旅人はどこかズレている 作:歩みを止めた旅人
それはそうとパイモンの異世界夢物語第2弾です。
コロナと仕事のせいでモチベ上がらないがなんとか形にできたよ。
パイモンが目を覚ますと、そこはまたしても扉の世界だった。
「おいおい、またこの扉の夢か?次はどこに行けばいいんだ?」
周囲を見渡せば前回も見た色も形も材質もさまざまな扉が無数に点在している。その中に一つだけ板が打ち付けられ封じれている扉がある。パイモンはその扉に見覚えがあった。デミ子と名乗る冒険者と出会った世界の扉だ。
「一度入った世界には行けなくなるのか?それはそれで寂しいな」
だからといってまた同じ場所に出たりしても大変だ。2度目も同じ方法で帰れるとも限らない。しばらく周囲を飛び回っていると、扉...と言うよりかは石のアーチのようなものを見つけた。アーチの向こう側はこの暗い世界ではなくどこか明るい不思議な場所と繋がっているようだ。パイモンはそのアーチをくぐると途端に意識が遠のいていく。意識を失う直前見えたのは綺麗な海と複数ある石のアーチだった。
目が覚めると、そこは小さな島だった。
「んん、ここは...どこなんだ?」
周りは海に囲まれ、どこまでも続く青い空、小さな池と穴の空いた岩肌、石のアーチ、そして、
「ぷー、ぱー」
「ぽー!ぷぇー!」
「ぷわわわわ」
「うわぁ!なんだ!?なんだオマエら!」
「「「ぽっぺー!」」」
パイモンを取り囲む人?否、人に似た何かである。白い髪に丸いお面、背丈はバラバラだが茶色いマントを纏っている。髪型こそ違えと似たような見た目、茶色いマント、好奇心旺盛な動きはどことなく雀を連想させる。雀たちはパイモンの周りを取り囲むとぷわぷわと鳴き声のような音を出し、ぐるぐると忙しなく動く。
しばらく楽しそうに動き回っていた雀たちは飽きたのか不意に動きを止めると、パイモンと手を繋ぎ石のアーチへと向かい出した。アーチからは白い光が漏れていてうっすらとこことは違う景色が見える。アーチを潜った途端白い光に包まれ、気がつくとそこは緑豊かな場所だった。中央には小さな池と小島があり、その周囲には石のベンチ、赤いロウソク、岩をくりぬいたような見た目の何か(穴の一つ一つに髪型や服、お面などの模様が描かれてるので着替える場所、クローゼットのようなものかもしれない)があった。先を見ると一面雲が広がっており、そこから先だけ飛び出た鐘がぽっかりと空いた雲のトンネルへと続いている。
「うわぁ、すごく綺麗な場所だな!雲が下に見えるって事はすごく高いところなのか?...っておい!オマエら!オイラをどこに連れて...ま、まさか飛び込むのか?オイラが飛んでるからって3人も運べるわけじゃないんだぞ!」
周りの景色に見惚れていたパイモンの手を掴むと3匹の雀は雲のトンネルへ向かい走り出し、勢いよく崖から飛び降りた。
「うわあああああああ!!おちっ、落ちるううううぅぅぅ...ってあれ?オマエらも飛べるのかよ!」
そのまま真っ逆さまに落ちていくとばかり思っていたパイモンだったが、雀たちはマントを広げて空を滑空し自在に飛び回る。あのマントは風の翼のようなものなのかと納得したパイモンは、雀たちに連れられるまま雲のトンネルを抜け草原へと降り立った。雀たちは、花畑を走り回ったり、空を飛び回る光の玉を追いかけ回したりした後、花畑の奥に見える神殿へと向かう。途中3つの島の鐘を鳴らし、現れた巨大なマンタの背に乗るというちょっとした冒険に雀たちもパイモンも大興奮であった。神殿の内部に入ると小さな祭壇があり石像が祀られていた。雀たちが祭壇に祈りを捧げると石像の目が光り、周囲の壺から光の蝶が大量に飛び出してきた。
「うわわ!なんだこいつら!...オイラたちを運んでくれてるのか?」
蝶に運ばれるまま祭壇の遥か上へと向かいやがてついた場所は木々に覆われた広場だった。あたりは背の高い木々が生い茂っており周囲は変わらず雲に覆われている。雀たちのジェスチャーを見る限り再び雲の中へと進み、奥深くへと行くらしい。2度目ともなれば慣れたものだ。雀たちと一緒にぽっかりと空いた雲のトンネルへと降りて行き、木々の合間を抜け門の前へと着地する。門の横にある光る石に雀がどこからともなく取り出した火のついたロウソクを近づけると、鉄の格子戸が開く。門をくぐり奥へと進むにつれ、ポツリポツリと雨が降り出し途中にあった洞窟を抜けるとそこはザーザーと雨が降る雨林へと姿を変えていた。雨に濡れながら進むパイモンたちだったがふと雀たちを見て異変に気づく。
「オマエら、雨が苦手なのか?マントからも光が抜けているみたいに見えるぞ?」
雀たちは濡れるのを嫌がりなんとかして雨宿りできる場所を探している。小さな東屋を見つけ駆け込むが1匹の雀が遅れたからか急に姿を失い真っ黒な人型に変貌してしまった。少し早く着いていた2匹の雀がロウソクを黒子に近づけるとすぐに雀の姿を取り戻しやがてマントにも光が貯まっていく。どうやらマントは光を貯め込むことができ、貯め込んだ光の数だけ飛べるようだ。そして雨に弱いのだろうか、濡れると光を徐々に失っていく。そんな雀たちのマントは3つの光が灯っている。東屋で暫く休んでいるとどこからか羽ばたく音が聞こえ、パイモンたちの前に一人の人型が現れた。その人型は雀たちとは違い青いマントを身につけ、イタチの面を被り、三つ編みおさげの傘をさした少女のような姿をしている。
「ぷわわ...ぷぽー?」
「ぱー!ぷぺー!」
「ぽぽぽぽ!ぷー!」
「ぱぽ!ぱぱぱぺー」
「ぷわわ、ぺぽぽ。ぷぽー♪」
「「「ぷぺ!」」」
何を言っているのかパイモンには全くわからないが4匹は会話?をするとパイモンと向き合う。雀たちのジェスチャーを見る限りここから先へはこのイタチ面の少女が連れて行ってくれるようだ。
「この青マントの子についていけばいいのか?わかったぞ!でもオマエたちはどうするんだ?」
そんな疑問を雀たちに問いかけると一人がその場で祈りを捧げるように座り出す。するとその雀は光に包まれその場から消えてしまった。イタチ面が傘の先端で地面に雀たちの絵と小さな島の絵を描き矢印で繋ぐ。どうやらあの島へと帰る手段があるらしい。残った雀たちも手を振ると同じように祈りを捧げ、光と共に消えてしまった。雀たちに手を振っていたイタチ面の少女は雀たちが帰ったのを確認するとパイモンへと向き直り手を差し出す。どうやらこの奥へは彼女が連れて行ってくれるようだ。
「連れて行ってくれるのか?じゃあよろしくな!」
差し出された手を掴むと彼女は傘を広げ雨林の奥へとマントを広げ飛び出した。彼女のマントは7つの光を貯め込んでおり雀たちよりも飛び慣れているのだろう。木々の合間をスイスイと抜け湖へと向かい、不思議なギミックを解き明かしあっという間に雨林の神殿へと到着してしまった。中央にある祭壇で彼女が祈りを捧げると奥にある大きな石扉が開き先へと進めるようになる。石扉の先は雲にこそ覆われているが外であり、雨もすっかり止んでいた。
「あの鳥たちについて飛んでいけばいいのか?わかったぞ!ありがとうな!」
「ぷわわ!ぷぺー♪」
「ところで、オマエはついてこないのか?」
パイモンが彼女についてこないのかと問いかけると彼女は傘の先端で地面に絵を描き始めた。雀たちの絵、雨林の絵、傘をさし雀たちを連れて飛ぶ自分の絵、どうやら雨林の案内人をやっているらしい。彼女はパイモンが納得したのを確認すると、背を向け再び神殿の中へと戻っていった。
パイモンは彼女に教えられた通り鳥たちを追って雲の中を突き進んでいく。やがて雲が晴れるとそこは一面の銀世界だった。標高の高い山なのだろう岩肌は白く染め上げられ地面は一部凍りついている。
「うへぇ、寒いなぁ。どこか暖まれる場所はないかな...... お!見つけた!」
暫く飛んでいると雪の中焚き火で暖をとっている人型を見つけた。パイモンは自分も暖をとらせてもらえないかと近づいていく。
「おーい!オイラも焚き火にあたらせてくれよぉ!」
パイモンがそう言うと人型はこちらを見て暫く固まった後頷いた。パイモンを...お面とマントをつけた人型以外を見るのが初めてなのだろうか、やがて再起動すると手で丸太を示して座るよう促す。その人型は頭に羽飾りを2つ付け、鳥の面を被り、黒いマントを纏っている。そのマントに溜め込まれた光は10個、かなりの熟練者なのだろう。そう思っていると不意に鳥面が喋り始めた。
「おや?パイモンじゃないか、ワタシの夢にキミが紛れ込むなんて珍しいこともあるもんだ」
「しゃ、喋った!?しかもその声、オマエ旅人か?」
そう、喋り出したのだ。
「そうだよ?ワタシの夢にようこそ♪ここは星の子達の世界だよ、パイモン♪」
歓迎するよと、その鳥面はパイモンのよく知る声で笑った。
このまま最後まで書き続けたら長編になりそうなので一旦区切ります。星の子のストーリー思ってた以上に長いねぇ。
峡谷から先は天空をゴールにするつもりなので頑張らないといけませんな。
自分は5000〜6000字ぐらいで気力が切れてしまう貧弱物書きなんです。
内容を少し簡略化してるとはいえ3分の1くらいの内容で3500文字超えてるんだもん、全部書いたら10000字いくんじゃないかな?そこまで気力持たないよぅ。
それにしてもTwitterには投稿してること一言も書いてないのに読んでくれてる人が2000人超えてるってすごいね。
お気に入り登録者数も倍になってるしホント感謝感謝ですよ!