"Stay, Heaven's Blade" Fate said. “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。” 作:haru970
(多分全部)修正できました(と思います)!
今回も短くて遅れてしまいました、すみません………
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セイバー運営、アーチャー運営、イリヤスフィール運営 視点
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次の日の朝、暴食家の姿があった。
「バクバクバクバクバクバクバクバク!」
「ねえ、シロウ………喉に詰まらないかしら、あれ?」
「いや? 三月は昔から大食いだぞ?」
「「(あー懐かしい)」」
ご飯とおかずをバクバクと食べる三月を見ていたイリヤは心配して士郎に聞き、彼は何時もの様に返事をすると凛と桜が同じ事を考える。
三月が次の日起きたのは眠気が覚めたからではなく、お腹のグゥグゥ鳴く音からだった。
最初はセイバーかと思ったが、セイバーとイリヤも音で目が覚めたのか三月を見ていた。
ちなみにイリヤはセラの猛反対を押し切って三月と添い寝する我儘を押し通した。
ただイリヤにとって誤算だったのは三月がセイバーと同じ部屋で寝ていた事か?
これを知ったイリヤは最初物凄く戸惑っていたが、隣の部屋が士郎の部屋と知った瞬間手の平を返すかのような振る舞いだった。
「あ、三月先輩? 次も特盛ですか?」
三月が頬張りながらお茶碗ではなく丼を桜に私ながらコクコクと首を縦に振る。
「ねえリン? 本当に大丈夫なの、アレ?」
「まだマシな方よ」
「え」
次の丼を頬張り始める三月を見たイリヤは凛の反応に驚愕する間、士郎は昨日の事を思い出しながら三月を見た。
昨日士郎、イリヤ、セイバーが凛に連れられた部屋にはタンス一つ以外
正に空っぽの和式の部屋。
長年誰も住んで居ない空き部屋。
「??? リン、三月の部屋を見せると言いましたがここは空き部屋なのでは?」
「………違う。 違うんだセイバー」
「シロウ?」
声を出しながら固まった士郎を見たイリヤが心配で彼を呼ぶ。
「違うんだセイバー………ここが、
『部屋は心境の表し』。
そう皆は子供の頃や今になっても聞いた事があるだろうか?
全体的な表現としては間違っていないとも当たっていない場合もある。
だが誰かが住んでいる部屋に
士郎自身、部屋にあまり物は置いてはいないタイプだが少なくとも机や時計に小道具箱や雑誌とかを置く本棚ぐらいはある。
凛や桜も一時的な泊りがけとは言え、何らかの私物を部屋に持って来ている。
それが魔術道具やぬいぐるみや家の枕などなど。
「ええ、そうよ。
「そんな………」
「私も驚いたわ。 昨日衛宮君に連れて来られた部屋がこんな状態だったもの。 最初は『悪趣味な悪戯か』と疑った。タンスの中で三月のカバンや学生手帳を見つけるまではね」
士郎は
一言でその部屋を現すのなら「空虚感」。
「ですがリン……信じられません! この部屋は………あまりにも………」
「ええ。 刑務所の独房の方が物を置いてあるわ。 私は思わずぞっとしたわ。 必要最低限の物しか置いていないと言うのも遠慮したいぐらいにね」
「シロウは………知らなかったの?」
「…………………」
イリヤの問いに答えない士郎はただこの部屋を見ていた。
「その様子だと衛宮君も知らなかったみたいね……あと、ショック中の三人に追い打ちをかけたい訳じゃないけど、士郎は三月が『軽い』って感じてはいなかったかしら?」
「え?」
「イリヤ、少し衛宮君に背負って貰われないかしら?」
「いいけど…リン何が言いたいの?」
「なッ?!」
「シロウ?」
イリヤを士郎が背中に乗せた瞬間、彼の表情が強場る。
「………イリヤの方がおm────」
「────待った。 衛宮君、この状況でも流石にそれは無いわ。 でも三人に私が言いたい事は分かったかしら?」
「「「……………」」」
イリヤはこれが何を意味するのか考え、このような事に直結するのは「自分を瀕死の状態から救った」事だった。
セイバーは以前「コアラ抱き」をされた時、三月が軽いと思ったのは自分がサーヴァントであるからと思っていた。
士郎もセイバー同様だったがそれは自分が余り他の者を背負ったりした事があまりなかっただけで、三月を標準としていた。
そして凛にはこの事が心底恐ろしかった。 三月が
だがこの部屋の有様を見た凛は再度考えさせられ、ある一つの可能性が出た。
「もしかして三月には執着しているモノが無い?」、と。
これは普通の人間でも異常だ。
ましてやそれが人外ともなると。
「成程ね………リンが言いたい事が分かったわ」
「ええ、これは由々しき事態です」
「どういう……事だ?」
未だにショックを受けている士郎はそこまで考える余裕が無く、ただ聞いた。
「衛宮君。 例えば………例えばの話よ? 未知数の力を持った
『暴君』。
その一言が士郎の頭を過ぎり、これはイリヤやセイバーも同じようだった。
「それは、ただの自由気ままに生きる暴君の一歩手前ではないですか?!」
何せセイバーはそのままの事を言ったのだから。
「ええそうよ。 皆はこれで分かったかしら? その事を私は恐れていたのよ」
「「「………………」」」
皆が黙り込み、次の言葉を見つけようとする。
だが上手い言葉が出ず、ただ静かに時は流れ、凛は口を開ける。
「衛宮君は、ずっと三月と住んでいたんでしょ? 何かないかしら?」
「何かって………何だ?」
「
凛はこう考えて士郎に聞いていた。
「もしかしたら衛宮君なら何か知っているかも知れない」または「何か三月が興味の事を分かればもっと色んなモノも探せるかも知れない」。
自分第一で考えていると凛は思って行動しているが、これには若干無意識にかつて聞いた事がある幼い頃の『間桐桜』の噂等も関与していた。
『間桐慎二の妹』。
『人形の様に変わらない表情で兄の間桐慎二とは対照的な妹』。
『何時も暗く、俯いている間桐の妹君』。
等々の噂を凛は幼い頃から聞いていた。
「…………分からない」
士郎の答えは凛達が欲しがっていた答えとは程遠かった。
「え? で、でも一緒に住んでいるんでしょ?」
「そう言われてもな………」
そこで士郎は凛たちに説明する。
確かに小学生から一緒に住んではいるが、その頃の三月は今とは程遠い性格をしていて中々クラスに溶け込めずに居た。
そして彼女に変化あったのは衛宮切嗣の死からで、三月はもっと他の人達の接し方を探すかのように努力をした。
勉強ができる子達には知的に、オシャレの好きな子達には今風や次のビッグファッションウェーブの予測など、いつも同じおかずの弁当に不満を持っている子達には世界中のおかずを分ける等々。
そして中学生に上がると士郎と三月はクラスが別々になり更に一緒にいる時間が無くなった。 一緒にいる時などは体作りや食材の買い物がメインとなり、更に時間が経つと────
「────あ」
何かに気付いたかのように士郎はハッとする。
「どうしたの、シロウ?」
「そう言えば、桜なら知っているかも知れないと思って。 二人とも女性だからさ、結構一緒にいる時間が長いんだ。 それになんだかんだ言って昔の桜は三月の似ていたからさ」
「ッ」
「リン、どうかしましたか?」
「何でも…ないわ」
結局その夜、次の日に士郎達は三月と桜にそれとなく聞く事にしたがこの後、イリヤの心臓を抉り取ったのが十年前の、凛の父親遠坂時臣のサーヴァントと判明した事に凛が動揺してその場から去ったのだが。
「ん~~~!!! 漬物美味しい~~~!」
そして今日の朝、三月は以前同様の暴食ぶりを発揮していた。
この三月を見ていたイリヤは不思議に思っていた。
「本当にこんな子があの部屋の主なのか?」と。
「ねえミーちゃん?」
「ん~? 何、イーちゃん?」
「ミーちゃんって何か欲しいものとかある?」
「「「(イリヤがいったー?!)」」」
イリヤのそれとなくかつ直球じみた質問に士郎、凛、そしてセイバーがモキュモキュと食べる三月を見る。
「ん~? じゃあイーちゃんの沢庵一つ貰っていい?」
「いいよ────じゃなくて! あ?!」
「ポリポリポリポリポリ」
ガクリと肩を落とす士郎、凛、そしてセイバー。
「そ、そうじゃなくて。それ以外の物。 ほ、ほら服とかぬいぐるみとか」
「ん~???? んー……………」
口をモグモグとしながら目を閉じる三月に士郎達はゴクリと────
「────あ! そういえば小麦粉が減っていた!」
「「「……………」」」
朝御飯の後、皿洗いを手伝うと言った三月に病み上がりという事で凛に代わってもらい、お茶を飲みながらテレビを見ていたがセイバーに稽古に誘われた。
「え? 士郎はともかく、何でイーちゃんもここにいるの?」
「あら? いけないかしらミーちゃん?」
「そう言えば、ミツキはこの稽古の事を楽しく感じていますか?」
「「(今度はセイバーが行ったー?!)」」
「え? ん~????」
三月が首を横へ傾げる。
「んー…………まあ、体作りとしての運動と自衛手段としてかな?」
「では、体を動かすのは嫌いでは無いと?」
「え? まあ…………お腹空くから動くのは好きじゃないけど、死んだりするのはもっと嫌いで……………あ!」
「「「?!」」」
「やっと何か来たか?!」と思った三人。
「昨日マカロンを皆に出すのを忘れてた! 後で出すね」
「では稽古の後に楽しみましょう」
セイバーは嬉しい顔をする反面、アホ毛がへなへなとしなれていくのを士郎は見た。
その間キッチンでは気まずい空気が凛と桜の間に出来ていた。
「「………………………………」」
これによって桜は何時もよりビクビクしていたのを凛は気付いていた。
「ね、ねえ? さ、桜?」
本来なら勇気を持った桜が凛へのアプローチを心試す場面だが、昨夜士郎と話し合った凛が先に桜へ歩もうとした。
ただ桜もこれを予期していなかったので身体と声を固くしながら答えた。
「は、はい?」
「……あー……うー………」
「???」
全く『遠坂凛』らしくない感じの凛に桜は?マークを出しながら凛から続きの言葉を待つ。
「その………私の事、嫌いでしょ?」
「………………………え?」
桜にとってそれは全く夢にも思ってもいない話の始まりだった。
「だって……知らなかったとは言え、お父様が『これは必要な事だ』って言い聞かせていたとしても、
そこからポツリポツリと、ぎごちない言葉遣いで桜に次々と話していった。
現在そこに居たのはただの
その上
だが幼い頃に慎二が士郎や三月を桜に
色々な過去の出来事がまたも『運命』を変えていった瞬間の一つだった。
道場では以前までとは違う雰囲気が漂っていた。
それは士郎にはまだ数回しか経験した事の無い「殺気」だった。
彼の顔に湧き出てくる汗とは対照的にイリヤはただ眼前の場面を涼しく見ていた。
その二人の前にはセイバーと三月が互いに竹刀を構えながら睨んでいた。
「「………………」」
ヒュッとした音が聞こえるとセイバーの姿が消え、一瞬の時間差後に爆音に似た何かが士郎たちに聞こえ────
バキィン!
「「────あ」」
部屋の反対側に何時の間にか立っていたセイバーと尻餅を付いた三月が手の中で握っていた
「またk────」
「────いや~ん! お兄ちゃんイリヤ怖~い♡」
イリヤが士郎に横から抱き着き、士郎が苦笑いする。
何故ならイリヤの口は笑っていたが、目をそうではなかったからだ。
「ごめん士郎────」
「すみませんシロウ────」
「い、いや良いって。 後片付けは俺がやるから先に着替えてきな」
「ホイホ~イ」
三月が何時ものノリで手を振りながら道場を後にした後、イリヤがセイバーを見る。
「………セイバー、どう思う?」
「彼女は異常です、イリヤ」
「………だな。 昔から『神童』、『天才』とか言われていたから、俺もてっきりそうかなと思っていたが…………」
先程のセイバーは現在の
これが人同士であれば何も問題ない。
が、セイバーは英霊。 人々に祀り上げられた存在。
そのような存在と張り合えるような高校二年生がこの世界にいるだろうか?
『三月は
もし凛が恐れているような事があればとイリヤと凛は見極めたかった。
そして結果はほぼ最悪の想定に近かった。
これを見たイリヤは何とか三月と『敵対』するのだけは阻止する事を考える。
半面、士郎は内心焦った。
凛に話していた事が現実になりつつあった。
自分より優秀な三月を目の前に、『自分は何が出来るのだろう?』と思い始めていた。
『正義の味方』。
最初は何かが自分に足りないと士郎は思っていた。
だが三月を見ているとどうも違うような気が最近はしていた。
確かに三月は強い、見違えるほどに。
確かに彼女は博識、思わず
だが彼女は果たして『正義の味方』になれるだろうか?
「『正義の味方』って、何なんだろうな」
「「シロウ?」」
シロウの独り言を聞き取れなかったセイバーとイリヤが彼の名を呼ぶ、が士郎はただ立ち上がって後片付けをしながら考える。
「果たして自分の思っている『正義の味方』とは?」と。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「こ、こうかしら?」
「はい。 でももう少しお水が透き通る位までお米は洗ったほうが良いですよね、姉さん」
「えっと、ナニコレ?」
三月が戻ってきた居間の隣にあるキッチンには凛にお米の洗い方を教えていた。
しかも桜が凛の事を「姉さん」と呼びながら。
「あ、三月先輩お疲れ様です。 今ちょっと遠────『姉さん』に和食に合うお米の洗い方を教えているんですけど良いですか?」
「良いんじゃない?」
「え? さ、桜? どういう事?」
「あれ? 遠────『姉さん』に言いませんでしたっけ? 私に料理を教えたのは先輩達ですよ? 途中からは三月先輩メインになりましたけど」
「え゛………も、もしかして家事とかも全部?」
「そうですよ? 三月先輩って凄いんですから!」
「いや~、それほどでも~? 見ていた番組とか雑誌とか料理の本とかを参考にしているだけなんだけどね~?」
「…………………」
「ん? どしたの遠坂さん? というか桜、『姉さん』って何?」
「あ、えと、その────」
アタフタしながらも三月に桜は問いをはぐらかし、家事のコツとかのおさらいを三月に頼んでいる間、凛は思っていた。
「(三月の目的は、何? 血? 魔力? 人間? いったい何?)」
未だに三月の行動の原理が読めなかった。
『自分と似ている子』。
それが遠坂凛という少女が中学生の頃に聞いた噂だった。
曰く凛と同じく博識。
曰く凛と似ていて近寄りがたいけど、接してみると話しやすい。
曰く凛みたいに見た目も整っている。
『似ている』、『似ている』、『似ている』、『似ている』。
それが周りからの噂だった。
「(もう、何なのよ?! それ程似ているって言うのなら見てやろうじゃないの?!)」
『凛が似ている』であって『その子が凛に似ている』ではなかったのに凛は苛ついた。
そして猫を被りながらも、他校の中学校に見学に行き、目的の少女を自身の目で見るのは夕方となっていた。
そこで凛が見たのは『衛宮三月』という小柄な金髪少女と、赤がかかった髪の毛の少年が交代で何度も何度も跳べもしない高跳びをひたすら跳ぼうと赤い夕日の中でしていた。
「(ふーん、確かに見た目はいいけど聞くほどより賢くないわね。
凛が見ている間に彼女は二人のお互いに対しての親しい態度に気付いた。
「(え、何? もしかしてあの三月って子の彼氏? うっわ、ありえないわー。 あんな凡骨、どこが良いのよ?)」
少年が三月の彼氏と思い、『まさか彼氏持ちだから凛が三月に似ていると言われていたのか?』と言う思考に凛はさらにイライラする。
だが時間が過ぎていき、凛はある事に気付く。
二人の接し方は好意を寄せあっている男女や恋人のそれなどでは無く、互いを
凛も、かつてはそう接せる姉妹がいたから分かる事だった。
二人は楽しそうに何度も何度もチャレンジし、失敗しても笑いあい、お互いを励ましていたことに凛は衝撃を受けた。
「(失敗しているのに、笑う? 何度でも挑む? 励ます? それが…………『楽しい』ですって?)」
それは今までの『遠坂家当主』の考え方からは程遠い考え方だった。
『無駄な事に時間を割くな』。
『魔術師は時に冷酷でなければ何もなせない』。
『
気が付けば、凛はずっと二人が高跳びにチャレンジしていたのを終わるまでずっと見ていた。 そして自分の家の遠坂邸に帰ると、凛はモヤモヤとした気持ちになりながら就寝したのをよく覚えている。
その気持ちの所為で「桜はどうしているのかな?」と思い、次の日から毎日『間桐桜』の事を聞き回り始める事となり、ショックを受ける。
昔、良く共に笑いあっていた『遠坂桜』は微塵も見当たらず、
作者:ハイ、と言う訳で凛も二人の高跳びチャレンジ見ていました
雁夜(バカンス体):おいちょっと待てお前。 前半どういう事だ?
作者:菲才ですみません!
雁夜(バカンス体):そっちじゃねえ! 何だよこれ?! 空っぽの部屋とかって“アイツ”に似合わねえぞ?! というか怖えよ!
作者:もしかして心配していらっしゃる?
雁夜(バカンス体):ち、ちげえよ!
作者:……原作でもその疑いがありましたけど、もしかして雁夜ってようj────
雁夜(バカンス体):────吹き飛ばすぞテメェ?
作者:すみませんでしたッッッッ!!! と言うかアンタch────
雁夜(バカンス体):────死ね
作者:ヤメテ!ヤメテ! せめてこれだけ言わせて! お気に入りや評価、感想等あると嬉しいです! 何卒宜しくお願い致します!