"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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お待たせしました!

昨日は投稿できなくて申し訳ございませんが、今週はこのペースかも知れません。(汗

お詫びとまで行きませんかもしれませんが、今回はかなり長めです!

あとカオスです (汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗

後半のイメソンは樹海さんの「あなたがいた森」とAimerさんの「Last Stardust」でした。


第51話 『借り物』の呪い

 ___________

 

 アーチャー運営、衛宮士郎、遠坂凛、イリヤ、セラ、桜、慎二 視点

 ___________

 

「『()』は10年前、()()()()()()()()()()()

 

 三月のこの宣言に士郎達は混乱した。

 

『10年前』と言えば士郎共々に三月が衛宮切嗣に救われた日で────

 

「────『冬木大火災』の直前、『()』は『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を受けて()()()()()…………成程ね、通りでセイバーやギルガメッシュを先に()()した訳ね」

 

「いやいやいや、待ってくれ三月。()()()()()って…………」

 

「ああ、ごめん士郎。 ()()()()()というよりは()()()()()()()()と言った方が当たっているか」

 

「…………それでミーちゃん…………いえ、『魂』が分離した?」

 

「さっすがイーちゃん! 『()()()()』で言う所の『肉体』、『魂』、『精神』と言った存在要素の事ね────」

 

「────御託は良い。『魂』よ、()()()()()()()?」

 

「無い」

 

『三月』の即答に『三号』は一瞬呆気に取られるが、すぐに無表情になる。

 

「そうか────」

 

 次に士郎達が気付くと()()はもう三月の前に移動していた。

 

「────『固有時制御・三倍加速』!」

 

 三月は『固有時制御』を使って間一髪と言った所で()()の手刀を避け、反応したアーチャーが()()を切り伏せる。

 

「少し面倒だな」

 

 元の位置から()()()()()()『三号』が切り伏せられた『()()』と士郎達を見る。

 

「これは────」

 

「────()()()、ね」

 

 アーチャーは切り伏せられた『()()』が塵となって消えて行くのを見て、三月がボソリと言う。

 

「…………アーチャーさん達()()倒せません、他の皆を頼みます────!」

 

「何?! 待て、三月君────!」

 

『三月』が突然『三号』へと両手に双剣を『投影』して駆けだすと、泥状の『人型』に似た何かが『三月』に襲い掛かる。

 

「こんな、()()風情に────!」

 

『三月』は『人型の泥』の攻撃を躱して、同じく双剣をもった『三号』へと斬りかかる。

 

 その剣術は互角…………………………どころか、『三号』は常に余裕の笑みを浮かべていた。

 これを見て、『三月』は直ぐに新たなる剣を『投影』して以前のアーチャーの様に飛ばした。

 

 そして嘲笑うかのように『三号』は()()()()()()()

 

 剣達が激しく当たり、二人は一時双剣をぶつけ合って、膠着状態になると────

 

 

「クッ! (やっぱり正面はダメか!)」

 

 

 ────訂正、『三月』が押されていた。

 

「…………何故だ?」

 

「???」

 

『三号』が笑いながらも疑問を『三月』へと問う。

 

「何故そこまで『()()』の()()をする?」

 

「(『何故』、か)………………………()()()()()()? それって『()()()()()()()()()()()?」

 

「それはあり得ん。 『自分が人間』などと────!」

 

「────じゃあどうしてあの時、()()()()()()()()()()?!」

 

「ッ。 ただの気まぐれだ!」

 

 三月の肌足が踏ん張り、後ろへとずらされるのを止める。

 

「気まぐれなら! ()()()()()()()()()()?!」

 

 三月の言葉に『三号』の笑った顔が一瞬苦痛に歪む。

 

「……やはり、お前は『()()』する!」

 

 このやり取りを『人型の泥』を士郎達と共に倒していたアーチャーが聞き、以前の言峰綺礼を思い出させていた。

 

「………奴が言峰神父の言っていた『()』か!」

 

「チ、綺礼め。 要らぬ事をベラベラと…」

 

 言峰綺礼が「我が『()』」と呼んでいた存在が目の前『三号』と思い、アーチャーがブラフで言うと思いのほか彼女(?)はそれを肯定するかのような一言を吐き捨てる。

 

「まあいい────」

 

『三号』が大きく後ろへと引き下がると士郎達の周りに様々な人達や異形のモノが地面から『()()()()()()』。

 

「(まずい────)────皆結界を張って!」

 

 三月が急いで戻り、凛、イリヤ、そしてセラと共に結界を張ると周りのモノ達が一斉に爆発する。

 

 言わば『()()()()』の光景だった。

 

「皆……………無事?」

 

「ミーちゃん!」

 

「三月、お前────!!!」

 

「「「ッ」」」

 

「何故だ、三月君?!」

 

「そうだよ、()()()()()()()()()()んだ?!」

 

 三月の名を呼ぶイリヤ。

 驚愕に声を出す士郎。

 息を短く吸う凛と桜にセラ。

 怒る様に問うアーチャー。

 そして慎二の言葉。

 

 三月は自分以外に結界を張っていたが為に、自分の守りを疎かにしてその結果に()()()()()()()()()()()()

 これは他の皆から三月が離れた事を『三号』が逆手に取った。

 

「さらばだ、『魂』よ」

 

『三号』が言うと同時に三月はイリヤに駆け寄って、彼女のポケットから()()を取り出す。 

 それとほぼ同時に彼女と士郎達の周り、四方八方上下左右が()()()()()()()()()

 が、彼らを中心に半ドーム状の力強い結界が発生して彼らを守る。

 

 そして円形の狭間に居た三月は()()()()()()()に苦しむ。

 

「ギ、グ…………アアアアアアア!!!」

 

 バチバチバリバリと電気の流れるような、或いは何かが破れる様な音がして、三月の体の至る場所が破裂したかのように血が噴き出す。

 

「み────!」

 

「来るな! ()()()()()()ぁぁぁぁ!!! (『い、痛い』! 『痛い』『痛い』『痛イ”ィ” ィ” ィ” ィ” ィ” ィ” ィ” ィ” 』!!!!)」

 

 誰が声をかけたのか分からないまま三月はただ叫ぶ。

 表側と内側、両方に。

 

 今彼女を結界越しに襲っているのは、結界ごと食い破らんとする『この世全ての悪(聖杯の泥)』で、ひとえに彼女が()()()()()()()()のは苦痛、怨念、殺意、憤怒などのあらゆる感情や『負の念』等を分裂して()()()にその『精神汚染』をフィルター(または背覆ってもらい)、以前作った魔術礼装に莫大な程の魔力を流し込んで『個人』である筈の結界の『範囲』を無理やり変えていた。

 

 ここで三月はある事をふと思った。

 もしあのまま『三号』を攻めていたのなら────

 

「────ッ! グゥゥゥゥ!!!」

 

 ほんの少し、本当に僅かに少し気を許しただけで自身にかかっていた圧力が増したのを感じ、三月は魔力を更に結界に送り込んで阻止する。

 

「!!! 奴め、そういう事か! それが狙いか?!」

 

「ああ。アーチャーは助けられないのか?!」

 

「恐らくだがあの『泥』はサーヴァントと人間共々に致命的だ。 触れれば最後、『()()』されるだろう」

 

 歯がゆい表情でさっきの出来事で周りの『暗闇』が押し込んできた際に他の皆をさらに固め、しゃがませたアーチャーと士郎が互いに会話をする。

 

「ど、どういう事だ衛宮?」

 

「分からないの慎二君?! 私達と言う『餌』ごと、三月を潰す気なのよあいつ(三号)は!」

 

 三月一人であれば、片腕を失くしたところで()()強引にでも抜け出せたかもしれない。

 だが念には念を入れて、恐らくは彼女が()()()()()()()()()を脅威から引かせる為に動く。

 

 それを察したアーチャー、士郎と凛で、凛の言葉でこれを悟った慎二は怒りのこもった声で、自分に怒鳴った。

 

「ああ、くそったれ!!! ()()()()()かよ?!」

 

 そこに三月の声が彼ら宛てに聞こえた。

 

大………丈夫。大丈………夫だ…………から

 

 確証のない言葉と笑顔を絶やさない三月。

 そして今も尚、彼女の削られていく魔力(存在)

 如何に上位存在と思われる『魂』とは言え、実はと言うとその一部分だけの上に『()()()()の法則』に乗っ取ってかなりの()()()()()()()()()

 

 何せこのような『()()』を三月自身、ついさっき『()()』したばかりで、それらの事を配慮する暇もない攻防だった。

 

 もし15分………いや、5分ほど時間があれば違ったかも知れないが、今の状況を打破するのであれば何らかの変化が無ければ、見込みは無かった。

 

 それも、『三号』にとっても予想していないような変化が。

 

「~~~~!!!(いざとなれば……………せめて、他の皆だけでも!)」

 

 そう考え、大声で叫ぶ事に何とか耐える三月だった。

 

「(今は待つんだ三月、必ず好機はある筈だ。 それを見逃すな)」

 

「(うん、そうだね()()()())」

 

 そして静かに()()()()を始める三月だった。

 

 ___________

 

 『三号』 視点

 ___________

 

 

『理解不能』。

 

 もし今の『三号』を一言で表すのならば上記がしっくり来るだろう。

()()()()』でいう所、今の()()────

 

 ────性別が本当にあるかどうかは分からない為、方便上『()()』と呼んでいるだけだが────

 

 ────は『肉体』と『精神』の存在で、その片割れである筈の『魂』が()()()()()()

 

 これは『()()()』しているとは言え()()()()()()()()で、今まで同じような事が起きていても多少の影響などは過去にあったが、『完全な拒絶』は初めてだった。

 

()()()()』である筈なのに拒絶する事は矛盾していて、それはまるで()()────

 

「(────思考カット、消去、復元、再開…………………………………………馬鹿馬鹿しい、元より『魂』が『人間のフリ』をしている時点で破綻している)」

 

『三号』は目の前の半球状の黒い塊をただジッと見ながら待っていた。

 

 ()()()()()()()。 後は待てばいずれ、『魂』共々『()()()()』の『()()』達も────

 

 

 

 「『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』!!!」

 

 

 

「────ッ」

 

 考えに耽っていた『三号』は素早く背後から来る攻撃に『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』を展開する。

 

 が、思った以上に威力がデカかったのか全てが防ぎきれずに『三号』の腕はボロボロになり、赤い槍は持ち主の場所へと飛ぶ。

 そしてみるみると腕が再生する。

 

「へ。まいったねー、こりゃぁ」

 

「セイバーがしくじったか」

 

『三号』を近くの瓦礫から見下ろしていたのはボロボロのランサーだった。

 

()()()を知っているっていう事は、()()()()()()()()?」

 

「全く、『予想外』の『展開』が次から次へと────」

 

「────()()()からの伝言があるぜ?」

 

 ランサーが瓦礫から降りて、槍を片手で構えながら怒りを露にする。

 

「『地獄に堕ちろ』ってな!」

 

「その『地獄』に行った事はあるが、それがどうした?」

 

「ほざけ!」

 

 ランサーが踏み込み、『三号』が()()()()()()()()()()を取り出して無表情に応戦する。

 

「へっ! まさか()()()()と戦う羽目になるとはなぁ!」

 

「『私』は『魂』とは違う」

 

 激しい攻防の末にランサーが押され気味になって行くが、彼は相変わらずただ楽しそうに笑う。

 

「だろうな! ()()()()()()()姿()()()()()()()

 

「ッ!!! 黙れ!

 

「お? 図星で怒った、か?!」

 

 ランサーは自分の肩を敢えて刺されながら『三号』に槍を突きそうになる。

 だがそれの前に『三号』は素早く後ろへと飛んでランサーをただ見る。

 

「成程ね~、確かにお前は『マスター』じゃあねえなぁ。 アイツは『大物』だが、お前はただの『ガキ』だ。 現にお前、()()()()()()()()()()()?」

 

『三号』は反応しないが、ランサーが言葉を続けて槍をもう一度片手で構える。

 

「お前の動きに『迷い』があるぜ?」

 

『三号』の頭がズキッと一瞬痛む。

 

「(『迷い』、だと? そんな事を、『私』が────)」

 

「────おら。来いよ()()、『年長者』の胸を貸してやらぁ」

 

 ビキッ。

 

「『英霊』風情が────!」

 

『三号』が今度は攻め込み、ランサーを徐々にまた追い込み始める。

 

「(『迷い』?! ふざけるな! これも全て『魂』の────!)」

 

「一つ言っておくが、俺は自分を『英霊』と思った事はねえよ! ただの────!」

 

 ガキィン!

 

 ランサーが自分の槍と『三号』の槍共々宙へと弾き飛ばして、左手で今までずっと静かに刻んでいた、自分の所有するすべてのルーンの最後の線を刻む。

 

「────『戦士(人間)』だってなー!」

 

 大きな陣の様なモノが『三号』とランサーを包む。

 それは()()()()のような────

 

「────小賢しい!」

 

 空間自体がひび割れる様な音と共に苛ついた『三号』とランサーの周りの陣らしき物がガラガラと崩れる。

 

「へ」

 

 陣が崩れると同時にランサーがニヤリと「してやったり」の笑みを浮かべる。

 

『三号』は一瞬ランサーが何の事に笑っているのか考え、すぐに後ろの半球状の黒い塊へと振り向かう────

 

「────ウオォォォォォォォォォ!!!」

 

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を『投影』したアーチャーに対して横へと飛んで────

 

 グサリ。

 

 

「────な」

 

 何かが刺される『三号』が見ると、ボロボロの体を無理矢理『タイム・アルター』で加速した三月が士郎を残った片腕で、『三号』が躱すであろう方向に前もって二人で移動していた。

 

 

「これで────!」

 

くぁwせdrftgyふじこlp

 

 意味不明な音を『三号』が出して────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────()()()()()()()()()()

 

 そこは『三号』が現れた直後で、未だに夜の冬木市の海岸に倒れそうになり三月を支える士郎、慎二、桜。

 そして満身創痍のアーチャーを支える凛と同じぐらいボロボロのランサー、横にいたイリヤとセラが三月の居る場所へと駆け寄ると三月が()()()()を見ながら口を開ける。

 

()()()()()()()()()()

 

「これからどうするんだ、三月?」

 

 先程『三号』に対して『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を使用するといった方針は三月が上げたモノだった。

 

 もし『自分』が『三号』と()()ならば()()()()破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』は何らかの効果があるはず。

 少なくとも『無限の業《Infinite Karma Works》』の世界から脱出できる。 

 

 まあ…まさか冬木市の海岸まで戻るとは誰にとっても予想外だったが、()()()()()()()()()()()()

 

「イーちゃん、『()()』を閉じるにはどうしたら良い?」

 

「ッ」

 

 三月の問いにイリヤは口を堅く閉じる。

 

 その小さな()()()()()をセラがぶち壊すが。

 

「『アレ』は恐らく()()()()()()()』と思われます」

 

「セラ!」

 

 イリヤが怖がった顔でそのままの事を三月に伝えるセラを見る。

 

「お嬢様、これは『魔術師』としての義務です」

 

「そっか、やっぱり()()()()()────」

 

 三月が士郎の手を残った片手で優しく解く。

 

「アーチャーさん、ランサーさん。 二人とも()()()()()?」

 

「………そうだな、()()()()ならこのままでいい」

 

「俺もまだまだ動けるぜ! まあ、こいつと同じで戦闘は無理だがな」

 

「そっか、()()()()()()()()()()────」

 

「────待ってミツキ! ()()()()()!」

 

 イリヤが三月に抱き付きながらそう言う。

 

「もう良いでしょ? 後は()()()()()の私に任せても良いんだよ?」

 

 イリヤの『お姉ちゃん』宣言に困惑する士郎とランサーだが、三月はただ彼女に向かってはにかむながら、頭を撫でる。

 

「そんな事を言い始めたら、私なんか大のひいひいひいひいひいひいひいひいひいひいひいひいひいひい()()()()()()だよ?」

 

「…………え?」

 

()()()()()()()()()()?」

 

「…………うん。 セラ、()()()かしら?」

 

「安心してくださいお嬢様。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 三月がイリヤの手を優しく引き、歩き始めるとセラ、アーチャー、ランサーも後を追うかのように歩く。

 

「だって、()()には────」

 

「────『皆を守る義務』があるってね」

 

 イリヤの言葉の続きを三月が付け足す。

 

「待ってくれ────のわ?!」

 

 三月が手を振ると結界が士郎達を包む。

 それは外から内側の干渉を阻止するものではなく、()()内側からの干渉を阻むものだった。

 

「待ってください、三月先輩! 私は、私はまだ伝えていない事があるんです!」

 

「(ごめんね、桜)」

 

「そ、そうだぞ! 僕だって、僕だってまだ沢山言わないといけない事もあるんだ!」

 

「(ごめんね、慎二君)」

 

「ま、待ってくれ! お願いだ! 他に方法はあるだろ?!」

 

「そうよ! もう少し他の方法を探しましょうよ!」

 

 士郎と凛の言葉に三月とイリヤは初めて止まる。

 

「他の方法、ね」

 

「あるかもしれないけど、()()()()()

 

「「「「え?」」」」

 

 士郎達に少女二人が振り返る。

 

「このままだと()()生まれて来る」

 

「それに…………」

 

「「ね~?♡」」

 

「止めてくれ! 二人とも! 俺を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────()()()()()()()()()()()!!!」

 

 士郎はとうとう股を崩し、ただ泣く。

 今ほど無力な自分を呪った事は無かった。

 

 自分は「周りの者達を守る」といった『正義像』をやっとこなして来たと思った。

 それは確かにそうだし、ギルガメッシュと言う、最強に近い英霊を(ドーピングもあったが)ほぼ一人で負かしていた。

 そんな彼が()()他の誰かが自ら犠牲になって行く。

 

 慎二と桜は泣いた。

 自分達を支えてくれた血の繋がっていない『親族』がクソ爺のおかげで元を去って行く事をただ見ていることしか出来なかった。

 

 凛は悔しそうにただ睨んだ。

 自己嫌悪と今日一日の出来事でグチャグチャの内心にあった「常に優雅たれの魔術師像なんてクソにも役に立たないじゃない!」と思いながら泣くのを堪えて。

 

 

 

 ___________

 

 アーチャー運営、イリヤ、セラ 視点

 ___________

 

 

「そっか、セラさんを使()()の」

 

 イリヤが三月に説明をし終わり、彼女は誇らしい表情をするセラを見る。

 

「元々はリズがその任をこなす筈だったんだけど……」

 

「ご安心くださいお嬢様。 もとより『破棄処分』になる私がここまで来られたのはお嬢様が居たからこそです。 このセラ、必ずや成功させてみます」

 

「して、三月君。 どうするのだね?」

 

「『アレ』を()()()()()()()()()()

 

 三月がまだ距離が空いている、暗黒の太陽に指を指す。

 その大きい存在は未だに太陽の様に光を振り注いでいた。

『光』ではなく、『闇』そのものをだが。

 

「成程、では我々はもしもの時の為の露払いか」

 

「何でぇ、結局戦うのかよ」

 

「最悪の場合だけ」

 

 三月がニコリと笑いながら、頭に響く『三号』の声を無視する。

 

『考え直せ“魂”。 もうここまで来たのだ、今更“人間のフリ”をするのか?』

 

「………………」

 

『それに“人類” はまた貴様を断罪し、傷つけるぞ?』

 

「………………」

 

『“生物”は“弱い”。 自分達よりも“優れたモノ”、“強いモノ”や“得体の知れないモノ”に嫉妬や恐怖など勝手にして排除する』

 

「ねえ、アーチャーさんにクフちゃん」

 

「何だね?」

 

「まだそれ続けるのかよ?!」

 

「イエーイ、お疲れ~」

 

 三月が手を上げて、ただ唖然としたサーヴァント二人の内、アーチャーが一足早く反応した。

 

「全く、君は…………」

 

「………ブワッハッハッハッハ! やっぱりお前といると退屈しねえぜ!」

 

「だってミーちゃんだもん♪」

 

 アーチャーとランサーが三月とハイタッチをすると────

 

 

 

 

 ────『令呪』の魔力が二人に流れ込んだ。

 

「「うお?!/ぬ?!」」

 

 ただしそれは純粋な魔力であって、『命令』は乗せられていなかった。

 

「これは何かあった時の為に、ね?(これでアーチャーさんとクフちゃんに対して二画と一画ずつの魔力で()()()()()筈)」

 

「セラ」

 

「ではお嬢様、ご武運を。 それと────」

 

『黒い太陽』の近くに来てセラがチラリと三月の方を見る。

 

「────()()にも」

 

「…………ぁ」

 

 セラが僅かに笑ったと三月が思うと、彼女は眩い光の残滓となり、その場から消える。

 そして隣のイリヤを見ると────

 

 「何か凄い恰好なんだけどイーちゃん?」

 

「い、言わないで! これはアインツベルンの正装……というか魔術儀式用のドレスだから! 恥ずかしいとか…そ、そ、そういうのは言わない約束よ!」

 

 白と金色をモチーフにしたような、肩とお腹(&へそ)を出したミニスカ風ドレスっぽい何かを身に纏ったイリヤが赤くなりながら抗議を上げる。

 

「えっと、私は良い言い方で言ったつもりだけど?」

 

「え? あ、ありがとう」

 

 若干イリヤが照れている間に三月は『()()』を素早く済ませる。

 

【……………………………告。 『天のドレス(ヘヴンズフィール)』の解析完了シマシタ】

 

「(良し、()()()()()()()()())」

 

 三月がチラリと海の別の海岸を見て()()()()()()()()()()()()()()()

 

「行くわよ、()()()

 

 『■■■■■』

 

 イリヤの口調が急に変わると、前の『黒い太陽』から意味不明な音が響き出始める。

 そして彼女を三月が見ると()()()()()()()

 

「良し、アーチャー! 令呪を以て命じる! 『イリヤと()()()()を担いでここから退去!』 続けて命じる! 『ランサー、()()()()()()()()()()()()!』」

 

「な?! ま、待て三月く────」

 

「────()()()()()()()()()()()()?」

 

 強制的に体が動くアーチャーが声を上げ、三月が彼に向って()()()()()()()()()()()()

 

「マスター、テメェ! ()()()()()()()()()()()()()()()()?!」

 

「『ヘヴンズフィール』、起動」

 

 怒りの形相をするランサーもアーチャー同様に令呪によって強制的に三月を投げるモーションに入りながら怒鳴る。

 その三月の服装が先程見たイリヤのドレスに変わって、ランサーにも笑みを向ける。

 

「ごめんね、()()()()()()。 貴方には()()()()()()の。 ()()()()にはアーチャーだけじゃ面倒を見切れないと思うから。 ()()()ね?」

 

「憎むぜ、マスター! ()()()()()()()()()()()()()!」

 

「良かった。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 三月の言葉にポカンとするランサーの体が彼女を黒い太陽目掛けて投げて────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ___________

 

 衛宮三月視点

 ___________

 

 

『■■■■■■■■!!!』

 

 周りは暗闇と罵倒するような声。

 

 声、声、声。

 

 男の人、女の人、子供、赤ちゃん、犬、猫、鳥。

 

 皆、叫んでいた。 でも()()()誰も答えてはくれなかった。

 

「ごめんね、皆。 (さっきから謝ってばかりだね)」

 

 それは、何時かイリヤが見た切嗣に似ていた。*1

 

「グッ!」

 

 体中が圧迫される感じに三月が顔を歪める。

 それも当たり前。

 何せ周りは『この世全ての悪』と言った呪いが彼女を食おうとしていた。

 

『諦めろ、“魂”。 何を考えてここに来たかは知らんが、無意味だ。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そこに『三号』の声が他の声を黙らせて三月に語っていた。

 

「知っている。 私に()()()なんて初めから無かった」

 

『何だと?』

 

「私が今までここに来られたのは、周りの人達の助けと、支えと、()()()()()()()()をして来ていたから。 私には何一つ()()()()()()()()

 

 そう、今まで三月の言動は全て()()()だった。

 

 最初に借りたのは『衛宮士郎』と言う人物の『言動』。*2

 次は無意識に『衛宮切嗣』言う人物の『信念』と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』。*3

 そして周りの人達の日常での反応や言動やメディアから得た情報。*4

 等等々と、全てを今語るには多すぎる。

 

『士郎を頼んだ』と切嗣に言われ、そこから始まったのも全て何一つ()()()()()()()()ばかりだった。

 一つだけ自分で得たモノと言えば、それは────

 

「『()()()()()()()』?」

 

『???』

 

 それは────

 

「私に何一つ、自分のモノは無いと思ったけど………『()()()()()()()』?

 私の体が偽り()だとしても!

 自身の思いが無くても!

 ()()()()()だとしても!

 私に出来る事は前に進むだけ!

 それだけだった。

 私の体はまだ動く!

 まだ()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 それは────

 

『貴様────!』

 

「かつての『()()』のように! 『()』は他者を信じたい!

 暖かいものを守りたい!

 そういう事を夢見て、()()()()についた事もある! 『体は嘘で出来ていた』!!」

 

『貴様ァァァァァァァァァァァ!!!』

 

 三月の体を圧迫する力が更に強まる。

 

「ウッ…『思いは皆無、

 血肉は泥で、魂は虚無』!!!」

 

 三月の体がボウと光始めて、周りの闇がまるで逃げるかのように引いていく。

 

『馬鹿な! 貴様()()にこんな力は()()()だ!』

 

「『“私”は『ここ』にただ孤り、

『世界』をただ視ていただけだった。

 

 死ぬ事も許されず、

 生きる事も許されなかった。

 

 幾たびの時を経て、

 他者と知り合い、触れ合い、『世界』を知り、

 自ら感じた事は『無限』と言う名の『種の可能性』!!!』」

 

 肩から無くなっていた三月の左腕が光って、()()()()()()

 

「『けれど一度も『失望』を感じた事は無く、

 ただ明日への『希望』を秘めていた。

 

『今の私』は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『無限』の『可能性』(Unlimited Possibility Works)で満ちている』!!!」

*1
第10話前半より

*2
第1話より

*3
第3話より

*4
第4話からより




アンケートに票を入れてくれた方たちに感謝です! 全員を配慮に入れられる状態なので、票が多い方にその分多く初めに書き込むと思います!

あと余談(と言うかメインですけど)アンケートの結果が影響してきます。

期限は恐らく次話ですかね?


お楽しみ頂いて貰えば嬉しいです!

お気に入りや評価、感想等あると更に嬉しいです!

後書き書いた後付け:あと今回は早めの投稿でした。(・∀・)

読者として、三月の相手は誰を推しにしたいですか? (ちなみに上から下の選択順は全てd20サイコロで決めましたので、作者の推しの順などありません、決して。) 第二、第三候補などがあればメッセージにて受け付けています! (もしメッセージ機能の使い方が分からないのであれば、ご感想欄でも受け付けています!)

  • ランサー (クフちゃん)
  • 慎二 (ワカメ)
  • 逆ハー(っぽい)
  • 衛宮士郎 (小規模な正義の味方)
  • アーチャー(英霊エミヤ)
  • 作者任せ
  • 柳洞一成 (メガネ)
  • その他(感想欄にて)
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