【ストパンVR】初見で最高難易度だけど超余裕   作:Kkmn

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姉だから

―――トントントン、コトコトコト

 

 

どうも皆さんこんにちわ。エイミーの3分間お料理教室なうです。

まぁアレですよね、私はゲーム内ブラウザでクック○ッドを見れるのである意味料理チートです。

材料で検索するだけで簡単に美味しいレシピが見れちゃう!えぇっこんな神サイトが今なら月額500円(税抜)で人気順検索まで出来ちゃうんです!?

 

「ごしょうわくださいわたしのなを〜♪…うるt…おっとっと」

 

あっもう幼女の、8歳の身体って不便すぎません?腕も短いし手先もなんか思い通りに動いてくれないし。

あ〜台から落ちちゃうリリーさんがくれたウィッチ用義手がぁーーっ!!

 

 

―――ぼふんっ、むにゅっ

 

 

「おいおいあぶないぞーちっこいの。ったく隊長も一人でやらせんなよなぁ」

 

「ぁ…///ぇ、と、イェーガーたいい…ごめんなさい…///」

 

足踏み台から落ちそうになった私の身体を優しくキャッチしてくれたのは聖母シャーリーさん!…の、おっぱい(重要)

なんて大きさ、そして包容力…殺人的な胸だ(ZKS並の感想)

 

「今日も相棒は一緒じゃないのか?」

「うん…じゃない、はい、まだおへやでねてます。」

「そうか、アイツ何でかあの堅物に気に入られちまってるからなぁ、同情するよ。朝から晩まで…いや、この間なんか夜中まで訓練してたぜ?」

 

はいそうなんですよね、ここ最近なんだかお姉ちゃんの様子が変なのです。

マルタでの事や私の存在のせいで原作と多少ズレがあるとは思ってましたが、それにしたって。

 

 

「何かアタシ、あっちのロマーニャのチビっ子にはすっげぇ避けられてるんだよ。なんか気に入らない事でもしたかなぁ…」

 

はい、特に一番大きいのがコレです。

なんとあのシャーリーさんが、フランカお姉ちゃんの相棒であるはずの彼女が避けられているのです。

その代わりになるかのように最近いつも一緒にいるのが何とこの時期凄いアレなはずのバルクホルンさんという…どおして?

 

「まっいいか。ところでアンタこの間言ったこと考えたか?あのリベリオンに帰らせてやるってハナシ。お前が頷けばミーナ中佐や少佐も裏で手回ししてくれるってよ。」

 

「…(ふるふる)」

 

「んーそっか、ならいいんだ。けど辛かったり逃げだしたかったらいつでも言いなよ、アンタはまだ甘えたって良い年齢だし、無理はしなくていい、遠慮なくみんなに頼りな。もうアタシらは家族なんだからさ」

 

「…ぅん…」

 

あれ?なんか目から汗が出てきそうに…おかしいな、早起きしたからかな?

ああでも私をなでなでしてくれるシャーリーさんの手、あったかい…尊い…///

 

 

―――ばたむっ

 

 

「ん…あっ、フランカおねえ…ちゃ、ん?」

「んにゃ…ぅじゅー…」

 

そして元気なくゆっくりと開かれた廊下のドアから入ってきたのは…私の大好きなフランカお姉ちゃん、だけど。

何か過去最低ってくらいに元気がなくて、フラフラで疲れ果てていて。

 

「だ、だいじょぉぶっ?もうすこしやすんでたら…」

「ふぁ…うじゅぁ、だいじょー…」

 

 

―――ふらっ

 

 

「お、おいチビっ子!!」

 

ふらり、と地面に倒れ込みそうになったのをシャーリーさんが咄嗟に支えてくれましたが、やはりその顔色は…見たことないくらいひどくて。

 

「…あの堅物ッ!また夜中まで訓練させてやがったな!?それもこんな毎日毎日…!!」

「っはぁ、ぅ…」

「ぁぁ…ぉねぇちゃん…」

 

お姉ちゃんの額に浮かんだ大粒の汗をシャーリーさんがぬぐってくれます。

見るとほっぺたもどこか赤く見え、もしかしたら風邪も引いているかもしれません。

 

「おい、ロマーニャのチビっ子!!いいか、あんな堅物規律バカ軍人に付き合う必要なんてない、もっと自分の身体を大事にしな。訓練だってアイツが勝手にお前に押し付けてるだけだ、隊長や坂本少佐に言えばすぐにやめさせられる。」

 

「…じゅ…」

 

「アンタだってそっちの相棒ほどじゃないがまだ子供なんだから、こんなになるまで焦んなくたっていいんだ。な?」

 

その声音は本当に、心の底からフランカお姉ちゃんのことを心配して慈しんでいるモノでした。

あれ、この光景は見覚えがあります。

あそうだ。マルタの後の休暇、お姉ちゃんを優しく抱きしめて、よく頑張ったね、えらいね、と暖かく囁くお姉ちゃんのママの姿―――。

 

 

「―――やーーだぁっ!!!」

 

―――パシッ

 

「…あっおいっ!!」

 

 

一瞬、目の前で起こったことへの理解が追いつきませんでした。

あのフランカお姉ちゃんが、ルッキーニお姉ちゃんがシャーリーさんの手を払って逃げ出したのですから。

 

「…ダレかしんないけどっ、子供あつかいしないでよっ!!あなた、キライだもんっ!!」

 

しかも毛を逆立てて猫のようにフーッと威嚇まで始めてはさしもの私もあ然とするしかありません。

どうして?なんで原作と違ってフランカお姉ちゃんがシャーリーさんをこんなに避けてるんですか?

 

「お、おい…」

「うじゃーっ!!さわんにゃいでぇっ!!!」

 

な、なんという事でしょうか。あのフランカお姉ちゃんがシャーリーさんから逃げ回ってる…これは夢でしょうか。

 

 

「なんだ、こんなとこにいたのか少尉。訓練の続きだ、格納庫へ行くぞ。」

 

 

「…っお前…」

「っ…たいい。うんっ。」

 

そしてそこに現れたのはそう、あのゲルトルート・バルクホルン大尉。

この間の怖い雰囲気こそ収まってますが…どこかその目には何か恐ろしいモノが宿ってる気がします。

 

「お前何考えてんだよ!?昨日だって夜中まで訓練してたんだろ、隊長達の許可も取らずにッッ!!それにソイツの顔色見ろよ、これ以上無理させると本当にどうにかなっちまうぞ!!」

「黙れ、貴様に口出しされる筋合いはない。これは私と少尉の話だ。…それとプラマー軍曹」

 

突然話しかけられたモノだからちょっとびっくりしてしまった…。

 

「えっ…あっ、はい…ひゃぁっ!?」

「そんな手で包丁など持つな。料理などそこのリベリアンにでもさせておけばいい。いいな。」

 

あ、足踏み台から降ろされて、包丁も取り上げられてしまいました…まだジャガイモ切ってる最中なのに。

 

「行くぞルッキー少尉」

「…うんっ、エイミー、またあとで、ねっ」

 

そう言ってフラフラのまま出ていってしまう大尉と…フランカお姉ちゃん。

 

「ったくっ…クソ、あいつホントに潰れちまうぞっ…!」

「…おねえちゃん……」

 

溜息を吐くシャーリーさんの後ろで、私はただ黙っては消えていったお姉ちゃんの背中を見つめ続けることしかできませんでした。

 

 

 

 

「…ねぇ、もうやめなよ」

 

「そこをどけ、ハルトマン。」

「ん、じゃ…?」

 

格納庫へと向かう二人のウィッチ。その前に塞がるようにあらわれたのは彼女の同僚、エーリカ・ハルトマン。

 

「トゥルーデ、お願いだよ…。今の調子だと」

「なんだ、またその話か?もう私は大丈夫だ、いつまでもクリスの事でウジウジ悩んでいた私はもういない。今の私が為すべきことがわかったからな。」

 

「大丈夫じゃないから言ってるんだよ。それにトゥルーデだけじゃない。その子まで…」

「この程度で潰れるようなウィッチなど前線には不要だ、お前も覚えてるだろう。第52戦闘航空団にいた頃はこの程度で倒れる奴など一人も居なかった!」

 

まるで取り付く島もない頑ななその言葉に、ハルトマンは目を伏せた。

 

「…自分を重ねるのはやめなよ、その二人はトゥルーデとクリスとは違う。」

「――――ッッ!!!」

 

お前に何がわかる、という言葉が喉まで溢れそうになったとき

 

 

―――どさっ

 

 

「…うじゅ…」

 

言葉をぶつけ合う彼女たちの後ろで、それを黙って聞いていたルッキーニは力なく倒れ込んだ。

 

 

 

 

次に目覚めた時、彼女の目前に広がっていたのは初めて見る天井だった。

何の音もせず、わずかに消毒液のニオイだけが彼女の鋭敏な鼻をついた。

 

「…起きたか、ルッキーニ少尉」

 

声のした方に首を動かすと、そこには沈痛な面持ちのバルクホルンが彼女の横たわるベッドの縁に腰掛けていた。

 

「ぁ…うじゅ、その…ごめんなさぃ…」

「いい。お前が謝ることなどない。」

 

倒れてしまった不甲斐ない自分を責めるかと思いきや、かけられたのは逆の言葉。

 

 

「…すまなかった…アイツの、ハルトマンの言うとおりだ、私はただ過去の情けない自分をお前に重ね、行き場のない怒りと後悔をぶつけていただけだ。」

 

 

「え…」

 

 

「お前を聞こえの良い言葉で欺き、こんなになるまで自分の都合で弄ぶ…これでは、私が唾棄したリベリアン共と変わらないな…はは…」

 

 

「…たい、い…」

 

バルクホルンは静かに立ち上がり、扉へ足を運んだ。

その背中には先日見た覇気らしきモノはとても感じられない。

 

「――――私のことは、忘れてくれ。すまなかった。」

「あ……」

 

力なく去るその姿を追いかけることもできず、しばらく呆然としていたのち。

 

 

 

 

 

 

「フランカおねえちゃんっ!!」

「おいチビっ子、だから言っただろうがまったくっ…」

 

「エイミーっ!!と…うじゅぅ……」

 

入れ替わりになるかのように彼女が休む医務室に飛び込んできた愛しい妹と、苦手な長身のウィッチの姿に顔をしかめた。

 

「…おねえちゃん…ぐすっ…うぇぇ…ひぐっ……」

「わにゃっ。ご、ごめん、ごめんね、エイミー…なかないでっ…」

 

自らの胸元に飛び込み、その小さな身体を嗚咽で震わす妹の姿に、彼女はただ背中をさすってやるしかできない。

せめて釣られて泣きそうになってしまうのを必死で堪えることしか、今のルッキーニにはできなかった。

 

 

「…もういいだろ、つまんない意地なんか張るな。お前はそこまで頑張んなくていい。」

 

 

だがそれも、シャーロット・E・イェーガーが優しい言葉と共に幼い彼女達の頭を撫でるまでだった。

大好きな大好きな”ママ”の姿が、その姿に重なって見えてしまい咄嗟に目をつぶった。

 

「…勝手に子供扱いして悪かったな。お前はそんなちっこいのに凄いウィッチだ。アタシなんか足元にも及ばないくらいのな。」

「うじゃ…」

 

「でもな、いつだって頑張りすぎちまったらいつか壊れちまう。…だから、たまには思いっきり甘えていいんだ。」

 

ぶわり、と胸の奥から何か熱いモノが溢れそうになるのをルッキーニは必至で堪える。

今にも崩壊しそうなそれをぐっと抑えながら、目の前のウィッチを見上げた。

 

 

 

「…だって。だってぇ…ひぐっ。あたし、エイミーの…おねえちゃんなんだもん…!」

 

 

 

「ふぇ…?」

 

そしてついにそれは決壊し、その翠の瞳からはとめどない熱い思いが流れ出した。

 

 

「あたしっ…あたし…しっかりしなきゃ、ちゃんと、しなきゃ…エイミーが、こわがっちゃうから…だからぁ…!!」

「…あぁ、そうか。そういうことだったんだな。」

 

 

「ひぐっ、うぇぇぇぇっ…ぐすっ、だからぁ、あまえちゃ、ダメなのっ!うじゅっ、ぐすっ。」

「おねえ、ちゃん…」

 

一度切られた枷は止めることは出来ない。

大粒の涙を流し、悲痛な覚悟を吐き出すその少女の痛ましい姿を――――シャーリーはそっと優しく抱きしめた。

その大きく柔らかな母性の象徴にその震える、未だ幼い身体をぎゅっと包み込む。

 

「―――そっか。今までずっと頑張ってたんだなぁ…。お前はスゴイよ…。」

「うぇぇ…ぐじゅっ…」

 

「もう良いんだよ。好きなだけ泣いていい、好きなだけ甘えて良い…だって…。」

 

 

その涙と鼻水でぐしょぐしょに乱れた幼い顔を、優しい穏やかな青い瞳が覗き込む。

 

 

「―――だって、ワタシ達はもう家族なんだから。な?ルッキーニ。」

 

「…ぅん…ぅわぁぁぁぁぁぁぁあああんっ…!!!」

 

 

枷を切ったかのように、ルッキーニは大声を上げてその首元に思い切り抱き着いた。

その姿がまさしく、彼女が大好きなママに甘えていた時の姿そのものに見え、エイミーは心の底から安堵の笑みを浮かべた。

 

「…ぐずっ…あり、がど…ええぇと……。」

 

「シャーロット・E・イェーガー中尉だ。アタシのこともエイミーみたいにシャーリーって呼んでくれな。」

 

「ひぐっ…うん、ありがと――――シャーリーーーッッッ!!」

 

 

 

「あ"ぁ"…よがっだ…どう"な"る"ごどがど…ぐずっ、ひぐっ…」

 

もしやこのまま親友となるはずの二人が疎遠なままになってしまうのかもと。

そうなれば自らの大好きなフランカお姉ちゃんは幸せになれないのではないかと。

そう酷く不安になっていたエイミーは、その目の前の光景に心の底から安堵の涙を流していた。

 

「お、おいおい、お前もひでー顔だな…あーほらほらお前も来な。」

「ぐずっ、ぁ"り"がどぉぉ…ジャ"ーリ"ーざん……」

 

 

そのまま幼い姉妹は泣き疲れて眠り果てるまで、ずっとシャーリーのその暖かな腕と胸に優しく包まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

私は、何をしていたのだろうか。

あの幼い姉妹に過去の自分を勝手に重ね、無理やり過去への後悔を押し付け。

挙句の果てにその二人に自らと同じ苦しみを味わわせてしまうところだったのだ。

 

もしあんな酷く疲れ果てた状態で、出撃が必要なほどのネウロイが現れたりしていたら。

きっと彼女は、ルッキーニ少尉は――――。

 

「………」

 

ふと、建物の窓の中に見えた景色。

そこには――――あの忌々しいリベリアンに、あの幼い姉妹が泣きながら抱き着いている姿があった。

しかしその表情は決して悲しさなど微塵も浮かんでいない。

幸せで、嬉しくて、心の底からお互いを愛し合っている事が見て取れて―――――――。

 

 

「クリス…わたし………は………」

 

 

すがるように呟いたその言葉に、返事してくれる者は誰もいない。

ただ、その代わりと言うかのように。

 

 

 

ウ"ゥ"ゥ"――――ッッ!!!ウ"ゥ"ゥ"――――ッッ!!!

 

 

「………」

 

あの幼い姉妹が来て以来初めてとなる、黒い破壊の怪異の襲来を知らせるサイレンが基地に鳴り響いた。




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