旅人はどこかズレている   作:歩みを止めた旅人

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ストーリーの続きとかも書きたいけど昨日がアレだったんで季節のイベントにちなんで書いてます。


2月16日16時台
日刊ランキング13位!?
ありがとうございます!!!


旅ズレ短編集 そのさん

《季節のイベント》

《そのいち お年玉》

 

 

「お年玉、ですか?」

璃月港のとある場所で旅人はそんな言葉を発した。

「あぁ、お前には色々と世話になったからな。年も明けたしこう言った形で礼をと思ってな」

「先生もこう言ってる事だし遠慮なく受け取ってあげなよ。俺もあげるからさ」

2人の発言に旅人は目を丸くした。

「え?タルタリヤ(鍾離先生のお財布)だけでなく鍾離先生からも貰えるの!? 大丈夫? タルタリヤのお財布破産しない?」

「相棒は俺からいくら貰うつもりなのかな?」

あとへんなルビが見えたぞ?とツッコミを入れつつ金貨袋を手渡す公子(タルタリヤ)。旅人はその重みからおおよその金額(10万モラくらいかなぁ)を計算していたが、口に出すのも野暮なので一言お礼を言ってポケット(アイテムボックス)に仕舞い込んだ。

「旅人、俺からはこれだ」

「鍾離先生もありがとうござ......ってあれ?」

鍾離から袋を受け取った旅人はその軽さに首を傾げる。中身がないのだ。内心でお財布(タルタリヤ)のことを考えつつ鍾離を見上げる。

「鍾離先生、あの...」

「幾ら欲しい?」

その言葉を聞いて旅人は硬直した。そうだ、彼は岩王帝君だ。モラを作り出すなんて造作もないことだ。軽い口調で聞かれたとはいえ今からもらえるお金は謂わばから貰えるお金な訳で...

「遠慮するな、言い値を出そう」

「せ、先生。外の世界にも同じような文化がありましてね?」

旅人は必死に説明した。身振り手振りまで入れ全力で、普段なら知ったことかと投げ捨てる常識を。大人から子供に渡す適正金額とは。

そして、

「10,000モラ、これだけでいいのか?別に俺はもっ「いいえ!先生から貰えると言う事実だけでも十分です!ご自身が何者なのかを理解してください!」そ、そうか」

鍾離から貰った袋にお金が入ると旅人は袋の口をしっかりと閉じアイテムボックスのコレクション類に大事そうにしまった。

 

 

 

 

 

《そのに バレンタイン》

 

 

「やあ旅人!ボクだよ!明日はなんの日か知ってるかい!?」

「ウェンティ?どうしたの?テンション高過ぎない?酔った?」

出会い頭に急にテンションMAXで話しかけてきたウェンティと困惑顔の旅人。明日はなんの日か、明日?えっと、今日は2月の13日だから...

「2月の14日、煮干の日*1だね」

「旅人!?」

「あれ?違った?じゃあふんどしの日*2?」

「ちょっと!?」

期待の眼差しで見るウェンティに対して同日の記念日で返す旅人。痺れを切らしたウェンティはたまらず叫ぶ。

「違うでしょ!明日はバレンタインデー!女性が男性にチョコを配る日!!」

「...この間のお年玉といいバレンタインといいどうやってテイワットに流れてきたんだ?」

別の世界のイベントに対して全力なウェンティを見て旅人は頭を抱えた。よくよく考えたら今日街でみた男性は皆ソワソワしていたように見える。旅人は溜息を一つ吐き、いいですか?と前置きをしてウェンティに説明をした。

「バレンタインデーというのは本来別世界のイベントで、とある宗教の司祭ウァレンティヌス(バレンタイン)が処刑された日です。かつて愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で兵士たちの婚姻を禁止した皇帝がいて、その事で悲しんでいた兵士たちを憐れみ内緒で結婚式をあげていたのがウァレンティヌス。そのことに怒った皇帝から2度とするなと命令されたにもかかわらず彼は毅然として命令に屈しなかった為、最終的に処刑されました。処刑日の2月14日はとある女神の祝日であり翌日の祭りや、彼自身の行ってきたことをとって恋人たちの日となったのが一般論。そして長い年月が経ち、男性も女性も花やカードなどの贈り物を親しい人や恋人に贈る日となりましたとさ」

「そ、そうなんだ」

「ちなみに女性が男性にチョコレートを贈るって言う文化は同じ世界のとある島国で生まれたもので時を経て『告白用』の本命チョコ、『恋人までは行かないが良き友人として』贈る義理チョコ、『同性(主に女性同士)』で贈り合う友チョコ、『自分用』の自己チョコなどさまざまな派生があるよ」

「へ、へぇ...」

旅人のかなり詳しい説明により若干引き気味なウェンティ。そんな彼を気にすることなく旅人は言葉を紡ぐ。

「この世界に流れてきたバレンタインはおそらくその島国発祥の文化かな?そうなると来月の14日はホワイトデーだね?バレンタインデーに贈り物をもらった男性は、お返しは3倍にして渡すものだって聞いたことがあるよ?」

風神様の3倍返しってどれくらい凄いのかな?と笑う旅人にウェンティは力なく笑った。

 

 

ーーー翌日ーーー

 

 

璃月港の街中を散歩していた公子は後ろから誰かが近づいていることに気がついた。振り返るとそこには息を切らした旅人がいた。

「おや?相棒じゃないか、どうしたんだい?そんなに息を切らして」

「タ、タルタリヤ!こ、これあげる!じ、じゃあね!!」

旅人は早口に捲し立てると公子に袋を手渡し足早に去っていった。公子は暫く唖然としていたが何かに気付いたのか小さく笑った。

「なるほど、今日はそうだったね」

今日は2月14日、どこからか流れ込んできた異国の文化、女性が気のある異性にチョコレートを贈る日だとか。旅人の顔が少し赤かったのは走ってきたからか、それとも?

「ハハ♪それにしてもあの旅人がねぇ...」

悪戯っぽく笑いながら公子は袋を開け中を見て、そして固まった。中に入っていたのは一枚の手紙、

"今日は女性から男性に贈り物(・・・)を贈る日、贈り物をもらった男性は来月に3倍にしてお返しをすると聞いたので..."

と袋いっぱいの金貨(モラ)だった。

公子は暫く固まっていたが、やがて笑顔のまま走り出した。

 

 

旅人が逃げた方角へ。

 

 

「相棒ぅぅぅ!ちょっとお話しようかぁ!!!」

 

 

 

 

 

《ここからはいつもの短編》

《なんとか天君》

 

望舒旅館の近くで邪気を纏ったヒルチャールを見かけた旅人たち、近くでどこかでみたことのある札を使ってヒルチャールを追い払う仮面を被った人を見つけた。

「礼には及ばぬ。魔を退治し世を救うは仙人の本分、言及する価値もなし...」

仙人を名乗る男性に対し旅人とパイモンは名乗る。

「なるほど、では吾輩も名乗るのが礼儀であろう。ゴホンッ...吾輩は "掇星攫辰天君(たつせいかくしんてんくん)" 、信者たちには "星辰天君" と呼ばれている。世を救うため下界に降りてきた。ここで会ったのも何かの縁、願いがあるなら吾輩に言ってみるがいい」

願いを叶えると言う言葉に驚くパイモン、無理もない。いままで出会ってきた仙人は先の魔人戦で大暴れしたし降魔大聖である魈は言わずもがな、半仙である甘雨もその戦闘能力は高い。パイモンの中で仙人とは、荒事を得意とする奴となっていた。

そんなパイモンを見ていた旅人だったがやがて後ろを振り返ると一言。

「だ、そうですよ?みなさん」

旅人が振り返った先にいたのは...

「あんな仙人いたかしら?」

訝しげになんとか天君を見つめる璃月七星の1人、刻晴と

「ほう...」

俺の知らない新しい仙人かと興味を抱く往生堂の客卿、鍾離(岩王帝君)と

「「......」」

なんとか天君を睨みつける半仙の甘雨と降魔大聖の魈がいた。

 

*1
に(2)ぼ(棒、つまり1)し(4)

*2
ふん(2)ど(10)し(4)




昨日がバレンタインだったのと、原神の公式Twitterなどでバレンタインネタがあったので乗っかってみました。
と言うか今回のネタはTwitterばっかりだな。
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