旅人はどこかズレている   作:歩みを止めた旅人

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事あるごとに非常食扱いされるパイモン。
だって手頃なサイズでモチモチしてて美味しそうだもん、仕方ないよね!

ところでパイモンって某ゲームだと瓶詰めにできそうなサイズだよね?


旅人と非常食

ここはテイワット大陸最大の貿易港にして岩神の治めていた土地、契約と商人の国"璃月"。活気あふれる街の中を旅人は非常食(パイモン)と歩いていた。

「...今、かなり失礼な呼び方された気がするぞ?」

「...ん?気のせいじゃない?」

パイモンの疑問をさらりと受け流す旅人。勘の良い非常食め。

「それにしても璃月にくるのは久しぶりだな!鍾離と塩の魔人の遺跡を探検した時以来じゃないか?」

「そうだね、伝説任務以来かな?」

「伝説任務ってなんだ?」

「あぁ、ごめん。ちょっと変な電波拾ったみたい」

旅人、認識は間違ってないがそれは我々(プレイヤー)の目線だ。

話を戻そう。旅人は街の中を歩き、一軒の店を目指していた。そこにいたのは、

「あ!旅人だ!久しぶりー!なになに?ウチの料理を食べに来てくれたの?嬉しいなぁ!いいよ、ちょっと待っててね?今少し取り込み中なんだ」

「旅人か、済まないが少し手を貸してくれないか?どうにも動けないんだ」

万民堂の厨房内でくるくると回り続ける若き料理人"香菱(シャンリン)"と何故か同じように回り続ける往生堂の客卿(かくけい)"鍾離"がいた。

「わぁ、珍しい組み合わせ。ところで、2人して何やってるの?」

「あのね、厨房に例のアレが出たからさ?退治しようとしたんだけど隙間とかに隠れるもんだから槍でこう、ね?」

「高所から攻めれば或いはと思ってな、2人して試してみたらこの通りだ」

くるくる回転しながら説明する2人を見て旅人は頭を抱えた。落下攻撃をした際に何かの隙間に嵌ってしまい、身動きが取れなくなってしまうことがある。あまり頻繁に起こることではないのだが、2人に起こっているのはまさしくソレだ。

旅人は近くのマーカーの位置を頭に思い浮かべながら2人に近づく。

「今助けるから、ちょっと槍に触れるよ?」

そう言うと旅人は2人の槍を思いっきり掴んだ。そして、

 

 

 

 

 

ココナッツヒツジ

伝説の半仙の獣

 

ーーーーーー原神tipsーーーーーー

 

 

 

 

 

街中にあるマーカーの場所へと転移した。

「はい、これでもう大丈夫だよ」

「ありがとう旅人!転移すればよかったんだね!」

「転移か、なるほどそれなら確かに先程のスタックから抜け出すことができるだろう......しかし忘れていた」

香菱は旅人に礼を言い、鍾離は何やらメタいことを呟いている。3人は改めて万民堂に戻った。

「ところで旅人はどうしてウチに来たの?」

「たまたま近くで依頼を受けていてね?敵が強くてコレの中身が空になっちゃったからさ、冒険者協会への報告帰りにちょっとここで料理の補充をさせてもらえないかと思って」

そう言って旅人は三○式•携帯式栄養袋をヒラヒラと振る。この栄養袋は中に料理を詰め込むことができ、戦闘中でも即座に回復、復活ができるようになる便利アイテムである。

「いいよー、何作るの?」

「食材だけは集めてきたから、とりあえず最初に鶏肉のスイートフラワー漬け焼きを...100個、次に松茸の肉巻きを100個、キノコピザを50個に四方平和を60個かな」

「ちょっと待って流石に多くない?」

旅人の口から出た料理の量に香菱は思わず突っ込んでしまった。なにせ旅人の見せた栄養袋は、腰に付けられかつ動きの邪魔にならない程度の大きさであり、そこにそれだけの量が入り切るとはとても思わなかったからだ。

旅人は料理の手を止めずに答える。

「栄養袋に入れるのはあくまで1種類だよ?それでも足りないかもしれないから作っとかないと」

「入りきらないほかの料理はどうするのさ?」

「それはほら、こうやってアイテムリストに...」

香菱の目の前で起こるとんでもない現象に彼女は空いた口が塞がらなかった。目の前でありえない速度で料理をする旅人、そして出来上がる大量の料理(何故かすでに皿に盛られている)、そして瞬時に謎の空間に収納されていく料理たち。それらはほんの数秒の間に行われた。

瞬く間に大量の料理を終わらせた旅人は一息つくと、パイモンを掴んで弄び始めた。

「オイ!コラ旅人!急にオイラを掴むな!顔を揉むな!涎を垂らすなぁぁぁぁ!」

「今作った料理だって公子や犬ころ(アンドリアス)と遊んだらすぐに無くなるんだからね、そしたら最後は君だよ?非常食(パイモン)ちゃん」

「だからオイラは非常食じゃないって言ってるだろおおおおおお!!!!」

揶揄う旅人とキレるパイモン、そんなやりとりを微笑ましく見ていた香菱だが、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。

「ところで、旅人はよくパイモンちゃんのことを非常食扱いしてるけど、なんで?」

「それオイラも聞きたいぞ、何か理由があるのか?」

途端、旅人の纏う雰囲気が変わった。

「何故...か、これは他の世界を旅してるときの話なんだけどね?」

そう言うと旅人は話し始める。とある世界を旅しているときに遭難したことがあるらしい。食料も底を尽き何か食べる物はないかと必死になって鞄の中を漁ると、あるものを見つけた。瓶詰めにされた幽霊である。

「たまたま知り合った勇者様に教えてもらったことなんだけどね?その世界の瓶って結構いろんなものを詰めることができるの。それこそクレーちゃんや七七ちゃんくらいのサイズを瓶詰めにできるくらいにはね」

風取りの瓶を取り出し"これくらいのサイズなのにねー"と笑う旅人。その世界の幽霊は倒すと瓶に詰め込むことができ、飲むことで体力の回復、もしくはダメージを負うのだが、どちらにしてもお腹は膨れる。

「パイモンってさ、ちょうどいいサイズなんだよね?その幽霊と同じで...」

瓶に詰めたら飲めそう、そう言うと旅人はパイモンから顔を逸らしジュルリと口元を拭った。

「...なーんてね、冗談だよパイモン♪...ってあれ?」

「全力で逃げ出したね」

「パイモン!冗談!冗談だって!」

パイモンがどこかへ行ってしまったことに気づくと旅人は慌てたようにパイモンを追いかけていった。

万民堂には香菱と、いつの間にか食事を再開している鍾離の2人だけが残された。

 

 

その後旅人はパイモンに許してもらえるまで2日かかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで鍾離さん、さっきの旅人の話はどう思う?」

「そうだな、風じ...モンドで知り合った吟遊詩人に聞いたのだが、旅人の異世界の話は信じられないことが多々あるがどれも実際にある事らしい。目の前で再現されたら信じるしかないとのことだ」

「へー、再現ねぇ............再現!?」

 




旅人「ちなみに瓶詰め幽霊はとある場所で買い取ってもらえたりもするんだよ」

ほんとあの瓶ってなんでも詰められるよね!
ミルクとか妖精とか幽霊とかお姫様とか...
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