"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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作者:うをおおお! セーフゥゥゥ!

三月(バカンス体):前書きでコント?!

作者:時間が無いんや、ちょい短くてもはよ投稿せなあかんねん! こんなに連続でした記録をキープしたいねん!

チエ: 『ではお楽しみください。 エヘ☆』

作者+三月(バカンス体):FOOOOOOOOOOOO!!! チエの営業スマイルいただきぃぃぃ!!!

チエ:この阿呆共め


第18話 ポロリもあるヨ! (ありません)

 ___________

 

 セイバー運営、アーチャー運営 視点

 ___________

 

 士郎、凛、三月達とセイバー、アーチャーは静かな夜の中でアインツベルン城から冬木に戻る森を歩きながら、イリヤの言った事を思い出していた。

 

≪それは()()()()だからよ≫

 

 それからイリヤはそこに居た者達に自分と、『アインツベルン』の事を話した。

 自分がホムンクルスと人間(ヒト)の混血でありながら、『聖杯の器』だと。

 そしてサーヴァントが倒され、魔力が満ちていく度に『器』は満たされ、『聖杯』は実体化する事も。

『器』の機能が増す度に『イリヤ』と言う()()()()()()()()されることも。

 

 これを聞いた士郎達は酷く落ち込んだ。 何せイリヤのような幼い子はそれを悲しむ事無く、ただ平然と喋っていたからだ。

 セイバーに至っては拳を更に強く握り、血が鎧ににじみ出るほどだった。 かつて自分が仕えていた姫君、『アイリスフィール』と目の前の『イリヤ』を連想して。

 

 アーチャーはただ腕を組みながら眼を静かに閉じ、何時もの表情だったので話が聞こえていたのかどうかわからなかった。

 

 ただこの性質上や、アインツベルンの事情などを何故イリヤが説明したかと言うと、彼女は違和感を感じていたから。 士郎達の言うようにアサシンとキャスターが()()したのならば彼女の中の聖杯は満たされて行く筈。

 だのにイリヤ(聖杯)は何も感じていなかった。

 ならば、()()()()()()()()()()()()

 

 これがイリヤをアインツベルンの機密事項を部外者である凛達に話させる程の異常な事だった。

 そして一時的にだがイリヤも聖杯戦争を中断し、この異常事態の調査に取り掛かる事を士郎達に伝えた。

 ただ資料や報告などの整理があるので改めて何か分かり次第、士郎達に連絡をいれると言い、その日は分かれる事になった。

 連絡係としてイリヤか三月の『天使の詩(エルゲンリート)』、または遠坂邸に置いてある連絡用の魔術道具、そして電話等を使う事にした。

 

 電話がアインツベルン城に設置してあるのに凛はビックリした。

 しかも携帯電話で、フリップフォンタイプをイリヤがドヤ顔をしながら説明したのを士郎は苦笑いで相槌を打ちながら、凛は『気にしていない』と言う態度を意識しながら取り、そして三月は────

 

「士郎! 私も欲しい!」

 

「無茶言うな!」

 

「…………駄目?」

 

 と、三月に上目遣い+潤んだ目で見られた士郎は咄嗟に顔と目を逸らしながら震える声で念押しに「駄目だ!」と言った。

 若干膨れながらも三月はその後もイリヤと他愛ない話をして、士郎と凛を巻き込み、時は過ぎていった。

 

 そして夜になり、三月が厨房を(ほぼ無理矢理に)借り、カレーを振舞うと言い(監視と言う名のお手伝いさんのリーゼリットを連れて)部屋を出ると凛はイリヤに自分が感じていた三月の疑惑を話した。

 

「フーン、リンって意外と小心者なのね」

 

「んなっ?! 人が親切で言っていると言うのに────」

 

「────私だってそんな事、とっくの前に気付いていたわ」

 

「「え?」」

 

 これに士郎と凛が驚く。

 

「だってそうでしょ? そんな事に気付かないなんて、余程のお馬鹿さんか鈍感か三流だけだもの。 で、私は聞いたの、『貴方は“何”?』って。 すると彼女はこう私に言ったわ」

 

≪私は『衛宮三月』。 それ以外なんでもないわ≫

 

 それを聞いた士郎は納得したような表情を浮かべながら「三月ならそう言うと思った」と声に出し、凛は「それ答えになっているのかしら?」とツッこむ。

 

「やっぱりリンは頭が固いわね。 つまり彼女は『何がどうあってもシロウの兄妹』とハッキリと言った事は、少なくとも心がまだ人間(ヒト)という事よ」

 

 それはそうだろう。 この世界の人外は人間(ヒト)を(良くて)ただの家畜として見ている事が多い。

 つまり自分(人間)達と同じ目線で物事を取り、感じるのはほとんどの場合いない(異例外を除いて)。

 

 その夜、三月達が作ったカレーライスに皆感動した。

 ふんだんに使われたダイス状の牛肉。

 一口に収まるサイズのほっこりとしたポテト。

 様々な形(星、月、等々)をした、甘みのあるニンジン。

 切り刻んだトマトとセロリに隠し味のココアパウダー、ハチミツ、おろしたリンゴ、醤油等々。

 そしてカレーはブロック状のルーとカレーパウダーや何種類かのスパイスが混ざったもの。

 

 強いて呼ぶのなら『本気で凝った家庭のカレー』だった。

 

 ちなみに嬉しく食べる皆(特にイリヤ)を見てセラはレシピを三月に貰いたいと言い、彼女を手伝ったリ-ゼリットが「自分が分かる」と言った時、セラは珍しく「でかしたわリーゼリットッッッ!」と褒め称えていたそうだ。

 

 後でカレーを食べたセラとリーゼリットも楽しみ、またもセラがリーゼリットを褒めるのをイリヤが見たそうな。

 

 そして時を現在に戻すと、士郎、凛、三月、そして霊体化出来ないセイバーは静かに夜の冬木を歩き、深山町に辿り着くと凛が声を出す。

 

「今日はここまでね。 衛宮君、()()()()()帰ってね?」

 

「遠坂?」

 

「あ、おやすみなさい遠坂さん!」

 

「ッ………三月もね」

 

 歯切れの悪いような返事で凛は遠坂邸へと向かう背中に三月そのまま手を振る間、士郎は凛が「何であのような言い方をしたのだろう」と考え、すぐに答えに辿り着いた。

 

 恐らく凛が言っていた()()()()()は「()()に気を付けて」の意味だったと。

 

「………」

 

「ん? どうしたの、兄さん?」

 

 士郎の視線に気付いた三月がキョトンとした顔で、頭を横に傾けながら士郎に聞くと、士郎が笑いながら三月の頭を撫でる。

 

「わぷ」

 

「……いや、『今日のカレー旨かったな』って思っていただけだ」

 

「はい、大変美味でした」

 

「あ、やっぱり? 今日はちょ~っと本気を出してみたの♪ (よっしゃあ! ビックリコップス作戦は成功だぁ!)」

 

「そうか。 ()()()()()()()()()()()()()()

 

「へ? 『アーチャー』って────?」

 

『────少し見直したよ、エミヤシロウ。 霊体を感じ取れる程度には心得が出来たか』

 

 そこに士郎達の後ろにアーチャーが声と共に現れ、前を歩きだす。 衛宮邸の方向へと。

 

「あ、先程ぶりで~す」

 

 呑気に声をかける三月をアーチャーは首を若干だけ回して、横目で見ながらセイバーは彼と士郎の間に入った。

 

「シロウ、下がっていてください」

 

「これはあの夜の続きか? やる気だっていうなら相手になってやる! 俺だって魔術師の端くれだ!」

 

「シロウ!」

 

()()()見送れという凛の指示には従うさ。 それに己惚れるなよ、エミヤシロウ。 血の匂いがしない魔術師など半人前以下だ。 聖杯戦争のマスターでありたいと言うのなら尚更だ。 成果のためには冷血になるのが魔術師。 その点では遠坂凛はやや甘い所はまだあるが、心構えは立派だ。 彼女を見習うことをおススメする」

 

「じゃあ良かったな、遠坂がマスターで。 聖杯を手に入れるのがその分近いじゃないか」

 

 そこでふと士郎と三月は思う、アーチャーの願いは何だろう?と。

 だが士郎がセイバーに聞いてもただ「自分の悔いを直したい」と言うだけで詳細は言ってくれなかったので恐らくアーチャーは同じだろうと思い、士郎は聞かなかった。

 

「ねえ、アーチャーさんの願いって何?」

 

 だがここには三月と言う、常人から()()()()()者が躊躇なくアーチャーに聞いた。

 

「…………フン、悪質な宝箱なぞ、他の奴にくれてやる」

 

「??? (『悪質な宝箱』?)」

 

「何だと?」

 

 アーチャーの答えに三月は?マークを浮かべ、セイバーは目を細めながらアーチャーを睨み、士郎は驚きながら更に聞く。

 聞かずにはいられなかった。

 

「いらないって、サーヴァントは叶えられなかった願いを叶える為にこの戦いに参加しているんだろう?!」

 

「ハ、何を言うかと思えば。 いいか、エミヤシロウ? 私達サーヴァントに()()()()などない。 自らの意志で呼び出しに応じる物好きなぞ、そこのセイバーぐらいだろうよ。 英霊なぞ使い捨ての道具。 他者の意志によって呼び出される者達だ。そんなサーヴァントが心の底から人間(ヒト)の助けになりたがっていると本気で信じているのかね?」

 

「…………」

 

「でも……………それは…………」

 

 黙り込む士郎と、何か言いたそうな三月にアーチャーは言葉を続ける。

 

「いいか? 英霊とは()()にすぎない。 不都合があれば呼び出され、後始末をして消えるだけの、な。 自由意志を剥奪され、未来永劫、人間の為に働き続ける単なる便()()()。 それが英霊と呼ばれる、都合のいい存在達だ」

 

「なッ?! アーチャー、貴方は………それはあまりにも………」

 

「…………」

 

 今度はセイバーが反論の声をあげ、三月が黙り込む。

 

「何が装置だ! セイバーは違う! やりたくない事は突っぱねるし、自分の意見もバンバンと言って来るし、嫌な事や嬉しい事があったら顔に出るし、何処からどう見て一人の人間だ! それに、召喚されてからの選択肢だってある筈だ!」

 

「シ、シロウ…」

 

 士郎の言葉を聞き、セイバーは頬を僅かに赤める。

 

「確かに()()()()()()という殻を与えられた()()はその時点で()()()()()を取り戻せる。 だがそれはかつての執念や無念と共にだ」

 

「「無念?」」

 

「ッ………………」

 

 士郎と三月が同時に声を出し、セイバーは何とも言えない表情に一瞬なる。

 

「想像でもしてみろ。 自身の思いを遂げられず死んでも、死してなお人間共のいいように呼び出される者達の感情を。 それもこれも、『聖杯』などと言う物を求めるが故だろうがな」

 

「でも………先程アーチャーさんは『そんな物くれてやる』と言っていましたね?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()。 私は望みを叶えて死んでから英霊となった。 故に()()()()()()()()()()

 

「そんな………そんな事って………」

 

「三月?」

 

「さて、お喋りはここまでにしようか。 私もお前達も暇なわけでは無いのだろう?」

 

 三月が言い続ける前に、アーチャーは姿を消す。

 セイバーが周りを見ると衛宮邸の近くの道と知り、警戒を続けながら声を士郎達にかける。

 

「あまりアーチャーの事を気に病まないで下さい、シロウ。 彼の言い分は極端すぎま────ミツキ!」

 

 セイバーが前方に歩きながら言葉の途中で振り返ると、黒いローブをまとい、髑髏を模した白色の仮面をした()()()()()()が左手の短剣を電柱柱の上から既に三月へと投擲した後だった。

 

「へ?」

 

 三月がセイバーの言葉、表情と視線に気付き振り向かえると既に短剣が迫っていた。

 

「(あ、これヤバイ。 ()()()()()()()()())」

 

「三月ぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 気付いた士郎も叫びながら手を盾にするように前に腕を出すがそこで彼は悟った。

「距離があと少し足りない」と。

 

 そこで彼は考えた。

 必死に考えた、時間が遅くなるかのような幻覚だった。

「どうすれば守れる」と。

 

 そこで士郎は思った。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と。

 

「(何かないか?! 何か何か何か何か何か! ()()()()()()()()()!)」

 

 そこで士郎の脳裏を過ぎったのは先程まで喋っていたアーチャーの双剣だった。

 

「(トレース、オン!)」

 

 士郎がそう考え、念じた瞬間、途方もない程の痛みと熱が彼の体中を駆け巡り、彼の手の内が光る。

 

 ガキィィン!

 

「ギッ?!」

 

「なッ?!」

 

「ほへ?」

 

 金属と金属が激しくぶつかる音が士郎の手の中の何かで髑髏の仮面をしたサーヴァントの短剣の軌道がずらして三月の頬を擦り通る。

 髑髏の仮面をしたサーヴァントが舌打ちにも似た声を出し、セイバーが驚きの声を上げ、三月は状況に追い付いていないかのような腑抜けた、意味不明の声を出した。

 

「ギギッ!」

 

「待て貴様!」

 

 セイバーが待ったの声をかけるも髑髏の仮面をしたサーヴァントはすぐさま闇の中へと消えて、士郎は安心の息を出しながら手の中の物を手放した。

 

「ま、間に合った…………」

 

「に、兄さん……あ、ありが────え?!」

 

 三月が士郎に再度振り返ると、士郎は彼女の体を覆うかのように寄りかかり、そのまま倒れる。

 体格差で三月は士郎の下敷きになるような事に三月は驚いた声を上げる。

 

「……………(え、えー? な、何これー?)」

 

【告。 心拍数急激上昇。 安定さセマスか?】

 

「………お、お、お兄ちゃん?(えー? ちょっとちょっとちょっとー? 何何何何何ー?)」

 

【再度告。 心拍数、更に上昇。 安定さセますカ?】

 

 三月の耳朶には某漫画で出てくるような「ドドドドドドドドド」効果音が鳴り響いていた。

 

「う゛………」

 

「お兄ちゃん?!」

 

「シロウ?!」

 

 士郎の苦しそうな声でセイバーと三月は士郎の体を起こし、三月が手を翳し、優しい光が辺りを照らす。

 

「ミツキ、どうですか?」

 

「『どう』と聞かれても……怪我は無いみたいけど…」

 

 そこでホッとするセイバーは士郎の身体を支えながら衛宮邸へと再度歩みを続けた。

 

「さっきのはサーヴァントでした」

 

「へ? で、でも、クラスは? だって、聖杯戦争に呼ばれるのは七騎の筈で…」

 

「あれは恐らく『アサシン』…………」

 

「え?! でもでも、アサシンはあのお侍さんの筈だよね?!」

 

「ええ、ですから不可解なのです。 帰ったらリンかイリヤスフィールに連絡をする事を推薦します」

 

 そして衛宮邸に変えるなりぐったりした士郎を見た桜は気を失いそうな勢いで倒れかけ、三月がまた体を支えようとして下敷きとなった。

 ただ士郎の時と違い()()()()()()()()()のでそれ程苦にはならなかったし、心拍数も極端に上がる事は無かった。

 

 

 その夜、士郎は突然目が覚めて起きた。

 

「………(あれ? 俺の部屋の天井? いつ、俺は────)ッ?! グッ…………オワァァァ?!」

 

 とてつもない痛みと体の熱さに目を覚ましたのだった。

 このおかげで意識は一気に覚醒し、深夜だと分かった彼は迷惑にならないように枕を噛みながら、くぐもった叫びを夜ずっとあげ続ける。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 次の朝、士郎は気が付くと何時の間にか寝ていた(と言うか気を失った)らしく、かなり体が動いたのか毛布と布団が滅茶苦茶だった。

 だが痛みは引いていたのには感謝していた。

 

 隣のセイバーの様子を見る為に静かに立ち上がろうとして────

 

「あれ?」

 

 ────ドサリと、士郎は尻餅をつく。

 

「……??? (おかしいな、()()()()()()()()?)」

 

 そう思いながら隣の部屋で誰かが起きる気配を士郎は感じて、起きたセイバーと話そうと開いた襖を見ると────

 

「ああ、おは────よぉわぁぁぁぁぁ?!」

 

 士郎は咄嗟の事に目を瞑りながら顔を逸らす。

 

「???」

 

 そこにはパジャマが(はだ)けた三月がトロ~ンと、明らかに意識が起きていない顔で士郎の部屋を覗き込もうとしていた。 彼女の上半身の白い肌が見えた。

 

 そしてブラをしていなかった。

 

 ブラヲシテイナカッタ。

 

 ブラをしていなかった。

 

 胸の膨らm────

 

「────み、み、み、み、三月! 前! 前! 前!

 

「???????」

 

「ん………シロウ? どうしたのですか? あれ? ミツキ、何時の間にそちらへ?」

 

 士郎の声で起きたセイバーは三月がいたと思われる、士郎の部屋とは反対側にある布団を見て、士郎の方を見る。

 

「セ、セ、セイバー! 襖を閉めてくれ!」

 

「??? 分かりましたシロウ」

 

 パタンと閉まる襖の音に士郎はやっと溜息を出し、自分の手足を見る。

 そこで拳を作ったり、足を動かすなどすると、行動がぎごちないように見えた。

 

「…………何なんだ? 一体?」

 

 士郎はだるい体に鞭を打ちながら朝御飯の準備をしようとキッチンに立って────

 

「クッ」

 

 ────うまく動かない体に苦戦していた。

 

「あ、おはようございます先輩」

 

「あ、ああ。 おはよう桜」

 

「おはようございます、シロウに桜」

 

「おはよう、セイバー」

 

「おはようございます、セイバーさん」

 

「ふわぁ~、おはよう~」

 

「ッ! お、おはよう三月」

 

 眠たそうな三月の声に士郎は顔をプイっと逸らしながら挨拶し返す。

 

「????」

 

 三月(本日はツインテールスタイル)は?マークを上げながら朝御飯の用意を士郎と桜と共にしたが、士郎の動きが何時もより違う事に他の二人が気付き、士郎には居間で休んでくれと言われた。

 

 その朝もずっと士郎の行動に違和感を持った他の皆に聞かれるが、士郎はただ「体がだるい」とだけ言い、あまり三月の方を直視できなかった。

 

 そしてそのまま学校に登校している間もフラフラしていた士郎を心配した桜と三月だった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 その日、士郎の状態を見かねた三月は凛を探し────

 

「────衛宮君の調子が悪い?」

 

「うん。 何か朝から動きがぎごちなくて、私を見るのを躊躇しているというか、見ないようにしているというか」

 

「………………ふ~ん?」

 

 凛が何か面白くなさそうな表情で三月を見る。 が、無反応の三月に飽きたのか、溜息を出し中ながら次の質問をする。

 

「で、昨日は何かあったのかしら?」

 

 と凛が声を変えず聞きながらジュースを飲み────

 

「アサシンに殺されかけた」

 

 ────三月が何もないかのように答えた。

 

「ブフゥ?! ゲホッゲホッゲホ!」

 

 凛は飲んでいたジュースを(とうとう)吹き出してむせて、三月は何事も無かったようにハンカチを貸す。

 

「ちょちょちょちょ────!」

 

「────上手く点かないストーブの真似?」

 

「ちっがーう! どうしてそんな大事な事をもっと早く言わないのよ?!」

 

「え? だって失敗したし。 あ! この場合は襲われたって言うんだっけ?」

 

 凛は頭を抱え、数秒後三月に説明を求める。

 三月出来るだけアーチャーと別れた後の事を凛に言った。

 

 自分に短剣が投げられ、当たる直前に士郎が短剣を()()、それを弾いたと。

 

「…………遠坂さん?」

 

 またもや頭を抱える凛に三月が声をかける。

 

「…………三月、衛宮君って『強化』以外に魔術が使えたのかしら?」

 

「さあ???」

 

「さ、『さあ』って………」

 

「士郎はあまり魔術の事を話したがらないから。 『自分には才能が無い』って、前に低い自己評価宣言していたから励ましていたけど」

 

「………今日の昼、少し衛宮邸にお邪魔するわね」

 

「へ?」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

「ただいまー」

 

 昼ご飯の準備をしていた士郎が玄関に出る。

 

「ああ、お帰り三月…………に遠坂?」

 

 三月と共に衛宮邸に来た凛に士郎は困惑する。

 そして凛が笑っているのに何故か怒っているような雰囲気に彼は更に困惑する。

 

「衛宮君、ちょ~っと良いかしら?」

 

「え? おい遠坂何────」

 

 ドォン!

 

 凛が所謂『壁ドン』を士郎にし、青筋をこめかみに浮かべながら笑う。

 

「『オウ、衛宮ンとこの小僧。(つら)ぁちったぁ貸せや*1

 

 パチパチパチパチと見事な壁ドン+ドスの効いた声に拍手する三月。

 

「おおお~」

 

「……………………………………………………………ハイ」

 

 ちなみに桜は買い出しに出ていて衛宮邸に今はいない。

*1
第11話にて、三月の()()()()()より




ライダー(バカンス体):オウ、ここが噂の場所だ坊主!

ウェイバー(バカンス体):な、何なんだよここはライダー?!

ラケール:敢えて聞くけど、あんたブラしてないわけ?!

三月(バカンス体):…………………(汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗

チエ:私はサラシだが?

ウェイバー(バカンス体):……………………ライダー! 次からもここに連れて来てくれ!

ライダー(バカンス体):それは良いが、鼻血を先にどうにかせい
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