"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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第40話 ホラ-映画からコンニチワ

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 ライダー運営、セラ 視点

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 慎二は昔の様子と態度が変質した桜をライダーと共に気にかけていた。

 互いに少々の違いはあれど、桜の気遣う思いは一緒の二人。

 だが桜はただ無反応と無表情のままで、本当に思考があるのか疑い始めた時、彼女がついさっき、初めて自ら行動を起こした。

 

 それは部屋の隅で膝を抱え、小さくなり、ガタガタと震える事だった。

 

 これを見た信二は「空調が」どうの、「遠坂邸は空調設備が時代遅れ」だのと、場を和ませようとしてライダーは何も言わずに(と言うか何を言えば良いのか分からなくて)桜を抱き、彼女の異変を声に出す。

 

「サクラの体が異様に冷たい?」

 

「何だって?! 毛布を持ってくるよ!」

 

「…………………………(…………………………………………………違う)」

 

 そう桜は言いたかったが魂すら凍りそうな程の悪寒が彼女の言動を阻む。

 

 実はと言うと空調は完璧だった。 

 何せ(短期間とはいえ)イリヤが滞在する場所をあのセラが何もしない訳が無い。

 なので彼女によって遠坂邸はより快適な場所となって、現代最新機器に引けを取らないほどだった。

 愚痴はブツブツと言いながらもセラが弱った体に鞭を入れる姿と最初はうっかりなどでミスが多発した姿を物陰に隠れながら見ていた三月とアーチャーは内心ずっとハラハラしていたが。

 

 慎二が毛布を持ちながら戻って来て、ライダーと桜の両方にかけて桜をもう一度見る。

 

「(あのクソ爺の仕打ちを受けていた時みたいだ)」

 

 彼は昔から桜の事を気にかけていて今のような桜を見るのが苦痛になり以前、士郎に相談を持ち掛けた事があった。*1

 

「桜………(こんな時、()()()()さえ居れば…)」

 

 慎二の頭に浮かんだのは太陽と月の様な兄妹の顔だった。

 自分の事があまり好きではない彼にとっては「目標」の一人。

 そしてもう一人は────

 

「(────って、何を気落ちしているんだ僕は?! 今ここにいない奴らの事を考えてどうする?!)」

 

 慎二はもう一度未だにライダーの抱擁の中で震える桜の姿を見た。

 ある意味、本物の人形よりも余程()()()()()()()彼女。

 家族(遠坂家)と家族でいる権利を奪われ、引き取られた家の当主(間桐臓硯)にとっては蟲よりも価値の低かった彼女。

 

 そんな彼女を変えて、「自分(慎二)の事を信じ切ったあの兄妹ならどうする?」と考える慎二。

 

 その間の桜は股に顔を埋めて、目を強く瞑りながら幸せの日々を必死に思い出そうとしていた。

 だが思い出したくも無い事ばかりが脳内にて繰り返される。

 

 それは幼少の頃、幾度も幾度も蟲蔵に沈められる光景。

 最初は、泣き叫んでいた。 

 力の限り、意識を失うまで。

 声が出なくなったのは、いつだったか覚えていない。

 単にすぐに意識を切り離せられるようになったから叫ぶ体力を()()()に温存する為に。

 最後には虫を感情では無く、感覚でしか感じられなくなっていた。

 その時にはもう意識ではなく、思考を体から切り離していて、()()()()()()()()()()()()()()()()()、その時に感じる蟲が体の皮膚を這い回る感覚を()()()()()()()()()()

 

「……………………………………………(()()()())」

 

 桜が自分を襲う悪寒を蟲蔵に例えた途端、すんなりと()()した。

 

 似ているのだ、今感じている寒さが蟲蔵と。

 

 蟲蔵で諦め始めてから、何も感じなくなるまでの短い間の雰囲気と似ていた。

 

「────」

 

「サクラ?」

 

 桜が何かボソボソと言ったのをライダーは最初こそ聞き逃したが、二回目はもう少し声が高く、聞いた慎二とライダーは驚いた。

 

()()()()()…………()()()()…………」

 

()()()()()』。『()()()()』。

 

 ライダーは慎二の事を桜が『兄さん』と呼ぶ事はあっても()()()()()は聞いた事が無かった。

 

 そして桜の母は昔に亡くなっていた筈。

 

 一応ライダーは桜の兄である慎二を見るが、彼も分からなかった。

 慎二にとっては初めての事なので考えが混乱した。

 

 桜が助けを求めて()()()()()()が。

 

 桜自身も驚いていた。

 何せ人を呼んだ所で、その人が助けてくれる訳では無いと分かっていたからだ。

 何度も幼少期に父の時臣や母の葵、姉の凛に何度も助けを求めたがそれが叶えられる事は一度も無く、ただただ蟲蔵の毎日が続いた。

 その頃からの癖か、桜は助けを呼ぶ時に人を呼ぶ事は無くなった。

 

 そこで不意に桜、ライダー、そして慎二のいる部屋にココアの匂いが漂ってきた。

 

「全く、二人もいるのに寒がる人に暖かい飲み物一つ出さないとはどういう事です? それでも彼女を思う人達なのですか?」

 

「「あ」」

 

 そこにはお盆の上にマグカップが人数分乗せてホットココアを持ってきたセラだった。

 

「お前、左腕は大丈夫なのか?」

 

「気安く声をかけないで下さい、この小物。 私はホムンクルス、痛覚の遮断など容易い事です」

 

 ココアを取った皆がすすり飲むとその場の空気が少し軽くなった……………様な気がした。

 だが確かに気分は幾分良くなった。

 

「……………………あり………………がとうございます」

 

「いえ、お嬢様の大切なご友人ですもの。 お安い御用です」

 

 桜のか弱い声にセラはニコリと笑った。

 今のセラは以前泣きじゃくったイリヤと、現在の桜の状態を連想していた。

 

「しっかし大丈夫かね、警察の奴ら?」

 

 ちなみに一時間ほど前からパトカーのサイレンやヘリコプターの音が引っ切り無しに辺りに聞こえていた。

 これも当たり前と言えば当たり前の事だった。

 何せ『聖杯』の異常は物理的干渉だけでなく、精神汚染もしているので公安機関が動かない訳が無く、十年前からの教訓もあってか彼らの反応は早かった。

 

 勿論彼らに何か出来る問題ではないが新都で起きている暴動や狂人達の包囲と確保ぐらいは出来るし、現に彼らは冬木大橋にて検問を敷いて新都から逃げてきた正気を保っている市民達の誘導を行っていた。

 

「ハッキリ言って彼らに期待する事自体無意味です。 こんな事態、()()()()()()()()()()()()()()等ではありません」

 

 慎二の言葉をすっぱりと一刀両断するセラ。

 

「ですがお嬢様達が何とかしてくれるでしょう。 我々は、彼らが気持ち良く帰って来れる様に万全のお迎えの準備をしましょう」

 

「セラ……………さん……………(………………そうだ。 私の周りには頼れる人達がいるんだ………昔の頃じゃ────)────ヒッ?!」

 

 ガシャン!

 

 桜が更に青ざめながら手のマグカップを落として自分の体を抱きしめると、外から異様な音が聞こえてきた。

 

 ギジギジギジギジギジギジギジギジギジ!

 

 それは金属を無理矢理曲げるような、電気の配線がバチバチと火花を飛ばすような音が混ざり合ったものだった。

 

「な、何だこの音?」

 

「あ……………あああ……………」

 

「サクラ? 一体────」

 

「────ワカメと言いましたね貴方。 すぐにここから出る準備をしなさい」

 

 セラはただ事では無い、そして危険な事態であると肌で感じ取って慎二に真剣な顔で言う。

 

「分かった!」

 

 遂に『ワカメ』呼ばわりを否定する事もしなくなったワk────慎二は部屋を出て、すぐに人数分のリュックを持って帰って来た時には音はどんどんと大きくなって行き、比例して悪寒も増して、今は桜以外の全員がそれを感じられるようになった。

 

 そして次に聞こえてきた()に文字通り桜以外の全員も血の気がサァーッと引いていった。

 

 サァァァァァァァァァクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ

 

 ライダーは問答無用で桜とセラを抱き、慎二を髪の毛で引っ張りながら二階の部屋の窓をそのまま突き破り、寒い夜へと出ると後方の遠坂邸で自分達がいた部屋と、その下の階の部屋が()()に粉砕された。

 

 それは()()()()()を思わせるような、真っ黒い()にギラギラと真っ赤に輝いていた無数の瞳がそこにあった。

 

 強い視線を感じた桜は無意識に()()を他の皆の驚愕する顔で見た。

 これにライダーも初めて明らかに表情が変わり、次の事でさらに驚愕へと彼女の表情が変わった。

 

 ドォォコへェェ行クツモリジャァァァ? サァクラァァァァァ?

 

 そのひび割れたような()()()()()()()()調()と共に慎二とライダーがポカンとしてその()()を呼ぶ。

 

「「爺さん?!/ゾウケン?!」」

 

 そして二人の声が引き金のように、桜はただ涙を流しながら両手で耳を塞ぎ、体は更に震えて彼女は力いっぱいにただ叫んだ。

 

 顔をこれ以上なく『恐怖』に歪めながら。

 

 「嫌アアアアアアアァァァァァァァアァァアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ────!!!!!!!」

 

 姿形は違うとはいえ、桜から全てを奪い、全てを支配し、()()()()()()()()()()()()()、自分を強引に思い通りのままに動かせて友のイリヤとセラをライダーに襲わせて拉致させて、自分から()()()を搾り取った張本人が正に化けて出て来た。

 

 それは桜にとって『間桐』という恐怖の家の『怨霊』に他ならなかった。

 

 「────イヤアアアアァァァァァアァァアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

 クカカカカカカカカカカカァァァァァァ

 

「何とおぞましい化け物?!」

 

「この! 死にぞこないの、クソ爺が!

 

「皆さん、しっかり捕まっていて下さい!」

 

 逃げ惑う桜を弄ぶ()()()()()()は間違いなく臓硯だった。

 

 ライダーは全力で冬木の家の屋根や街灯を飛翔して、屋根に穴が開こうが、街灯がひしゃまげようがただ全力で桜をあの()()()()()()()から遠ざけようと全力を尽くした。

 

 

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 アーチャー+ランサー運営、イリヤ、衛宮士郎、遠坂凛 視点

 ___________

 

 セイバーと別れた後、士郎達から彼女に蟲の()()が向かい、彼らはそのままひと時の安息で出来るだけ息継ぎをしながら外人墓地の敷地外へと着き、そこで彼らは余儀なく車から降りる事となった。

 

 外人墓地の外の道路で事故にあった自動車達や吹き飛んだビルの破片などでそれ以上は車が通れなかった。

 下車後、士郎達はランサーを先頭に教会へと駆け足で移動する。

 

 さっきまでの音が嘘みたいな静けさで皆の耳朶でキィーンと耳鳴りが続いていた。

 

「…………怪我は無いかね、三月君にイリヤ?」

 

 運動が得意とは言い辛いイリヤと、同じく小柄な三月を抱え上げたアーチャーが少女二人に声をかける。

 

「私は体がヘトヘト。 でも大丈夫、ミーちゃんは?」

 

「頭が痛いし吐き気がする。 まさかリアルでサイレ〇トヒルとバイ〇ハザードを同時に経験するとは思わなかったわ────」

 

 『お兄ちゃん!お母さん!!!』

 

「────ん? イーちゃん、何か言った?」

 

「え? ううん、何も言っていないわよ? どうして?」

 

「う~~~~ん…………………()()()()()()()()()()()()()

 

 アーチャーとイリヤ、士郎と凛の動きが一瞬止まって腕組をしながら唸る三月を見て、ランサーが呆れ顔で止まった皆に振り返る。

 

「あ? 何だおめぇら? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それは『影の国』という()()じみた地を生き抜いて師匠の『スカサハ』の超超超超スパルタ修行(殺し合い)を乗り越えたランサー(クー・フー・リン)だからこそ言えた事だった。

 

「…………今だから言うけど、この子────」

 

「────だから()()()()()()()って言ってんだよ、俺は。 マスターのこいつが『()()()』ってのは付き合いの短い俺も分かり切っている。 けど()()()()()()()? 目的を間違えるんじゃねえ、今は身近で確かな危機を叩き潰す方が先だろうが? アーチャーもギスギスした殺気を引っ込めろ。 俺はマスターを()()も失いたくねえからな、()()()()()()()()()? んで、マスター? 聞いた声は何て言った?」

 

「え? え~と…………分からない。 上手く、聞き取れなくって………ごめん………ぁ」

 

 ランサーが何時の間にか反転して、三月の頭を撫でた。

 

「な~に、謝るこたぁねえよ! 寧ろそんな小せえナリで良く今まで耐えているぜ! そこの嬢ちゃんと歳あんま変わんねえだろ?」

 

 ランサーがいつぞやのアーチャーと同じようにイリヤと三月を見比べ、今度はプックリと顔を不満に膨らませるイリヤだった。

 

「あの、私これでも兄さんと遠坂さんと同い年なんですケド」

 

「あん?」

 

 ランサーが士郎と凛、そして三月を互いに見る。

 

「………………………マジか」

 

「「「マジだ」」」

 

 ランサーの問いに士郎、凛とアーチャーが答えて、ランサーはジッと三月を見る。

 

「??? 何?」

 

「いや何。 お前の体の肉付きからてっきり十歳かそこそこぐらい────」

 

「────だあぁぁぁぁぁぁ!アーチャー、私を離して! あのヒョロンとした()()を引っ張らないと気が済まないわ!」

 

()()だぁ? こいつぁ髪の毛だっつーの!」

 

「うるさい()()()()()!」

 

「「「「ブフ」」」」

 

 士郎、凛、アーチャー、そしてイリヤが宙で暴れる三月のランサーを『()()()()()』呼びに噴き出し、「まるで犬だ」と同時に思った。

 

 ランサーとしては────

 

「おいマスター。 ()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ────()()()()()を一瞬三月に放って彼女を黙らせた。

 

「…………すまねえが………今のは生前の俺にとってあまり良い思い出が無いあだ名でな………」

 

「ごめん………知らなかった」

 

 アーチャーの腕でシュンとした三月はどこか借りられた猫の様子だった。

 

 それを見ていた士郎達は何とも言えない気持ちに包まれ、緊張した心を解してくれた。

 

「さて! 行くかね諸君!」

 

 この場の流れを利用し、アーチャーは柄にもなくトーンの高い声で言い切った。

 

「何かアーチャーさん、登山ハイカーガイドみたい」

 

「あら、それも悪くないわね? こう、副業として」

 

「へ! こんな奴が『ガイド』だぁ?」

 

「あ、それなら()()()()()は────」

 

「────おいちょっと待てマスター、今のは何だ?」

 

「あだ名」

 

「…………………あー、何でだ?」

 

「だって『ランサー』、何て味気ないじゃん」

 

「だからって、なんで『ちゃん付け』何だ?」

 

「え?」

 

「いやいやいや! そんな『ハ? こいつ何言ってんの?』みたいな顔されても────」

 

「────ランサー」

 

 そこでアーチャーの声にランサーが彼を見ると────

 

「────気にしたら負けだぞ?」

 

 ────アーチャーが実に良い笑顔を浮かべていた。

 

「お前ぜっっっっっっっっったいあの夜の事、根に持っているだろ?!」

 

「さあ? 27回も干渉・莫邪が壊された事など、とうの昔に────」

 

「────シレッと誤魔化すなよお前! 数まで覚えていやがって!」

 

 アーチャー&ランサーコントで沈んだ心はどこかへ行き、士郎達は教会へと外人墓地を進む。

 

 その中、イリヤは内心複雑な思いばかりをしていた。 決して表情には出さないが。

 

 元を辿れば、今の状況は大きく少なからずイリヤが原因と言っても良い。

 何せ初めにギルガメッシュに『聖杯』が強奪しそれを暴走、次に綺礼と臓硯がどこで手に入れたか分からない『聖杯』を手に入れ、イリヤの魔術回路と魔力を足して疑似降誕された。

 

 その『聖杯』を次に綺礼が『()()()()()()()』なるサーヴァントを溢れさせて、間桐臓硯を取り込めと命じ、さっきまで彼らに襲い掛かっていた蟲達へと変わった。

 

 御三家の一つ、アインツベルンの悲願の希望を持ったイリヤがまさかこんな事になるなんて想像しなかった。

 と言っても、誰がこのような事態を想像出来ようか?

 

 シュゴォォォォォォォォ!!!

 

 士郎達は上空から聞こえる轟音に反射神経で上を見るが遅かったのか、何だったのか見えなかった。

 

「…………F-15戦闘機?」

 

「ッ?! 見えたのかマスター?!」

 

 三月のボソリとした疑問にランサーが驚く。

 

「自衛隊のドキュメンタリーで今のジェット音を聞いた事あったから………」

 

「…………なあ、アーc────」

 

「────諦めろ、ランサー」

 

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 公安機関、自衛隊 視点

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 士郎達は知る余地もないが、今彼らの上空には自衛隊のF-15戦闘機達が近くの基地からスクランブルが掛かり、アフターバーナーをかけて冬木市へと到達した。

 

 これは冬木の公安機関からの報告と、冬木市内にいた魔術協会関係の人物が基地の指揮官に要請を出したからである。

 

 広がる『泥』と『蟲』に火が聞くと聞いて彼らの指揮官は(これまた魔術協会の圧力で)急遽F-15戦闘機のMk 82爆弾をナパーム弾に変えた。

 勿論これは国際違法になる為パイロット達には駆除系の熱気化兵器と言われていた。

 

 ただまあ、パイロット達も冬木市に親族のいる者達からの連絡で「怪獣が襲って来ている」と聞いた瞬間十年前の出来事を連想して半分恐怖、半分『怪獣退治』に胸が高鳴っていたが。

 それも一人の怪獣オタの「怪獣映画に出てくる軍って大逆転するか全滅するかのパターンだな」と言った一言に所為でますますそうなったのもあった。

 

 本来なら聖堂協会も動く筈だが監督役の言峰から連絡が全く無いのが彼らにとって不可解だったので、慎重に動く事に徹した。

 元とはいえ、代行者としてとびっきり優秀な彼が連絡も出来ずに散ったとなると事は一大事で、代行者達や騎士団員達に大至急、招集の連絡をかけている最中だった。

 

 警察などの機関も、新都の深入りはせずに正気を保った市民達を狂気に落ちた者達から守り、後から到着する自衛隊達の援軍まで場を持たせようとした。

 本来ならいがみ合うかも知れない上層部同士が珍しく事を円滑に進め、出し惜しみをしなかった。

 

 そこで先陣隊であるF-15戦闘機のパイロット達は目撃する。

 

 冬木市の西側、つまり()()()()()()()()()()()()()()()()が見え、北へと向かっていたのを報告すると基地から詳しい事が視える様に低空飛行を行えという命令が出る。

 

 彼らはそれが桜達を追う間桐臓硯だと知らずに自ら近づいて行った。

 

 季節は冬だがこれが「飛んで火に入る夏の虫」になるのだろうか?

 

 それとも彼らは『大逆転』するのか?

 

 歯車達はただゆっくりと動く。

 

*1
第5話より




作者:一応自分なりに頑張りましたが…………ちゃんと伝わるかどうか不安です。

ラケール:怖いよ~~~~~~~~

マイケル:抱きつくな! 胸が当たっているだろうが?!

三月(バカンス体):それ半分ワザとよ?

チエ:やはりあの外道は死、あるのみだな

ウェイバー(バカンス体):チ、チエさん? なんか怖いです………

ライダー(バカンス体):おお! 何と言う覇気! 余も身震いするほどだわい!
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