"Stay, Heaven's Blade" Fate said. “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。” 作:haru970
遅れた上に短くて申し訳ありません。
1/31/21追記:読み直して一部修正しました。 主に後編でイリヤが殺気を桜と慎二に飛ばしていたところやライダーの説明部分です。
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セイバー運営、アーチャー運営 視点
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士郎達が衛宮邸に戻り、塀の隣を歩いているとセイバーが急に立ち止まり、アーチャーが実体化する。
「セイバー」
「はい、一体だけ感じます。 足手まといにはなりません」
「アーチャー、
「な、もしかして────」
「────サーヴァントだ。 この感じからすると居間辺りか?」
士郎達が玄関を潜ると中からトーンの高い悲鳴(?)の様な声が聞こえていた。
「ヒィィィィィィ?!」
急いで居間の方へとドタドタと(士郎は三月を背負いながら)皆が居間に突入するとそこには数多の髪の毛状の鳥に囲まれている慎二が腰を抜かしながら顔を恐怖に染めながら冷や汗を流し、イリヤはモグモグとチョコタルトを食べていて、ライダーは桜の隣で座っていてその桜は気まずそうな表情で下に俯き、セラは呆れたような顔尚且つ頭が痛いのか何時もよりも顔が固かった。
以上のカオス的な場面に出くわした士郎達の思考は一瞬止まった。
「あ、お帰りなさ────ッ?! せ、先輩達どうしたんですか?! ボロボロじゃないですか!」
「あ、ミーちゃんどうしたの?!」
「「と言うかこの状況を説明して」」
士郎と凛が同時に聞き、セイバーは不可解な顔を未だにしながら冷静(?)に座っているライダーを見ていた。
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ライダー運営 視点
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時はその夜、士郎達が臓硯と対峙する前まで戻る。
慎二とライダーはまたもや裏世界の
そして不意にライダーから慎二に話しかけた。
『…………マスター、今日も妹君の所へ寄るのですか?』
「いや、アインツベルンのマスターと召使が今は居るらしい。 衛宮の事を考えたら『保護した』と言う所か」
『そうですか』
この上、慎二は直接言って来てはいないがライダーは知っていた。
今までの行動が全て
だが
『ライダー』。 真名を『メドゥーサ』と言い、ゴルゴン3姉妹の末妹にしてギリシャ神話で登場し、勇者ペルセウスによって退治された
が、彼女の生い立ちを知る者は少なく、更にメドゥーサがギリシャの神々によって一方的に運命を歪められたのは広く知られていない。
メドゥーサは生前、ポセイドンの一方的な求愛を断ったが為に神々達に迫害され、
だが武勲と
そのような猛者達から姉達を守る為に撃退している内に、メドゥーサの姿と性質は徐々にだが真に呪われし
勇者ペルセウスによって退治されるまでずっと。
この様な、まさに「悲劇のヒロインが怪物へと成った」のがライダー、真名メドゥーサであり、正式な英雄ではなく、「反英雄」とも呼べる者だった。
そんな彼女が召喚されて初めて見た間桐邸の状況、慎二と桜、そして臓硯を自分の生前と連想させていた。
間桐邸と言う「世界」の「神」、臓硯によって苦悩する慎二と精神だけでなく物理的にも苦しむ桜と言う「兄妹」をメドゥーサは自分の姉妹達を。
そして時々桜だけが居た衛宮邸で休憩を挟むのもライダーは内心嬉しかった(主に桜と慎二の仲が良いであって可愛いか手作り菓子は
慎二とライダーが間桐邸に入ろうとすると────
『────マスター、サーヴァントです』
「ここの者か?」
慎二が後ろからの声に反応して振り返ると、そこには
「これは王よ、お爺様をお会いにわざわざ来られたのでしょうか?」
だが
まあ、ただ単に
「あの老体か。 確かに、奴絡みだが………貴様はシンジとか言ったな?」
「はッ。覚えて貰い、光栄です」
「この屋敷、少々荒事になる。 十分待つ」
慎二はゾクリと冷たい感覚が背中を走り、彼は間桐邸の中に走り込む。
「ライダー! 桜の物を集めてくれ!」
ライダーが実体化し、慎二は自分の部屋の物を次から次へと旅行トランクやバッグ等に放り込む。
魔道具や錬金術の本、液体の瓶や材料の入った箱。
そして十分経とうとする時、ライダーと慎二の両手はトランクやリュックにカバン等で塞がっており、ギルガメッシュの周りに空気の歪が無数に既に出来ていた。
「五、四、三────」
ギルガメッシュの声を聞いたライダーはその長い髪を束ねてそれらに蛇の形を取らせ、蛇となった髪で床に置いてあったカバン等を持ち、慎二を乱暴に担ぎながら近くの窓を破ると無数の武具が間桐邸を粉砕し始めた。
「うわぁぁぁぁぁ?!」
そこからライダーは叫ぶ慎二を無視して考えた。 「次はどうする?」と。
無論、桜の安否がライダーにとっては最優先だった。 慎二はオマケ。
なら桜のいる場所に行けば良いと思った。
そこにはちょうど良く、バーサーカーのマスターだった
確かに彼女は優秀な魔術師、だがサーヴァントであるライダーなら何も
ふとそう考えていると急に衛宮邸で以前聞いた少女の声がライダーに聞こえた。
≪ふわぁ、可愛いなー≫
その声の持ち主は暗い部屋の中で自分を怖がるどころか、期待の目を向けていたので「自分が怖くないのか?」と聞いた。
≪へ? 何で?≫
数ある言葉を慎二と共に贄を探す時に
かつて「形の無い島」で静かに暮らしていた姉達の言葉と一緒だった。
「…………………………」
「な?! さ、サーヴァント?! な、舐めないで下さい! 私だってアインツベルンの────!」
そしてライダーは考えている内に衛宮邸に何時の間にか着いて、騒動を聞き、玄関に出てきたセラに驚かれながらも魔術を行使する事にライダーは一瞬反応が遅れた(考えに耽っていた為)。
『セラ』。 アインツベルンの『ホムンクルス』でイリヤの教育係と世話係を兼ねているメイド。 ホムンクルスだけあって優秀な魔術回路を持ち、イリヤの教育係だけあって魔術師としても優秀。
「────ああ違いました! これではなくて────!」
もしここでセラが攻撃的な魔術を行使すれば如何に思いに耽っていたライダーと言えどもかつての猛者共を葬った反英雄。 反射神経のみでセラの首を跳ねるのは造作もない事。
ただセラはリーゼリットと違い、ホムンクルスとしては珍しく暴力に対して耐性がない為戦闘には不向きであったのがライダーと、セラ自身に幸いしていた。
まあ要するにセラは「おっちょこちょい」で、争いごとになるとテンパって実力が出せなくなるのだ。
「セラさん、どうかしたんd────ライダー?! そ、それに兄さんまで?」
「セラ、さっきの────ライダー?!」
「桜、事情が変わりました」
玄関のごたごたを聞いて調査に出たセラがなかなか帰ってこないので様子を見に来た桜が驚き、イリヤは瞬時に魔術を使い、セラを引かせ、数匹の髪状の鳥が周りを飛び回る。
「ま、待ってイリヤさん!」
桜がライダー達とイリヤ達の間に入ったのにライダー、慎二、イリヤは全員びっくりした。
基本的には穏やかで控えめで怖がりの桜が自らが危険な場面に立ったのに。
そこから桜と慎二はイリヤに話し始めた。
聖杯戦争で間桐家は臓硯の方針の元で魔力を備蓄する事を
そして本来ならマスターとして選ばれた
────臓硯は『魔力も順調に溜まりつつあるので頃合いかも知れん。
ガタッ!
イリヤが急に真剣な顔になり、ちゃぶ台が酷く揺れて上に置いてあったお皿などが音を出すほどの勢いで立ち上がった。
このようなイリヤを始めてみる桜と、このように小さな子がこれ程の殺気を出せることに内心驚いたライダーにイリヤはもっと詳しい話とチョコタルトをセラに要求した。
勿論そのチョコタルトが
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セイバー運営、アーチャー運営、イリヤ運営、ライダー運営 視点
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三月の具合を診ると言った凛、イリヤ、セラ、そして一応の護衛としてセイバーが凛の部屋に行き、居間には士郎、慎二、桜、ライダー、そしてライダーの監視役としてアーチャーがいた。
そして慎二は何時もの様子はなく、彼にしては珍しい貧乏揺すりをしていた。
最初こそニマニマと笑いながら士郎達を小馬鹿にしてはいたもの、三月の状態を見た瞬間すぐに顔が真剣になり、彼は聞いた。
「
突然慎二の豹変ぶりに呆気にとられていた凛の代わりの答えるアーチャーの言葉に慎二は廊下にまだ置いてあったトランクを開け、アーチャーが制止する前に一つの瓶を士郎たちに見せて彼らに言う。
「
慎二は慎重に、慎重に臓硯に勘付かれないようにさまざまな錬金術の実験の中で一部だけのアレンジをしながら何度も何度も研究の中に更に隠した研究を重ねていた。
慎二が桜の事を気付いてから彼は魔導書などの勉強に没頭した。 桜はこの頃を「兄に放置された」と思っていたが全て慎二の言動は桜の為だった。*1
≪私は貴方の真っすぐな、一途な生き方を誇りに思っています!≫
そして彼の行動はとある女性の影響を色濃く受けていた。
ある日、間桐慎二は知ってしまった。
「自分は要らない存在」だと感じていた事に。
どれだけ魔導書を読み、魔術を行使しようとしても失敗する。
唯一の成功例は『錬金術』。
だがそれでも自分の父や祖父は目向きもしてくれないどころか自分を「邪魔者」として嫌悪していたかのようだった。
「間桐家の長男である自分が正当な時期間桐家当主」。
そう信じ込んでいた。 信じ込んでいたが故に「自分は要らない、嫌悪される存在」と感じていた事に酷く心を痛め、更に自分が初めて「親友」と呼べる『衛宮士郎』と会う為に衛宮邸と言う心が安らぐ場所とのギャップで彼はある日、衛宮邸の帰り道すがらに人がいない所でひっそりと留め込んでいたストレスの所為で木の陰で一人泣いていた。
≪よしよし、大丈夫だよ
訂正。 慎二が気付くと自分が隠れていた木の上から飛び降りてきた少女が彼の頭を抱き、優しく頭を撫でながら声をかけていた。
それは、慎二にとっては遠い、遥か遠い過去に一度、たった一度だけ感じた「女性の温もり」だった。
そしてその日からだろうか、その少女を意識し始めたのは?
その日まで慎二にとって女性は(妹以外)全員
だが時が経つほど彼は彼女の事が気になり、このような事は妹でさえ感じた事が無く、慎二は知りたくなった。
そこである日、『衛宮士郎』に自分の妹の事を相談すると、親友はこう言った来た。
「何だ、
慎二はこれをチャンスと思い、二人を間桐邸に招待する事にした。
そこからは士郎や三月から見た通り、徐々にだが桜は人間性を取り戻しつつあった。
あの雨の日、慎二が真実を知るまでは。
慎二が次期当主ではなく、桜が次期後継者。 慎二は自分の父や祖父からすれば
そして彼はがむしゃらにただ走り、気が付くと衛宮邸にて士郎達に助けを求めていたが、慎二は差し出された助けの手を振り払うどころか、自分が気になっていた少女を殴ってしまった。
このように少女を慎二は殴ったのに、その後慎二に気遣う様な振る舞いと彼女の言葉が慎二の心をまたもや酷く動揺させた。
「
「
これのお陰で慎二は大いに救われ、より一層自分ができる『錬金術』に励んでいた。
そんな彼を救ってくれた少女がよりにもよって
桜のように。
本来なら桜の為にと思い、作っていた薬達がまさかこのように役立つとは思っていなく、慎二はかなり焦り、自分の調合し、渡した試作品に不安を持ち始めていた。
この様子の慎二を見た士郎と桜はどう接したら良いのか分からなかった。
あのズケズケと物をハッキリと言う慎二がここにいるのに
昔から士郎は知っていた、慎二が三月に好意を寄せていたのを。
しかもそれが何時も学園での女子に向けるような、薄っぺらい好意ではなかった事も。
「………三月の事が心配か、慎二?」
だから士郎は取り敢えず慎二に話をさせたかった。
人は普段している事を止めるとストレスが高まり、慎二の場合は暴力的になるのを士郎は昔見て経験した。
そして恐らく三月のあの様子に慎二が動揺し、何時もの調子が出ない事もあったので三月を話題に出した。
「…………………当たり前だ」
ようやく慎二は口を開けると、そこには余裕を持ちながらプライドの高い『間桐慎二』ではなく、ただの『慎二』がいた。
「私もです、兄さん…………」
これに便乗するかのように桜も口を開けた。
「…………聞かないのか? 俺と………桜の事を」
「ッ」
慎二の言葉で桜はギュッと手を胸の近くで握り、二人は士郎の方を見る。
「…………いいさ、二人が話してくれるまで待つ……………ありがとうな、慎二」
「え?」
「先輩?」
慎二と桜は士郎に根掘り葉掘り聞かれるのを覚悟していた。
だが以外に帰ってきたのは「お礼」だった。
「ありがとう、慎二。
「ッ…………衛宮は馬鹿だな! 居間の掃除ぐらいちゃんとしろよな! 埃が目に入ってしみるじゃないか!」
顔が俯き、肩が震えながら慎二はそう叫び、心の中で思った。
それが彼にとって人前で、妹の前で泣くほどの衝撃を与えていた。
「兄さん…………もう、話しましょう? いいよね、ライダー?」
「桜がそう言うのなら」
「……………そう………………だな………………………」
襖がスーッと開けられ、顔が真っ青になっていた凛とセラ、複雑な顔をしたイリヤが居間に戻ってきて、慎二はゴシゴシと自分の目を袖で乱暴に拭いた。
「ど、どうだ?! 薬は効いたか?!」
「…………ええ、流石は腐っても間桐ね」
凛はヨロヨロとして座り、イリヤも座るとセラが未だに震える手でお茶の用意をしていた。
「ど、どうしたんだ遠坂? 顔が真っ青だぞ? それにセイバーはどうしたんだ?」
「………………………姉さん?」
心配する士郎と桜の声に凛は反応せず、ただぼーっと前を見ていた。
「凛、君が話せないのなら私が代わりに話すが?」
「…………そうね、お願いアーチャー……今はちょっと…………」
凛が頭を抱え、イリヤは複雑な顔のまま士郎を見た。
「シロウ、そこの二人は信用出来るかしら?」
「当たり前だ、俺の親友と家族だぞ?」
「衛宮…………」
「先輩…………」
「…………ほんと、シロウは甘いんだから。 でも、私はそう言うところが好きだよ♡」
そこでまずイリヤは慎二に向けていた殺気を緩め、慎二たちから聞いた話を再度聞きなおし、詳しく説明させる。
作者:起きた後にもう一度読み直しをするつもりですが、大幅なストーリーの改善などは無い筈です。
三月(バカンス体):と言うかはよ寝に行け、徹夜通しだったんだから
作者:拙い文章等々あると思いますが、大目に見て貰えますと助かります。
三月(バカンス体):お気に入りや評価、感想等あると嬉しいです。 宜しくお願いします!