【ストパンVR】初見で最高難易度だけど超余裕   作:Kkmn

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謀略の欧州
撮影会


「…ん…えっと、この翠色のをまぶたに…」

「そうそう、指で摘まむようにして…うん、上手よ」

 

おめかしって難しい、女の子っていつもこんなに大変なんですね?

はい、どうも皆さんこんにちは。アマンダ・M・プラマー軍曹ですっ!

 

現在私は501の隊長にして現上司であるミーナ隊長から、絶賛メイクのご指導中でございます。

 

「まったくリリー中佐も子煩悩というか…素顔で写真NGなんて。」

 

はい!実はなんと私、ブリタニア空軍広報からの命により全世界デビューすることになりました!

ところで察しの良い方はお気づきになるかと思いますが、私の元々の正体ってなんでしたっけ?

 

そうです宮菱工業のご令嬢、創業者竹田…なんとかさんのお孫さん、竹田美喜が本来の私です!

結構顔まで傷や火傷跡まみれといえ、見る人が見れば『ん?』となること請け負いなので。

今扶桑から帰ってきてるリリー様から『メイクしろ、髪染めろ、見えづらい夜空撮影にしろ!』との条件を提示されました。

 

 

「しかしわたしの写真なんていまさら見たがる人いるんでしょうか?」

 

実はマルタ防衛戦での報道の際、私に関しては一切写真が公開されてませんでした。

『ルッキーニ少尉と共に戦った幼いウィッチ』として名前は大量に出てたもののリリー様が全部もみ消してたみたいです。

 

あとストームウィッチーズの隊長の…たしかケイさん?が撮った写真も全部補給物資と取引したみたいですし。

 

 

「きっとたくさん居るわ。ルッキーニさんとエイミーさん…あなた達二人は人類にとっての希望だもの。」

「でも、わたし達よりスゴいエースの人なんていっぱいいます。世界1位(マルセイユさん)とか、黒い悪魔(ハルトマンさん)とか。」

 

前者はマルタの最後、後者はここでの訓練で飛行を見たが正直意味☆不明でした。

お姉ちゃんの機動でさえ目ですら追えない時あるのにその二人なんてもう…うん。

 

 

「…ビフレスト作戦、末期のカールスラントにはその凄いエースのウィッチ達がたくさんいたの。彼女達はそれはもう素晴らしい活躍をしたわ」

 

どこか遠い眼で語るミーナさん。

 

「でもね、彼女達がどれだけ凄まじい戦果を挙げても結局ベルリンを守ることは出来なかった。」

「あ…。」

 

そう呟くミーナさんの目はここではない何処か。きっと奪われた故郷を見ているのでしょうか。

 

「だからこそ人類にとっての希望の象徴なのよ。ネウロイの侵略から人類の領土を守り抜いて撃退したアナタ達は。」

 

私のインナーカラーを入れた長髪をそっと撫でる優しい手。

 

「そんな二人を501に迎え入れられて本当に誇らしいわ、ありがとう。エイミーさん。」

「は、はい、写真撮影もがんばりますっ」

「ふふ、張り切りすぎないようにね。」

 

き、希望の象徴ですか…///

なんだかフランカお姉ちゃんの後ろを付いてきただけなのに凄いところまで来てしまいましたね。

 

 

 

あ、メイク終わりましたね。顔の表面をブラシで撫でられる感触はこそばゆかったです///

 

「わ、うわぁぁ///」

「あら…素敵よエイミーさん♪このままお嬢様達の舞踏会に出席できるわね♪」

 

美少女…美ょうじょがその姿見に向こうにいました。

 

綺麗で整ったロングヘアーの裏側には翠色のインナーカラーが入れられて。

何か不思議な目薬をさされた大きな幼い瞳はお姉ちゃんのとおそろいのエメラルドのような宝石色に。

ぱっちりとした目元には瞳、髪と同じ翠色のアイシャドウが少し濃いめに入れられていますし。

キッチリと整えられたシャーリーさんと御揃いのリベリオン軍服ですが、胸元がネクタイではなく可愛らしいリボンに。

 

そしていつもスースーして羞恥心がすごかったズボンの上は薄い黒タイツ…じゃないサーニャさんのようなベルト。

でもこれ上からズボンのラインと、()()()()()()()()()()()()()()の縞々模様が浮き出て….///

 

 

「は、はわぁ…///これ、が…わたしぃ…/////」

 

ゲームの機能により思考や口調、そして姿が幼女そのものになってるとはいえ…私は本来は成人で男性です…///

なのにこんな、こんなお人形さんみたいなぁ…///

 

「よしっ、それじゃあ折角おめかししたんだし、皆に見てもらいにいきましょうか♪」

「…え?」

 

ちょっと待って下さい、夜空で写真撮影するだけじゃないんですか?

 

「何言ってるの、そんな可愛らしくなったんだから勿体ないでしょ?ほらっ♪」

 

――――がしぃぃっ

 

ぎゃあああ!!!助けてー!!担がれたら後ろからズボン丸見えなんですけどぉぉぉぉ////

 

 

 

 

 

 

今頃きっとエイミーは夜空で広報ウィッチに囲まれながらパシャパシャされているに違いない。

あの幼い割には恥ずかしがりやなウィッチがどんな反応をしてるか見てみたかったが。

 

「そういえば今夜はプラマー軍曹のお披露目会でしたね。楽しみですか?」

「ええ、きっと今頃501基地には世界中のマスコミが押しかけていることでしょう。英雄である『マルタの女神』の相棒、素顔すら明かされていない『ニンジャ』を取材できる機会ですもの。」

 

ああ本当に人の噂とは面白い。

まさか写真をもみ消したら『彼女はニンジャだ。だから素顔を見せないんだ』なんて言う噂に変わるとは。

 

「えっ、ニンジャのウィッチなんているんですかっ!?すごいっ、みっちゃんなら知ってるのかなぁ!」

 

無邪気に輸送機の窓から空をキラキラした目で見てた彼女、宮藤芳佳が振り向く。

大したタマだ、初めて乗った者は大抵震えて窓の景色など見れやしないのだが。

 

「…随分と楽しそうですねぇ。空は怖くないのですか?」

「あ、いえ、むしろちょっとワクワクするっていうか…えへへ」

「宮藤さんはウィッチに向いているかもしれませんね。」

 

ウルスラが呟いた言葉にぎょっとした風に反応する彼女。

 

「わ、私が、ウィッチにっ!?」

「ええ、魔法力も申し分ありませんし、その治癒魔法はきっと何処の戦場でも必要とされるはずです。どうでしょう、ぜひ我がカールスラントで―――」

 

「―――ごめんなさい、私ウィッチにはなりません。戦争は、イヤです…」

 

おや、何か思う所があったのだろうか。その言葉は今までで一番強い意思が感じられた。

しかしこんな考えを持っていたか。エイミーの言ったとおりウィッチにするには坂本少佐に会わせなければならないかもしれない。

 

「そうでしたか、こちらこそ失礼でしたね。申し訳ありません。」

「い、いえっ!そんな、でも私なんかがウィッチになっても、何も出来ないと思います。」

 

ふん。扶桑人は自分を卑下する悪癖持ちが多いと聞いたがどうやら本当のようだ。

 

「無理に勧める気はありませんが、ウィッチになりたければいつでも言いなさい。アナタにできることは必ずあるはずです。」

「わたしに、できること…?」

「それくらい自分で考えなさい。」

 

―――ガタンッ。

 

「ん。」「お。」

「うわぁぁぁっ!?―――んむぐぅぅぅ///ほわぁ…♪」

 

おや乱気流にでもひっかかったか。輸送機が少しだけ揺れてバランスが。

その結果半立ちだった宮藤芳佳は私の胸に倒れ込んでしまい、もがいて混乱している。

 

「やれやれ、この程度でパニックになっていてはウィッチなど無理そうですね」

「え、えへへぇ…♪ごめんなさぃぃ…///ふがふが♡」

 

窓に映る夜空に目をやる。

この夜空の下を、今も私の今の部下達はきっと駆けていることだろう。

 

 

 

―――しかし何だ。このイヤな感じは。

 

 

 

 

 

 

 

「うじゃ~…ねみゅいよぉ…」

「お姉ちゃん…私に抱きついて寝る気まんまんでしょ…」

 

はい、フランカお姉ちゃんと夜空の撮影会なうです。

ですが二人っきりではありません。大量の報道者を乗せた輸送機が数機、そしてソレを護衛するためにペリーヌさん。

そして総合監視としてナイトウィッチのサーニャさん、そしてその補佐のエイラさんが離れた所で飛んでいます。

 

「でもかわいいぃぃ!!お人形さんみたいだしいいにおいすりゅーっっ♪♪」

「ふやぁ///くしゅぐったいよぉ…///」

 

お姉ちゃんがおめかしした私に抱きつきスリスリしてきます…ああ生きててよかった…♪

おひさまのようなニオイに包まれてよだれがたれそうですあぶない。

 

―――パシャパシャ!

 

あーやばいっ!!お姉ちゃんとの百合百合が写真に収められてしまうっ!?

 

「んねぇエイミー。こうやって夜空をとんでるとさーぁ、はじめてあった時のこと思い出さにゃい?」

「シチリア上空のこと?うん、あの時のお姉ちゃん、ホントにカッコよかったぁ…♪あ、ううん!今でもすごくカッコいいよ!?」

「にゃははははははは!!」

 

抱きついてじゃれついてくるフランカお姉ちゃんの体温。

それは何度も死の直前の寒さを味わってる私にとってはホントに尊いモノです。

 

「勇気だして飛び込んでよかったぁ、だってエイミーにあえたんだもん。」

 

その無邪気な八重歯を覗かせる笑顔は本当に最高にカッコよくて綺麗で…はぁルッキーニお姉ちゃんしか勝たん。

 

 

 

『すいません、二人揃っての笑顔をお願いしてもよろしいでしょうか?』

 

不意にかけられる声。これは輸送機の報道者からだろうか。

その声に答えるようにお姉ちゃんは私を抱きしめ「いぇいっ♪」とピースサインを決めたので私もそれに倣う。

ほっぺたが密着するその感覚に赤くなりながら、パシャパシャとフラッシュが炊かれた…ああこれが全世界に見られるんだぁ…///

 

『次はプラマー軍曹の単独での写真を撮らせてもらっていいですか?満月をバックに!!』

『―――待て。私達から離れすぎダ。許容できないんダナ。』

 

そこに待ったをかけるエイラさん。見るともう結構離れた所にいるらしい。

 

『お願いします!せっかくの『夜空のニンジャ』の写真なのですから、せめて一枚だけでも!!』

 

 

 

「にひひ♪()()()()()()()だってぇ~♪よかったねぇかっくいい名前もらえて!!」

 

それを悪意0の笑顔でお姉ちゃんは言いますけど…ニンジャじゃないんですけどぉ。

っていうか一緒に居て分かりましたが結構お姉ちゃん、少年心的なモノを持っていてボーイッシュな所もありますよね。推せる。

 

『…一枚だけです。撮影次第すぐに反転して下さい。この空域はもうネウロイが現れてもおかしくありません。』

 

お、サーニャさんからお許しが出ました。

えっなに?『クナイを構えてる姿を撮らせてくれ』?ま、マジすかぁ。

 

「フランカおねえちゃん、ちょっといってくるね。」

「カッコよくねーっ!!あたしもあとでもらうんだから~っ!!」

 

さて、夜間用に黒く塗装された零を浮上させて満月の近くにでます。

しかし流石にちょっと寒いですね、シャーリーさんとバルクホルンさんが編んでくれたマフラーが無ければガクブルでした。

 

身を翻しポーズを取ります。とは言ってもキリっとしたものではありません。

普通にクナイを懐から抜刀し、満月を背にいつも通り逆手で構えるだけです。

 

―――パシャ。パシャ。ビュグンッッ!!

 

黒いマフラーがたなびいてるのが丁度いいカンジになってくれてそうですなぁ。写真がちょっと楽しみです。

 

おやそれにしてもこの時代のカメラって変な音するんですね。

それに何かフラッシュも赤いしこれはまるで―――――。

 

 

『―――ネウロイですわッッ!!!』

 

 

…うそでしょ?

 

 

 

 

 

撮影は上手くいっているだろうか。

501の隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケは基地に押しかけるマスコミの対応に追われる一般兵達を眺めながらふと思った。

 

(サーニャさんとエイラさんがいるし、ペリーヌさんまでいるのだから最悪の事態はないと思うけど…)

 

それだけでなく、撮影対象のルッキーニとエイミーはあの幼い年にして夜間飛行に習熟している。

特にエイミーに関してはその慣れの程は凄まじい、寧ろその動きは昼間より生き生きとさえしているのだから。

 

 

「どうかしたのかねヴィルケ中佐?栄えある501がここまで注目される事に嬉しくて言葉も出ずといったところかな?」

 

 

このねっとりとした厭らしく、纏わり付く蛇のような声は―――。

 

「…わざわざこんな深夜にご足労頂き恐縮です、マロニー空軍大将」

 

「はは。私もぜひ英雄のウィッチたちの晴れ舞台に立ち会いたくてねぇ。しかし凄い数の報道陣だ。」

 

「ええ。そうですね。」

 

まったく―――どの口が言っているのだろうか。

各国からの彼女達宛の支援物資を言い訳に予算の削減を示してきたのはその口だっただろうに。

 

 

「しかし流石あの高名なリリー技術中佐の愛子達だ、ここまでブリタニアにリベリオンのマスコミが殺到するとは信じられん。」

 

撮影後の取材に備え基地の滑走路付近を埋め尽くす報道陣達。

その国の比率は当然ブリタニアが多いが、この国では余り快く思われていないリベリオンが多いのも意外だった。

 

 

「ああそうだ。事後報告になってしまってすまないが……。」

「なんでしょうか?」

「私の新しい友人達に()()()()()()()()()()がいてね。入り口で止められていたのを入れてしまったのだよ。」

「…分かりました。後ほど確認しておきます。」

 

ガリアの?…まぁ基地の警備と秘密保全は万全にしてある。

少しくらい記者が増えたところで余り大勢に影響はないはずだ。

 

 

そう、基地の警備に関しては。だが。

 

「…美緒、聞こえる?ええ、サーニャさんに連絡してほしいの、内容は――――」

 

何故かざわめく胸を押さえ、早足でその場を去る。

 

 

――――こういう嫌な予感は、当たりがちなのよね。

 

 

 

 

 

 

『こっちの2つは守るから、そっちの1こはおねがいーっっ!!』

「だいじょうぶ、まかせて。」

 

降り注ぐビームの嵐をいなしながら無線に応答を返す。

思ったよりも数が多い、サーニャさんやペリーヌさん達も目前のネウロイの対処に手こずっているらしい。

 

「…チュートリアルみたい」

 

投擲したクナイが輸送機に放たれた閃光を弾き飛ばす。

しかしもっさん…ごほん坂本さんが扶桑から取り寄せてくれたクナイは素晴らしい。

よほど腕の良い職人が作ってくれたのか微塵も割れたり折れる気配もない。

 

これなら負ける気がしない。クナイだって大量にあるし。

 

この万全の体制がもっと前から揃ってれば…。

 

 

―――ピロピロ。

 

「…ん?」

 

親のアラートより聞いた未来予知アラートの音。

しかし方向がおかしい、どうして輸送機のある背後から?

 

でも大丈夫だ。この矢印の大きさならきっと細いビームだ、いなせる。

 

 

 

 

――――――パンッ。パンッ。

 

 

 

 

「…え」

 

でも、その攻撃はビームではなかった。

ビームならば確実に逸らせていたハズのパリィ。

しかし私に背後から撃ち込まれたのは、()()だった。

 

びしゅっ、ぐしゅっ。と、かつてあのチュートリアルで数回だけ味わった、銃弾が身体の肉に抉りこむ感覚。

 

「あ……」

 

せっかくの卸したての軍服が、ミーナ隊長が綺麗に施してくれたメイクが赤い血にまみれていく。

 

そして久しぶりに味わう。夜空から海面へ叩きつけられる奇妙な浮遊感を味わい――――。

 

 

 

私の意識は、冷たい眠りにゆっくりと包まれていった。




↓更新追ってくれてる読者サマ、☆評価☆頂けると大変嬉しいんダナ(・×・)
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