"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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遅くて申しわけございません、一応投稿は出来ましたが…………

イメソンとして「消えない思い」聞きながら書きました。


第46話 セイギ ノ ミカタ

 ___________

 

 アーチャー、ライダー運営、衛宮士郎、イリヤ、セラ、遠坂凛 視点

 ___________

 

 三月が他の三人に説明した()()は至って単純だった。

 

『自衛隊の一斉射後、魔術師とサーヴァント達は宝具級や一番威力の高い一撃を一斉射』、と言ったモノである。

 

 正に二連攻撃(通常兵器+魔術)だった。

 

「でも良く自衛隊とかがそんなのに了承したわね?」

 

「うん、なんかアーチャーさんが()()()()

 

 

 

 そのアーチャー自身、ライダーと話していた。

 

「正気か?」

 

「それ以外の方法が確実と貴方は断言出来ますか?」

 

「…………」

 

 アーチャーの帰って来ない答えにライダーは?マークを出す。

 

「??? どうかしましたか?」

 

「いや、私と君はやはり反英雄同士だなと思っただけさ」

 

「…………私は桜だけが無事であれば…………………………………………………………………………………いえ、それも…………………………………………………………………………………………………………………………………………いえ、やはり桜だけさえ無事でいれば────」

 

「────フ」

 

 何故か長い沈黙の間に言いよどむライダーに思わず鼻で笑うアーチャーにライダーは苛ついたように言葉を返す。

 

何ですかその意味有り気なは?

 

「何。 屋敷での君は実に良い空気を出していた事を思い出して、な」

 

 それはライダーの宝具を『特攻野郎〇チーム』とからかった三月が「自分の血を吸って良い」と言った後の事だった。*1

 ライダーは三月とランサーの契約後、半ば拉致する勢いで三月を個室に連れ込み、15分ほど音沙汰がなく、次に出たライダーは()()を浮かべながら浮いた足取りで部屋を後にした。

 そのまま鼻歌を出すような感じのライダーとは対象外に少々(?)ゲッソリとした三月がその後にヨロヨロと部屋を出て、遠坂邸の冷蔵庫にあったプリンと野菜ジュースを平らげた。

 

 余談だがこの様子をライダーはこっそりと物陰から見ていて胸が痛んだのは秘密にしていた。

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………忘れて下さい」

 

「彼女()が悲しむぞ?」

 

「それは貴方にも言える事では?」

 

 脅すような口調で言うアーチャーに、そっくりと言い返すライダー。

 

「………我々は既に死んだ身だ、現在()を生きる者達の方が大事さ」

 

「貴方は変わりましたね」

 

「そういう君こそ。 違うか?」

 

 以前はギラギラとした、他者を寄せ付けない抜き身の剣のようなピリピリした空気を纏い、機械的に合理的な判断をしていた『守護者(機械)』。

 

 以前は「被害者でありながら加害者」である少女(召喚者)にかつての自分の状況を連想して、「他者は全て敵か利用すべき存在」とずっと気を張っていた『怪物(被害者)』。

 

 ただ、二人の周りの人達に影響を受けて変わったのは自覚があった。

 最近までは認めたくは無かったが。

 更に周りの人達を変えた存在自身がどこか冷静…………というか予想外の行動によく出る事もあり、気になっていたのもあった。

 

「…………さて、三月君達もそろそろ着く頃だ。 後ろの者に教授を始めるとするか────」

 

 そしてアーチャーは後ろで近づく車で運転しているイリヤをジーッと見ていたセラに()()()()()()の使い方を簡単に説明し始める。

 

 ちなみに桜は未だに慎二に怒っていた。

 

「さ、桜ぁぁぁぁ…た、頼むから機嫌を直してくれよ~~~」

 

「知りません!」

 

 そして痴話げんか続行中であった。

 

 ■■■■■!!!

 

 「「うるさい、このクソ爺!」」

 

 半ば逆ギレした慎二と桜が同時に外の臓硯に叫び返していた。

 

「ええ、全くその通りですね」

 

「ああ、その通りだとも」

 

「頼もしい限りですね」

 

 少年少女二人に同意するセラとアーチャー、そして直に感心するライダー。

 

 

 場は冬木の新都の北にある海岸へと移り、ヘリコプターはグルグルと入り組んだ場所を回るのをやめてそのまま海の方へと向かい、それを臓硯が追う。

 

 更に臓硯を追うように様々なトラックや装甲車、航空隊のF-15Jなどが近くの空域や地域から飛び出た。

 

『諸君、配置に付いたら一斉射撃を始めてくれ! こちらはタイミングを合わせる!』

 

 

『聞いての通りだ、武田!』

 

『聞いた! 葉鳥羽も合わせろ!』

 

 大体の配置に着き、射程内まで来た自動車から様々な人たちが下車して、無反動砲やロケット発射筒などを取り出し、装甲車に備えている対戦車誘導弾なども構える。

 

 それこそ、第三者から見れば怪獣映画(または外宇宙の侵入)を撃退するようなワンシーンだった。

 

 ただしここにはプロデューサーにディレクターやADにカメラマンなどと言った人達などいないし、これ程の()()()()()()()()()()を浮かび上げる俳優やエキストラなどではなく()()()()()

 

 それにハリウッドなどでよく見る景色かも知れない。

 だが場は夕焼けや太陽が上がって、見渡しの良い景色などではなく。

 ボロボロになった市街地などではなく。

 

 真っ暗な、暗黒にも近い夜中で街灯などが殆ど照らしていない海岸。

 サラサラな砂に自動車や装備らのガシャガシャとした音やこの世のものとは思えない臓硯の叫び。

 

 余りのミスマッチさにもしこれが本当に映画のシュートだったのならば企画の段階…………またはラフと時点でスクリーンライターやSFXの方達は即チェンジされていただろう。

 クビになっていなければの話だが。

 

 

「本当、何か悪い冗談みたいね」

 

 この景色を近くの森の影から見た凛が呆れたように言う。

 彼女の10年間…………いや、『魔術師』としての知識や()()が僅かの数日間で、彼女が待ち望んだ聖杯戦争中に覆されまくっていた。

 しかもその聖杯戦争自体が狂っていた。

 

「…………………うん」

 

 イリヤが元気のない声で生返事を出す。

 前回の第四次聖杯戦争で、ずっと自分が思っていた事が(ことごと)く『偽り』と知った。

『実の父親がずっと自分を捨てた』どころか、『自分の家がキリツグを拒んだ』。

『キリツグは母親を見殺しにした』、が実は『同意の元でキリツグが聖杯を手に入れて自分(イリヤ)母親(アイリ)の幸せの為の行動だった』。

 等々等々等々等々等々等々等々等々。

 

「………………………」

 

 士郎はただ静かに見ていた。

 10年前の大火災が聖杯戦争の所為で、爺さん(切嗣)は今目の前や新都での出来事を止める為にそうなった結果。

 自分の知っている爺さん(切嗣)とは違う、残忍性のある爺さん(切嗣)

 憧れていた『正義の味方』の魔法使い(切嗣)

 その『正義の味方』の成れの果てであるアーチャー(あり得た未来の自分)

 それらの存在を見て、聞いて、考えた末に自分が()()()考えた『正義の味方(ヒーロー)』像。

 それは『自分の身の周りを守る』と言った、極まりない『エゴ』の象徴に感じ取れた『我儘』だった。

 そして先程の綺礼の言葉。 『悪の象徴』と振舞って見事それのように見えた彼の以外な姿と思いに────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────士郎は()()()を感じていた。

 この最後の事が、彼の心の中で燻ぶっていた。

 彼自身、何故こんな事を感じるのかずっと考えていた。

 だが考えれば、考える程、()()()が涙をずっと流していた事が思い浮かぶ。

 そっと彼はその子(彼女)を見る。

 

 その儚い横顔がどこかを見ているような、見ていないような感じで。

 肌は相変わらずの白…………より真夜中での月光の下である事もあり、一層白く見えた。

 まるで透き通っているかのように。

 未だに『人形みたいに綺麗な子だ』と思えるような碧眼と金髪で、自慢の────

 

「────ん? どうしたの、士郎?」

 

「あ……………いや」

 

「変な士郎」

 

 視線を感じ、士郎を見てクスリと笑う三月からサッと顔を逸らす。

 

『月の天使』。

 

 穂群原学園で彼女の二つ名。

 今までは「そうかな?」と士郎は思った事はあるが、今の様に周りに人工的な光源など無い今の彼女は「正にそうだ」と彼でさえも納得出来た。

 

「さてと! いっちょやってみっか! ♪~」

 

 鼻歌を出しながら三月は車のボンネットから車の屋根の上に立ち上がって────

 

 

 

 

 ────一つの弓矢を『()()』する。

 

「やっぱり待って三月!」

 

「イリヤ?」

 

 急に切ない声でイリヤが三月の名を呼ぶ事に驚く士郎。

 

「やっぱり………やっぱりやめようよ! アーチャー達に任せれば良いじゃない?!」

 

「………()()()()()()()()

 

「お兄ちゃんも………シロウからも何か言ってよ?!」

 

「え? イリヤ、それは────?」

 

「────イリヤ、貴方は今何を言っているのか分かっているの? 『魔術師』としての義務────」

 

 「そんなの知らない! ミーちゃんにそんな事、関係無い!」

 

「イーちゃん…………」

 

 ドゴゴゴゴォォォォォォォン!

 ボボボボボォォォォォォォン!

 

 士郎は突然起きる爆発音と発する光源の下で泣き始めるイリヤと硬い表情の凛を見る。

 

 「このままじゃミツキが死んじゃう!」

 

「何の、話だ?」

 

()()()()()大丈夫だから。 I am────」

 

「────待て三月────!」

 

「────the bone────ゴフ」

 

 咳を合図にダラダラと口と鼻から血が()()流れ始める。

 

 まるで「信じられない」と言ったような顔で士郎は三月の居る車の屋根に登る為にトランクを駆けあがり、三月は弓を引く。

 

 もう悲鳴を上げるどころか、耳朶で「ブチブチ」と急増で()()()()()()()などで補強した筋肉や権が音を立てて切れる。

 

「(────of my sword)」

 

 バシュン!

 

 最後の、声にならない言葉で矢を射ると同時に後ろへと三月は倒れて士郎がキャッチして驚く。

 

 三月がまるで()()()()()()()()()()()()

 

 目で見えてはいるのに、まるで幻覚の様な────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────訂正。 先程の『透き通って見えるかのような』ではなく、『()()()()()()()()』だった。

 

「…………三月? お、おいどうしたんだよ? 何で────?」

 

「………だって………………」

 

 ドゴォン!

 

 ■■■■■!!!

 

 三月の放った矢の着弾と同時に今までの中で一番デカイ爆音と共に臓硯の咆哮が響く。

 

「────だって、『()()()()()』だから………………」

 

 「ヤダァァァァァァァ!!!」

 

「ッ」

 

 弱弱しく士郎に三月は笑いながらそう伝えている内に、イリヤはただ泣きじゃくり、凛は血が出るほど拳を作り、臓硯の咆哮が()()として聞こえてきた。

 

 い、ヤダ!!! しに、シニトウナイ!!!わ、しは! しに、トウ、ないィぃィぃィィィィィィィ!!!

 

 臓硯の……………いや、不死への妄執の最後の叫びが弱くなっていく様に連動しているかのように三月はゆっくりと目を閉じる。

 

「……………嘘だ」

 

 そして士郎の目の前と腕の中で────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────三月は()()()へと消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【告。 %$(*-311に従い、■■■■■■条件を満タシマシた。】

 

*1
第37話より




作者:短くてすみません、次話はもっと詳しい事を書こうと思っています。メインが後半部分だったので…………ちなみに皆さんはお気付きになられましたでしょうか? (意味深
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