"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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自分の文才(の無さ)が怖いです………
ちゃんと伝わるのかが心配です、ハイ………


第23話 「兄妹」と「姉妹機」と「姉妹」

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 セイバー運営、アーチャー運営、イリヤスフィール運営 視点

 ___________

 

 士郎達にイリヤが第一次から第四次聖杯戦争をアインツベルン城で調べた物を話す中、セラはお茶と茶菓子の用意に苦戦していた。

 

 何せホムンクルスとイリヤの侍女としてプライドの高い彼女は主の為にと行動をしたは良いが如何せん、他人の家でしかもアインツベルン城とは違い洋式の分別ではなく和式。そして同じくプライドの高い彼女は家に詳しい士郎や三月には聞けなかった。

 

 これを見た士郎と三月は一瞬だけ見つめ合い、()()()()()()()()()を急に始める。

 

「あー、そう言えばこの前買った紅茶の葉っぱは上の右端から二個目の棚だっけ?」

 

「そだよー、んで私がこの間作ったタルトが左の冷蔵庫の中にあった筈だよー」

 

「紅茶にもうちょっと高級感出したい時のメープルシロップは何処だっけー?」

 

「左の下の棚だよー」

 

 などと話し始めた二人の声を聞いたセラの耳はピクピクと反応して、何も言わずにさっさと紅茶とタルトを人数分用意し始める(食器などはさっきワタワタしていた時に見つかっていた)。

 士郎と三月は自分達の思惑が成功したのにニカッと笑いあい、他の人達が黙り込んだのに気付く。

 

 セイバーの表情は変わっていなかったがアホ毛がミョンミョンと期待で激しく動き、

 イリヤは若干プクーっと不満に頬を膨らせながら「私だって!」とブツブツ独り言を言い、

 凛はニヤニヤとイリヤの反応を見ながら面白がっていた。

 

「……………えーと、どうした皆?」

 

「イーちゃん、どうしたの?」

 

 イリヤがプイっと二人から顔を逸らす。

 

「べっつに~?」

 

 凛はにっこりと笑顔を送りながらイリヤに声をかける。

 

「イリヤ、話の途中なのだけれど? どうしたのかしら?」

 

「「遠坂?/遠坂さん?」」

 

 タルトや紅茶をセラが持って来て、イリヤは(タルトと紅茶を一時楽しんだ後に)話を続ける。

 ちなみに感謝した三月はセラにこの間買った駄菓子の味見を頼んだ。

 

「そうですね。 味見ですものね」

 

「そうそう。イリヤの口に合うかどうか分からないからさ」

 

「では仕方ありませんねッ!」

 

 嫌々言っていた割にはセラの口はムズムズと笑い顔になっていたそうだ。

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 イリヤの長い話が終わり、タルトの後に出て来た数々の駄菓子ミックスを食べていた。

 これを出したセラは大層ツヤの良い肌で「お嬢様、味見は完璧ですよ!」と言ったとか。

 

「成程ね、第三次に()()起きたと考えるのが妥当ね」

 

「でもそんなに長く聖杯戦争は続いていたのか………」

 

「士郎」

 

「ああ、悪い」

 

「モグモグモグ」

 

 士郎が文字通り動けない三月に次々と食べさせたり、紅茶を飲ませたりしていた。

 

「………ミーちゃん、本当に動けないのかしら? フリとかじゃなくて?」

 

「フリじゃないフリじゃない、本気の本気。 何なら私の手作りマカロンにかけても良い」

 

 ジト目で睨むイリヤに三月が答えるとイリヤ、凛、そしてセイバーの目が一瞬だけ光ったような錯覚に士郎は目を擦る。

 

「あ、あれ?」

 

「どうしたのシロウ?」

 

「いや、何か皆の目が────」

 

「────あら衛宮君、貴方の後ろにあるストーブを()()()()動かしてくれないかしら?」

 

「ん? いいぞ」

 

「あ、兄さんちょっと待────」

 

 三月が言い終わる前に士郎が動くと彼女の頭はそのまま床に落ちる。

 

 ゴンッ!

 

「あいた?!」

 

「あああ、三月すまない! 大丈夫か?!」

 

「い゛、い゛だい゛よぉ~」

 

 涙目になる三月とアタワタする士郎。

 そして咄嗟にとは言え「手作りマカロン」という悪魔(?)の囁きに負けていたイリヤと凛は気まずそうに声をかける。

 

「だ、大丈夫イーちゃん?」

 

「あの………氷持って来ましょうか?」

 

「グスッ…………それも良いけど、『()()()()()()()んだけど………」

 

「「え」」

 

「ハッ?」

 

 三月の言葉の意味に気付いたのか、イリヤと凛が互いを見て士郎は?マークを飛ばしていた。

 

「『遠方』って…動けない体でどこに行こうってんだ?」

 

「あー、衛宮君? それはちょっと違うわ」

 

「セラ、お願いできるかしら?」

 

「………………お嬢様がそう仰るのなら」

 

 セラがもの凄く嫌な顔をしながら三月を乱暴に担ぎ、今を出る。

 

『あ!ちょ!揺らさないで!!!』

 

 外から三月の声が響き、遠くなってから凛は口を開ける。

 

「さて、彼女の事を少し話しましょうか?」

 

「話すって…イリヤの城で先日話したばかりじゃないか」

 

「シロウ、あの子は私から見ても異常よ」

 

「イリヤ?」

 

「私は心臓を………『聖杯』をあのサーヴァントに取られたわ。 それは間違いない事よ。 でも私は『生きている』」

 

「え? でも遠坂は────」

 

「────城でも言ったけど、貴方の場合心臓に傷があって私はそれを修復しただけよ。 でもイリヤの場合修復する物が無かった」

 

「恐らくだけど、アレはリズを使()()()と思うの………あ、リズって言うのはもう一人の侍女の事よ。見当たらなかったのは、多分…………」

 

「そうなのか………」

 

「リン、あのサーヴァントについてですが────」

 

「────後ね、少し見せたいものがあるの」

 

 そう言い、凛は立ち上がる。

 

「見せたいものって、何だ遠坂?」

 

「衛宮君、貴方は三月の部屋を見た事あるかしら?」

 

「え? ないけど…………それがどうかしたのか?」

 

「ついて来て、イリヤとセイバーも」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「ありがとう、セラさん!」

 

「…………」

 

 セラは何も言わずにただ三月を担ぎ、皆がいる筈の居間に戻る。 襖を開けるとそこの空気はどこか重く、通夜のような雰囲気が漂っていた。

 

「あれ? どうしたの皆?」

 

 三月の声に士郎、凛、イリヤとセイバーはビクリとする。 そして最初に口を開けたのはイリヤだった。

 

「お、お帰りなさい! ミーちゃんの事ありがとう、セラ!」

 

「あ、え? は、はぁ?」

 

 明らかに何か後ろめたい事をしていたような感じのイリヤ(そして不慣れな褒め方)に少し戸惑うセラは三月を士郎の横に下ろして部屋の端に立つ。

 

「えへへ~、ただいま~」

 

「あ、ああ! お帰り!」

 

「???」

 

 士郎もどこか無理をしているところがあるのか、ぎこちない言い方に三月はキョトンとする。

 

「………それでセイバー、話してもらえるかしら? あのサーヴァントの事を」

 

「……はい」

 

 セイバーは先の青年が第四次聖杯戦争のアーチャーである事を説明し始め────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────彼の元マスターが「遠坂時臣」だったと言うとそこに居た全員の視線が凛へと注がれる。

 凛はただ眼を見開いて、『信じられない』と言った顔でただ前を見ていた。

 

「アイツが………お父様の…………サーヴァントだった?」

 

「と、遠坂?」

 

「ハイ。 そして、彼は以前の聖杯戦争でも実力は飛び抜けていました。 前回の戦でキリツグはあのサーヴァントを一番警戒していました────」

 

 セイバーの言葉は既に凛には届いていなかった。

 彼女の目の前は今より視点が低く、雨の日だった。

 

 目の前には凛の父親、遠坂時臣の墓石で様々な人たちと巡礼していた。

 後ろからはエセ神父(言峰綺礼)が神父として掛ける言葉。

 左腕にはジンジンと熱い痛みが走る。

 魔術刻印の移植された腕が疼く。

 だが、凛は決して弱みを見せない。

「自分が新たな遠坂家の当主なのだから」と自分に言い聞かせる。

 

 エセ神父(言峰綺礼)が何か言葉をかけてくるが、そんなものどうでも良い。

 父が優秀なのを凛は知っている。

 

「そろそろ、お母上を連れてきてはどうかね?」

 

「ええ…そうする」

 

 幼い凛はぶっきらぼうにエセ神父(言峰綺礼)から車椅子に乗った自分の母親、遠坂葵に振り返る。

 

「さあお母様、お父様に最後のお別れを言おうね?」

 

「まあ、今日は誰かのお葬式なの?」

 

「ええ………お父様が………死んだのよ」

 

「あらまあ、それは大変。 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ッ」

 

 車椅子を押し始める凛はキュッと唇を噛むが、母の言葉は続く。

 遠坂葵の死んだ目がボンヤリとただ前を見る。

 

「ねえ凛、()()()()()()()()()()()()()

 

 幼い凛は頭を俯き、目が前髪に隠れ、彼女の身体が震え始める。

 

「私も支度しなくちゃいけないのに………ほら、時臣さん。 ネクタイが曲がっていますよ?」

 

「ッ…………ウッ…………」

 

 凛の足取りはヨロヨロとし始めると────

 

「────()()()()()()()()

 

「ッ!」

 

 凛は顔を上げる。 その顔はさっきまで静かに泣いていて、目は真っ赤だった。

()()()()()()()()()()()()()()()」。 凛はそう思いながら極僅かな希望と期待で遠坂葵を見る────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「……ぁ………」

 

 凛は両手を車椅子から離し、口を覆い、上がってくる吐き気に涙を流しながらも静かに耐える。

 

 凛の母親の遠坂葵は聖杯戦争に巻き込まれ、酸素欠乏症によって脳に重大な障害を負いながらも一命を取り留めたが、精神が崩壊してしまっていた。

 彼女の心は既に現実世界から切り離され、夫の時臣が健在で()()()()()()()()がまだ家族であった頃の時間で止まり、生きながら幸せだった時代の『夢』の虜となり幻想の日々を彷徨い続けた末に病没した。

 

 この時、遠坂凛は十代の歳になる寸前だった。

 

「…………………」

 

 「遠坂? 遠坂?! 遠坂!」

 

 「ちょっと、リン?!」

 

 「遠坂さん!」

 

「………………………あ、あれ?」

 

 凛が記憶から()()に戻ると心配で彼女の顔を覗き込むのに気付く。

 

「あ、あらやだごめんなさい。 ちょっと思い出に浸っていただけよ。 私は大丈夫だから────」

 

「────嘘言うな遠坂! 無事な奴の顔色が土色になるものか!」

 

「……………え?」

 

 凛は気付いてはいないが、彼女の顔色は青を通り越して土気色だった。

『遠坂家の当主』で『ミス・パーフェクト』はおろか、『何時もの遠坂凛』でさえそこにはいなかった。

 

 そこに居たのはボロボロの精神の母の看病で同じく精神を擦り減らしていた『遠坂凛』だった。

 

「あ…………ご、ごめんなさい!」

 

 凛は立ち上がると、早足で居間を出た。

 そして三月は見た。

 彼女が最後居間を出る直前に声を殺しながら泣いていたのを。

 

「兄さん、遠坂さんを追いかけて」

 

「み、三月? どうしたんだよ? それに、今の遠s────」

 

「────早く追いかけないと肩を噛むわよ。 首と口は動くんだからね。 十秒。 九、八、七」

 

「ハァ?! ちょ、ちょっと────?!」

 

「────六、五、四、三────」

 

「────わ、分かった! イリヤ、セイバー! すまない! 詳しい話は後で!」

 

「…………うん、分かった」

 

「ではシロウ、またあとで」

 

 士郎は三月を居間のちゃぶ台に寝かせると凛の後を追う。

 

「………ごめんねイーちゃん?」

 

「ううん。 リンがあんなになるなんて思わなかった。 でも、どうしてシロウを追いかけさせたの?」

 

「………遠坂さんは()()()()()。 それに……士郎は話しやすいからね。 あ、それとリーちゃんから二人宛の伝言。 『楽しかった、さようなら』」

 

「「え?」」

 

「あと、『セラが楽しみにしていたクッキーをコッソリ食べちゃった。ごめん』だって」

 

「リズ……リズの……分からず屋…………」

 

「リーゼリット……貴方は本当に………どこまで人に迷惑を! う………ううう………」

 

 泣くイリヤとセラにティッシュ箱を取ろうと三月はするが未だに首だけしか動かなった。

 

「…………御免ね二人とも? リーちゃんをその………()()()使()()()()()()?」

 

「グスッ………ううん…良いの、三月…………あれって、『錬金術』だったんでしょ?」

 

「ん~、私は『再構築』って呼んでいるけどね? それに、リーちゃんも『良いよ』って言ってたから。 それ以外方法が無かった」

 

「でも、どうして私を命懸けで救ったの? 私が…………私が『アインツベルン』だから? それとも………」

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………そっか。 ありがとう、ミーちゃん」

 

「ええ、お嬢様の命を救ってくれて………誠にありがとうございます」

 

「どういたしまして、イーちゃん。 セラさん」

 

 三月はニカっと二人に向かって笑った。

 

 そしてこの一連の出来事を見ていたセイバーは何とも言えない気持ちが胸の中で燻ぶっていた。

 

 

 

 士郎は凛が借りている客間の前で足を止めた。

 何故なら中からすすり泣く声が聞こえて来たからだ。

 ()()遠坂凛が泣いていると分かった士郎はやるせない気持ちでただ静かに凛が泣き止むまで待つ事に────

 

「────何の用かしら?」

 

 士郎の身体がビクついた。 まさか気が付かれているとは思わなかった。

 

「あ、あー遠坂? その………入るぞ」

 

「取り敢えずそのまま立っているのも」と思った士郎はドアノブに手をかける。

 

「え、衛宮君?! え?! ちょ、ちょっと待って!」

 

「分かった」

 

 そう言い、士郎が扉の前で待つ事数秒間。

 

「…………入って良いわよ」

 

 士郎は入って様変わりした客間を見る。

 明らかに「魔術師の工房」と言う雰囲気の器具などが一か所にあり、もう一か所には小道具などが置いてあった。

 

「な、何よ。 そんなに人の部屋が珍しい? キョロキョロするより座ったら?」

 

「まあ、な。 少し前まではただの客間だったからな。 よっこらっせっと」

 

 凛の目は腫れていたが取り敢えず涙はもう流していなかったようで士郎は椅子に座りながらホッとする。

 

「で? 衛宮君は何でここに?」

 

「え? あ、ちょっと…な」

 

「もしかして三月かしら?」

 

「う」

 

「って図星か………本当呆れた。 衛宮君より頑固かも知れないわね、流石『兄妹』って所かしら……」

 

「はは、桜にも言われたよそれ」

 

「……そう……あの子が……ねえ衛宮君。 何で三月は貴方に私を追うように言ったのかしらねえ?」

 

「え?」

 

「こんな嫌な性格している女の子をさ」

 

「『嫌な性格』って、どこが?」

 

「………前に少し、衛宮君に私の事を話した事があるわよね?」

 

 遠坂凛はポツリポツリと自分の家庭の事を掻い摘んで士郎に話す。

 父は前回の聖杯戦争で死んで、母は狂ってしまい、遠坂邸では自分一人で生きて来たと。

 

「でもね………言ってない事があるんだ………ねえ、衛宮君と三月はここの養子なんだよね?」

 

「あ、ああ」

 

「前にその、訊きそびれたんだけど……もし………もしもよ? 本人の意思とは関係なく、余所の家に養子にやられたその子はどういう気持ちで育つのかな?」

 

「どうって………そんなの貰われた先の家に左右されるだろ? でもどうしたんだ急に?」

 

「衛宮君達の立ち入った話も結構あの時公園で聞いたから」*1

 

 凛が黙り込み何か迷っているかのように目が泳ぎ、士郎はただ静かに待つ。

 

「わ、私ね…………遠坂家に子供は実は私一人だけじゃなくてね────」

 

「────な?! どうしてもっと早く言わないんだ?! 今すぐ遠坂の所に行って────!」

 

「ち、違うの!」

 

 凛の言葉で士郎はてっきり遠坂邸でもう一人の子が一人で待っていると思った彼は立ち上がり、それを凛が制止する。

 

「そ、その……………その子はね────

 

 

 

 

 

 

 

 ────『()()()()()()

 

「……………え?」

 

 一瞬何を言われたのか分からない士郎はただ「え?」としか返せなかった。

 

「そりゃあ………凄い偶然だな」

 

 何故なら別の部屋で寝ている士郎の後輩の名も『桜』だった。

 

「それでね…………『桜』はね……………『間桐家』の養子に────」

 

 士郎の耳朶に自分の心臓と「キィーン」とした音だけが聞こえ始めた。

 彼の思考はまた一瞬止まり、凛の顔を見た。

 彼女の顔は酷く苦しみと不安に歪んでいた。

 

「その………お父様がね、『間桐家』の養子に『遠坂桜』を………()()したの………『間桐の血筋が途絶えない為に』って……そんな事を、私は『仕方ない』って思って! でも……でも! 今の幸せそうな桜を見たら私………どう接したら良いのか分からなくて! だから私は『学校の私』を演じて……………『聖杯戦争のマスター』として…………『魔術師』として…………ただ逃げていた………」

 

「遠坂…………」

 

 そこで凛は士郎に笑いながら涙を目に浮かばせながら喋り続ける。

 

「でもね………さっきのセイバーの話で…………私、ちょっと()()()()()()

 

「………前に、言ったっけ? 三月が()()()()()()って」

 

「??? え、ええ」

 

「最初俺は………彼女がちょっと苦手だったんだ」

 

「…………え?」

 

 凛が信じられないと言った顔で照れている士郎を見た。

 

 彼曰く、三月の最初の印象は『綺麗な子』が『不可解な行動をする子』に変わり、その日はずっと震えていた。

 そんな彼女の「兄」と士郎は自称して色々世話をしている内に彼は気付いた。

 

「三月が優秀過ぎる」と。

 例えば説明書をチラッと見ただけでその機械等の使い方が分かったり、一回見た番組や新聞の内容を把握していたりと、()()()()()()なら考えられない様な事を三月は平然とやっていった。

 三月が()()()()()()子だったのに瞬く間に「兄」と自称している自分が三月に勝っている要素と言えば人とのコミュニケーションスキルと体を使う作業位だった。

 しかも後者に至っては単に三月の体力が追い付かないだけだったので「何時かはこれも追い抜かされる」と士郎は思っていた。

 

 だが衛宮切嗣の死で三月の性格が一変し、徐々に今の三月に収まった。

 

「衛宮君…どうしてそんな事を?」

 

「まあ、遠坂の愚痴を聞いたのに、俺の愚痴を聞かないってのは()()()()()()()…だろ?」

 

 それはかつて、凛が士郎に言った言葉に似ていた。*2

 

「………ハハ、何よそれ」

 

「ま、まあ。 取り敢えず、桜に遠坂は何がしたい?」

 

「……こう面と向かって聞かれると色々ありすぎて………と言うか、今更姉妹の様になんて……私がどの面下げて────」

 

「────じゃあ先ずは、さっき遠坂が俺に言った事を、桜に言う事だな」

 

「…………え?」

 

 そして士郎は驚愕する凛に更に言葉をかけ、話が終わる頃には深夜遅くになり、その夜はお開きとなった。

*1
第17話より

*2
第7話より




マイケル:え?ちょ、マジか

ラケール:エグッ?!

チエ:真実とはいつも残酷だ

三月(バカンス体):♪~

ラケール:あ! この曲知っている! ♪~

マイケル:あ~、ナントカ『テーゼ』って奴だっけ? ダウナー系の

ウェイバー(バカンス体):あ! チ、チ、チ、チエさん!

チエ:ん? ウェイバーか。 久しいな

ウェイバー(バカンス体):こ、こ、こ、こ、これを!

チエ:花? 

ウェイバー(バカンス体):よ、よよ、良かったら! う、う、受けとって欲しい!

チエ:良い香りだな、貰おう

ウェイバー(バカンス体):ッ?! や、やったぞー! 見、見たかライダー?! 僕だってやれるんだ!

ラケール:アイツ、意味わかって無くね?

三月(バカンス体):……次あの曲行こうか? ハーモニカ持っている?

ラケール:…………あんたもエグイわね。それって「Alone in the Wind」でしょ

三月(バカンス体):『しかたないだろ~♪大人になるんなら~♪』

ラケール:いくら何でもエグ過ぎよ?!

作者:自分もそう思う。 あともう一つメタ的に言わせますと投稿する文章が短くなったりするかもしれません…仕事との両立は難しいですが頑張ります。 書くのは楽しいですしやめるつもりなど毛頭ありません。 ただこんな自分の物を読んでくれている方達には誠に申し訳ないかぎりです。 皆さんもお出かけになる際にはお気を付けて下さい………
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