"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

32 / 63
_l ̄l●lll


第32話 アーチャーと言う男(後編)

 ___________

 

 衛宮士郎、エミヤシロウ 視点

 ___________

 

 士郎の足から力が抜けて、アーチャーは士郎の頭を離して彼の顔を蹴り飛ばす。

 

「そんなものが夢でしか生きられないのであれば! その『理想()』を抱いたまま溺死しろ! 衛宮士郎!」

 

 士郎の力の入っていない体が荒野の地面をゴロゴロと転がり、数メートル先で止まると彼はほぼセイバーと三月の稽古からの反復で立ち上がろうとして、体の傷から血が噴き出しながらも何とか膝を着き、()()()()()()

 

 士郎は遅く、長い息を吐き出しながら麻痺していく体の感覚と思考でアーチャーの言い分を自身の中で思い返していた。

 

「ハァ…………ハァ…………ハァ…………」

 

 士郎の目の前が霞み、出血多量からの幻覚か()()()()()()()

 

 それは断片的にアーチャーの記憶か、以前三月と一緒に衛宮邸の居間で魅入った紛争地帯に関してのニュースかドキュメンタリーの場面などか、士郎には見分けが付かなかった。

 ただハッキリとした事は、自分の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その背中は何処か力強く、大きく見えた。

 だけど何処か寂しそうで……………

 

 ()()()()()()()()()()()()()()

 それは士郎が思わず声を出す程の違和感(喪失感)を与えていた。

 

「アンタは、多くのモノを失ったように見えるな」

 

 目の前の()()に成ったばかりの存在が振り向かずに答えた。

 

「それは違う。 私は()()()()()()()()意地を張ったから、ここにいる。 ()()()()()()()()()()。 お前()はどうなのだ?」

 

「え?」

 

 士郎は隣を見ると、幼い三月が彼の袖をギュッと掴んでいた。

 それはまだオドオドと『()()()()』と言う言葉が控えめな表現の頃だった、かつての少女。

 

 小鹿の様にプルプルと震えている彼女は士郎を見上げていた。

 

「……………()()()()()()?」

 

「(そうか、俺は……)」

 

「…………?」

 

「…………(『兄』、か…………)」

 

≪おい、大丈夫じゃなかったら俺達を頼っていいんだぞ? じいさん(切嗣)も大人だし、俺もお前の『()()()()()』だからな。 俺達は()()で、俺が先に養子になったからお前より『上』だろ?≫*1

 

 彼は自分を彼女の『兄』と言った。

『彼女の為に』と思ったからこそと、ずっと自分に言い聞かせながら。

 だが、「果たしてそうだろうか?」と言う疑問が士郎の中に最近芽生えていた。

 そしてそれはアーチャーとの闘いの中である事に気付いた。

 

「俺は………あの日()()()()()()んだ。(そうだ、俺はあの地獄の中で、父さんや母さん、友達や人見知りも家も何もかも全部失ったけど、俺の方はまだそれらを()()()()()。 けど、彼女は────)」

 

「────お前は認めるのか?」

 

「………………ああ、認めるさ…………でも、俺はその同じ日に()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 士郎は歩き始めて、前に立ち止まっていた()()を横道る。

 足取りがおぼつなく、幼く小さな手をした三月の手を取りながら彼らの前にある丘の頂上を一緒に目指した。

 

 その時に背後から()()が声をかけた。

 

「その先は()()にも分からない道だ。 この先、どうなるか分からないぞ?」

 

「…………………」

 

「???」

 

 士郎は一瞬立ち止まり、隣でキョトンとした幼い三月を見て、彼女に微笑んでから歩みを再開する。

 

「それが茨の道でも、暗闇の道でも、未知の先でも…………俺()なら乗り越えてみせるさ」

 

「じゃあ士郎は『正義の味方』を捨てるのかい?」

 

「ッ」

 

 士郎がその()()()()声で思わず振り返りそうになるが、何とか自分を止める。

 見てしまったら「()()逆戻りするのでは無いか?」と言う気持ちから。

 

「…………………捨てないさ。 でも……………多分だけど()()の言っていた『正義の味方』とも違うと思う」

 

「…………そうかい………そうだね………僕の時とは()()()()()()()()し、結局は()()()()()()()()()()()

 

「ああ。 だから行って来るよ、親父(切嗣)

 

「行ってらっしゃい、息子よ(士郎)

 

 士郎達が丘の頂上に着くと、そこには一本の剣が地面に刺さっていた。

 士郎が三月の手を握っていない片手でそれを引き抜こうとしても片手である為、上手く力が入らなかった。

 

「仕方ないな~。 じゃあ『1、2の3』で引くよ、()()!」

 

「ああ!」

 

 隣から自分の()()()()()()()()()の元気良い声が聞こえ、これに士郎の胸が温かくなった。

 

「「1!」」

 

 士郎の隣から少女の手が地面に刺さっていた剣のグリップをガッチリと掴む。

 

「「2の────!」」

 

 二人の両手にギュッと力が同時に入り、剣のグリップと、お互いの手を握る。

 

「「────3!」」

 

 息が合った行動に剣が抜かれると、曇っていた空が割れて優しい陽光が差し込み、

 炎が荒れ狂う荒野が剣の抜かれた場所から徐々に豊かな緑色の草が生え始め、

 色とりどりの花が咲いて瞬く間にそよ風に揺れる花畑が士郎の周りに広がり始めた。

 

 その景色は眩しく、()()()、士郎は思わず瞼を閉じてまた開けると何時の間にかアーチャーと相対していた場に戻っていた。

 

 士郎の体の痛みは引いていて、傷口はもう既に閉じ始めていたのを見たアーチャーは小声で舌打ちを打った。

 

 「チッ。時間をかけ過ぎだ、戯け」

 

「衛宮の傷が塞がって行くだと?! 何だよそりゃ?! ゾンビかよ?!」

 

「(ははは、そりゃあ無いだろ慎二)」

 

「シロウ! 立って下さい!」

 

「(ああ、分かっているセイバー。 せっかく稽古とかを付けて貰ったんだ。 それに比べればこんなの………………)」

 

「衛宮君、立って! 一発アーチャーに入れないと私がアンタをぶっ飛ばすわよ!」

 

「(分かっているよ遠坂。 ここまで来て倒れるのもお前にも殴られるつもりも無いさ)」

 

()()

 

「(…………三月)」

 

()()()()()

 

「(……………………………そっか。 そんな声かけられちゃあ、意地でも立たないとな!)」

 

 士郎が立ち上がると、アーチャーは彼の傷がほぼ完治しているのを確認した。

 

「…………(切嗣が彼の命を救う為に埋め込んだ聖遺物。 やはり、恐るべしだな彼女の鞘(アヴァロン)は)」

 

「『体は────」

 

「────ッ?! (まさか?!)」

 

「剣で────!」

 

「フンッ! (さすがにここまでは予想外だ!)」

 

 アーチャーが双剣を士郎に目掛けて投げる。

 

「────出来ている!』」

 

 士郎の両手に現れたのはアーチャーの双剣の『干将・莫耶』に()()()()()()だった。

 それはまるで()()を求める、翼のような形をしていた。

 

 士郎は両手の中にある双剣を振るい、アーチャーの投げた短剣がバキバキと音を立てながら割れる。

 

「俺は……ここで立ち止まれない!」

 

「………ようやくか。 だが私とお前の実力差は未だに歴然だ」

 

「…………」

 

「それを骨の髄まで理解出来た筈だが………まだ足搔くか?」

 

 士郎が笑みを浮かべながらアーチャーを見る。

 

「理解したさ…………けど…………………『それがどうした』?」*2

 

「……何?」

 

「聞こえなかったか? 『それがどうした』と言ったんだ。 確かに、お前に言っている事は正論だ。 それに強い。 でも………………『それがどうした』?!」

 

 士郎はまるで「仕切り直しだオラァ!」と言う様な勢いでアーチャーに傷を負わせていった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 士郎の啖呵から更に30分ほど経ち、未だに彼とアーチャーの戦いは続いていた。

 勿論この間、士郎自身も無傷ではなかった。

 寧ろアーチャーよりも深刻だ。

 

 彼がまだ生きているのはひとえにアーチャーが言っていた『彼女の鞘(アヴァロン)』のお陰だった。

 

アヴァロン(全て遠き理想郷)』。 それは本来、セイバーである『アーサー・ペンドラゴン』の持っている宝具、『エクスカリバー(約束された勝利の剣)』と対を成すもう一つの宝具だった。 そして効果は「セイバー(アーサー)の魔力に呼応し、持ち主に()()()()()()の治癒能力をもたらす」と言われている。

 

 つまり何某ゲーム風に言うと「パッシブリジェネレーション」と言ったところの()()が士郎の中に埋め込まれていた。

 

 士郎の羽をモチーフにしたような双剣は最初の内は次から次へとアーチャーの双剣を壊していった、先程アーチャーが士郎にしていたかのように。

 

 だがやはりアーチャーが長年『守護者』としての『英霊』をやっている年月は伊達ではなく、徐々に士郎の形成が不利になってゆき、これにつれアーチャーが明らかに()()()になって行く。

 

「くだらん……………くだらん、くだらん、くだらん!!! もはや見るに耐えん! 愚昧ここに極まったな、衛宮士郎! 『それがどうした』だと?! 子供か、貴様は?! これならばまだ衛宮切嗣の言っていた『正義の味方』の方がマシだ!」

 

「なら、お前の担げる『正義』は何だ?!」

 

「『正義』とは『秩序』を示すものだ! そして全体の救いと個人の救いの二つは別のモノだ!その二つは()()()()()()()()! オレは正しい救いを求めれば求めるほど、自己矛盾に食い尽くされ、ただの殺し屋に成り下がった! それが分からないのなら、その『思想』ごと砕け散れ! 何も成し得ないまま燃え尽きて死ね! そうすればオレの様な『間違い』も誕生も存在もしなくなる!」

 

「それは()()の言い分だ!」

 

「それが()()()『正義』だ!」

 

 そこで両者はまた激しい攻防を繰り広げる。

 士郎は攻撃を受け流しながらカウンターを狙い、アーチャーはヒット&アウェイで士郎を殺そうとする。

 

「グッ!」

 

 アーチャーは自身の存在は気薄になって行くのを本能で感じる。

 とうとう自身の存在を保つ魔力が無くなって来たのだ。

 

 本来、サーヴァントはマスターを失った短い時間の後に消滅する。

 これは現世の依り代を無くし、存在を維持する魔力が尽きた事を意味する。

 だが稀に『単独行動』と言ったスキルを持つサーヴァントがいて、これはマスターからの魔力供給が断たれてもしばらくは自立できるスキル。

 

 これがあればマスター無しでもある程度は自分を保てるが、限度がありそれがアーチャーに迫って来ていた。

 

「(こいつは、()()?!)」

 

 アーチャーが士郎を突き放し、彼をまた蹴り飛ばす。

 が、士郎は立ち上がり、また接近戦をアーチャーに挑む。

 

「(こいつは本当に()()()()なのか?! 何故()()()()()()()()()()()?! 何故()()()()?!)」

 

「ウオォォォ!」

 

「ッ! (こいつは『勝てぬ』と………『意味が無い』と思って尚、オレに挑み続けるその姿は………やはり()()()! ()()()! それこそが()()()()()に他ならないと何故気付かない?!)」

 

 アーチャーがまたもや士郎を無理矢理引きはがすと、今度は士郎の双剣の刃が壊れ初め、残ったのはボロボロでヒビが入った双剣だけ。

 

「(……………限界が来たか。) 皮肉だな衛宮士郎。 気力より先に魔力が尽きたか。 お前に残された武器はそれだけだ」

 

 アーチャーが更に宙に数本の剣を『投影』する。

 

「(少し…………極僅かに残念だよ、衛宮士郎(エミヤシロウ)。) どうあれ、『衛宮士郎(エミヤシロウ)』の戦いはこれで終わりだ!」

 

「さっき………お前の言った事は確かに正論だ………()()()()ならお前を正しいと感じて、同意もしていたかも知れない………だけど…………それでも………『誰もが幸せであって欲しい』と言う願いを、俺は『美しい』と感じたんだ。 そしてその感情は、限りなく()()の筈だ」

 

「グッ」

 

 アーチャーは士郎の言葉で()()()()()()()()()()の景色が頭を過ぎった。

 

「『誰かを助けると言う事は誰かを助けないと言う事』なら………俺は………『俺の周りの人達を守る』! それが俺の『正義』で! それは……『間違いじゃない筈』なんだ!」

 

 そう士郎が宣言した瞬間、彼の足元から緑の草と花が生え、彼の周りに曇った空から陽光の光が差し込む。

 

 それは何処か、幻想的な、()()のようで────

 

「クッ?! (何だ、()()()?!)」

 

 ────アーチャーの頭に年若く幼い自分が、

 

 

 

 

 やつれながら痩せ衰えていた着物を着た男性と、

 

 

 

 

 月の綺麗な晩に()()で軒先に腰掛けて話を────

 

────ッ! 消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!

 

 酷い頭痛に顔をしかめながらアーチャーは士郎に向けて剣を放つ。

 まるで脳裏と眼前の物を共に消し去りたい様な勢いで。

 

 そして士郎が走る一歩一歩ごとに、彼の踏んだ地面のから鮮やかな色の花達と緑の草が生えて行き、陽光が曇った雲から所々差し込む。

 

「いけぇぇぇぇ! 衛宮ぁぁぁぁぁ!」

 

「(────い!)」

 

 士郎は残された双剣の刃の部分で真正面から斬り落としながらアーチャーに突進していく。

 

「シロウ!」

 

「(────かない!)」

 

 一つの双剣の刃が崩れ落ちて、士郎はもう片方で斬り落とし始める。

 

「消えろ、消えろ、消えろぉぉぉぉぉぉぉ!!!

 

「────なんかいない!」

 

「衛宮君、いっけぇぇぇぇぇ!」

 

 もう片方の剣もボロボロになって行きながらも士郎はそのまま走る。

 

()()!」

 

 「俺は、間違ってなんかいないんだぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 最後にアーチャーが放った大剣達を払い落とすとついに士郎の羽の様な双剣に限界が来たのか両方とも粉々に砕け散り、士郎は丸腰ながらもアーチャーに向かってがむしゃらに走り、アーチャーのおぼろげな灰色の記憶の一部が脳裏に蘇る。

 

 

 

 

 

≪オレが代わりになってやるよ! 任せろって。 じいさんの夢は、オレが────!≫

 

 

 

 

 アーチャーは双剣を握っている両手に力を入れた。

 

 

 

 

 そして彼は見る。

 

 

 

 

 士郎の顔が『それがどうした』と笑い飛ばそうとしながらも、自分が不安に押し潰されそうな顔をしていた。

 それは何処か()()()()()()からではなく、

 ()()()()()ががむしゃらに()()()()()()()()()()()()()()()()()ような、

 

 

 人間(ヒト)(表情)だった。

 

 

 

 

 そしてアーチャーは思う。

 

 

 

 

「ああ、オレも()()()()()()()()()、そんな表情()を過去にしていたのかもな」、と。

 

 

 

 

 ___________

 

 セイバー運営、遠坂凛、間桐慎二 視点

 ___________

 

 士郎、凛、三月、セイバー、慎二たちが気付くとボロボロのアインツベルン城に戻っていた。

 

「ここは……アインツベルン城?」

 

「その………ようですね」

 

「……………まったく。 お前には驚かされてばかりだな、衛宮士郎。 まさか()()()()()()()()()()とは流石に思わなかったぞ」

 

「………………俺だって、お前を殴り倒せるとは思わなかったさ」

 

 凛達の前には床に仰向けになりながら笑い、頬に殴られた跡があるアーチャーと、息の荒い士郎が流石に過労が追いついたのか、尻餅を付いて呆然とした顔でアーチャーを見ていた。

 

「………何故私を刺さなかった、衛宮士郎」

 

「単なる魔力切れだ。 それに今のは、遠坂に頼まれた一発だ」

 

「………私の運も、まだ捨てたものでは無いな」

 

「……………俺の勝ちだ、あーch────」

 

 ドゴォン!

 

「────ウゴォ?!」

 

 何かが二階から士郎目掛けて飛び降りてそのままの勢いで彼は横に倒れる。

 俗に言う、プロレスのプランチャに似ていた。

 

「士郎、大丈夫?! 意識ある?! アーチャーさんも、私の指は何本に見える?!」

 

 士郎の上半身を持ち上げてゆすり続け、アーチャーの事も心配していて指を二つ彼に向って上げる。

 

「……………それはピースサインのつもりかね?」

 

 何時もの調子が出たのか、アーチャーが立ち上がりながら皮肉めいた言葉を返す。

 

 そして三月のお陰で士郎は白めになりながらも声を出す。

 

「……………ほ」

 

「『ほ』?」

 

「………………星が」

 

「『星が』?」

 

「星が、見えたスター……………ガクリッ」

 

「士郎、ダジャレ言っている場合じゃないでしょう?!?! 面白いのは認めるけどさ?!」

 

 三月がそのまま士郎の体をガクガクと揺すり、士郎の顔色は更に青くなっていく。

 

「全く………本当に、君にはどうしたものか………」

 

「み、三月! それ以上したら衛宮が本気でヤバい!」

 

 慎二が士郎から三月を手放せて、彼に肩を貸す。

 

「ありがとう、慎二…………」

 

「何さ、これぐらい。 帰ったら二人の旨い飯を僕にたらふく奢れよ?」

 

 その間、立ち上がったボロボロのアーチャーを凛が見上げていた。

 

「どうしたのかね、凛? 私を殴らないのか?」

 

「もう良いわよ、衛宮君が一発入れてくれたし。 それより()()()()()の三文芝居はもう終わりな訳?」

 

「フ、君にそんな事を言われるとはな」

 

「貴方ね、私が何年世間を相手に猫を被っていると思っているのよ?」

 

「そうかね? 私はてっきり君がカマをかけたのかと思ったので逆にカマをかけただけだが? まあ君が猫を被っているなど今更────」

 

────よしやっぱり一発ぶん殴ってから続きをするわ。 歯ぁ食いしばれ!

 

 凛の拳をアーチャーが躱す。

 

「この! ジッとしてなさい!」

 

「やれやれ…(やはり()()()()()()()()()()()()()()な)」

 

「アーチャーさん!」

 

「ん? 何だね?」

 

 凛の拳を躱し続けるアーチャーに対してぺこりと頭を三月が下げる。

 

「ありがとうございます!」

 

「…………私は別に何もしていないが? (本当に、君は鋭いな………全く………)」

 

「え? (あれ? でもアーチャーさんはワザと────?)」

 

「────ッ! アーチャー!」

 

 セイバーが何かに気付き剣を構え────

 

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!」

 

 ────アーチャーが展開した光の盾が士郎、慎二、三月を数々の武具から守り、アーチャーは凛を体で庇うかのように前に出て何本かの剣や槍などが彼の体に突き刺さる。

 

「グゥ!」

 

「「「アーチャー!/アーチャーさん!」」」

 

 士郎と凛と三月が彼の名を叫ぶと二階の通路から愉快そうなギルガメッシュが歩き出る。

 

「流石は雑種、我の『散歩コース』と分かっていながらもこうもズカズカと断りも無しに土足で踏み荒らすとは………だが面白い茶番だったぞ? そこは褒めてやろうではないか」

 

「ギルガメッシュ!」

 

「ええええ?! お、お、王よ、何故ここに?!」

 

「ん? ああ、海を漂うワカメではないか。 ここは我の『散歩コース』とやらだぞ? しかしまあ、面白いと言っても贋作者(フェイカー)共の独り相撲では、な」

 

 ギルガメッシュの後ろに数々の武具が宙の歪にて姿を現す。

 

 アーチャーは凛の方をチラリと見て口を動かす。

 

「────────」

 

「………………ぇ?」

 

 そう凛が呟いた瞬間、アーチャー双剣の一つを『投影』して姿が消え、ギルガメッシュの横へと表れて斬りかかった。

 

「ちょこざいな」

 

 だがギルガメッシュは慌てる事無く、眉毛を動かす事も無く用意していた武具がアーチャーを更に串刺しにして爆発が起きる。

 

「「「アーチャー?!」」」

 

 爆風の中、何かが飛び出て凛の足元に突き刺さり彼女は見た。

 

 それはボロボロになり、()()()()()()のアーチャーがさっき『投影』したばかりの短剣の刃の部分だった。

 

*1
第2話前半より

*2
第12話前半と第17話後半より




作者:_l ̄l●lll

チエ:よし、そのまま動くな

三月(バカンス体):ぎゃああああ! 首跳ねるのはヤメテー!

マイケル:いやこれは俺も腹が立つぞ

ラケール:と言うかこれって私達にも起き得る事よね?

作者:_l ̄l●lll

チエ:……………そうだな

作者:え?許して────?

チエ:『自害しろ、作者』

作者:ガフッ?! (血吐き&痙攣

雁夜(バカンス体):やっぱりギルガメッシュって怖えええ! 「ファ〇ク、ユー」言わなくて正解だったぜ!

三月(バカンス体):え?そんな事を言おうとしたの? バカだなー!

雁夜(バカンス体):お前だよ! 俺にそう吹き込もうとしたのは!

三月(バカンス体):♪~

桜(バカンス体):あ~、口笛上手~い! ♪~

ラケール: …………♪

チエ:ん? これは確か『荒野へ』では無かったか?

雁夜(バカンス体):何、それ? 聞いた事無いぞ?

チエ:『びでおげーむ』なるモノの『おーぷにんぐ』と三月は言っていたな

雁夜(バカンス体):面白いのか?

チエ:『びでおげーむ』はウェイバーかライダーに聞け
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。