"Stay, Heaven's Blade" Fate said. “「その天の刃、待たれよ」と『運命』は言った。” 作:haru970
長めの第八話です!
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アーチャー運営 視点
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「ここも同じのようね」
遠坂凛は士郎と離れ、新都の
確かにガスはガスだが、
「しかも霊力がすべて柳洞寺へ向かっているとなると、いきなり『当たり』を
これだけの条件で『サーヴァント』と決めつけるのは早計かもしれない。
凛が骨で出来たゴーレム達を撃退し、その出来の良さが現代の魔術師に無理な物でなければ。
「相手はキャスターか…………」
『どうするのだ、凛? 相手は恐らく用意周到なタイプと見た。手強いぞ』
「………アーチャー、狙撃は可能かしら?」
『無理………とは言えないが、場所が高所なだけに大雑把な範囲攻撃になるが……それでは君が攻撃を許さないだろう?』
「ええ、やるなら確実に、かつ正確に………なら、柳洞寺へ直接行かないとダメか…………」
凛は忌々しく、ビルの窓の外にある、離れた円蔵山中腹に立つ寺院らしい場所を睨む。
『凛、セイバーのマスターはまだ泳がすのか?』
「…そうね、今はそれより先に片付けないといけない案件が山積みだから」
『だが奴から令呪、またはセイバーを得ればかなり優位になるぞ? それこそ柳洞寺のキャスターなど障害にならない程のメリットが』
「あんな奴、いつでも片手間でやれるわ。 寧ろアイツ相手にこちらの手が他の運営にバレる方のデメリットが大きいわ」
『だがもし、奴が聖杯戦争の何たるかを未だに理解せずにノコノコと君の前に立った場合はどうする?』
「…………………」
凛は黙り、お線香を場内から換気する為に開けた窓からの風が彼女の髪の毛をなびかせる。
『凛?』
「………その時は、倒すわ。 そんな無鉄砲な奴、鬱陶しくて敵わないわ」
凛は何とも言えない表情でアーチャーに答えながら街の夜の様子を見る。
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バーサーカー運営 視点
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景色と場所が変わり、冬木市の外れにある森の奥にある古城の内部へと移る。
そこではバーサーカーのマスター、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンがむしゃくしゃしながらベッドの上で爪を噛んでいた。
彼女の心は揺らんでいた、いやどちらかと言うと荒れていた。
彼女の両親は前回の聖杯戦争の参加者で、聖杯を手に入れるあと一歩と言うところまで勝ち残ったが、最後の最後で『聖杯を壊す』と言う行為を行い、『聖杯を持ち帰る』というアインツベルン家との契約を破るだけどころか、『絶対に帰って来て迎えに来る』と娘であるイリヤスフィールとの約束を裏切ってまで
あれから数年経ち、この聖杯戦争にマスターとして選ばれたイリヤスフィールはバーサーカーを召喚して、日本へと飛び出た。 既に両親は亡くなってはいると情報があったが彼女には関係なかった。
何故なら前回の聖杯戦争後、両親の
余りにも無邪気で、子供っぽい考え方だった。
だがいざ相対してみると一人どころか
以前から燻ぶっていた怒りが爆発し、当初の計画していた『相手をゆっくりといたぶる』を怒りから瞬時に『
ただ途中で
自分の
しかも自分の死んだ両親のように愛称の『
怒っていた上に不愉快極まりないこの出来事で彼女は文字通り激怒した。 怒りに任せて本来の魔術師としての余裕や格下の筈の彼らを見下す事や戦術すら忘れ、ただ眼前のモノを消し去りたかった。
だがようやく牙が届いたと思ったら、今度は半人前の一般人とさほど変わらないもう一人の養子がその攻撃を庇い、倒れた。
これでイリヤスフィールは呆気に取られる以上に、混乱した。 何故そんな事を出来たのと。
何故『
何故?
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故?
「…………セラ。リズ。」
そこにイリヤスフィールは誰かを呼び、すぐに彼女と同じような雪のように白い髪と、血のように赤い瞳をした、仏頂面をした成人女性二人が給仕の服を身に纏い現れる。
「はい、何でしょうかお嬢様?」
「『衛宮士郎』と……………『衛宮三月』に関して情報が欲しいわ」
「ですが、以前入手した資料はそれほど古くはない筈ですが────」
「────『衛宮三月』は『
「なっ?!」
「???」
これにはセラとリズと呼ばれた二人が目を見開き、セラは明らかに動揺を顔と声に出し、リズは目に未だに光が籠っていないが口を半開きにしていた。
「そんな………それは………アインツベルンの、お嬢様特有の魔術の筈!」
「セラ、私もビックリしたわ。 しかも、髪の毛じゃなくて
「そ、それは…………まさか、
「イリヤはリズ達にどうして欲しいの?」
「リーゼリット! 貴方は毎回お嬢様の名をそのように────!」
リズ────リーゼリットと呼ばれた無表情&人形らしき目をした給仕の彼女は主のイリヤを愛称で呼ぶ事にセラは異を唱えていたが、イリヤは気にしていない模様だった。
「どうもして欲しいんじゃ無くて、興味が湧いたの。 何故彼女が『
「それに?」
「リーゼリット!」
「………ううん、今は取り敢えずそれが知りたいだけ。 もしかする他にも分かっていない事があるのかも知れないし」
「分かりました、お嬢様」
「イリヤがそう言うのなら」
セラとリズが部屋を出ると、イリヤは体育座りになり、抱えた膝に頭を乗せながら考える。
「………………それに、『あの子の言っていた続きが聞きたい』、なんて言ってもセラ達は多分理解してくれないわ」
≪
「(────私を、何?)」
荒れていた心を落ち着かせるように、先日の出来事らを頭の中で何度も自分を冷静にしながら、思い返していた。
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セイバー運営 視点
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「士郎。 説明しなさい」
「や、だから誤解だってふj────」
「────三月ちゃんは黙ってて。 で? 士郎?」
時は次の朝で場所は衛宮邸。
士郎は正座をさせられて、目の前に竹刀を片手に持っている大河が怒っている形相と組んだ腕で彼を睨んでいた。 横ではオロオロしている桜、気まずい美綴、そして冷や汗を流している三月がいた。
「(どうしてこうなったのさ?!)」
美綴を治療した後、三月は安定した彼女のそばにいる事に決めた(彼女が起きて混乱を避ける為に、他意はない)。 その間、士郎はセイバーから聞かされていた。
第四次聖杯戦争の事を。
そして────
────彼女の知っている『衛宮切嗣』と言う名の男の事を。
彼が『アインツベルン』という一族に雇われていた事も。
そこで『妻』を娶って、『子』を成した事も。
その子供の名は『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』。
先程対峙したバーサーカーのマスターと同じ名だった。
そして、『衛宮切嗣』が最後には聖杯を手に入れることが出来た位置にいたのに自ら手放して、あまつさえ令呪全て使ってまでセイバーに聖杯の破壊を命じた事も士郎に伝えていた、一切の私情などなく。
セイバー自身、シロウ達の言動から推測できるキリツグと、先程会ったばかりのイリヤスフィールが自分の知っているキリツグとイリヤが同一人物かどうかは自信がなかった。
何故ならセイバー自身が知っているイリヤと対峙した『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』はあまりにも性格も態度も違った。
なのでもしかするとさっき会った彼女はイリヤをベースにした『アインツベルン』の人造人間────『ホムンクルス』の可能性があるかも知れないと思っていた。
キリツグに至っては、何故あのような目的の為ならば手段を選ばない男がアインツベルンとの契約を破ってまで聖杯を破壊したのかが理解出来なかった。
勿論、士郎もセイバーの話を一応聞いてはいたが、とてもじゃないが自分の知っている
だが参考程度に士郎は受け取り、自分がやるべき事は変わらないとセイバーに伝えた。
そこで疲れが一気に押し寄せたのか、過労がピークまで達したのか、士郎は気を失うように座りながら寝てしまった。
その次の日の朝、起きて想像通り混乱していた美綴を三月が「衛宮邸の近くの道端で気を失っているところを保護した」と説明した。
朝起きた士郎はいつの間にか自分の部屋で寝ていて、昨日の出来事を夢かと思い始め、過労からかボーっとしながら布団から出て、その頃には朝の支度を済ませた美綴が(来客用の着物や日用品を使って)三月と朝食を取っている所に桜と大河が家に入り、タイミングの悪い事に士郎もそこへ来た。
これを見た大河は瞬時に竹刀を近くから取り出し、士郎へと詰め寄せて
「だから言っただろ?! 『美綴が気を失っているところを三月と見つけた』って! そりゃあ、連絡していなかったのは悪いけどさ、夜遅くに連絡は迷惑かと思ったんだよ!」
「ほー? じゃあ士郎達はそんな夜遅くに何をしていたのかなー?」
「「(うげ。 考えてなかった)」」
士郎と三月は目を合わせる。
『これどうすんのさ?!』
『誤魔化すのは無理、でも真実は言えない』
『だからどうすんのさ?!』
『士郎!君に決めた!』
『なんでさ?!』
このアイコンタクトの会話にかかった時間は一瞬、だが思わぬ助け舟がそこで出てくれた。
「あーと…それ、私の所為なんです、藤村先生」
「「(美綴?/綾子?)」」
「へ? どういう事、美綴さん?」
これが意外な事は大河も同じだった。 『美綴綾子』と言う女性とは男勝りで有名だが決して夜遊びなどをするようなタイプでは無かったからだ。 寧ろ彼女は積極的にそんな行動をする者達を止める側だった。
「実は私、ちょっとウチの生徒たちがなんか変な奴らに絡まれていたのを見て、私が首を突っ込んだんだ。 その時イザコザがあって、ウチの生徒たちが逃げている間に気を失って、どっか連れていかれるその所にし────『衛宮達』が私を助けてくれたんだ」
「へ? そうだったの士郎、三月ちゃん?」
「う、うん。 何時も見る藤n────藤村先生の『知り合い』達ではなかったのですが、同じ雰囲気を出していました。 だから彼らはもしかすると誘拐の罪を擦り付けようとしていたんじゃないでしょうか? (これで行けるか?!)」
「なぁぁぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇぇぇ?! 何処の
大河の突然な豹変ぶりに美綴どころか桜までも目を見開きながらパチクリとしていた。
そして内心ホッとする士郎と三月。
更に三月は内心、これからいる筈のない『敵』に総動員される藤村組全員の行動が無駄骨になる事を謝っていた。
「(ゴメンね藤村組の皆、マジで)」
「こんな悠長な事しちゃいられねー! すぐに爺さんに言いつけて
大河は竹刀を持ったまま、沸騰した怒りのまま衛宮邸を全力疾走で後にした。
外から聞こえてくる竹刀の音と大河の「そこをどきやがれボケぇぇぇぇぇ!」と門番を務めている男性達の断末魔の「お、お嬢?! その竹刀は────ぎゃあああああああ?!」はきっと空耳だろう。
ウン、ソウニチガイナイ。
「(ほんっとうにゴメン、藤村組! 今度出来たら、皆が大好きなぼたん鍋&カルビパーティーにするから!)」
「……あー、ありがとうな美綴。 マジで助かった」
「あ、ああ。 安いもんさ。 けど……さっきのあれは何だったんだ?」
「藤姉って
「そ、そうなのか?」
「うん、だから気にしないで綾子」
「私、あんな先生を初めて見ました」
「さ、桜も初めてかよ」
「ま、まあ…ここ数年、俺も見ていないからなー」
「見るとしたら相撲を見る時……とかかな? (あとさっきみたいに興奮した時とか?)」
その後、美綴は自分の家に帰る前に士郎と三月にまた礼を言いながら手を振り、朝の住宅街へと消える。
「…………ねえ士郎。私、今もう一件の
「………奇遇だな三月、俺もだ」
そして二人は溜息を出して次の難問と大河が戻ってきた時の騒動に備える。
一難去ってまた一難である。
「どうしたのですか、シロウ?」
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
今はまだ朝が訪れたばかりの衛宮邸。美綴が自分の家に帰りまだ間も経っていない時。
ここには
「で? 士郎は
「ま、またって事は無いd────」
「────三月ちゃんは良いわ、義妹だもの。 桜ちゃんもまあ、未だに教師的にはアウトだけど健全な関係だからまだ良しとする。 でも事情があったからとは言え、昨日は美綴さんでしょ? そして今度は金髪外人だとぉぉぉぉ?! 独り身たちをなめとんのかゴラァァァァァ?!」
「(うっわ。藤姉、完全に
「い、いやこれにも事情が────」
「────ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ン?!」
「ひっ」
三月へガンを飛ばす大河にセイバーが口を開ける。
「『藤村大河』、と言いましたね? 私の名はセイバー。 昔切嗣にお世話になった者です」
「へ? 切嗣さんの?」
「ハイ。 以前、彼は日本に住んでいたとの事で訪ねて来たのですが…」
「………そうなの、士郎?」
「あ、ああ。 彼女はじいさんの知り合いで、じいさんを頼りにしてここに来たんだ」
「そうなんだ。 な~んだ、それならもっと早くに言ってよー! 切嗣さんって昔は海外にしょっちゅう行っていたから、それも不思議な話じゃないわー!」
「「(いや、俺に/兄さんに説明させてくれなかったのはアンタでしょうが)」」
「へー、切嗣さんがこんな可愛い子をねー。 へー、ほーん、ふーん。 成程ねー」
ちなみに今のセイバーは甲冑の下にある青いドレス姿だった。
「ああ、だから今日からウチで暮らすから仲良くしてくれ」
ピシッと場の空気が凍るのをそこに居た誰もが感じた(士郎本人以外が)。
「「うえぇぇぇぇぇぇ?!」」
大河と桜がこれに対して素っ頓狂な声を上げる。
「………(兄さんのバカ! アホ! マヌケ! そんな言い方じゃダメでしょうがぁぁぁぁ?!)」
そして大河がまたもや士郎の胸倉を掴み、立たせる。
「士郎は毎度毎度毎度毎度毎度! 一体何人の女の子を誑かせば気が済むのよ?! お姉ちゃんは士郎をそんな子に育てた覚えはありませんよ?!」
「え? え? え? 先輩?」
「(まあ、本当の事を言えば私達二人がおじさんの死後藤姉の面倒を見てたんだけど……余計話しがこじれるからここは黙っとこ)」
「お、落ち着けって藤姉! そんなんじゃないから!」
「でもでもでも! 『ここで住む』って事は、士郎ってばこの
「そうなんですか、先輩?!」
「(……今何か大河が面白い事言ったような気がする…………タイミング的にまだかな?)」
「そんなんじゃないってば! セイバーが滞在するのはほんのちょっとの間だけだ! それにじいさんを訪ねてはるばる来たってのにここで門前返しにする訳にはいかないだろ?!」
「(そこだぁぁぁぁ!)そうです、藤n────藤村先生に桜。 その前に彼女の荷物は不手際の所為でまだ届かないし、変な奴らには絡まれては手荷物を無くすし、迷っていた所に私と士郎と一緒に綾子を助けたりして、いざ衛宮邸に着いたと思ったら頼りにしていたおじさんは既に亡くなっていた。 そこで『今衛宮家にいるのは
「ウグッ………た、確かに切嗣さんを頼って来たそんな子を無碍には出来ないけど………………………う~~~~~~~~~~~~~ん…………………」
「それに部屋も布団も余ってはいるんだし、そこまで心配なら三月の隣の部屋でも良いじゃないか?」
「う~~~~~~~~~~~~~ん…………………まあ…………………………………………良いんじゃない?」
「ええええぇぇぇ?! せ、先生?!」
「ありがとう藤姉! 大好き!」
「はう♡」
満面の笑みで抱き付いて来る三月にだらけ始める大河の顔に毒気を抜かれた空気が場を漂う。
その後、大河は桜と話す事があるという事で士郎と三月に今日のご飯の用意などを頼んだ。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
その日は士郎と三月の二人が腕によりをかけて、皆の好物の大量オンパレードの昼ご飯と晩御飯を作っていた。
普通ならワイワイと騒ぐ大河だったが食べる間一言も何も言わず、ただ延々と昼ご飯を食べていた。
そして大河と桜は昼ご飯を食べ終えると、どこかで用事があるのか、二人で出かけた。 その間、セイバーは青いドレスから来客用の着物に着替え、衛宮邸内の警戒をし、晩御飯の準備と支度をする士郎達。
帰って来た大河と桜は何か買って来たのか、デパートのショッピングバッグ等を持って来て、セイバーの為に日用品などを買ってくれていた。
ただ荷物の半分ほどだけがセイバーの為だったの対して疑問を一瞬浮かべた士郎達だがあえて何も言わず、丁度時間的にもタイミング的にも良かったので晩御飯の支度をして皆食べ始める。
そしてまた一言も誰も何も言わず、ただ延々と食べていた。
「「(物静かな藤姉が怖いッ!)」」
時計の針が9時頃を指し始めようとした時、まだゴロゴロしている大河を不意に士郎はお茶を飲みながら見ていた。
何時もなら桜の見送りを言い出す彼女がまだ動かない事に。
とはいえ、この頃物騒なので桜には泊まって貰うか士郎は一瞬迷った。
が、桜の安全第一の為、彼は大河に声をかける。
「藤姉? そろそろ桜を見送らなくて良いのか? もし問題があるようなら桜をここに泊めてもいいか?」
一瞬士郎が何を言ったのか分からない桜の目が遅れて見開き、士郎を見る。
「……………………え、先輩? ど、どうして私が泊まる前提なんですか?」
「あ、ちょうど良い話ね。 今日から私もここに泊まるからヨロ~」
「ブッ?! いや、桜は良いとして! 何で藤姉まで?!」
飲みかけのお茶を危うく吹き出しそうになる士郎、そして未だに何を言われたのか良く分からない桜。
「え? せ、先輩? そ、それはどう言う────?」
「────あ、ああ。違うぞ桜。 この頃物騒だろ? その上、慎二も最近は忙しいらしいし、家にあまりいないと思ったんだ。 桜を迎えに来ないからさ。 だから実はと言うと、前から余分に日用品とかは常に備えてあるんだ。 このぐらい遅い時間だと、夜遅く家に歩いて着くよりはもう泊って行かないか?」
「え、で、でも………私………」
「あ、桜ちゃんの家には今日の昼にもう連絡と許可取ってあるから~」
「ええええぇぇぇ?! せ、せ、せ、先生?! で、でも服とか………」
「今日買ったのとかがあるじゃない~?」
「ま、まさか藤姉…」
「フフン、そのまさかよ三月ちゃん。 私だって時にはやるんだから! 『備えあれば患いなし』よ!」
「「ええぇぇぇ?!」」
「(あー、この流れはアカン。 何いうても止まれへんな、この藤姉は)」
大河の強引さを心中悟った三月だった。
「それに~、『部屋も布団も余ってる』んでしょ~?
セイバーは視線でメッセージを士郎を送る、「本当にこれでよいのですか?」と。
士郎は「諦めてくれ、セイバー」と返す。
だが桜は未だに困っているのか、オロオロとした末に部屋の用意などをして来ると言い、余程テンパっているのかまだ閉まっているドアに頭をぶつけたり、何もない所で転びそうなどしたりして見かねたセイバーが桜に付き添う。
この一連の出来事を見ていた大河はニマニマと笑顔になりながら士郎を見る。
「士郎~? 今の桜ちゃんに対しての『泊めてもいいか』って、もしかして
「ハァ? 何でそうなるんだよ?」
「(あ、あの顔は藤姉がなんか悪巧みしてる時だ)」
これをのほほ~んと見ながら自分のお茶を入れて飲む三月を大河はチラッと見てから話を再開する。
「ふ~ん、そっか~。 そうなんだ~。士郎も男の子だものね~」
「だから何の事だよ藤姉?」
「ズズズズ────(性別と桜に何の関係が────?)」
「────桜ちゃんってさ~、E-カップなんだって~────」
「────ブフゥ?! ゲホ! ゲホッゲホゲホ!」
三月が盛大にお茶を吹き出す。
士郎は呆れた顔と共に肩をガクリとしながら大河を困った目で見る。
「な、何を言っているんですかね。 この『自称保護者』は」
だがその空気も束の間で、セイバーが早足で戻り、桜が倒れたと皆に伝えてきた。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
その日の夜遅く、三月は桜の部屋を静かに訪れた。
彼女が急に倒れた事が気になり、自分に何か出来ないかと思ったからだ。
桜の身を案じた士郎も看病すると言ったが桜が頑なに断り、ただ急な事ばかりが続いて眩暈がしたと士郎経由で皆に伝わっていた。
だが桜の寝ている部屋に入った瞬間、三月を強烈な
「???(何だろう、これ? …………長い間使っていない空調からの匂いかな?)」
そう思いながら壁で作動している暖房機を見ながら桜のそばに行き、手をかざすと────
「────何をしているのですか?」
「ピャッ?!」
急に背後から女の人の声がして三月はビクッとする。
「動かないで下さい。 もう一度聞きます。 何をしているのですか?」
「あ、えっと、桜が心配で何かしてあげられないかと────」
「────ゆっくりと振り返りなさい」
「ひゃ、ひゃい」
三月は噛みながらも指示された通りに振り返ると、そこに
そして三月は彼女を見上げて────
「────ふわぁ、
「ッ」
何も考えずに三月から出た第一の言葉が『
だが三月は
彼女はただ、ライダーが三月に声をかけたのは「(桜に)何をしているのですか?」と桜の身を案じた言葉と「ゆっくりと振り返なさい」は三月の確認の為、と取っていた。
少し余談だが慎二の事を『良い人』などと感じていたのもこの考え方のおかげであり、これがあったから会う人達に対して自身の行動や言動などを調整し、外や学校での『顔見知り』の人達は増えていった。
そして未だに自分をキラキラとした目で見る三月にライダーは数秒ほどの沈黙後に口を開けた。
「………貴方は私が怖くはないのですか?」
「へ?
これもまた常人からしたら
何せ三月にとってはほぼ
「…………」
「あ、私『衛宮三月』と言います」
まだ寝ている桜に遠慮して三月はいつもより下げたボリュームで頭をペコリと下げながら話しかける。
「……立ち去りなさい」
が、ライダーはそう短く言った後にその場から消える。
「……また会えるかな?」
頭を傾げながらそう言い残し、三月は部屋を出て自室へと鼻歌をしながら向かい、就寝する。
その間、衛宮士郎は夢を見ていた。
彼にとっては良く見知っている場所で、酷く
────女性との性行為をしていた。
士郎は
その髪も、声も、体も、何もかもを
だけど士郎はふと思う。
「(
何故ならその夢の中の彼女は────
────
作者:はい、と言う訳で場を振り回すタイガーこと藤村大河でした。
マイケル:なーんか誰かを連想するなー
三月(バカンス体):んあ?
ラケール:てか、この『藤村組』って?
作者:自分も忘れそうですが、藤村組は冬木市ではかなりの力を待っている組故、他の外からの組からちょっかいを出されても可笑しくないので三月はそれを逆手に取りました。あとセイバーの士郎への『第四次聖杯戦争カミングアウト』も発生。
原作では半信半疑の上、言うタイミングを伺っていたけどミスった、などありましたが士郎と三月のやり取りなどに思う事があったようです。
ラケール:成程なー
マイケル:へー
作者:あと言峰神父の美綴治療シーンは発生していません。 慎二が原作と若干キャラ違うので美綴は本当に眠らされてただけ。士郎と言峰にブラ見られなくて良かったね美綴。
チエ:そんなに気にする事か?
三月(バカンス体)/ラケール:うん、する
作者:ちなみに士郎が気を失ったのはただ他のマスター達と違って、彼は精神的にほぼ一般人に近いので、今の時点で徹夜はしにくいという感じです。あと色々と一日に巻き込まれているのでストレス半端ないです。
マイケル:で?最後の『アレ』は何だ?
作者:最後の方は『あの』シーンのイメージです。 漫画で言えば16、7話当たりだったと思います。
マイケル:………本を貸してくれ。 後で確認せねば。
作者:では次話で会いましょう! 是非お気に入りや感想、評価等あると嬉しいです! あとそろそろストックがやっべえです………
ラケール:んじゃ。 私達はコタツでミカン食べているからヨロ~
チエ:私はゼンザイの方が良いのだが…
三月(バカンス体):私は汁多め派!
マイケル:餅が多め派だな俺は
作者:…………え?これって自分が買ってくるの?