"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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お待たせしました! 43話めです!

多くの人に自分の作品が読まれているのが感動です、
何時も読んでくれて、誠にありがとうございます。


第43話 「大丈夫」の呪い

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 ライダー運営、セラ 視点

 ___________

 

 

 ガインッ!

 

 鉄が強引にへこむ音がする。

 

 ボコッ!

 

 コンクリートやアスファルトに穴が開く音がライダー達の後を追う。

 

ギギギ…………グカカガガカガガ

 

 そしてライダー達を追いながら笑う()()()()()

 

「どうするのです、貴方?!」

 

 意識を失った桜を抱えたセラが、更に彼女を抱えるライダーに問う。

 

「……………(さて、どうしたものですか)」

 

 ちなみにワカメこと慎二は必死にライダーにしがみ付いていて、彼自身も築いていなかったがライダーの髪の毛が微妙に補助していた。

 ライダーは別に慎二の事はどうでも良かった。

 

 ()()()()()

 

 だがこんな彼でも、桜を第一、自分は遥か後の順位に思いながら行動していたのは、身近にいたライダーは分かっていたので()()()として彼を運んでいた。

 別に彼に何かを期待した訳でも無い、ただの後付けの考えだった。

 

 そのライダーは遠坂邸を出てからずっとあの()()()から桜をどうやって守るかをメインに考えていた。

 

 まず『撃破』か『駆除』が一番手っ取り早い。

 が、ライダーには()()()()()()()

 

 せいぜいが『自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)』を解除して魔眼(キュベレイ)を広範囲に展開し、出来るだけ『蟲』の行動を()()()()()

 

自己封印・暗黒神殿(ブレーカー・ゴルゴーン)』。 ライダーの真名『メデューサ』にちなんで彼女は魔眼の中でも最上位に近い石化の魔眼の『キュベレイ』を所持していて、彼女が意識していようがいまいが常時発動している為、普段はバイザーを着けて制御をつけている。

 

 今は剥き出しになった彼女の顔は機械的に次の建物の間を移動しながら────

 

 

 

 

 

 

 ────徐々に()()へと向かっていた。

 いや、結果的にそうなっていただけで本当は別の場所を目指していた。

 

 如何に最上位に近い石化の魔眼を以てしても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 というかどれだけ『石化』して蟲を殺しても、ほぼ同じ速度で蟲の『増殖』が続いて平行線を保っていた。

 なので半分無意識的にライダーは()()を求めていた。

 それは向こう岸の、新都での神秘的な輝き(『エクスカリバー』)を。

「あれならば」、とライダーは思いながら向かっていた。

 

 勿論、アレが()()()()()()()()()()()とは知らずに。

 

 シュゴォォォォォォォォ!!!

 

 バタバタバタバタバタバタバタッ!!!

 

 空を見上げると自衛隊の戦闘機とヘリコプターが駆け抜ける轟音が()()()()美周辺を回っていた。

 

 それは公安や先遣隊の自衛隊員達が検問を敷いた場所に狂気から逃れようと来た市民達と、それを追ってきた()()()を機動隊と共に押し返していた。

 

 ライダーにとって、深山町は余りにも見通しが良く、()()から桜達を引き離せる()()()があまりにも少な過ぎた事もあるので幸か不幸か、慎二と共に新都を夜な夜な巡ったのであちらの方(新都)の地理に慣れていた。

 

「………ライダー、少しいいかな?」

 

「? シンジ?」

 

 今までずっと顔色が悪く、黙っていた慎二の低い声にライダーが彼を()()()した。

 だが余裕が慎二にも無いのか、彼は言葉を続けた。

 

「さっきから後ろから襲ってくる()()を見ていたんだが、さっき配線とかから電気ショックを受けていたみたいなんだ」

 

「??? それが?」

 

「つまり、()()()()()()()()()()()()()()かも知れないと言っているんだ」

 

「……………………」

 

「ライダー?」

 

「いえ、貴方はやはり頭が切れますね」

 

「…………………………………………え?」

 

 慎二をライダーが初めて見下すような事や皮肉を言っていない、または無視していない言葉どころか、褒められた事に慎二は目を丸くした。

 

()()()()()()()()()()()()()()』。

 つまり()()()()は対魔力がある程度高いといっても(魔眼で瞬時に石化しない事から)、物理的な攻撃での弱体化(または撃破)が可能という事をライダーは考えた。

 

 バタバタバタバタバタバタバタッ!!!

 

 急にライダーの周りが眩しくなって、臓硯にヘリコプターライトが当てられる。

 

 それが近くの自衛隊のであったのか、メディアのであったのかはわからない。

 ただ次の瞬間、暗闇で出来た触手の様なものが臓硯からテールローターに伸びて機体を引きずり込む。

 そしてコックピットが飲まれる前にパイロットらしき人物がドアを蹴破って、飛び出る。

 が、暗闇から無数の()()()()が飛び出て泣き叫ぶ彼を中へと強引に引きずり込む。

 

 慎二はすぐに視線を逸らすが、パイロットの最後が彼の脳に焼き付く。

 

 無数の蟲に()()()()()()()()()()様を。

 

 ___________

 

 アーチャー 視点

 ___________

 

()()か」

 

 アーチャーは夜の中で焼ける新都の姿をビルの屋上から見下ろしていた。

 そこは彼にとっては()()()()光景だった。

 

「さて────」

 

 ────アーチャーは以前、凛と共に冬木市の見晴らしの良い場所からグルリと周りを見渡した。

 彼が探していたのは『聖杯』らしきもので、他のすべては彼にとっては単なる()()だった。

 

 そして────

 

「(────何だ、()()は? )」

 

 アーチャーが視たのは一つの()()()()()()()()()が追っていた。

 

 そしてヘリコプターのパイロット席には紫色の髪をした成人女性が座っていた。

 

「やれやれ…………まるで出来の悪い、B級怪獣映画の様だ」

 

 アーチャーは弓と剣を『投影』して、構える。

 それは『偽・螺旋剣』ではなく、別の()だった。

 

『三月君、“聖杯”らしきものを発見した。 今から撃破を試してみる』

 

『……………………』

 

「三月君?」

 

 三月に送った念話に返事がない事にアーチャーは不思議に思う。

 が、彼にはやるべき()()があるのでそれは遂行すべく魔力を貯め始めた。

 

「I am the bone of my sword────」

 

 シュン!

 

 アーチャーが矢を解き放ち、怪物の前にいたヘリコプターが同時にそれを躱すべく、方向を変えて、速度を上げる。

 

「(ほう、流石はライダー。騎乗スキルは伊達ではないという事か)」

 

 ドゴゴォン!

 

 アーチャーの矢の着弾と共に爆発音が()()起きる。

 一つはアーチャーの矢。そしてもう一つは教会方面からだった。

 

「…………本当に、君は相変わらず凄いな……………何?!」

 

 関心で言葉を漏らすアーチャーが教会から新都へと視線を戻すと驚愕に変わる。

 

「やはり一筋縄では行かないか!」

 

 アーチャーの矢が着弾したのに関わらず、『聖杯』の()()は健在だった。

 

 ___________

 

 衛宮士郎、遠坂凛、イリヤ、衛宮三月 視点

 ___________

 

 時はアーチャーがまだ高層ビルに向かっていた時と、ライダーがまだヘリコプターの奪取無断使用に至っていなかった時へと戻る。

 

 そこには2.5人の魔術師と元代行者が激しい攻防を繰り返してた。

 

 言峰綺礼は怒りでガンドを撃つ凛と、自分へと斬りかかって来る士郎と、イリヤの放ったエペの形をした使い魔達を涼しい眼で見ながら、彼の持つ黒鍵が月光を撒き散らす。

 

「ふん」

 

 綺礼は若干不満そうな声を出し、それらを切り落とし、もう一つの手で黒鍵を数本投擲する。

 

 士郎がこれらの大部分を『投影』した双剣で払い、向かって来る綺礼の拳をガード────

 

 バキバキバキバキバキ!

 

「嘘だr────ぐあ?!」

 

 ────仕切れずに砕け散って、遅くなったパンチが士郎の肩に当たり、ミシリと彼の骨が悲鳴を上げた。

 

 まだまだ終わらないといったように左右に展開した凛とイリヤがガンドとエペ、そして今度は銃までも攻撃手段に追加する。

 綺礼は素早く次の黒鍵を用意してまたもこれらを全て払い落とす。

 

「さて、これ等の物が私に効かないという事は百も承知になった筈だが?」

 

「そんなもの、()()()()()()()()()()()()()わ!」

 

「やれやれ、もう少し君は賢いと────」

 

 綺礼の言葉が遮られ、()()()()()()()()()()()が姿を鳥へ変形して綺礼に襲い掛かる。

 

「串刺しになっちゃえ!」

 

「ッ」

 

 綺礼が咄嗟に体を()に飛躍して、イリヤの頭部に目掛けて拳を繰り出す。

 当然これを予想していなかったイリヤには反応はでk────

 

「────さぁぁぁぁせぇぇぇぇるぅぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 ────士郎の手に持っていた瓦礫から取って『強化』された鉄の棒で腕を叩きつけられる。

 

 綺礼はすぐに左足を蹴り上げて士郎の胴体を蹴る。

 

「何?!」

 

 だが士郎は予想通りに吹き飛ばされるどころか、綺礼の足を両手で拘束した。

 

 グサリ。

 

「ぬぐ!」

 

 綺礼は背後から何かが刺される感触に下を見ると────

 

「────『last(レスト)』!」

 

 ────アゾット剣が突き刺さっていて、刃が光る。

 

 それは、綺礼が自分の師である遠坂時臣から渡され、彼を背後から突き殺した凶器だった。

 

「吹き飛びなさい、言峰綺礼!」

 

 ドゴォン!!!

 

 凛の声と共にアゾット剣に込められていた魔力も解放されて爆発が起きる。

 士郎と凛は爆発の至近距離にいた為体を吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

「グッ…………奴は?!」

 

 これからいち早く回復した士郎は体を起き上げさせ、綺礼のいた場所を見る。

 

「…………………………………………嘘」

 

「……………流石に玉砕覚悟の特攻とは、予想外だった」

 

 イリヤの声に反応するかのように左の脇腹がごっそりと()()()()()()()綺礼が面白そうに笑っていた。

 そして何故かそのような大きな傷があるというのに、出血が明らかに少なかった。

 

「(ふむ、これは奇妙な感覚だ。『痛み』は残るのか)」

 

「綺礼………アンタ、どうやって生きているの?」

 

 顔色が少し青くなった凛に対して、綺礼が答える。

 

「何を今更。 私はとうの昔に()()()()()。 十年前のあの日から私の心の臓は脈を打っていない」

 

「遂に人間を辞めたっていう訳ね……まさかアンタも人外とは」

 

「酷い言われようだ。 だが私はまごう事無き『人間』だよ、凛」

 

「お腹にデッカイ風穴を開けている奴が言う言葉か?!」

 

「少なくとも私は自分を『人外』と思った事は無い、貴様と同じだよ。 衛宮士郎」

 

「コトミネキレイ、貴方の『()』とは何?」

 

 イリヤの問いに、綺礼は口を吊り上げ、夜空を見上げる。

 

 

 これを見た三月はボソリと()()()()()()を口にしながら目つきが鋭くなっていた。

 

「My body is made of────」

 

 

 

「ホムンクルスの君がそこまで興味を出すとは、意外だ。 だがそれもじきに分かる。 我が『()』は大層、()()()()()()()()()()()()────」

 

 

 

 ヒュン! ビキビキビキ!

 

「グゥ!(『痛覚遮断』!)」

 

 三月が()から手を離すと空気を鋭く切る音と、骨にひびが入るような音が彼女の耳朶を襲い、その瞬間に激痛が彼女の体に走り、遠坂邸でセラが言っていた『痛覚遮断』を実行してみた。

 

【告。 左半身の前腕、上腕、肩峰、腋窩、胸郭に損傷────】

 

「(やっぱり()()()()やばいかな、これ────)────グフ?! ガハッ!」

 

『三月君、“聖杯”らしきものを発見した。 今から撃破を試してみる』

 

 ドゴゴォン!

 

 三月が思わず血を咳き込んでいる間に彼女の矢の着弾と共に爆発音が()()起きて、アーチャーの声が頭の中に響くが、彼女に答える余裕は無かった。

 

「ガハ、ゴホ、ゴボ!」

 

 カランッ!

 

 乾いた音と共に『投影』した弓が三月の手から落ちて、消えていく。

 痛覚を感じないとはいえ、内部出血までは誤魔化せない為、血を吐き出しながらも三月は自分に治癒術を使う。

 

 

 

 綺礼のいた場所では土煙の中、爆発の前に『強化』した体で士郎とイリヤを無理矢理引き離した凛が気付けば、他の二人の少年と少女を覆うように体が上になっていた。

 

「…………………………う」

 

「………遠坂、サンキュー」

 

「………リンの体って……何か腹が立つ」

 

「…………そうか。 まさか…………四人目がいたとは」

 

 綺礼の声にギョッとする士郎、凛、そしてイリヤが起き上がって彼の方を見る。

 

 彼は手を夜空へと左手を伸びし、()()()()()()()、そして()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ___________

 

 言峰綺礼 視点

 ___________

 

 綺礼は気付けば、空を見上げて手を伸ばしていた。

 どこまでも透き通ったような夜空。

 体は寒く、力が入れない。

 いや、体が()()といった感覚が十年前からだが、今感じている『コレ』はそれ以上だった。

 だるくなって行く頭がこのまま寝てしまいたいと訴え、それは綺礼にとって実に魅力的な提案だった。

 

 何せ自分は大役を任されてそれを終え、事態はもう止まる事はない段階になっているだろう。

 

 彼の視界に異物が混ざる。 赤と白が掛かった髪の毛の少年、月の様な銀色の髪の毛の少女、そして彼が十年育て上げた『駒』。

 

「(立たなければ────)」

 

 そう思い、体を起こそうとして左手が落ちる。

 だが体に力が入るどころか、虚脱感が広がって行った。

 

「凛………私は今………どんな状態だ?」

 

 綺礼の弟子が呆れたような視線を送る。

 

「…………お腹から下、そして右腕が吹っ飛んでいるわ」

 

「成程………通りで体が動かない訳だ」

 

「というかアンタ、そんなに凄い奴ならどうしてこんな事をしたんだ? 他にも、道はあった筈だ」

 

 衛宮の少年が綺礼を見ながら聞く。

 

「何、私の前に『()』が現れただけの事。 導くままに、私は動いただけだ」

 

 綺礼は「勝とう」とは思わなかった。

 それが『()()』だったのだから。

 

 だが「負ける(死ぬ)」とも思いはしなかった。

 自分は『()()』だから。

 

「キレイ、教えて。 『()()()()()()()』………というかいまの『ゾウケン』はサーヴァントが倒せるモノなのかしら?」

 

「「?!」」

 

 イリヤの質問に士郎と凛がビクリとする。

 あの大群の蟲を経験した者ならではの、最悪の想定だった。

 

「可能だ。もとは『聖杯』だが、今や『()()()()()()()』と間桐のご老人は完全に同化している状態。 もっとも、君達が経験したように彼らが『宝具の限界を超えていなければ』の話だがね」

 

「貴方は…………」

 

 途端にもう一つの異物が綺礼の視界に入る。

 さっきの小柄の少女とよく似た、()()()()()()()()を着た金髪の少女。

 

「君は……成程、これは『()()()()』訳だ…ク…クククク」

 

()()()()()だったのね」

 

 不意に笑う綺礼に、三月がかける言葉に彼は一瞬目を見開く。

 それは、彼が初めて人間らしい()()()()()()()だったかも知れない。

 

「いやはや、どうしてこうも…………ああ、今の私は最高の気分だ………礼を言おう、少年少女達よ………私は………()()()脱落でき(死んで行け)る」

 

 綺礼は視線を三月に向けたまま、言葉を続ける。

 

「私は『正しく在る』事は出来たが、終ぞそう感じる事は無かった。 周囲の『正解』を真似する毎日。 『人間(ヒト)』でいられるように、()()()()()()()()()、その度に私は己の存在が逸脱したものと思い知らされた。 だからこそ、私は嬉しかったのかもしれん。 私が妻を亡くした時の喪失感、苦痛、空虚を埋める『()』と出会った事に」

 

 ここで綺礼が涙を流し始め、士郎達は気付く、あるいは心で疑っていたそれが確信へと変わった。

 

 言峰綺礼が一人の破綻者で、大事なことに目を背け、それをある日気付いた、または気付かされた事に。

 

「……………(認めたくないが、昔は俺も()()だったんだな)」

 

 士郎の目の前には自分が()()()()()()()だった。

 間違いばかりをして生きて来た…………というかたった一つとして政界をする事無く、不正解の選択を取った、愚かしい人生。

 ただ士郎と違って、綺礼は『()()で生きる』事が出来なかった、ただ一人の『人間(ヒト)』が苦しんで苦しんだ末に、とある日に『()』に出会って今の行動を起こした。

 

 その姿は三月にとって、とてもとても────

 

「────こんな私の為に泣いてくれるのかね?」

 

「………え? あ、あれ?」

 

 気付けば彼女は()()()()()

 

「フ………フフフ…………(何という事だ、この私が()()()()()()()とはな)」

 

 綺礼はただ笑いながら涙を袖で拭き取る三月を見ていた。

 

「私にとどめを刺せ。 私から、()()()()()()

 

「グス…………()()()()

 

 三月がそう言い、取り出した銃に綺礼の口元が釣り上げる。

 

「(クククク………皮肉なものだ。 ()()その銃で撃たれるとはな)」

 

 三月が右手で()()()()() ()()()()()()()で綺礼の頭を狙い、その姿が綺礼をかつての宿()()と連想させた。

 収まりの悪い黒髪に無精髭の生えた顎に瞳は当然のように死んでいたのにも迷子の目つきをしていた()()()()を。

 

「これで()も君とはお別れだ、()()()()

 

 いや、自分の見間違いなどでは無かったようだ。

 今は少女という者には似つかわしくない口調と表情。

 

 そして自分と同じく()()()()だった。

 

 思わず笑いがまた出てきそうになるのを綺礼は止める。

 

「ああ。 さよならだ、()()()()

 

 そう言いながら、綺礼は静かに目を閉じて、一つの発砲音が辺りに鳴り響く。

 それが引き金化のように、綺礼の意識はぱったりと途切れる。

 

 

 ___________

 

 衛宮士郎、遠坂凛、イリヤ、衛宮三月 視点

 ___________

 

 三月の持っている銃から大きな発砲音がやまびこの様に辺りに反射する。

 

「「「………」」」

 

『三月が何の躊躇もなく()()()()()』。

 その出来事がただ士郎達の頭の中で浮かび上がっていた。

 

「…………三月、大丈夫?」

 

 凛が警戒しながら三月に問う。

 

「………大丈夫、()()()()。 ただ少し、()()()()()────う」

 

 三月がふらつきながら頭を片手で抑え、イリヤが支える。

 

「口調も少し変わっていない?」

 

「…………大丈夫だよ、()()()()()………ちょっと気が遠くなっただけ」

 

「ねえ、三月? さっきのって、アーチャーの技だったでしょ?」

 

「え、あ、ええ。 そうよ」

 

「…………まったく…(どうしてこの兄妹はこうも非常識な事が出来るの?)」

 

「だからか。 あいつの魔術、馬鹿みたいに魔力を食うからな」

 

「え、ええ。 そうn────」

 

【────告。 ()()()()()()()()()()()。 ■■■■の条件を満タシマシた。】

 

「う」

 

 三月の顔が青くなり、謎の感覚と不愉快な感覚で口を抑える。

 

『三月君、君は今どこだね?』

 

「うぷ…………あれ、アーチャーさん?」

 

 溜飲が下がり、三月は思わず声に出して答える。

 

「アーチャーが? 彼、何て言っているの?」

 

『えっと、教会で神父さんを倒した後だけど』

 

『よし、大至急新都へと向かって来てくれ! “聖杯”を叩き潰すのに()()()()()()が必要だ! 宝具を撃てる君と令呪が必要だ! ランサーはどうかね?!』

 

『よぉマスター、こっちはこっちで手がいっぱいだ! わりぃが、とても手を離せねえ状態だ! こっちも令呪を使うタイミングをしr────ウオオオオォォ?!』

 

 ランサーからの連絡はプツリと切れ、彼の現状がどれだけ切羽詰まっているのかが声に出ていた。

 

「…………新都にアーチャーさんが『聖杯』を見つけたみたい。 令呪と、私のバックアップが必要みたい」

 

「三月……本当に大丈夫か?」

 

「え? まあ…………正直もう布団の中に籠りたい」

 

 士郎に答える三月は何時もの元気が無く、さっきからずっと顔色が悪かった。

 

「でも………『これ』を終わらせないといけないから、()()()()()よ」

 

「……………」

 

「そう、なら行くわよ」

 

「遠坂! お前────!」

 

 凛のさっぱり過ぎた態度に士郎が彼女の名を呼ぶ。

 

「────三月の言う通り、私達には時間が無いわ」

 

「シロウ…………貴方の気持ちもわかるけど、リンの言う通りよ」

 

「イリヤまで………」

 

 士郎は凛とイリヤ………ではなく、冷徹に成り切った『魔術師』の二人を見た。

 

「よし! それじゃあ行こうか、兄さん! (大丈夫、まだ大丈夫よ、私は………)」

 

 三月がパン!と自分の頬を叩き、()()()()()()へと変わる。

 

「(三月…………)」

 

「(大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫────)」

 

 士郎にとって、今の彼女は()()をしているかの様に見えていた。

 




作者:う~~~~~ん

三月(バカンス体):どったの?

作者:頭痛い

チエ:風邪か?

作者:仕事が大変で…………

マイケル:流石に徹夜+残業勤務を何週間もつづけたら、体壊れるぞ?

作者:ごめん、薬飲んで寝る。コント短くて申し訳ありません

マイケル:…………誰に言ってんだ?

三月(バカンス体)+チエ:読者たち

マイケル:…………誰?
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