依り代を失ったことで消滅するしかない彼女を、()()()()()()雨の中で出会った葛木宗一郎に拾われ、()()冬木市最大の霊脈である柳洞寺に連れ込まれたことにより、キャスターはその身を保つ事が出来た。

 その後、葛木宗一郎がマスターの役割を引き継ぎその後の行動は全て彼の為であった。

 

 自分を『魔女』や『魔術師』など見ていなく、ただの一人として彼女を見た葛木宗一郎を。

 

 そしてキャスターは真の『愛』を知った。

 ()()()()()()()

 

 遥か過去に真の愛と思っていた『贋作(呪い)』ではなく、『本物』を。

 

 それを知った今の彼女の願いは「自分の愛した故郷(コルキス)に帰ること」から、「自分の愛する(マスター)と共に生きること」だった。

 

 キャスターの願いはそれはそれは、何とも尊く、純粋で────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────儚い夢であった。

 

 

 

 予定より早く作業が終わったキャスターの心は若干上機嫌で自分の召喚した番犬、もといアサシン、に労いの言葉を一つでもかけようかと思わせる程までだった。

 

 かつて遥か昔のイアソン(船長)と今の自分(メディア)は違うのだから。

 

 だがいざ山門に降り立つとあの癇に障る小言を必ず言うサムライはどこにも見当たらなかった。

 

「アサシン、出てきなさい!」

 

 いつもの声の答えが返って来ず、キャスターは更に苛ついた。

 

 せっかく自分が来てやって、労いの声までかけようというのに。

 

「ッ。 アサシン!」 

 

 強い風が吹き「カチャリ」とした乾いた音にキャスターの視線は釣られる。

 そこにあったのは────

 

「(────確かあれは先日貰った酒器だったかしら?)」

 

 最近墓参りに来たイリヤと三月の事はキャスターも視ていた。

 

 何せこの聖杯戦争で愛する宗一郎様に次ぐ興味を引くもの達。

 

 最初はどう捕獲しようかと悩んだキャスターだが、三月の言動などが余りにも幼い『自分』を見ているかのようでキャスターは戸惑い、もう少し様子を見てみる事にした。

 

 するとどうだろうか?

 サーヴァントであるアサシンを警戒する所か彼に労いの言葉とお土産を渡し、来た理由は「親のお墓参り」。

 

 そして涙を零すイリヤと彼女自身の父へと向けた言葉。

 共に涙を流す三月。

 

 思わずこれをずっと『遠見』で見て聞いていたキャスター自身も心が揺れ、貰い泣きをしていた。

 

 自分と自分の終ぞ会えなかった家族をイリヤ達と『親』を重ねてしまって、心の中で「よかったね」と言葉をキャスターが彼女らに送っていた。

 

 そうこうしている内に、キャスターは三月とイリヤをそのまま見逃してしまった(正確には見逃したのだが)。

 

 メディアに課せられた『運命』の反動によって冷酷、残忍、目的のためには手段を選ばず、奸計を得意とする正真正銘の「悪女」と()()()()()()()キャスター。

 

 必要とあらば非道な手段も辞さないものの、その一方で根は純真で不要ならばそうした手は控え、現にキャスターの行動に死者は一人も出ていなく、魔力の貯め方は彼女ほどの魔術師にしては非常に()()()()()のもその証拠だった。

 彼女がその気があれば冬木市は瞬く間に死都に変わり、魔力は()()の為には十分程に貯まる。 が、彼女はそれを最後の手段としていた。

 

「(あの憎たらしいまでに恩に義理堅い堅物が何故この様に酒器を?)」

 

 そこでキャスターは気付く。

 柳洞寺の()()に。

 冬だと言うのに()()()()()()()()()()()、柳洞寺自体からは()()()()()()()()()

 

「ッ! 宗一郎様!」

 

 キャスターはすぐに柳洞寺の本堂の中へと突入した。

 ()()()()()()()の自分の工房へと辿り着くと、目が虚ろな葛木宗一郎と寺の坊主達が彼女に襲い掛かった。

 

「小細工を!」

 

 キャスターは以前、士郎に使った糸の魔術で全員の身を拘束し、坊主たちの意識だけを刈り取り、宗一郎を診始める。

 

「…………(ホ、脳も心臓も動いていて破壊されてはいない。 この侵食しているのは……魔蟲(まちゅう)の類ね。)………成程、そういう事。 ふふ、魔術に耐性の無いマスターを操るのは簡単な事でしょうね。 でもこれだけでこのキャスターである私を出し抜けると思って?」

 

 そこでキャスターは自身の()()()()()()を取り出し、()()()()()()()()()()()()()()

 

 キャスターの宝具、『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。

 それは「裏切りの魔女」としての伝説が象徴として具現化した宝具。攻撃力は普通のナイフと同程度しかないが、「あらゆる魔術を解除する」という特性を持つ最強の対魔術宝具で、令呪の契約をも打ち消すほどの能力を持つ。 

 

 あらゆる魔術に対してのほぼ絶対的な『チートアイテム』である。 

 

 何故彼女が宗一郎にこれを使用したかと言うと、彼を操っている魔蟲(まちゅう)のコントロールと侵食を食い止め、解除する為である。

 

 本来の『魔術師』の彼女ならばこんな短気な行動に出る事はまずない。

 というかあり得ない。

 彼女ほどの魔術師であればまずは状況の把握と正常化、或いはこれを行った侵入者の排除か宗一郎の無力化と共にこの場を離脱、といった行動が王道。

 

 だが『愛』と言う感情が彼女を『魔術師』としてではなく、愛する者の心配をする『女性』へと変えていた。

 故にキャスターは躊躇なく宗一郎を呪縛から解放する為に刺した。

 

 ()()()()()()()

 

 パァン!

 

「……………………………………………………え?」

 

 ()()が破裂する音と共にキャスターの視界は真っ赤に染まった。

 

 ()()が力なくキャスターの前にドサリと倒れた。

 

 ()()が口を動かし、()()を呼んだ。

 

「……キャ……………ス……………………………ター…………………………」

 

 ()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()────

 

「────あ………………ああ…………ああああああああああ! …………宗………………一郎……………………様………………………」

 

「シロウ、こちらにキャスターが────!」

 

「なッ?! こ、これは何?! 衛宮君、近すぎないで!」

 

「あれは……葛木先生?! ッ! セイバー! あの短刀に触れるな! あれは()()()()ものだ!」

 

「セイバー、凛。 あれは魔術破りだ。 如何なる魔術をも無効化するシロモノだ」

 

「アーチャー、アレを知っているの?!」

 

「多少、な。 成程、キャスターは『裏切りの魔女』だったか。ならばあの死体は彼女の────」

 

 キャスターの耳がとらえる。 

 五月蠅い外野を。

 

 キャスターの目がここで見る。

 自分の()()()()()を。

 

「……………ウフ……………アハハ………………アハハハハハハハ! 私が?! 宗一郎様を?! ()()()ですって?! アハ、アッハハハハハハハ!!!」

 

 そしてキャスターは、『彼女』は『愛』故に狂った。

 

 ()()狂ってしまった。

 

「そうね! そうよね! もしこうなるのだったらその方が良かったわね! どうせ私は『裏切りの魔女』のメディアですものね! アハハハハハハハ!」

 

 絶望。

 恐怖。

 不安。

 その他の負の感情がキャスターの心を埋め尽くしていた。

「全ては結局無駄だったのね」と────

 

「────ならば壊してしまおうかしら! この茶番のような世界を────!」

 

 ────キャスターはそう思いながら、壊れた。

 

 そして力の限り、怒りの限り、悲しみにまみれながら自分自身の全てを『世界』へとぶつけた。

 

 ___________

 

 セイバー運営、アーチャー運営 視点

 ___________

 

 時間は丁度キャスターが新都から戻る途中まで遡る。

 

 円蔵山の柳洞寺まで続く階段の前で士郎、三月、セイバー組は凛、アーチャー組と合流した。

 

「アーチャー、道はどう?」

 

「問題ない。 だが、何か()()()()()()()()()()()()()

 

「? それってどういう事?」

 

「『どう』と言われてもな、説明しがたい。 言うなれば『直感』に似たものだ」

 

「ハァ?」

 

「シロウ、彼の言う通り私も何かを感じます……三月、大丈夫ですか? やはり顔色が優れないようですが?」

 

「…………え? あ、うん。 大丈夫………」

 

 そこでの三月は以前の私服姿で、顔色が何時もより青白くなっていた。

 

 衛宮邸を出る前までは何時も通りの三月だったが、柳洞寺のある円蔵山へ近づけば近づくほどに彼女の体調は明らかに悪くなる一方だった。 これを見た士郎は最初、彼女に衛宮邸で留守番をするようにと言ったが三月は断り続けた。

 

 無理でも彼女を家に戻そうとしてもこっそりと士郎達の後を追うのをセイバーが士郎に言うと彼は仕方なく三月に同行させた。

 こっそりと離れて後を付けられるよりも、そばの方が安心するからだ。

 

 三月が「クッ! フルーツが入っていたダンボールさえあれば!」と言っていたが、三月の小声の独り言でしかも聞いたのがセイバーだけだったので何を言っているのかセイバーは分からなかった。「そもそも彼女(三月)は何故ダンボール箱で尾行に気付かないと思ったのか?」とセイバーが思ったほどだった。

 

 三月自身、体調で言えば胸の内がザワザワする程度だったので、まさか自分の顔色までが悪くなっていたのは思っていなかった。

 

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「えッ?! きゃあ────ヘブッ!」

 

 三月が久しく聞いていない【  】の声と共に突然の胸の高鳴りから驚き、足が滑って前に転ぶ。

 彼女は目を回しながらヨロヨロと立ち上がる。

 

「ちょ、三月大丈夫?」

 

「やっぱり、帰った方が…」

 

ら、らいじょうぶ(だ、だいじょうぶ)! ちょっほこけはらけ(ちょっとこけただけ)!」

 

 三月は痛む鼻を抑えながら階段を(恥ずかしさから)駆け上がる。

 

 そしてアサシンの襲撃を警戒しつつも山門へと駆け抜ける士郎達は不思議に思った。

 

「遠坂、なんか変だぞ」

 

「ええ、分かっているわ」

 

「あのサムライ、()()()()()()()?」

 

 アーチャーとセイバーが山門を抜けて彼の言う通り、アサシンの姿も気配さえもどこにもなかった。

 

 あったのは地面に落ちていた徳利セットだけだった。

 

「まさか奴め、飲んでそこら辺を酔いながら彷徨ってはいまいな」

 

「アーチャー、彼はそんな愚行を犯すような者ではありません!」

 

「そうよ! あの人が貰い物をポイ捨てする訳が無いわ!」

 

 若干不愉快になったセイバーにプンプンと怒る三月たちの言葉にアーチャーはニヒルな笑みを浮かべる。

 

「フ、軽い冗談のつもりだったんだが」

 

「てか、ここに来てアサシンに物をあげるってどういう神経しているのこの子? って、衛宮君の妹だからか」

 

「ちょ、その言い分は無いだろ遠坂?! でも遠坂の言う通り、何で三月はここに来たんだ? キャスターの根城なのに。 下手したら────」

 

「────イリヤと墓参りに来ていた、おじさんのね」

 

「じいさんの? それにイリヤって────」

 

「────話はそこまでよ皆。 異常事態よ」

 

 そこで柳洞寺内に入ると、彼らを待っていたのは完璧な沈黙だった。

 人の声や物の動く音など一切聞こえなかった。

 

 今までの山は()()()()()()()()()()()()

 

「…妙だな」

 

「何がです、アーチャー?」

 

「先日来た時には様々な魔術的結界などが施されていて、魔力が留まっていた。 だが今は違う。 まるで()()()()()になった工房のようだ」

 

「まさか、キャスターの奴……ここから引き払うんじゃ────」

 

「────ッ! 兄さん、遠坂さん!」

 

 三月が周り角から声をかけて、他の皆が見るそこには気を失っていた一成などの人がいた。

 

「どうだ、遠坂? 町と同じ状態か?」

 

「…………ええ、()()()

 

「そ、そんな…………じゃあ柳洞さんや、ここにいた人達は────?」

 

「シロウ、こちらにキャスターが────!」

 

 周りの状況を見る為に高い対魔力値を持ったセイバーが他の皆を呼ぶ。

 そこは柳洞寺の本堂で、部屋の中にいたのは数人の気を失った坊主と────

 

「なッ?! こ、これは何?!」

 

「ッ」

 

「衛宮君、近すぎないで!」

 

 士郎の耳朶(じだ)に凛の声は届いていない。

 響くのは心の像の鼓動だけ。

 ドクン、ドクン、ドクン、とうるさく。

 

「あれは……葛木先生?! 」

 

 中の状況を見た三月は息を短く吸い込み、士郎は思わず中へと駆け出しそうなのを凛が物理的に制止した。

 

 ────真っ赤な血溜まりの中で横たわっている葛木宗一郎と、手に血が付いていた歪な短刀を持ったキャスターの姿。

 

「ッ!」

 

 ナイフを見た瞬間、酷い頭痛が士郎と三月を襲い、士郎は()()()()で「()()()()()()」と理解した。

 

「セイバー! あの短刀に触れるな! あれは()()()()ものだ!」

 

「セイバー、凛。 あれは魔術破りだ。 如何なる魔術をも無効化するシロモノだ」

 

 セイバーと共に前に出るアーチャーが二人に声をかける。

 

「アーチャー、アレを知っているの?!」

 

「多少、な。 成程、キャスターは『裏切りの魔女』だったか。ならばあの死体は彼女の────」

 

「……………ウフ……………アハハ………………アハハハハハハハ! 私が?! 宗一郎様を?! ()()()ですって?! アハ、アッハハハハハハハ!!!」

 

 そしてキャスターは突然笑い始めた。

 

「そうね! そうよね! もしこうなるのだったらその方が良かったわね! どうせ私は『裏切りの魔女』のメディアですものね! アハハハハハハハ!」

 

「キャスター、貴様! 自身のマスターを────!」

 

「『メディア』ですって?! 神代の魔術師で、技量は最高位の奴じゃない?!」

 

「あれ? あの()…………何で────?」

 

 キャスターの笑い声と床で倒れている彼女のマスターであった宗一郎で怒る士郎。

 相手が()()『メディア』と聞いて驚愕する凛。

 そして何故か可哀そうなモノを見るような目でキャスターを見る三月だった。

 

「────ならば壊してしまおうかしら! この茶番のような世界を────!」

 

「────シロウ、三月!」

 

「────凛!」

 

 セイバーとアーチャーがほぼ同時に声を出し、士郎達をその場から連れて離れると辺りは様々な、地形を変えるほどの魔術が何十発と解き放たれていた。

 

「アッハッハッハ! アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!」

 

 キャスターはただただ高らかに笑いながら周りとセイバー運営とアーチャー運営達に攻撃を次々と放つ。

 

 だが────

 

「────キャスターァァァァァァ!」

 

「何?!」

 

 セイバーが何もせずとも魔術は独りでに弾かれて行く。

 

 サーヴァントを比べやすく、個々の能力にランク値を付け加えるとしよう。

 

 キャスターは魔術師にとって必要なスキルはすべてAランク。 神話や伝承においてなんの偉業も成し遂げていないが、魔術師としての技量は最高位とも言える(凛がそう言ったように)。

 

 しかし、対するセイバーの対魔力スキルは同じAランク。 つまりこれを持つセイバーにキャスターは魔術の攻撃で傷一つ付ける事が出来ない。

 

「あ────!」

 

 そして新たな術を練る間もなく、キャスターはセイバーに決して浅くは無い傷を付けられる。

 キャスターは地面に落ちながら、宗一郎の遺体を見て涙を流す。

 

「そう………いち………ろう…………………さ………………ま……」

 

 徐々に体が薄くなってゆくキャスターは身を地面によじりながら、宗一郎の遺体へと向かうが、途中で力尽きて()()()へと消える。

 この一連の出来事を見ていた士郎達はそのままセイバーを見た。

 何せ彼女が活躍するのを見たのは今回が初めて。 その他の場合が場合だけにそんな余裕が無かった。

 

「ス、スゲエ」

 

「…………………」

 

「………やっぱりセイバーは強いわね」

 

「悪かったな、凛。 自分は冴えない英霊でな」

 

「シロウ、寺の者達は?」

 

「この惨状では生存者は望み薄だが?」

 

「それでも俺は探す。 アンタがやりたくないのなら邪魔だけはするな!」

 

 アーチャーを睨む士郎、そしてそれを受け流すアーチャー。

 

「もう、あの二人何なの? …………三月?」

 

 士郎とアーチャーのやり取りが殺気満ちたもの………と言うよりは士郎が何か張り合おうとしているのに呆れる凛。 何せ対するは英霊、普通の人間が叶う訳が無い。

 

 その凛が三月の様子がおかしいのを感じ、彼女を見ると────

 

「────ちょ、三月! 貴方、大丈夫なの?!」

 

 ────三月が物凄く汗を掻きながら、深く息をして、体を近くの柱に寄りかけていた。

 

「………だい…………じょ………………ちょっと…………体…………熱────」

 

 三月の身体がペタリと床に落ちて、彼女は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【告。 『()()()()』を()()シマシタ】




マイケル:キャスターーーーー?!?!?!?!?!

ラケール:この人でなしぃぃぃぃぃぃ!!!!!

作者:シクシクシクシクシクシクシクシクシク、サントラが悪いんや

三月(バカンス体):うわー、これはちょっと…………あーアカン、目が滲む

チエ:目薬いるか?

作者/三月(バカンス体):ちゃうやろ?!

ラケール:……………えーと、お気に入りや感想、評価等あると嬉しいです! すっごく励みになります!

雁夜(バカンス体):うわー、これは嫌だなー。 と言うか三月って身体弱いな

三月(バカンス体):………(汗&目逸らし
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