"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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お待たせしました! 29話目です!

読んでくれてありがとうございます!

ちょっとこれからが怖いです…………ハイ…………


第29話 人外、怪物、怪獣、そして好きなモノ

 ___________

 

 セイバー運営、アーチャー運営、イリヤ運営、ライダー運営 視点

 ___________

 

 

「え? 私の好きなもの?」

 

 その後一時間ほどで目を覚まし、晩御飯を食べている間三月に士郎が聞いた、「好きなものはあるか」と。

 以前の、三月の執着するもの(または行動原理)を探っていた。

 

「ああ、なんでも────」

 

「────そんなの士郎に決まってるじゃん」

 

「「「「「ブフ」」」」」

 

「へ」

 

 それを聞いた瞬間その場にいた何人かが飲んでいた味噌汁やおかずを噴き出すか吹き出しそうになった。

 士郎はと言うとポカンとした顔と気の抜けた声を出していた。

 

 三月はと言うと皆のリアクションの訳を分からずただ晩御飯を食べながら「何分かり切ったことを」と言う様な顔をしていた。

 

 ちなみに目を覚ました三月には「聖杯戦争の所為で家がボロボロになった間桐邸から衛宮邸に慎二と桜が泊まる」と説明したら「じゃあ今夜はパーティーね! やった♪」と三月が笑顔でセイバーの手当てをしながらはしゃいだ。

 

「じゃ、じゃあ僕の事は?!」

 

 そして盛大に噴き出した味噌汁の付いていた顔を拭き、慎二が次に聞く。

 

「勿論慎二君()好きだよ────?」

 

「え」

 

 三月は慎二の顔に急に迫り、彼の髪の毛に付いた味噌汁からの引っ付いていたワカメを摘み取り、言葉をそのまま続けた。

 耳まで赤くなって固まった慎二を残して。

 

「私は士郎や藤姉、慎二に桜に凛にイリヤにセラにセイバーにアーチャーにライダーに────」

 

 そこから三月は身の回りの人達やサーヴァント、藤村組や学園に商店街の人達の名前を一人一人名乗り上げて行く。

 

「────に渡辺さんに田次郎さんに土井さん達も私はみーんな好きだよ?」

 

「…………じゃあ私が()()と付き合うと言ったならどうかしら?」

 

「「「「遠坂?!/遠坂先輩?!/リン?!」」」」

 

 凛の言葉にびっくりする士郎本人に慎二、桜、そしてイリヤ。

 

「んー…お赤飯の用意、家に在ったっけ?」

 

「……………じゃあ貴方が誰かと付き合うとしたら、誰にする?」

 

 これにピクリとその場にいた皆が反応する。

 

「付き合うって………私が?」

 

「そうよ。 三月が」

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ポリポリポリポリポリポリポリポリ」

 

 長~~~~い沈黙の後に三月は漬物を食べながら考えているように見えた。

 

 だが数分経った後でも返事が来ない事に慎二は痺れを切らし、また三月に聞いた。

 

「で、どうなんだ?」

 

「ん? ()()()()()

 

「「「「「え?」」」」」

 

 三月の答えに頭を悩ませる士郎、凛、慎二、桜とイリヤだった(色々な理由で)。

 

 そしてその夜、凛とイリヤは三月がお風呂に入っている間に一人一人に三月のまだ伝えていない事を言うために回る。

 それは土蔵でセイバーが見ている所で魔術の鍛錬をしている士郎もその一人だった。

 

「ん? 遠坂か? ああ、丁度良かった、これをずっと遠坂に確認したかったんだ────」

 

「────ッ?! え、衛宮君?! どうしてそれを?!」

 

 士郎がポケットから出したのは三角の形をした大きな赤い宝石の付いたペンダントだった。

 数日前に士郎達がランサーによって心臓を貫かれた時に、士郎がそれを見つけてそのまま持って帰った物だった。*1

 

「あ、これってやっぱり遠坂のだったんだ。 ずっと宝石とかで魔術を使っていたからそうかなと思っていたけど………ありがとう遠坂、俺達を学校で救ってくれて」

 

 それは凛にとっては士郎が初めて心からの笑いをしていたかのように見え、彼女は顔がにやけるのを必死我慢しながら気まずそうに逸らす。

 

「ふ-ん? リンってば見かけによらず、そういうところもあるんだね?」

 

「あれ、イリヤ? 二人してどうしたんだ?」

 

 士郎はペンダントを何時も入れているポケットの中に戻すと、目が泳いでいた凛は土蔵のある一か所に目が行く。

 

「………………()()、何かしら衛宮君?」

 

「それって全部、『投影』魔術?」

 

 凛とイリヤが数多に土蔵の床の一か所に転がっている包丁や短剣にナイフ等の刃物の類がある場所を見ていた。

 

「ああ、体の調子が良くなっていたからどうすれば実戦に使えるか色々試していたんだ」

 

「私から見てもシロウは『投影』を始めてからメイガス(魔術師)の腕が上がっていますが、お二人にはどうでしょうか?」

 

「…………その前に衛宮君とセイバーにはまだ話す事があるのよ。三月の事で」

 

「え?」

 

「あれ以外に……ですか」

 

 セイバーも三月の看病と言う名目の監視から解放された後、士郎が三月の事で凛達が新たに分かった事を彼女に説明した。

 だがここに来てまだ話があるとは士郎もセイバーも思っていなかった。

 

「ええ。 シロウにセイバー、ちょっと魔力を流すからびっくりしないでね?」

 

 イリヤが言い終わると、彼女の体中にまがまがしいまでの数の赤い線が浮かび上がり、士郎はそれの正体を分かった瞬間微かに息を呑んだ。

 

「イリヤスフィール………それは────」

 

「────ええ、セイバー。これは令呪ではなくて私自身の魔術回路よ」

 

 セイバーの心苦しい顔にイリヤの涼しい顔。

 これを見た士郎は以前、凛から聞いたことを思い出させていた。

 

≪魔術回路ってのはね、減るのは簡単だけど増えるのは普段難しいのよ?! 普通はモノスッゴイ苦痛を耐えて手術をやったり移植したりとか!≫*2

 

「私の体の七割ほど魔術回路で占めているわ」

 

「………………そして憎たらしい程に魔術師としては私より上ね」

 

「遠坂よりもか、凄いな」

 

 フフン!とドヤ顔をしながら胸を張るイリヤに凛は嫌~~~な顔を上げるが話を続ける。

 

「じゃあ単刀直入に言うわ。 イリヤが怪物としたら、()()()()()()()()()()よ。 彼女の体自体が()()()()()()()()()みたいなものよ」

 

 それはイリヤからしても異常なものだった。 

 そんな事になれば人体が内部崩壊してもおかしくない状態で三月の体は成り立っていた。

 

「後、彼女に()()()()らしきモノがあったわ」

 

「な?!」

 

 これには流石の士郎の顔も強ばる。 

 以前並べた通り魔術刻印は魔術師の家系が持つ、『積み上げた遺産』でそれが多い程であればあるほど大きくなる。*3

 

 そんなモノを三月が持っていた事は士郎にとっては寝耳に水だった。

 

「そんな馬鹿な! 三月にそんなものは無い筈だ!」

 

「でも実際にはあった、ちょうど胸の辺りにね」

 

「シロウ、キリツグは魔術刻印を受け継がせてはいないのよね確か?」

 

「あ、ああ。 最後までずっと断っていたよ。(『胸の辺り』って………小さい頃は無かった様な気がするんだが)」

 

「……そう」

 

「士郎、一応可能性として言うわね? 魔術刻印は代々造り上げられるもの以外にも、幻想種や魔術礼装の欠片の一部などを核としても成り立つものだわ」

 

「つまり……………ミーちゃんの体に()()がある可能性ね」

 

「それにそうだとしたら彼女の服用していた薬も納得いくわ。 こんな彼女みたいな無茶に人体が耐えられるなんて()()以外の何でもないわ」

 

「……………………………………」

 

 士郎は今聞いた情報と自分の知っている三月を考えていた。

 だがこの数日間、彼女のやった事と周りの人達を比べると確かに三月は異常に思っていたが、少なくとも魔術刻印に関しては切嗣が亡くなった後からも()()()()()

 

 こう、一緒に風呂に入ったりした時にジロジロ見た訳では無いが何せ三月は全然隠すそぶりも無かったので不可抗力と言うか幼い頃の無邪気さと言うか「着替えを手伝って」とせがまれる時に目に入ってしまうというか────

 

「(────って、俺は一体誰に言い訳をしているんだ????)」

 

「アーチャー、ここでなら話せるかしら?」

 

 そこでアーチャーが実体化し、土蔵の中へと入る。

 

「ようやくか」

 

「アーチャー、何故あなたがここに?」

 

 セイバーが立ち上がり、何があってもいいように体制をとる。

 アーチャーがここにいたのは先程、彼がギルガメッシュに対して「()()()()()()()」と言う宣言だった。

 

「では聞こうエミヤシロウ。 貴様に()()()()()()()()()()()()?」

 

「え? アーチャー?」

 

 凛は驚く。 いつも冷静沈着のアーチャーが、聖杯戦争が始まって以来()()()を持って喋った事に。

 そして士郎は何時もの様にアーチャーに対してのイラつきが出た。

 

「そんなの、捨てられるか! 俺は………俺は()()()()()()()()()()()()!」

 

「シロウ?」

 

「それは何故だ?」

 

「俺は…俺は十年前に助けられただんだ。 じいさん(切嗣)に。」

 

「そして貴様はその時、何かを要求されたのかな?」

 

 士郎が床から立ってアーチャーを睨む。

 

「じいさんは………切嗣は俺を助けてくれただけだ! ()()()()()()()()()()()()()! ただ、切嗣は嬉しそうだったから………その姿に憧れた」

 

「ほう? それで?」

 

「俺は助けられて、その感情しか浮かばなかった。 俺はそういう者になりたかった。 だから……………この()があるのなら! ()()()()()()()()()()()()()()()に今度こそ、()()()()()()()()()()()()()()()んだって…そう思ったんだ」

 

「衛宮君………」

 

「俺の望みはそれだけだ。 そうじゃないと…………()()()()()()()()()()()()()()んだ!」

 

「だったら貴様自身はどうする? そこに()()()()の救いはあるのか?」

 

「違う。 だって、『誰かの為になりたい』っていう思いが間違いの筈がないんだからな!」

 

「全く話にならんな。 貴様は以前『何かが足りないからじゃないのか?』とほざいたな」*4

 

「そうだ!」

 

「だったらいい直してやろう。 貴様に足りないのは確固たる『夢』だ」

 

「アーチャー! これのどこがギルガメッシュの対抗手段なのよ?!」

 

「アーチャー、お前は俺に何が言いたい?」

 

「衛宮君?」

 

「もう一度聞くぞ。 エミヤシロウ、貴様にとっての『正義の味方』とは何だ?」

 

「何だって? そ、そんなの………………」

 

 士郎はここで以前自分が考えていた定義を思い出していた。

「『正義の味方』は皆の命を救う」。

「『正義の味方』は出し惜しみなどしない」。

「誰かを救うという事は、他の誰かを救わないという事」。

 

 だが今まで『やってみなくては分からない』や『要因不足』だと感じていた事も、どこかで自分でも違和感を感じ初めていた。

 そして少し前までは『何事も始めなければ見えてくる道も見えない』事も三月と言う、()()()()()()()()()()を見ていても違うように思えてきた。

 

 だが諦めたらそこで全て終わる、故に今更引き返さない。

 

「もし、貴様が未だに『()()()()()を救う』と思っているのならそれは間違いだ」

 

 アーチャーがその言葉を最後に土蔵から出る。

 

「エミヤシロウ、アインツベルン城で待っている。 お前は自分が間違っていないと思っているのならそこに来い。 正しセイバーが一緒なのが条件だ」

 

「ま、待ちなさい、アーチャー! 何を勝手な事をしているの?! 私が────ッ!」

 

 アーチャーが何かで自分の胸を貫くと凛の手の甲に鋭い痛みを感じ、それが彼女の言葉を遮る。

 

「アーチャー! 貴方は今一体何を────?!」

 

「エミヤシロウ、明日まで待つ。 ()()()()()()()()()()()()

 

 アーチャーはそのまま土蔵を出て、衛宮邸を後にし、セイバーは土蔵の外に出ると彼が衛宮邸の塀を超えるのを見た。

 

「リン、大丈夫ですか?」

 

「嘘、どうして……どうやって?」

 

「リン?」

 

「アーチャーとのパスが………消えて────」

 

「────先輩!」

 

 外から桜の声が聞こえ、彼女の言った事で士郎は次の日アインツベルン城を目指す事になる。

 

 

 ___________

 

 一寸の虫にも五分の魂 視点

 ___________

 

「キ…キィ……」

 

「ギギギギギギギギギギギギッ────!」

 

 一匹の虫が鳴き、周りの蟲達がすぐさま弱っていた虫を食い破る。

 

 その蟲達は冷たい冬の中、数が減っていた。

 

 その蟲達等は身を薄めて、分散し、他の虫や動物の屍肉を漁って一時の命を取り敢えず凌ごうとする。

 

 慎重に、慎重に。

 何者にも気付かれぬように。

 決して、決して派手な行動は起こさぬ様に、細心の注意を払いながら。

 

 (間桐臓硯)は死にかけていた。

 500年間もの間の()()、このように死の淵に立たされてこれほどの屈辱を感じたのは初めての事だった。

 

 力も工房も圧倒的な力に蹂躙され、光を恐れて這いずる。

 

 これも全てあの忌まわしきサーヴァント、ギルガメッシュの所為だ。

 ()()のたった一瞬の気まぐれが全てを瞬く間に砕き去って行った。

 魔術工房は物理的に半壊され、内包していた蟲も9割死滅させられた。

 アサシンが機転を利かせて臓硯の残った身柄を匿って間桐邸を離脱していなければそこで終わり、アサシンが自らの体を差し出していなければ臓硯は既に生き途絶えていただろう。

 だが今の臓硯には人の姿を維持する力さえも無い。 

 それどころか早く食せ(人間を食わ)ねば、自分という魂が滅んでしまうのもそう未来の話ではなくなった。

 

 普段であれば、その辺の人間達を取って食らってしまっても問題は起きない。 

 だが()()()()()()()()()

 

 聖杯戦争が始まって以来、臓硯は間桐家に持ちうる力で悲願の為にひたすら魔力をため込んでいた、()()()()()で。

 その()()()は冬木市の()()を欲している。 派手な真似をして、それでまた目を付けられれば今度こそ一巻の終わりだ。 これは、隠蔽を上手く行えようが行えまいが関係ない。

 もし隠蔽が下手であれば、魔術の秘匿を蔑ろにするとして情報が魔術協会に行き、早々に処分対象と指定されるだろう。

 上手く隠蔽を行おうとしても、今の状態の臓硯で完璧なものは無理だ。 それなりに上手くやれたとしても、年々増加している行方不明者や昏睡者を知って真実の勘づいている魔術師であれば確実に感知し、発見するか魔術協会などの組織に連絡が行くだろう。 あの遠坂の娘も優秀だがそれは日本国内、時計塔や彼らの様な魔術師は保養に冬木市にも来ている(極東である割に霊脈が強いので)。

 

 臓硯の現状は殆ど詰みに近かった。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()で、それは決してあってはならない事だ。

 

『(おのれ……時臣の小僧めが。 見栄を張って不相応にも余計なものを召喚しおってからに! そのツケが儂に回って来ているではないか?!)』

 

 毎秒ごとに臓硯の魔力が穴の開いたペットボトルのように、漏れるように零れていく。それに乗って、少しずつ命も失われていった。 その命の危険が、臓硯を焦燥に駆り立てて彼の思考を更に焦らした。

 

『(い、嫌だ……死に……死にとうない……)』

 

 臓硯はもう一人の()()()の所へと向かっていた。

 慎重に、慎重に。

 

『ギ………ギギ……………』

 

 体が錆び付くかのように、動きがどんどんと鈍くなる。 

 また、魔力が減っていった。

 また更に蟲を()()させねば。

 

 もはやそれは、ただの妄執の塊でしかなくなっていた。積み上げて来たモノの損失の事実がさらに彼を追い詰める。

 

 だからこそ、臓硯は微かな希望にも縋る。

 そしてそれを知る事が出来たのは単純に運とタイミングが良かっただけだった。

 気付かれなかったのは、それほど弱っていたからだったが。

 

 それは遠坂の娘のサーヴァントのアーチャーと、衛宮の小僧達がしていた会話。

 

 臓硯は常に蟲を使って衛宮邸を監視していた。  

 それは今でも変わらず、()()()()()()()

 

 衛宮の小僧にセイバーと遠坂の娘がアーチャーを追って、明日アインツベルン城を目指すそうだ。

 つまり衛宮邸には桜とライダー、アインツベルンの聖杯の()()()()が残される事になる。

 

『(天はまだ儂を見放してはおらぬ!)』

 

 ギルガメッシュは知っているかも知れないし、敢えて知っていたとしてもワザと()()だけを取ったのかもしれぬ。

 だが200年前に聖杯戦争を立ち上げた張本人の一人として臓硯は()()()()()

 

『アインツベルン製の聖杯は心臓と魔術回路のセットになっている』と。

 

 つまり心臓だけを取っても聖杯は真に降臨しない。

 ただ残るのは暴走した魔術儀式の成れの果てである。

 

 ()()()()()に着くとチャリチャリとした金属音がする。

 ()()()()()()が発していた音だった。

 

「これはこれは間桐のご老体。 久しいですな」

 

 臓硯は急いで()()だけでも人型に戻る。

 

「うむ。 久しいな、()()()()よ」

 

『言峰綺礼』。 遠坂凛曰く「エセ神父」。 そして第五次聖杯戦争の監督者であり、今はもう広く知られていないが第四次聖杯戦争の参加者で、生き残りでもあった。

 

「かなり手酷くやられたようですな」

 

「ふん、()()()()()()()である貴様に言われてもな」

 

「いえ、少々勘違いされておりますが()()のは私の()()()です」

 

「その割には、貴様の頼み事には耳を貸すようだが?」

 

「耳を貸すのと聞くのとは明確な違いがあります。 して、こんな夜分遅くに何の御用ですかな? 協会は迷う者は拒みませんが今は聖杯戦争中、ここは中立地点ですので」

 

「では御託を無しにしようではないか。 お主、聖杯の降臨に興味はあるかね?」

 

 ここで僅かな笑みを浮かべていた綺礼の顔がスンと無表情に変わる。

 

「成程、ギルガメッシュが怒っていたのはその事か。 間桐のご老体、貴方は()()で事を成そうとしたのですね」

 

 ちなみに今更だがこの男、言峰綺礼は()()ギルガメッシュの()()()()でもある。

 

「フッフッフ、もうここまでくれば後は魔力の問題と思い、先走ったのは確かに儂の独断じゃが事を思ってからの行動じゃ。 ここで一つ、良い情報をお主に提供したいと思ってな」

 

「間桐のご老体よ、何故私が貴方の様な者を助けるリスクを犯すと思うのですか? 聖杯はギルガメッシュが────」

 

「────それは()の事じゃろうて。 それだけでは()()()()は降臨せぬ」

 

 僅かに、極僅かに綺礼の目が泳ぐのを臓硯は見逃さず、「やはりな」と思い、にやけるのを必死に胸奥へと押しとどめた。

 

「儂はその情報を提供する代わりに、ほんの少し()を貰う。 何、少しばかりこの姿を維持するだけの微々たる量じゃ。支障をきたす事は無い。 後はお主の監視の下、事が起きるまでひっそりとこの老体を休めるとしよう」

 

「……先も言ったように、ギルガメッシュは私の頼みを聞いてはくれますがそれに従うとは限りませんぞ?」

 

「結構、結構。 儂は()()さえ手に入れれば良い」

 

「では()()に来てもらえますかな?」

 

 臓硯は蟲の姿に戻り、綺礼の後を追う。

 

『(まだじゃ! まだ儂は終わらぬぞ! クカカカカ!)』

 

 そして彼が歓喜に浸っている間、彼は目の前の綺礼がニヤリと笑っているのに気付かなかった。

 

「(全く、末恐ろしいものだ。 ここまで()()()()()()に事が運ぶとはな。 フフフフフ! 面白い!)」

 

 内心愉快さに笑う二人であった。

 理由はそれぞれ違うが。

*1
第6話より

*2
第26話後半より

*3
第9話

*4
第19話より




マイケル:最後の方こわ?!

ラケール:と言うかこの士郎って子、どことなく誰かさんに似ているわね

マイケル:え? そうか? (超オオボケ

作者:お前だよ!

三月(バカンス体):デデーン! 『マイケル~、タイキック~!』

マイケル:え、何、ちょ、待てい?!

チエ:尻を出せ

マイケル:ちょ、俺Mじゃ────あぎゃあああああああ?!?!?!

作者:お気に入りや評価、感想等あると励みになります! 何卒宜しくお願い致します!
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