鬼滅の刃 鬼斬り武者   作:戦国のえいりあん

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新作、書けました!
原作キャラ続々登場です!
そしてあの幻魔も参戦ですよ!


第二章 那田蜘蛛山・蝶屋敷編
第四話 那多蜘蛛山


東京の新宿で静音と再会した左馬介と阿児はお互いの敵を討つため密かに協力関係を結び共に戦うことになった。それから静音の鎹烏である闇丸からの伝令で次の目的地は那多蜘蛛山に決まり三人は宿場・秋風を後にしようとしていた。

 

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・東京 新宿 宿場「秋風」

 

 

昨夜に指令を受けた三人は直ちに準備を整え、翌日の早朝から宿場を出発しようとしていた。静音は隊服と昇進してから身につけるようになった灰色の羽織を上に着ていた。左馬介も具足の上にいつもの外套を被って具足や刀を他人から見えないようにしている。

 

 

「世話になった」

 

「ありがとう女将さん!ご飯美味しかったよ!」

 

「では叔母上、行ってきます」

 

「静ちゃん…身体に気をつけてね。私はいつでも待ってるから」

 

「叔母上…ありがとうございます。必ずまた帰って来ますから!」

 

 

女将に見送られながら三人は宿場「秋風」を後にした。聞けばあの女将は鬼の存在を信じており静音が鬼殺隊に入っているのも知っている。もちろん当初は猛反対されたのだが両親の仇討ちを目指す静音の意志は強く、入隊を認めざるを得なくなってしまったわけだ。両親がいない彼女にとってあの宿場はもう一つの帰る場所なのだ。

 

 

「いい人だったね。静音の叔母さん」

 

「はい、両親が殺されて身寄りの無かった私を引き取ってくれたのは叔母上なんです。いつも笑顔で優しく私を育ててくれました。どれほど感謝しても足りません…」

 

「叔母君の為にも生きて戻らないとな」

 

「はい!行きましょう、左馬介殿、阿児!」

 

 

その後、鎹烏の闇丸の案内で三人は那多蜘蛛山へ向かうべく北へ歩みを進めた。報告によれば自分たち以外にも多くの鬼殺隊士が那多蜘蛛山へ向かっているそうで、今回の戦いも激しいものになることが予想された。

 

 

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・二日後 那多蜘蛛山 入り口

 

 

新宿から出発して二日後、三人はようやく目的地である那多蜘蛛山に到着していた。着いた時にはすでに日が暮れ辺りは完全に暗くなっていた。三人の前に見える那多蜘蛛山の森からはただならぬ雰囲気が感じられる。風に揺られてざわざわと響き渡る不気味な森の音が緊張感をより強くさせる。

 

 

「ここが那多蜘蛛山か」

 

「はい、この森の中に鬼がいます…!」

 

「気をつけて二人とも、どうやら鬼はたくさんいるみたいだよ」

 

 

阿児の力で正確な位置までは分からないが、ある程度の数は気配で察知することができるのだ。阿児によればどうやらこの山の中には少なくとも六体の鬼の気配が感じられるそうだ。

 

 

「すごいなあ、阿児はいろんな力を持ってるんだね」

 

「ふふ、すごいでしょ?あたいの力ならこんなの朝飯前さ」

 

「よし早速、山に入ってみよう」

 

「はい、行きましょう」

 

三人は那多蜘蛛山に足を踏み入れようとしたが突如、左馬介が静音の前に立ち手で制止した。

 

「…え?左馬介殿?」

 

「静音、お前はここで待っているんだ」

 

「な、何故ですか!私が居ては足手まといだと言いたいのですかっ!?」

 

「その傷で山に入ったら危険だ」

 

「……」

 

「あたい達が気付かないと思ったの?まだ痛むんでしょ?左腕と肋骨の怪我」

 

 

実は左馬介と阿児はすでに気づいていた。静音は二週間前に負った傷がまだ完全に完治していなかったのだ。折れた肋骨も折れた左腕も未だに治っておらず、特に左腕に至っては二日前に幻魔と戦った時にもほとんど使っておらず片腕を庇って戦っていたのだ。

 

 

「…いえ、私は戦えます!」

 

「そんな身体で一緒に来られても足手まといだよ。そもそも何で怪我が治ってないのに来たのさ」

 

「鬼殺隊にゆっくり休んでいる時間はありません。たとえ重傷でも場合によってはすぐさま任務な向かわなければならないのです」

 

「怪我した状態で戦っても殺されるだけだよ!ここは左馬介とあたいに任せて休んでなよ」

 

「いいえ!待ちません!一緒に行きますっ!!」

 

 

しかし静音は頑として譲らない。静音はかなりの頑固者でこういう時には何を言っても聞く耳を持たないのだ。置いていくと言ってもきっと無理矢理付いてくるだろうと思った左馬介はやむを得ず同行を許可することにした。

 

 

「…分かった。だが俺の側を離れるな」

 

「はい!左馬介殿の足は決して引っ張りません!」

 

「はぁ…心配だなあ」

 

 

こうして三人は那多蜘蛛山へと足を踏み入れた。山の中は大木が並び立ち多くの草木が生い茂っている。時間帯も夜で暗い上に森の中であるため視界もかなり悪い。さらにあちこちに異常な数の蜘蛛の巣が作られている。

 

 

「うえぇ!蜘蛛の巣だらけだぁ!気持ち悪い!」

 

「でも、なんか異常に数多いような気が…」

 

 

無数の蜘蛛の巣に違和感を覚えながら三人は山の中を進み続ける。しばらく歩いていると三人の眼前に目を疑う光景が広がっていた。

 

 

「え…!?」

 

「ち、ちょっと、何よこれ!」

 

「……!」

 

 

そこには鬼殺隊の死体が無数に転がっていた。死体の損傷がひどく身体のあちこちに痛々しい刀傷があり手足があり得ない方向に折れ曲がっている。この惨状はどう考えても人間の仕業ではない。さらにその先を見ると遠くで何者かが戦っているのが見えた。

 

 

「誰か戦ってるよ!」

 

「あの着物…お前と同じ鬼殺隊か?」

 

「はい!助けましょう!」

 

 

戦っていた人物は静音と同じ鬼殺隊の隊服を身に付けていた。恐らくこの惨状の生き残りなのだろう。三人は刀を抜き急いで生存者の元に駆けつける。しかし、その生存者が戦っていたのは予想外の相手だった。

 

 

「くそっ!なんなんだよ!こいつら…!」

 

「遅くなりました!階級"辛"伊角静音、加勢します!」

 

「…!な、何だ味方か…助かる!」

 

「いったい何があったんですか?」

 

「そんなのこっちが聞きてぇよ!」

 

 

鬼殺隊士と静音の目の前にいたのは鬼ではなかった。橙色の笠を被り、昔の足軽が着ていたような草色の着物を身に付け、人間の姿をしているが頭部は完全に白骨化し手にはぼろぼろに刃こぼれした血だらけの刀を手に持っている。しかも一人だけではなく数十人に囲まれていたのだ。この化物も左馬介の言っていた幻魔であり"刀足軽"と呼ばれる下等幻魔だ。

 

 

「やっと同志討ちが収まったと思ったら今度は化物かよ!」

 

「この化物、まさか幻魔…?」

 

「ああ、注意しろ下等幻魔だが油断するな」

 

(何だこいつ?侍か…?敵じゃなさそうだが)

 

 

隊士は静音と一緒に加勢に来た左馬介に不信感を抱いていた。そんな隊士の表情を察した静音が口を開いた。

 

 

「すみません、お名前をお伺いしても?」

 

「あ、ああ、村田だ」

 

「村田さん、この人は味方です。ご安心を」

 

「そ、そうなのか?」

 

「大丈夫です!それに"柱"の人たちにも劣らない強さなんです!」

 

 

どうやら村田には左馬介が鬼だと気づかれなかったようだ。半信半疑だがこの緊急事態では仕方ないと判断した村田は素直に助力を受け入れた。

 

 

「分かった!君、すまないが手を貸してくれ!」

 

「ああ、任せろ」

 

 

一体の足軽が呻き声を上げると一斉に足軽たちが一同に殺到してくる。刀足軽は集団戦に優れ多数で獲物を囲み一気に殲滅する戦法を得意としている。三体の足軽に囲まれた静音は何とか攻撃を捌いていた。

 

(…くっ!でも、あの忍者みたいな化物より強くない!)

 

隙を見つけた静音はまず一体の足軽の頭部を一太刀で斬り落とす。残り二体になった足軽に対して静音は水の呼吸の構えを取る。

 

 

(水の呼吸、壱ノ型・水面斬り!)

 

 

水面斬りを放ち、二体の足軽を同時に仕留めることに成功した。近くで戦っていた村田もなんとか二体の足軽を倒しており、数十体いた足軽の数は少なくなっていた。ふと見ると残った足軽はすべて左馬介を取り囲んでおり、その数は六体だ。今にも左馬介を襲おうとしている。

 

 

「左馬介殿!」

 

「やばい!あの数じゃ…」

 

急いで二人は左馬介に加勢しようとするが…

 

「…ふん!」

 

 

左馬介はまず斬りかかって来た足軽を抜き銅の一閃で斬り捨てると今度は側にいたもう一人の足軽を袈裟斬りの一閃で続けて斬り落とす。目にも止まらぬ速さで瞬く間に残りの足軽も続けて斬り捨て、あっという間に六体の足軽を一瞬で倒してしまったのだ。左馬介の得意技である連鎖一閃だ。

 

 

(すげぇ、見えなかった…何者だ?こいつ…)

 

「お見事です!左馬介殿!」

 

「ああ、怪我はないか?」

 

 

幻魔の気配が消えると三人は刀を納める。すると斬り殺した足軽の身体が溶け、残骸から魂が出現した。それを見た静音は左馬介から貰った数珠を構え魂を吸収する。

 

 

「これでよし、と」

 

「まさか幻魔までいるとはな」

 

「何故、あの化物がこの山に…?」

 

「な、なあ、いったい何の話をしてるんだ?君はあの化物のことを何か知っているのか?」

 

 

何も知らない村田の疑問はもっともではあるが、のんびり説明している場合ではなかった。簡単に幻魔について説明すると渋々ながらも納得した村田は二人にあることを告げる。

 

 

「そうだ!この先に強力な鬼がいる。二人の隊士が向かったんだが安否が心配だ。二人のことを助けてやってくれないか?」

 

「でも、村田さんは?」

 

「こっちはもう大丈夫だ。鬼に操られてる隊士もいないみたいだし、俺は他の生き残りがいないか調べてみる」

 

「分かりました。どうか気をつけて!」

 

 

こうして村田と別れると教えられた方角に向かって三人は走り出した。向かっている道中でも鬼殺隊の隊士が戦っていたのか辺りに血痕が残っているが静音はある違和感に気付いていた。

 

(おかしい、血痕や日輪刀は落ちてるのに死体が無い?)

 

血痕の跡や死亡した隊士の持ち物や日輪刀は辺りに散乱しているが死体がまったく見当たらなかったのだ。鬼に喰われたにしては血痕の量から見るとそれは考えにくい。憶測ではあるが出た答えは恐らく何者かによって死体を持ち去られたのではないか、という結論に至ったのだ。鬼殺隊の後始末部隊である"隠"は鬼の脅威がある間は現場に近寄らないため彼らが回収したとは考えにくい。

 

 

「誰かが死体を回収してるの…?」

 

「きっと幻魔の仕業だよ!」

 

「え?あいつらは死体も回収するの?」

 

「うん!幻魔は人間を素体に造魔を造るの、つまり人間を幻魔に造り変えるんだよ」

 

「読めたぞ、奴らの狙いは人間の死体だな」

 

 

ここでようやく幻魔の目的が分かってきたのだ。二日前に東京で起こっていた行方不明事件の真相は恐らくこれが真実だ。この時代には確かに幻魔が存在しているが間違って飛ばされたために大した戦力を持っていなかったのだろう。幻魔の目的は人間を拐ってそれを幻魔に変え、密かに戦力を蓄えているのではないか?と予想したのだ。

 

 

「人間を化物に?なんて非道な…!」

 

「大変だよ!このままじゃ幻魔の数がどんどん増えちゃうよ!何とかして止めなくちゃ!」

 

 

幻魔の目的は分かったが今はどうすることもできない。とにかく今は眼前の敵に集中するべきと判断した三人は足を速めた。しばらく森を走っていると三人の前方に巨大な何かが見えた。

 

 

「あれは…鬼!?」

 

 

その大きさは静音がかつて戦った鬼よりもさらに大きく。その全長は三メートルに近く顔はまるで蜘蛛のような形に変形しており、発達した筋肉を持ったかなり大型の鬼だった。しかも右腕で人のような何かの首を掴み上げ今にも握り潰そうとしていたのだ。

 

 

『オレの家族に、近づくなァァァ!!』

 

「俺は死なねぇぇぇぇ!!」

 

鬼に掴まれていたのは何と人間だった。頭に猪の頭皮を被り、上半身には何も身に付けずその鍛え上げられた筋骨隆々の肉体を堂々と見せつけている。咆哮を上げ折れた刀で鬼の頸を突き刺し必死に脱出しようとしているが全く効果がなさそうだ。

 

 

「大変です!あのままでは…!」

 

「でも、ここからじゃもう間に合わないよ!」

 

 

鬼は男の首を握り潰そうと力を込めている。その力に男の喉からみしみしと骨が軋む嫌な音が響き、男は大量に吐血し今にも事切れそうだ。静音たちがいる場所からではどれほど急いでも間に合わない。万事休すかと一同が思っていたが突如、左馬介が二人の前に立った。

 

 

「大丈夫だ。この距離なら届く」

 

「無理ですよ!いくら左馬介殿でも…!」

 

 

すると左馬介は刀を抜く。まさか刀を投げるつもりなのかと静音が驚いていたが次の瞬間、静音はさらに驚く光景を目にしたのだ。

 

 

「斬撃なら…届く」

 

 

左馬介の鬼の籠手の先端にある玉が青白く光ると同時に刀をその光が包み込む。光が収まるとなんと刀はまったく別の形状の武器へと姿を変えていたのだ。

 

 

(嘘…!?刀の形が変わった…!)

 

 

左馬介の刀は空の力を持つ鬼の武器である"空牙刀"に姿を変えていたのだ。刀身が長くなり凄まじい威力の斬撃を飛ばす戦術殻を放つ長太刀だ。

空牙刀を構えると左馬介は鬼の首に狙いを付ける。

 

 

「…むんっ!!」

 

 

空牙刀を全力で振ると同時に刀身から青白く光る大きな斬撃が鬼に向かって放たれた。斬撃は瞬く間に鬼に迫り気付いた時にはすでに鬼の首が宙を舞っていた。

 

 

『ギャウッ!!?』

 

(何だ…?急に鬼の首が飛んだぞ…?)

 

 

鬼に掴まれていた男も解放され首を斬られた鬼も身体が崩れ跡形もなく消え去った。すると残骸からまた赤い色の魂が出現した。

 

 

「やった!さすがは左馬介だね!」

 

「凄い…信じられない」

 

 

気が付くと左馬介の刀はすでに明智拵に戻っていた。三人は急いで襲われていた謎の男に駆け寄る。喉を潰される一歩手前だったのか声が変になっている。そして左馬介は鬼から出現した魂を鬼の籠手に吸収し封印していた。

 

 

「ゴホッ!ゴホッ!クソが…!!」

 

「大丈夫ですかっ!無事でよかった…」

 

「うわぁ…すごい怪我だ。よく助かったね」

 

(何だコイツ…?見たことねぇ格好だな。まさかコイツ、サムライか…!?コイツが鬼を斬ったのか?しかもあんな遠くから?すげぇ、すげぇ!)

 

 

すると謎の男は何故か左馬介の方をじっと見ていた。被り物のせいでよく見えないが彼の目がキラキラと光っているような気がする。

 

 

「じっとしててください。今、手当てを…」

 

「おい!そこのサムライ!!俺と戦え!!」

 

「何?」

 

「…はぁ?」

 

 

満身創痍にも関わらず男は折れた刀で左馬介に勝負を挑もうとしていた。もちろんこんな状態で勝負を挑まれるなど思ってもいなかった左馬介たちは少し呆然としていた。

 

 

「お前はあの十二鬼月を倒した!そのお前に勝てば俺が一番強いってことだ!この嘴平伊之助と戦え!!」

 

「ち、ちょっと動かないでください!そんな傷で動いたら…!」

 

「うるせぇ!!余計なお世話だっ!」

 

 

心配する静音の手を払い除けて伊之助という男は折れた刀を構える。しかしこんな手負いの状態で勝負しても結果は分かっている。こういう好戦的な性格の相手とは幾度なく戦ってきた左馬介はこう返答した。

 

 

「手合わせならいつでも受けてやる。だがその身体では全力が出せないだろう。勝負は後日だ」

 

「そんなもん関係ねぇ!俺は今お前と戦いてぇんだよ!」

 

「ちょっとちょっと!そんな身体で戦えるわけないでしょ!少し頭を冷やしなよ」

 

「ああん?何だテメェは…?ちっこいし弱っちそうだな」

 

「なんだと~!あたいはあんたよりず~っと年上だし、いろんな力を持ってるんだ!馬鹿にしないでよ!」

 

「ハッ!弱味噌は引っ込んでろ!それよりさっさと構えやがれ!!サムライ!」

 

 

何がなんでも左馬介と戦いたいのか伊之助は戦闘準備万端ですぐにでも斬りかかってきそうな雰囲気だ。しかしそんな伊之助を気にせずに静音が言った。

 

 

「左馬介殿!先に行ってください!この人の手当てをしたらすぐに追いつきます!」

 

「ああん!?テメェ何を勝手に…」

 

「もう一人隊士がいるはずです。急いでください!」

 

「分かった。静音、頼む!」

 

「あ!!オイ!待てコラ!」

 

 

伊之助の言葉を無視して左馬介と阿児は残りのもう一人の隊士を救うために森の奥へと走って行った。急いで後を追おうとする伊之助の腕を静音が強く掴んだ。

 

 

「テメェ!!このクソメスが!勝手なこと言いやが…」

 

「うるさーいっ!!動くなって言ってるでしょっ!!」

 

「……」

 

 

凄まじい静音の怒号とその険しい表情に怖いもの知らずの伊之助も口を閉じる。それほどまでに静音が怒ると怖いのだ。もちろん普段は礼儀正しく優しい彼女がここまで怒るのは伊之助の怪我を心から心配しているからだ。

 

 

「手当てするからじっとしてなさい!!それ以上大声を出すと本当に喋れなくなっちゃうわよ!!少しは自分の身体のことを考えなさいよ!!」

 

「……お、おう」

 

 

するとあれだけ暴れていた伊之助が急に大人しくなった。てきぱきと手を動かし伊之助に今できる限りの応急処置を施していく。しかし静音がこの場に残ったのは伊之助の手当てだけが目的ではなかった。

 

 

(かと言って私も人のことを偉そうに言えないけど…)

 

 

そう、これまで我慢していた肋骨の痛みが再びぶり返してきたのだ。実は治療を受けた時、しのぶから少なくとも一ヶ月は安静にしていなければ駄目だと念押しされていたのたのだが、それを破って無理矢理任務に参加したことが原因で静音の傷も悪化していたのだ。この激痛ではとてもではないが鬼と戦うのは無理だと判断した静音はやむを得ずこの場に残ったのだ。

 

 

(足手まといにはならないって言ったのに情けないよ…すみません、左馬介殿…)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

・数分後 那多蜘蛛山

 

 

静音と別れた左馬介と阿児はひたすら森の先を進んでいた。もう一人の隊士を救うために少しでも速くたどり着こうと走行速度を上げる。すると二人の眼前にある光景が目に見えた。

 

 

「人を喰った鬼に情けをかけるな」

 

「足をどけてください。醜い化物なんかじゃない、鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ!」

 

 

見ると二人の鬼殺隊の隊士が喋っている。片方は倒れていて重傷のようだがもう片方の隊士は無傷で余裕そうに立っている。何やら話をしているようだが、どうやら倒れている隊士が例の隊員なのだろう。無事に仲間に救助され事なきを得たのだと思った二人は安堵しこっそりその場から立ち去ろうとするが…

 

 

「…!誰だ…!」

 

「どうした?」

 

「そこの大木の裏に…鬼がいます!」

 

 

どうやら倒れていた隊士はかなり鼻が利くようで陰から見守っていた左馬介の位置をすぐに察知し、そればかりか鬼であることも見抜いたのだ。もう一人の隊士が刀に手をかけ隠れている左馬介に声をかける。

 

 

「…出てこい。隠れても無駄だ」

 

(左馬介…!バレてるよ!どうするの?)

 

(…仕方ない)

 

 

もう隠し通せないと判断した二人は大人しく木の裏から姿を現した。左馬介と阿児の姿を見た隊士の二人は見かけないその風貌に驚いていた。

 

 

(確かに鬼だけど…邪気を感じない…?それに穏やかでいて火のように熱い…そんな匂いだ)

 

(…侍?鬼のようだが…妙な奴だ)

 

「お前たちと争うつもりは無い。見逃してくれるのならすぐに立ち去ろう」

 

「…悪いが、それは聞けないな」

 

 

そう言った瞬間、もう片方の男が左馬介に斬りかかる。その目にも止まらぬ速さに左馬介は驚き、何とか刀を抜き男の一太刀を防ぐ。

 

 

(…!止められた)

 

(速い…かなりの使い手だな)

 

 

その後、お互いは再び睨み合う。

しかし静音の言ったように鬼殺隊士に危害を加えれば人喰い鬼だと勘違いされて追われることになる。これほどの剣士を相手に手加減できないと考えた左馬介は自分に敵意がないことを伝えようとする。

 

 

「待て!俺は鬼だが人は喰わん!」

 

「そうだよ!左馬介は人を襲ったりしないよ!」

 

「…信じられんな、鬼はそうやって騙し、人を喰らう」

 

 

左馬介と阿児がどれだけ言葉を投げ掛けても男は聞く耳を持たない。やはり彼らとまともに会話することは出来ないと判断した左馬介はその場から逃げようとするがこれほど手練れの剣士を相手にうかつ背を見せては危険だ。

 

 

(どうする?手加減すればこちらがやられるな…)

 

 

「冨岡さん!待ってください!その鬼、やっぱり変です…!殺気を感じません!」

 

「騙されるな、油断すれば喰われるぞ」

 

 

倒れていた隊士の発言も気にせずに冨岡という男は警戒を解こうとしない。もはや戦いは避けられないと判断した左馬介は刀を峰に変えて構える。

 

 

「仕方ない、相手になろう」

 

「峰打ちか…甘く見られたものだ」

 

 

それと同時に戦闘が始まった。最初に仕掛けたのは冨岡で普通の攻撃手段が効かないと判断した彼は水の呼吸の構えを取る。

 

 

(水の呼吸、肆ノ型・打ち潮(うちしお)…)

 

 

水の呼吸の技である打ち潮を左馬介に対して放った。淀みない高速の動きで接近し左馬介の首を狙って攻撃を仕掛ける。

 

 

「くっ!!」

 

 

左馬介はなんとか冨岡の技を見切ると刀で受け止める。再び技を止められた冨岡は驚いていたが、すかさず連続で左馬介に攻撃を繰り出した。全力を出せず防戦一方の左馬介だったが冨岡の高速の攻撃は一度も左馬介に当たっていなかった。あの冨岡の速さに左馬介の目と身体が追い付いており、彼ほどの速さを持ってしても左馬介の防御を全く崩せないのだ。

 

 

(強い…まさか十二鬼月の上弦か…!?)

 

(手強いな、これほどの剣士がこの時代にいたとは)

 

 

二人の達人による凄まじい剣撃によってあちこちで刀と刀がぶつかり火花が飛び散る。その勝負にもう一人の隊士は目を奪われて呆然としていた。その時、別の方向から近づいてくる新たな殺気に彼が気づいた。

 

 

(何だ…?何かこっちに…!)

 

 

隊士に何かが高速で近付いてくる。それは人影で刀を持っており狙いは隊士の腕の中で倒れていた少女だった。冨岡もその気配に気付き突如、左馬介との戦いを放棄しその隊士の元へ向かった。

そして何者からの攻撃から隊士を守ったのだ。

 

 

「あら?」

 

「……」

 

 

攻撃を防がれた驚いたその人物は回転しながら着地する。なんと現れたのはかつて静音を救った鬼殺隊の蟲柱・胡蝶しのぶだった。相変わらずにこにこと微笑んでいるが今回は目が笑っていない。

 

 

「どうして邪魔するんですか?冨岡さん」

 

「……」

 

「そんなだから、みんなに嫌われるんですよ?」

 

 

どうやらしのぶはもう一人の隊士の側にいる少女を斬ろうとしているようだ。理由は分からないが冨岡はあの少女を守ろうとしているように見えた。

 

 

「さぁ冨岡さん、どいてくださいね」

 

「…俺は嫌われていない」

 

 

それを聞いた隊士としのぶが何とも言えない表情をしている。彼の人柄を詳しく知らない左馬介と阿児は反応できなかったがそんなやり取りを見ていた阿児がこっそり呟いた。

 

 

(あの子、相当嫌われてるんだね…普通あんなにハッキリと言うかなあ)

 

「あぁ、それ…すみません。嫌われてる自覚がなかったんですね、余計なことを言ってしまって申し訳ないです」

 

「……!」

 

「えぇぇぇ!!?」

 

 

しかしこれは左馬介にとっては好機だった。彼らが争っている隙に自分は密かに立ち去ろうと考えた左馬介と阿児はゆっくりと後退り少しずつその場から退散しようとする。

 

 

「…動けるか?」

 

「冨岡さん…」

 

「動けなくても根性で動け、妹を連れて逃げろ」

 

「すみません!ありがとうございます!」

 

 

すると隊士が妹を抱えると近くにあった木箱を手に持ち、全速力でその場から逃げて行った。

 

 

「これ…隊律違反なのでは?」

 

「話は後だ、それよりもそこの鬼を斬るぞ」

 

「…え?」

 

 

こっそりと退散しようとしていた左馬介と二人の目が合う。しのぶもどうやら左馬介が鬼であると勘づいたようだ。

 

 

「へぇ…まだ鬼がいたんですね」

 

「気を付けろ…奴はかなり強い。十二鬼月の上弦である可能性が高い」

 

「…協力しますけど、さっきの件は後でちゃんと聞かせてもらいますよ?」

 

 

そう言うとしのぶも日輪刀を構える。一方の左馬介はかなり不利な状況に陥っていた。ただでさえ手強い冨岡に加え、柱の剣士であるしのぶまでもが加勢してきたのだ。これではとても手を抜いている余裕はない。

 

 

「わわ…左馬介、ど、どうしよう!?」

 

「まずい状況だな…」

 

「早く逃げなきゃ!」

 

「これほどの手練れを相手に撒くのは難しい」

 

「じゃあ、どうするの!?」

 

「…こちらもやられる訳にはいかん。悪いが全力でいくぞ」

 

 

左馬介はついに刀を峰から戻し戦闘態勢に入る。二対一という不利な状況ではあるが左馬介はまったく動じていない。一方の冨岡としのぶもここで左馬介を倒そうと本気だった。

 

そして最初に動いたのはしのぶだ。

 

 

「…いきますよ」

 

「…ぐっ!!」

 

 

左馬介はしのぶの太刀筋の速さに驚いていた。冨岡も速かったがしのぶはそれよりもさらに速いのだ。受け止めたと思ったら今度は背後から冨岡が斬りかかってくる。しかし、その動きを読んでいた左馬介はしのぶを素早く押し返し冨岡の一撃を防ぐ。

 

 

(この女も強い…!)

 

 

しかも先ほどは仲が悪そうに見えたが戦闘では抜群の連携を見せていた。左馬介の隙を突き、次々と技を繰り出してくる。中でもしのぶの技は確実に回避するようにしていた。その理由は…

 

 

(毒か…厄介だな)

 

 

しのぶの日輪刀に毒が仕込まれていることに左馬介は瞬時に気付いたのだ。恐らくかすっただけでも致命傷になるため決して食らう訳にはいかなかった。このままでは不利だと悟った左馬介は戦闘スタイルを変更する。

 

再び左馬介の鬼の籠手が黄色に光ると刀が光に包まれる。それと同時に刀を両手で一度持って離すと光が分裂し両手に光が残る。光が収まると両手には二本の刀、天の力を持つ鬼の武器・天双刃に姿を変えていた。天の如き速さと力を宿して敵を斬り裂く戦術殻を放つ双刀だ。

 

 

(刀が変わった…?)

 

(驚いたわ、こんな鬼は初めて…!)

 

 

天双刃の長所は攻撃の手数の多さだ。二刀流も使いこなす左馬介は構えを変え迎撃態勢に入る。左馬介の型が変わったことに驚いたしのぶと冨岡だが焦ることなく再び攻撃を再開する。しかし、優勢だった先ほどとは違って今度は一進一退の攻防になっていた。

 

 

(くっ、攻撃が当たらない…!)

 

(俺たちを相手にここまでとは、一体何者だ…?)

 

 

二対一にも関わらず左馬介は左右の天双刃を巧みに操り二人の攻撃をひたすら捌き続ける。攻めるも守るも可能な攻防一体の剣技こそが天双刃の真髄なのだ。

 

 

(妙だな…なぜ反撃してこない)

 

 

戦っていた冨岡は左馬介の戦い方に違和感を感じていた。確かに左馬介は冨岡としのぶの攻撃を凌いでいるが自分からは決して攻撃してこないのだ。こんな状況にも関わらず左馬介は二人を傷つけないように守りに徹し反撃を封じていたのだ。しばらくの攻防の後、両者は一度距離を取り睨み合う。

 

その時、どこからともなく謎の剣が一本飛んで来た。その剣は三人の近くの地面に突き刺さった。

 

 

「…何だ?」

 

「誰ですか?」

 

「……?」

 

 

三人の視線が突き刺さった剣に集中する。すると今度は上空から何者かが剣に向かって落下してくる。何者かは刺さった剣の柄へ見事に着地し器用なことにそのままの体勢で三人に向かってお辞儀をすると高らかに言い放つ。

 

 

「ハッハハハ!!お待たせしました、諸君!!」

 

 

その人物は剣から着地しゆっくりと三人に近付いてくる。そんな彼の風貌は青白い肌に毛先の赤い白髪、そして口元から下は赤く染まっていた。黒いマントと禍々しい形をした白い鎧を身にまとった姿は西洋の騎士を思わせる。しかしその姿は人型ではあるが決して人間には見えなかった。

 

 

「誰だ貴様は?」

 

「よくぞ聞いてくれました!」

 

 

その台詞を待っていた、とばかりに謎の人物は珍妙なポーズを決めながら名乗りを上げた。

 

 

「拙者の名前は……ゴーガンダンテス!!幻魔界最高の剣士!!」

 

 

「「「………」」」

 

「うわぁ…ダサい…」

 

 

 

決まった!とばかりにドヤ顔をしているダンテスという男に対してどう反応すればいいのか分からない三人は困った表情で唖然としていた。阿児の最後のダメ出しもダンテスと言う男はまったく気にしていないようだ。

 

 

「何なんですか?あなたは…」

 

「この辺りが騒がしいと思って来てみれば、なんという巡り合わせか拙者が探していた男とこうも早く出会うことができるとは…!」

 

 

するとダンテスは左馬介を指差す。

 

 

「明智左馬介!! 我らが王""幻魔王フォーティンブラス"を倒し"その後継者だった信長"を封印した"伝説の赤き鬼武者"!!会いたかったぞ!好敵手に出会えて私も、私の剣も喜びで震えています!!」

 

「貴様、幻魔か?」

 

「ええ、そうです。私は一度死んだ身ですが、ある人物によってこの世に再び甦ったのです!」

 

「ある人物?」

 

「その者はこの世界の支配を狙っている。すべては幻魔の世を築くという野望のため…私は多くの幻魔の中から選ばれた戦士ということです」

 

「何!」

 

 

まったく二人の話について行けない冨岡としのぶは完全に蚊帳の外状態だ。しびれを切らしたしのぶが思わずダンテスに言葉をかける。

 

 

「…すみませんけど、私たち大切な任務の途中なんです。今日は帰ってくれませんか?」

 

「いえいえ、そうはいきません。これほどの強者を相手に何もせずに立ち去るなど失礼でしょう」

 

「…言い方が悪かったようですね。さっさと消えてください」

 

「ふふ、随分と強気なお嬢さんだ。腹を立てては可愛い顔が台無しですよ?」

 

「……(ぶちっ)」

 

 

ダンテスのその一言に激怒したしのぶは凄まじい速さでダンテスに斬りかかる。しかし次の瞬間、信じられないような出来事が起こった。

 

 

「…なっ!!?」

 

「ほお、なかなか素早い太刀筋ですね。女性にしてはお見事です。しかし私にはまだまだ及びませんね」

 

 

なんとダンテスはしのぶの日輪刀を指で挟んで受け止めていたのだ。そして挟んでいるしのぶの刀をダンテスは優しく手離す。

 

 

「そこで見ていてください。私とこの鬼武者の熱き勝負を!」

 

(…嘘…!こんな奴に…私の技が…!!)

 

(胡蝶の技を手で受け止めただと…!)

 

 

おかしな言動や仕草とは裏腹にこのダンテスという男はしのぶや冨岡の実力を上回る剣豪であり、彼の謳い文句である"幻魔界最高の剣士"の名は決して伊達ではないのだ。するとダンテスは剣を構え左馬介の前に立つ。

 

 

「ではでは、行きますよ!!」

 

「……!」

 

 

先に動いたのはダンテスで左馬介に向かって突きを繰り出す。その技の速さに驚いた左馬介はぎりぎりで突きを防御するがダンテスの技の強さと重さに少し後ろに後退させられる。休む暇も与えずにダンテスは次々と連続攻撃を仕掛けていく。

 

 

キィィン!ガギィイン!!

 

 

「ハイッ!それ!」

 

「…ぐっ!?ぬぅ!!」

 

 

しかし左馬介も負けていない。天双刃で防御を固めつつ反撃の機会を狙っていた。先ほどまでは防戦一方だった左馬介がようやく攻撃体勢に切り替え、ダンテスに反撃していく。激しい剣の打ち合いに剣と剣がぶつかる大きな音が響き渡る。両者ともに一歩も譲らず決着の行方はまったく分からない。

 

その時、森の中にある大声が響き渡った。

 

 

『伝令!!伝令!!カァァ!!炭治郎・禰豆子、両名ヲ拘束!本部へ連レ帰ルベシ!!』

 

「…!」

 

「…おっと」

 

 

声の主はどうやら鎹鴉のようだ。

その声を聞いた瞬間、二人は距離を取って睨み合う。するとダンテスが何故か剣を降ろした。

 

 

「…見事だ。拙者の好敵手にふさわしき腕前!今日はここまでにしましょう。先ほどはまだ小手調べ…次にお前と戦う時を楽しみにしているぞ!さらばだ!左馬介!!」

 

 

そう言うとダンテスは素早く飛び立ち瞬く間に森の彼方へ消え去った。しかし残された左馬介は再び冨岡としのぶに囲まれていた。だがあれだけの激戦を戦い抜いても左馬介はまだ息一つ切らしていない。

 

 

「どうします?冨岡さん、応援を呼びますか?」

 

「いや…俺たちで仕留めるぞ」

 

 

この鬼を見逃しては危険だと判断した二人はどんな手段を使っても左馬介を討ち取る気のようだ。左馬介もまた迎え撃とうと構える。二人が左馬介に斬りかかろうとした時…

 

 

「二人とも待ってくださいっ!!」

 

「……?」

 

「刀を納めてください!その人は敵ではありません!」

 

 

三人の元にやって来たのは伊之助の手当てを終え、大急ぎで左馬介の後を追ってきた静音だった。全力疾走で走って来たからなのか静音は息絶え絶えで苦しそうな表情をしていた。

 

 

「ぜぇ…ぜぇ…やっと…追い付きました…」

 

「静音、あの男は無事か?」

 

「は、はい…伊之助なら"隠"の人たちが回収しました。きっと大丈夫です」

 

「そうか、それはよかった」

 

「…あら?あなたは」

 

「……あ」

 

 

まさかこんな所にしのぶがいるとは思っていなかったのか静音の顔がどんどん青ざめていく。実はしのぶから傷が治るまで町の治療所で待機するよう静音に命じていたのだが、静音は左馬介との合流と任務を優先して現場へと向かったのだ。そんな静音にしのぶは笑いながらゆっくりと近付いていく。

 

 

「伊角さん?診療所で寝ているはずのあなたが何故ここにいるんですか?」

 

「…こ、これは…そ、その…」

 

「私、あなたに言いましたよね?短くても一月は安静にしていろと」

 

 

笑顔だが目が笑っていない。どうやら本気で怒っているようだ。

 

 

「それに、そこの鬼の侍とも知り合いのようですね?」

 

「……」

 

「…ちょっとこっちでお話しましょうか」

 

(あ…これ死んだ…)

 

 

涙目でガタガタと震える静音をしのぶが連行していく。そんな一部始終を見ていた左馬介と阿児、そして冨岡は言葉を失っていた。

こうして那多蜘蛛山での事件は終わりを迎えたのであった。

 

 

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・ゴーガンダンテス

 

イメージCV:浜田賢二さん

 

年齢:不明

 

一人称:私(または拙者)

 

好きなもの:自分の名乗り、強者との勝負

 

鬼武者の登場人物。十万分の一で産まれる非常に高い知能と戦闘能力を持つ高等幻魔の一人。好戦的で狂暴な幻魔たちが多い中でも珍しく紳士然とした立ち振舞いを見せる一方で重度のナルシスト。騎士道精神を重んじ、姑息な手段を使わず正々堂々と挑む生粋の戦士でもある。女性に対しても紳士的で、時には敵であっても危機を救うことがあるほど。相手の前に現れては珍妙なポーズを決めながら意気揚々と名乗りを挙げるのがお約束。しかし自身の謳い文句である「幻魔界最高の剣士」の名に恥じぬ実力を持つ剣豪で、かつて鬼ヶ島にいた鬼の一族を僅かな配下と共に全滅させた戦いぶりが人間によって伝えられ"桃太郎"として語り継がれたほど。

 

 

この世界に来た幻魔の黒幕によって再び現世に甦り、まだ見ぬ強者との勝負を楽しみにしている。左馬介と邂逅した際にはその強さを認め彼を好敵手と呼んでいる。

 

※鬼武者2の登場人物で主人公である柳生十兵衛と三度と戦い、彼を大いに苦しめた強敵。

 

 

○武器

 

・幻魔刀「鬼殺し」

 

ダンテスの愛用の長剣。幻魔によって鍛えられた業物で鬼をも容易く両断する切れ味を持つ。刀身は黄色で常に発光している。

 

 

○防具

 

・「絶対防御」の防御術

 

ダンテスが独自で編み出した防御術。自身の周りに障壁(バリアー)を展開しあらゆる相手の攻撃を無力化・遮断する。しかし一瞬だけ障壁が解ける瞬間があり完全無欠というわけではない。"破魔の笛"という特殊な道具によってのみ効果を打ち消せる。

 

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