"Stay, Heaven's Blade" Fate said. “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。” 作:haru970
え?あっていない?
そ、そんな~~~~…
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セイバー運営、アーチャー運営、イリヤ運営、ライダー運営 視点
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慎二と桜、あとライダーが時々横から付け加える情報は士郎と桜の実姉の凛には衝撃的な内容ばかりだった。
慎二に魔術回路はあるが発動できない状態なので魔術は『錬金術』しか出来ない。
桜は魔術師であり、今回の聖杯戦争のライダーのマスターでもある。
だが聖杯戦争と言う殺し合いに関わりたくない桜の代わりに慎二が令呪の
そうしなければ桜が
バキッ!
セラミックの割れる音が凛の持っていたコップから発し、セラと彼女はいそいそと割れたコップの後片付けをした。
無理もなかった。
まさか自分の妹が養子に出された後の
まさか養子に出された先で、毎日『魔術の訓練』と称した拷問じみた虐待を受けていた事を誰が思うだろうか? 自分の尊敬しているお父様ならそんな事を見過ごすのだろうか? 自分の父、時臣はこれらを知っていて敢えて何も自分に言わなかったのだろうか?
さっき三月の検査を終えて気分の悪い凛の心境はグチャグチャだった。
士郎はと言うとこんなに身近な家族が苦しんでいて、自分はその様子を見ていた筈なのに気付かなかった事に自分に静かに腹を立てていた。
「どうして気付かなかった?」
「どうして自分はもっとよく慎二と桜を見ていなかった?」
「どうして二人は自分に相談してこなかった?」
「どうして」、「どうして」、「どうして」、「どうして」。
そして先程までイリヤが慎二に殺気を放っていたのはその様な
忘れがちだがアインツベルンは元々『遠見』や『憑依』に『錬金術』に長けている一族。
だが正当な『魔術師』ではない慎二が『錬金術』に関しては自分とドッコイドッコイの実力を先の薬から知り、多少だが『嫉妬』を慎二に感じていた。
こんな、
自分が
イリヤの感じていた事はセラも同一だった。 しかも自分はなまじイリヤの「教育係」だったので慎二の『錬金術』が如何に異常だったのか更に感じていた。
それはもう「天才」と言うレベルではなく、「鬼才」とも言えた。
だがイラつく半面、セラは一瞬思った。
「これはお嬢様にとって良い刺激になるのでは?」と。
身近に自分の才能と同等か(一部だけとは言え)それ以上の人物を置けばお嬢様も上進するのでは?
そこで慎二は士郎達に伝えた、臓硯は『魔力も順調に溜まりつつあるので頃合いかも知れん。
そしてそこからは慎二は臓硯の同盟者の一人であろう
「────まて、今
アーチャーが珍しく会話を遮った。
「あ、ああそうだ。 爺さんが任された『魔力を集める』というのはそいつから聞いたんだ」
「成程な……通りで奴はあれだけの武具を保有している訳だ」
「どういう事だ、アーチャー?」
「少しは自分で考えろ、エミヤシロウ。 と言ってもそこまで私は意地が悪くない────」
「「「(どうだか)」」」
内心ツッコミを入れられるアーチャーはジト目に気付かずそのまま説明する。
「────奴が『英雄王ギルガメッシュ』と仮定し、アーチャーである事から推測できる事は彼の
アーチャーが慎二達を睨む。
「────君たちがここにいるのは彼やあの妖物の差し金の陽動か?」
「違います」
そこでライダーが口を開け、事情を説明する。
恐らく凛達が臓硯の襲撃に合った後、ギルガメッシュは間桐邸を破壊しに来ていたのを慎二とライダーはバッタリと会い、十分の余裕で荷物などを出来るだけまとめ、時間ジャストに間桐邸は破壊された。
「ですので私達は現在住居無しの状態です」
「成程な、これからお前達はどうするつもりだ? 聖杯戦争を続けるのか?」
「どうするのかは桜に私は一任しています。 マスターはどうなされるのですか?」
「………僕は桜と………………ゴニョゴニョが無事でいればもう良い」
「え? 今真ん中の方、何て言ったんだ?」
「『三月が無事で良い』とマスターは言いました」
「グッ?! ラ、ライダー?!」
「ふ~~~ん? 慎二、あんた
「え? やっぱりそうなんですか兄さん?」
「セラ、この男はの刑は
「ではお嬢様、手術用器具の用意をして来ます」
少し調子を取り戻した凛が慌てる慎二をからかい、全く悪気の無い問いを桜が投げ、真顔になったイリヤとセラが(男性にとっての)死刑宣告をする。
「な?!ちょ?!ま、待て!」
「もういい加減はっきりしたらどうだ慎二?」
「え、衛宮まで?!」
「俺でもお前が三月の事が
「「「「(
慎二がみるみると赤くなりアタフタと手で不定する。
「ち、違う! そ、そんな風に俺は彼女の事を思っていないからな?! 勘違いだからなお前ら?!」
明らかに怪しい慎二を士郎、凛、桜、イリヤはジッと見て、凛が彼に聞く。
「じゃあ何よ? 明らかにあなた、三月の事となると嬉しくなったり、気にしたりするじゃない?」
「ウッ」
「そうですよ兄さん、私が先輩の話をする時は興味無さそうにそっけなく振舞っていますけど三月先輩の事となると明らかにソワソワし始めるじゃないですか?」
「そ、それは…」
「そうだぞ慎二、付き合うってんなら俺は別に止めはしないぞ」
「だ、だから違うって言っているだろうがお前ら?!」
士郎の宣言を最後に慎二は立ち上がり、周りの人達を睨む。
「三月は俺にとってか────んぐ!」
慎二は思わず叫びそうな言葉を飲み込みながら座りなおす(顔を俯いたまま)。
「「「「『か』?」」」」
「と、とりあえず! 話を戻すぞ! ぼ、僕は別に聖杯なんかいらない!」
「ふむ、そちらのお嬢さんはどうかね?」
アーチャーが話題を桜に振る。
「わ、私は…………その……………
アーチャーのジッとした視線に桜は視線を逸らしながらモジモジとする。
「…………嘘ではないようだな。 では『英雄王ギルガメッシュ』と仮定し、彼が
アーチャーの漠然とし過ぎた問いに誰も声を上げず、凛が溜息を出す。
「つまり、彼はあらゆる神話や伝承の元になった原典や宝具の元になった武器を持っていてもおかしくはない。 奴の宝具は『武器』そのものではなく、生前に集めた財宝を収納した『倉』こそが奴の宝具だろう」
「「「「な?!」」」」
そこにいた誰もが驚愕する。 そしてイリヤも渋々と理解した。
彼女のバーサーカーが敵わないのもその過程が視界だとすれば当然の結果とも言える。
もしアーチャーの推測通りにギルガメッシュがすべての宝具の原型を持つのなら、その英霊の弱点となるものをその倉から撃ち放てば良いだけの事だからだ。
バーサーカーが何回も死から蘇るのなら『不死殺し』の武具を何度も叩き込めば良い。
ライダーなら彼女の直接の死因になったハルペーやその原型を。
そしてギルガメッシュは今現在負傷しているが最優とされているセイバーとは顔見知りなので恐らく彼女の弱点になるモノも知っている。
そして元からマスター狙いを生業としているアサシンクラスに彼が後れを取るとは考えづらい。
となると────
『────アーチャー』
『どうした、凛?』
『もう一度聞くわ。
それは凛がアーチャーに向けて発した念話だった。
以前、凛がセイバーを
しかもそのアーチャーは生意気な態度で凛を子ども扱いした上に何もできないような馬鹿にしていた口調から、凛はカッとなり「絶対服従」の令呪を使った。
その後、凛が一流の魔術師の才能があるのを分かったアーチャーは凛にさらけ出す。
「記憶に混乱が見られる、名前や素性がどうも曖昧だ」と。
つまりは「記憶喪失」。
当初、凛はこれをデメリットではなく「他の誰もアーチャーの正体が分からない」と取っていたがこのように大半のマスター達と交流を持つことは想定していなかった。
だが相手はギルガメッシュという、反則に反則を重ねたような英霊。
ならばもう四の五の言っている場合ではなく、アーチャーの正体が分からなければ良い作戦の立てようが無い。
『すまんが、未だに靄が掛かっている状態でな。 だが君が睨んだとおり、私はセイバーと面識があるみたいだ。彼女の事を
これは以前、凛とアーチャーが士郎と三月を襲うであろうランサーを止める為に衛宮邸に着き、セイバーが突然打って出た時のアーチャーの行動に違和感があったからだ。*1
その時の彼は初めてセイバーを見た時、ほんの一瞬動きを止めた。
「不意打ちだったからな、凛と同じく、予想外の展開には弱い」とアーチャーははぐらしたがランサー同様に敏捷を頼りにスピードを生かした戦い方をする弓兵が不意打ちとは言え、
答えは否。
『だがあちらは私を知らないようだから、あまり深い関係ではなかったようだ』
『…………そう』
『だがそう悲観する事も無い。
「うぃえ?!」
「??? どうしたんだ遠坂?」
「う、ううん! 何でもないわ!」
「ではギルガメッシュの話は一先ずここまででおいて、アレ────いや失礼、『三月』と言う
ここで士郎、慎二、桜が混乱するような顔を作る。
「ちょっと待て、アーチャー。今のは幾らなんでも聞き捨てならないぞ?」
「衛宮の言う通りだ、しっかりと説明して貰おうじゃないか?」
「
「そのままの意味よ」
イリヤが出されてお茶を飲みながらそう答える。
「あ、イリヤ………
「イリヤで良いわ、サクラ。 シロウやリン達にはある程度説明しているからもう一度初めから説明するわ」
そこからイリヤは以前、アインツベルン城で凛と士郎に話した内容と、今朝のセイバーとの稽古の事もおさらいと共に慎二と桜にも話す。*2
これに慎二と桜の二人は黙ったまま互いを見る。
まさか自分達の知っている三月が
三月がここに居れば「いや、あれはただ軌跡が視えていただけだから」と言い、場は更に混乱していただろう。
そして先程イリヤと凛、そしてセラの助けで三月を検査したところ────
────
「ハァ? あの遠坂とアインツベルンが『分かりません』と来たか」
「に、兄さん!」
「お嬢様を侮辱するとは貴方、死にたいようですね」
「別に良いわ、セラ。ワカメが揺れているだけだもの」
「だからワカメって呼ぶな!」
「遠坂にイリヤ。 それはどういう事なんだ?」
「どうもこうもないわよ衛宮君。 彼女は明らかに人外。 かと思いきや
そこから凛とイリヤは話し始めた。
三月が人外と仮定して様々な検査をしたが精霊、真祖、使徒等々の現時点で判明しているあらゆる種と何処か似通った部分や特徴はあったが明らかに違う個所なども出た為、故に
だがこれはある一つの結論を新たに生み出した。
「今までの人外に対しての観測や常識が当てはまらない
「つまり今ここにいる人達は全く未知のモノと関わっていると言う事よ」
「ええ、そしてこんな事は神秘などが薄まった今では本来
「??? どういう事だ?」
「前に言った魔術協会もだけど、三月の存在彼らか聖堂教会にバレたら即封印指定どころか、
「「「「……………………」」」」
改めて三月と言う者がどれだけ訳の分からないものを知らされた皆は黙る。
アーチャー以外。
「凛、あの『三月』と言うのは
ガタッ!
士郎と慎二が同時に立ち上がり、アーチャーに迫る。
「「もういっぺん言ってみろこの野郎!」」
親友同士、息はぴったりだった。
そしてこれに臆する事も無く、ただ呆れた顔で彼らを見下す。
「お前達、事の重大さを分かっていないのか? もし『三月』が暴走などしてみろ? 聖杯戦争どころか『日本』と言う国が阿鼻叫喚と化すかもしれないのだぞ? それに比べ、体の解剖など、安いモノだろうに────」
「────アーチャー、『黙りなさい』」
「ッ…………ならば聖杯の異常はどうする?」
凛の命令で一瞬黙るアーチャーだったが次の問題に取り掛かった。
「…………あの
「成程。では奴から聖杯を取り戻し、それの発動を阻止せねばならんな……」
「どちらにせよ、ギルガメッシュとの対決になるわね…………」
「いや、待ってくれ遠坂」
「慎二?」
「もし僕達が彼と交渉できる材料などあれば戦う必要はないと思うんだ」
「じゃあ聞くけどワカメさん、私達にそんなモノがあるように見えるかしら?」
そしてイリヤまで「ワカメ」呼びになる慎二はこの時点で密着してしまったあだ名と彼の提案をへし折る言葉に項垂れた。
セラがまだ震える声でイリヤと凛に小声で話しかけた。
「お嬢様と………リン。
凛とイリヤは互いを見て────
「「────後から一人一人に話す」」
とだけ彼女らは言ったのだ。
それはそうだ、聞く人によれば卒倒する、気絶する、動揺する、説明出来ないものを「もっと詳しく説明しろ!」と言う様な情報だ。
気を見計らって個人個人に伝えた方が混乱も時間少なくて済む。
作者:ではやっと休暇なのでストック作ろうと思います!
三月(バカンス体):ガンバレ、ガンバレ!
作者:三月に言われても…………
三月(バカンス体):と言うか短くない?
作者:シャラップ! いいキリで止めたんや!
チエ:『それでも楽しんで頂けたらお気に入りや評価、感想等あると嬉しいです! 宜しくお願いしますピョン!』…………本当にこれをウサギ耳バニー姿で言うと効果があるのか? ………おい二人とも、鼻血を出しながら倒れていないで答えろ
雁夜(バカンス体):ち、チエさん?! 何ですかその姿は?!
チエ:む、雁夜か。 何だ、私に似合わんか?
雁夜(バカンス体):ディ・モールト、ベネ!
チエ:??? いたりあ語? 何が『非常に良い』のだ?