"Stay, Heaven's Blade" Fate said.  “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。”   作:haru970

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そろそろ次、行くかもしれません。

アンケートの期限は恐らくこの話でまでです。 まだ票を入れていない方、ご協力お願いします!

票を入れられない方達でも感想にて受け付けています!


第60話 いざ、チャレンジ! (色々)

 ___________

 

 新御三家+α 視点

 ___________

 

 速足で旅館内を駆けていた士郎は大部屋の一つで(浴衣姿で)横たわる凛と三月、そして彼女達を団扇で冷やす桜とリカを見つけた。

 

「遠坂に三月?! い、一体どうしたんだ?」

 

「あ。せ、先輩。 え~~~~~~っと」

 

 桜の目が気まずそうに泳ぐ。

 

 まさか「〇〇〇〇(自主規制)の話をしていました」と言える事も無く────

 

「────お二人がのぼせただけです」

 

「あ、そうなんだ」

 

 リカの説明のようで、全く説明になっていない言葉に士郎が納得する。

 

「だ、大丈夫か?」

 

「う゛~~~~~~~~~」

 

「……のぼせると頭がボ~ッとする~」

 

 士郎の問いに凛はただ唸り声をあげ、三月は通常運転だった。

 

「えっと、三月? 後で俺の居る部屋に来てくれないか?」

 

「良いよー」

 

()()()()()()()()()

 

「良いよー」

 

 士郎が赤くなりながらそそくさとその場から去ると「ガバ!」っと三月も赤くなりながら体を起き上がらせる。

 

 周りには「ニチャ~」っと、小悪魔的にお上品(?)に三月を顔に乗っているタオルの下から笑う凛。

 

 目をキラキラと光らせ、これ以上ない興味津々でな顔のリカ。

 

 そしてニコニコしながらも苦笑いをする桜。

 

「………………………………何でさ」

 

 その後の三月は無言で自身をからかう、愉快な顔の凛とリカから逃れる為に無理やり体に力を入れて士郎の部屋へと向かった。

 

 代償は温泉饅頭3ダースと近くの売店の菓子パン全種類に凛と桜とリカ手持ちの財布の中身。

 

ひゃあ、いっへふるへ(じゃあ、行って来るね)ー!」

 

 さっきの態度から一転して、ルンルン気分で士郎達が居る部屋へと向かい、重い空気を出して落ち込む凛を、桜が愉悦で背中をゾクゾクしながら慰める。

 

「大丈夫です凛さん」

 

「ううううぅぅぅ……………グスッ…………リカ?」

 

「少し()()があるのですが────」

 

 リカが「ニィ~」っと、かなりあくどく、()()()()()を明らかに考えている笑顔を凛に向ける。

 

 

 

「お邪魔しま~~す?」

 

 三月が部屋のドアを開けると中には────

 

「────…………………何で土下座?」

 

 ────頭を床に擦り付けるような姿勢で土下座していた士郎が居た。

 

「すまん!」

 

「何に?!」

 

「責任は必ず取る!」

 

「何の?!」

 

「この命に代えても三月は幸せにする!」

 

「変えちゃダメでしょうが?! というか、何の────?!」

 

「戸籍は慎二達みたいに弄るとして藤姉の説得とお金の確保にバイトを増やして高校は中退するとして音子さんに頼んで酒屋と居酒屋のバイトもして貰えるように頼んで────」

 

 アニメで言う、「グルグル眼」をしたまま士郎は早口で上記を言い────

 

 「────だから人の話聞けや!」

 

「ゴハァ?!」

 

 彼女の声に顔を見上げて白い何かを見たと思った士郎は顔面キックを食らわされた。

 

「??????

 

 腫れあがる頬を抑えながら何故か申し訳なさそうな三月を士郎が見る。

 

「その…………私もさっき聞かされたんだけど────」

 

 そこで三月が語り始める。

 ちなみに士郎の部屋にいる筈のアーチャーと一成は温泉へと出かけていた。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「「…………………」」

 

 何処か気まずい二人は互いを見ずに床を見ていた。

 

 士郎は自分の早とちりに様々な覚悟や言葉を放った事に。

 三月は自身の誤解と士郎の誤解が更なる誤解を回りの迷惑になっていた事など。

 

 もうここまでくれば似た者同士も良いところである。

 

「あの────」

 

 三月の声に士郎の体が「ビクッ」とする。

 

「────実は私も話があるんだ」

 

「………?」

 

 士郎がやっと頭を上げると、三月は困ったように彼に笑っていた。

 

「私ね────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────『正義の味方』をやってみようと思うの」

 

『正義の味方』。

 

 それは切嗣の人生を狂わせ。

 

 士郎に深く関わって、彼の人生を一度は壊し、呪われ、そして今はある程度吹っ切れた()()だった。

 

「それは…………どう言う────?」

 

 ドゴォォォォン!!!

 

 士郎の問いかけを雷が落ちたかのような轟音と強い一瞬の光に遮られる。

 

「………………雨降っていたっけ?」

 

「ううん、ただの天罰♪」

 

「へ」

 

 

 

 時は少し遡り、丁度宗一郎達が最初の爆音を聞くちょっと前までと戻る。

 旅館周りの森の中に野良犬、番犬、そして負け犬の()()が歩いていた。

 

 勿論三人とも浴衣姿だがその内二人は愛用の赤い槍と長刀を手に持っていた。

 

「な、なあ? 懐中電灯ぐらい駄目か? こうも暗くちゃ歩く速度が────」

 

「────駄目だ、それじゃあ奴さん達に気付かれる。 使い魔も無しだ」

 

 ランサー(野良犬)アサシン(番犬)慎二(負け犬)が目指していたのは昼の露天風呂が見える場所だった。

 

「ッ! 伏せろ!」

 

 急にランサーの顔が険しくなり、アサシンが慎二を無理やり地面へと伏せさせると────

 

 ビュンっ!

 

 ────三人の腰辺りを水平に目掛けてしなる鞭の様な()が通る。

 

 ボゴン! メキメキメキメキッ!

 

 刃が潰されているのか、()はそのまま木に打ち込まれて、抉りこむ。

 

「チッ、小細工を!」

 

「どういう旅館なのだここは? 結界は面妖な魔術師共が居たからには推測出来たが………今のは明らかに我々の様なモノを意識した罠だった」

 

「な、なあ? も、もう帰ろうぜ?」

 

 ランサー達が立ち上がり、前へ進むと────

 

 フォン。

 

「「「────何ィィィィィ?!」」」

 

 ────アサシンの片足の下に魔法陣が現れた。

 

「ふ、不覚!」

 

 てっきり何かが起こると身構えたアサシンだが、何も起こらない事を不思議に思いながら重心を動きそうになるが慎二によって止められる。

 

「アサシン?! う、う、動くなよ?! そ、それは『地雷式』の陣だ!」

 

「何?! で、では私はどうすればいいのだ?!」

 

 慎二が未だに光る陣を見てみる。

 

「……………こんな高度な術式、道具さえあれば解除出来るが今のままでは無理だ」

 

「俺にやらせてみ────」

 

「────ま、待てランサー!!! 近寄るな! ()()()()()()()()()()モノだ!」

 

「な?! おいちょっと待て! 何処の世界に対英霊地雷まで仕掛けている旅館が────?!」

 

()()に温泉を楽しめよランサー? ()()にな≫*1

 

 ランサーの頭をアーチャーの言葉が蘇って、彼は奥歯をギリッと噛み締める。

 

「────あの野郎! ()()()()()()よ、クソがぁぁぁぁぁぁぁ?!」

 

「ど、どういう事だランサー?」

 

「アイツだ。 アーチャーの野郎だ。 お風呂場といい、さっきの剣の罠といい……さてはアイツ、ここを色々回ってたんだろ」

 

「だ、だがそのような素振りは────」

 

「────奴の事だ、ここに来る前の休憩所か、着いた途端だろ。 それにこの地雷を良く見りゃあ、恐らくキャスターも一枚かんでいやがるぜ」

 

「……………行け、皆の者」

 

「「ッ?!」」

 

 ランサーと慎二にアサシンが微笑みながらそう言う。

 

「この身は自分すら定かではない。 『佐々木小次郎』という役柄を演じるだけの、名の無い使い捨ての剣士に過ぎぬ」

 

「「アサシン………………」」

 

「故に行け、戦友達よ。 私の屍を超え、私の代わりにしっかりと勝利(桃源郷)をその(まなこ)に焼き付けよ!」

 

『戦友』。

 ランサーにとっては意味深い物であり、もともと心から共感できる男の友はこの二人と出会う前は衛宮士郎しかいなかった慎二。

 

「お前……変わったな」

 

 慎二がボソリと何時もの癖でド直球にツッコむ。

 

「フ.じゃあ、先に行くぜ。 ()()。 行くぞ坊主」

 

「え。あ、アサシ~~~~~ン!!!」

 

 慎二がランサーによって強引に先に連れて行かれ、アサシンは静かに夜になった夜空を見る。

 

「なんとまあ、奇妙なモノよ。 この私に、俗世に関わる気などありはしなかったというのに…………………」

 

 そこに()()()()が近くの木の枝からアサシンを見下ろしていた。

 

「………………すまぬ嘘です。 私、いま嘘をつき申した。佐々木、本当はわりと寂しかった。 何故なら山門に人は滅多に来ず、差し入れも可憐な少女達の気まぐれ以外に無く、夜は寒く、たまに何か来たかと思えば犬猫の類。 それで良い筈が無い。 断じて良い筈が無いのだ!」

 

 お察しの通りになっているかもしれないが、ここでアサシンが言う「可憐な少女達」は三月、弥生、そしてイリヤである。 

 

 しかもお墓の見舞いの為に。

 

 後、彼の場所は山門の横のままとなっている(小さな警備小屋(テント)がキャスターによって与えられはされていた)。

 

「大空を舞い、風を切ってこそ燕というもの!」

 

 アサシンが足元を恨めしそうに睨む。

 

「……………今、私は風になりたい。 私は運命(桃源郷)へと羽ばたく!!! ()()()()! 可憐な小鳥達と戯れるのも一興! 傍らに美女なくして、何が花鳥風月かッッッ!!!

 

 カッとアサシンの目が見開いて、辺りに風がザザザと吹く。

 

「佐々木小次郎! いざ、参る!」

 

 静かに足腰にすぐに力を入れられるように筋肉を緊張状態にして、一番遠く、速く、たった一歩の足取りで飛べる距離の地形を探し出す。

 

 全てはこの一瞬の為に、アサシンは全身全霊をかける。

 

 女湯を覗く為だけにここまで来ると、もはや無粋な事を書く気が失せて来る程だった。

 

 「ヌゥンッッッッ!」

 

 アサシンが燕の如き速さで駆け出し始め────

 

「────あ」

 

 ────魔法陣が自身の足に引っ付いていたのを見てから、時は既に遅し。

 

 チュドォォォォン!!!

 

 これが一度目の爆発音である。

 ちなみに鷲はこの音で飛び去って行った。

 

「アサシーン!!!」

 

「振り向くな坊主! 奴の犠牲を無駄にさせるな!」

 

「僕はもうやだよ! 沢山だ! アサシンがやられるほどなんて、命が幾つあっても足りないじゃないか?!」

 

 慎二がランサーの腕を無理やり解いて、肩を震わせながらそう叫ぶとランサーが口を開ける。

 

()()()。 俺は無理強いしないぜ。 けどよ、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「ッ?!」

 

 慎二がランサーを見ると、彼は夜空を見上げていた。

 

「そりゃ俺だって死ぬのは怖いさ。 逃げ出したくなる事もあるさ。 だけど………命を懸けても絶対に譲れない事ってあると思うんだよな。 『これさえやり遂げられれば、自分は一生胸を張って生きていける』」

 

「(そうだ、僕は…………確か────)」

 

「────そういう、何かに必死になるのって大切な事じゃねえか? だから俺は諦めない。 だから俺は戦うんだ」

 

「お供します、()()!」

 

 慎二がキリッとした目でランサーにそう宣言し、ランサーは愉快そうに笑う。

 

「よし! じゃあまだるっこしいのはもう止めにして、直接見に行くか?!」

 

 もう一度書き写すが、これらは全て女湯を覗く為。 

 ここまでのレベルだと無粋な事を書く気が失せる。

 

「ちょ、直接見に行くって────?!」

 

「────斜面を登って! 直接見る! 今までの罠で僅かな時間差があった。 シンジが先行して、罠が完全に発動する前に、俺がぶっ潰す!」

 

 そして二人は駆けだす。

 夢を追いかけに。

 女湯を覗き為に。

 

「「ウオォォォォォ!!!」」

 

 以前の男湯のように、剣が飛来してくるがランサーがこれらをすべて叩き落す。

 だが────

 

「────クソ! ドジ踏んじまったぜ!」

 

 ────ランサーがアサシン同様に『地雷』を踏んだ。

 

「弱気になるな!ランサー!」

 

「へ、いいんだよ。 自分の体の事は、自分が一番よく知ってらぁ」

 

「ランサー……………」

 

「よし! シンジ! 俺の槍に捕まりな! ()()()()()()()()!」

 

「ええええええええ?!」

 

「何モタモタしてんだ?! もう時間がねぇんだ!」

 

「で、でも────」

 

 「────俺とアサシンの死を無駄にする気か?! ここで動けないようなら 俺はテメェを軽蔑するぜ?! それでも男かテメェ?!

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 慎二がランサーの槍にしがみ付く。

 

「『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』!!!」

 

 慎二が物凄いスピードで空を舞うのを、ランサーが笑みを浮かべながら見る。

 

「さあ行け。行くんだ。 行ってその目に焼き付けてこいよ。そして後世に伝えるんだ、俺達がこの手で勝ち取ったものを」

 

 慎二は空を飛ぶ紅い槍で体を唸って飛翔してくる剣などの罠を避けていく。

 

「フヒャハハハハハハハハ!!! (視える! 僕にも視えるよランサー! ヴェーダのバックアップさえあれば僕にも────!)」

 

 ドゴォォォォン!!!

 

 ランサーの地雷が爆発するのとほぼ同時に雷が慎二を襲い、彼の気を失った体が地へと落ちて行く。

 

 

 

 そこはとある着替え室のアーチャーと一成だった。

 

「な?! ま、またですか」

 

「フ、だから気にするな。 (愚かな者共だ。 日が昇っている時間帯は女湯だが、夜になれば()()と変わる)」

 

 アーチャーがタオルを腰に巻きながら温泉の方へと続く扉をカラカラカラと開ける。

 

「(私達と来た女性陣なら、そのことをしっかりと把握はして、『ここにまた来る』などと言った愚の骨頂らしき行動をする者など────)」

 

「────あ。こんばんはアーチャーさん!」

 

 「────居ただとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」

 

 アーチャーに首だけ振り返った少女の姿があった。

 

『どうしたのですか、次郎殿?』

 

「あれ? 柳洞さん?」

 

「(し、しまった! まさか()()()()()()()()()()()()とは不覚! ど、どうすれば────)────し、失礼する!」

 

「へ」

 

 アーチャーがザブザブと少女の方へと迫って────

 

「────あれ? 次郎殿?」

 

 ────カラカラカラとドアを開けて一成が今度は温泉に近づく。

 

「私はここだ」

 

 一成が声の方へと見ると、アーチャーは夜の静まった山の風景を一成に()()()()()()()()()()

 

「(ああ、流石は次郎殿! 背中姿が眩しすぎる!)」

 

 そう考え、更に尊敬する一成だがアーチャーはだらだらと冷や汗を掻いていた。

 何故ならば────

 

少し黙っていてくれ

 

う、うん…………………………………

 

 ────(アーチャー)は大きな体を使って、チョコンと小さく畏まって座る少女を匿っていた。

 

「次郎殿、隣を────」

 

「────私は孤高を別に好き好んでいる訳では無いが今は少しばかり一人でこの光景を眺めていたい」

 

「おおおお~!!! (さすが次郎殿! 宗一郎兄に次ぐ男の中の男!)」

 

 もし一成が実はアーチャーが必死に声が震えるのを我慢している理由を知ればどうなるか。

 

 アーチャーはただジ~ッと()()()()()()()()()()にしながらただ前を見る。

 

「「……………………………………………………………………………」」

 

 アーチャーの後ろで一成が温泉に漬かって、ただ静かな時間が流れていく。

 

「(凄い! 寺の者達でもこのように自然と『無』になれる者はそうそう無い! 流石は次郎殿だ! やはり宗一郎兄同様、尊敬に値する!)」

 

「(………………………………………………………………………………………………)」

 

 更に時が流れ、一成はのぼせる前に出ながら無心になり、微動だにしないアーチャーに尊敬の目をもう一度向けてから温泉から出る。

 

 彼の気配が着替え室から更に出るとアーチャーがふと思う。

 

「(そういえば一成君に『女子がまだいる』と言えば良かったのではないか?)」

 

 そこで少女の頭が「コテン」とアーチャーの胸板に当たり、体ごと彼に寄り添う。

 

 「んなっ?!」

 

 一瞬何が起こったのか分からず、慌てふためくアーチャーだが────

 

「フニュ~~~~~~」

 

 ────完全にのぼせて、目が回る彼女を見るとすぐに抱き抱えて、お湯から出────

 

「??? アーチャーさん?」

 

ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?! ちちちちちちちちがうのだこれは誤解だ────!」

 

 次に温泉に入って来たクルミの声に、慌てるアーチャーの声のトーンは裏返っていた。

 

 こうして、新御三家の温泉旅行はどたばたとしていた。

 

 だがこれだけで終わる筈もなく、場はその日の夕飯へと変わり────

 

「キャス子」

 

「はい、宗一郎様♡ ……………宗一郎様?」

 

 改めて畏まった宗一郎の様子にキャスターが説教していたランサー(野良犬)アサシン(番犬)慎二(負け犬)から宗一郎の方へと向く。

 

 説教されている三人は他の皆と一緒に食べずに、所謂『待て』状態であった。

 

「散々迷ったが、『ちゃんとした時を待つ』のではなく、『善は急げ』とマイ君に言われてな。 これを渡したい」

 

 宗一郎が片膝を床に付けて、ポケットから小さな箱をキャスターの前へと伸ばす。

 

「そ、宗一郎様?」

 

「受け取って欲しい」

 

「パカリ」と小さな箱が開くと、中には指輪が一つあった。

 

「(ニコニコニコニコニコニコニコニコ)」

 

「な?!」

 

「「「「「おおおおおおおおお!!!!!」」」」」

 

 宗一郎の後ろにニコニコとするマイとは対照的に喫驚する一成、そして周りの女性陣(のほとんど)からは様々な反応。

 

 未だに固まっているキャスターをじっと、表情の変わっていない宗一郎が見る。

 

「………………………………………………………はい」

 

 宗一郎の後ろにいるマイがコクコクと首を縦に振るのをキャスターが見て、思わず答え、彼がキャスターの手の指に指輪をはめる。

 

「あまり派手ではないが、今はこれがいっぱいでな」

 

「ぁ」

 

 宗一郎の申し訳なさそうな言葉に、キャスターの頭が今の状況に追いついたのか、泣き始める。

 

「やっぱり説得しがいがあったわ~」

 

 マイはニコニコしながらパチパチと拍手すると、周りの人達も拍手し始める。

 

「………………………………ふええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

 

「良いですね、慎二さん♡」

 

 桜がキャスターの『重圧』によって動けない慎二にそう言うと、慎二の出す汗が一気に増えた。

 

「「ハァ~~~~、これって何か……………ああ、これが『感動』するって事なのね」」

 

 三月と弥生がウットリとした視線で思わずそう言って、これをバッチリ聞こえた士郎とアーチャーが気まずそうになる。

 

「士郎氏、次郎氏。 ガンバですよ♪」

 

 そこに愉快なリカが声をかけ、更にプレッシャーが男子二人を襲った。

 

*1
第59話より




マイケル:没案にしては良く出来ているじゃねえか!

作者:後悔はしていません

ラケール:指輪か~~~~~~~~~

作者:今現在、3/6/2021の時点でアンケートをリードしているのはBLEACHとコードギアスです! もうこれ滅茶苦茶ビックリですよ。 コードギアスは最近の作品が出たという噂があるのでまだしも、BLEACHはかなり前のものなのに未だに人気ですね~

マイケル:燃えるからな

作者:はい、萌えますね~

ラケール:な、なんかニュアンスが合っていないような…………

読者として、次に見たい作品の物語はどれですか? (ちなみに上から下の選択順は全てd20サイコロで決めましたので、作者の推しの順などありません。 登録されていない方からもメッセージ、または感想欄にて受け付けています! *注*あくまでも参考ですのでご了承をお願い致します。

  • BLEACH
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  • オリジナル(本編、時空的にバカンスの前)
  • コードギアス
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  • 鋼の錬金術師
  • ガンダム
  • その他(感想欄にて)

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