海賊王におれは・・・・・ならないから!   作:ダーク・シリウス

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守るために

東の海(イーストブルー) ゴア王国 フーシャ村

 

一隻の軍艦が停泊して降りて来た老兵の海兵に不安な表情を浮かべる村人たち。

 

「ガープさん! 海軍が5000万人の人間をマリージョアの復興のために集めているって本当か!?」

 

「私たちも天竜人のところへ連れて行く気なんですか?」

 

「海賊も不安だが今の海軍も不安で堪らねぇんだガープさん!!」

 

「俺たちはどうなるんだ!?」

 

一身に浴びる村人たちの不安と恐怖、疑念・・・・・他の感情を抱えてる彼等彼女等に安心させる言葉を掛けてやれないガープはこう言った。

 

「・・・・・この村、いや東の海(イーストブルー)の島々におる王族と貴族以外の全ての人間も聖地マリージョアへ連れて行くことになっておる」

 

『―――っ!!?』

 

「じゃが、一つの島に住む一部の者たちのみマリージョアへ連行しないでもらえるよう頼み込んだ。それがこのフーシャ村・・・・・」

 

だがしかし、ガープは一部の人間のみと意味深に言った。つまりは・・・・・。

 

「すまん、この島の他の者たちは全員救えん。フーシャ村のお前たちだけしか対象から外せれんかった」

 

多くの海兵たちがフーシャ村から離れ、ゴア王国や他の村々へ駆けだして行く。その日の内に軍艦へ乗せられていく人々は100人を超え、ガープの計らいで軍艦が離れるまで家の中で待機されたフーシャ村の人々。

 

平和の象徴とされた東の海(イーストブルー)ですら、天竜人にとって下々が住まう海の一つしか認識されていないのだ。

 

 

女ヶ島 アマゾン・リリー

 

全戦士たちが上陸してきた海兵に迎撃しているもの、軍艦は五隻以上あり海から一斉砲撃を受ける女ヶ島は、あちこちに炎が燃え上がり蛇の形をしていた巨像が折れ、闘技場や町が破壊されていた。

 

「おのれ男!! 放せ!!」

 

元王下七武海、海賊女帝の部下だろうとそうではなくても海兵は関係なく拿捕した女戦士たちを軍艦へ連行していく。

 

「姉様!! 海兵に島の半分も攻め込まれているわ!!」

 

「捕えられた戦士たちも多い!!」

 

ヘビヘビの実の能力を使い迫りくる海兵たちを薙ぎ倒しても数は一向に減るどころか増える一方。更には素で強い海兵と交じって能力者もいるのだ。―――時をも凍らせんとする氷結が地面を這い三人を取り囲む風に氷壁を作り、更に動きを封じる氷の槍が壁から数多に生えて伸びたそれはハンコックたちの身体に突き刺さって、氷でできた牢獄が三人を閉じ込めた。

 

「そうだ。お前たちは噂通り強いから、おれが捕まえにこなくちゃならなくなったんだよ」

 

「青雉・・・ッ!!」

 

「天竜人からの面倒な命令でお前さんらを拿捕しなくちゃならないんで、大人しく捕まってくれや」

 

「ふざけるなッ!? 誰が天竜人の奴隷に成り下がってなるものか!!」

 

怒り狂い叫ぶハンコックの言葉など耳を傾けない青雉クザンは、三人を氷の中に閉じ込めんと氷の槍から凍らせ始める。

 

「取り敢えずしばらくは氷の中で眠ってくれ」

 

淡々と任務を果たすクザンの前で無力な三人は、悔しい表情を浮かべながら凍り付く身体と同時に敗北を味わわされる。

 

―――ポンポン。

 

「・・・・・?」

 

「やぁ、こんにちはクザンさん」

 

クザンの背中を触れる誰か。背後に振り返るとこの場にいる筈がない男―――四皇天邪龍のイッセーが立っていた。相手が誰なのか理解した直後のクザンは思いっきり横っ腹を蹴られ、町の建物を巻き込んで吹っ飛んで行った。

 

「「「イッセー!?」」」

 

「助けに来たぞ。やっぱりこうなったか」

 

炎で氷の牢獄を溶かし三人を解放する。傷ついた身体に癒しの力で治し終えたらハンコックが一誠に抱き着いた。全身で歓喜を表す女帝は助けに来てくれた愛おしい男の登場に至極感動している。

 

「ああ、イッセー!! わらわたちを助けに来てくれたのじゃな!!」

 

「責任の一端はおれにあるからな。おれの仲間たちが今、軍艦にいる女戦士たちを助けに暴れてもらっている。ふっ・・・・・何せおれは海賊にされたからなぁー」

 

「「(きっと八つ当たりも込めているんでしょうね)」」

 

「なんか思った?」

 

勘が鋭い男に瞬時に揃って首を横に振ったサンダーソニアとマリーゴールド。そんな四人がいる場に、口の端から一筋の血を流しながらクザンがスタスタと元の場所に戻る姿を見せつける。

 

「なるほど・・・・・いつからか知らんが、天龍と海賊女帝は繋がっていたとはな」

 

「まぁーな。新聞の記事を見て、まさかなと思って来てみればこの状況だ。人のこと海賊扱いにしやがってお前等。絶対に許さないからな!!」

 

「・・・・・怒る基準がわからねェな」

 

ポリポリと頭を掻きながらも地面を凍らせて攻撃を仕掛けるクザンに合わせ、一誠も地面を凍らせて相殺して見せた。

 

「どういうことだお前さん。氷系統の能力者なのか?」

 

「敵に教えると思うか?」

 

無数の氷の刃を展開、ガドリングガン兵器のように射出する相手に、クザンは冷静で氷の壁を形成して防御する。本当にこの若い男の言動と能力は理解に苦しむ一方で扱いに余る。氷壁が赤くなったのを見た瞬間に躱したクザンが立っていた場所が熱の光線の通り道となった。

 

「時にクザンさんって肉弾戦はイケるほう?」

 

「あ~、ボルサリーノと似た感じだ」

 

「そうか。じゃあ次は肉弾戦をしよう」

 

黒と紫が入り乱れ赤い宝玉が埋め込まれてる籠手を装着した一誠が展開した無色の半球のドーム。

何か仕掛けたと感じ取ったクザンは能力を駆使しようとしたが、使い慣れてる能力が不発で終わったことに最初は理解できなかった。

 

「能力が使えない?」

 

「正解!」

 

懐に飛び込んできた一誠の拳がクザンの腹部をめり込んだ。

 

 

 

ヤマトside

 

「はあっ!」

 

「ぐあああっ!?」

 

牢屋を見つけ、出くわした海兵を金棒で殴り飛ばした。その拍子に檻の鍵を落としたようで鍵で鉄格子を開け、捕らわれていた戦士たちの解放をする。軍艦に捕まっているかもしれないと言うイッセーの読み通りだった。

 

「助けに来たよ!」

 

「誰だお前はっ!」

 

「僕はヤマト、イッセーの仲間だ! 早く出て!」

 

イッセーという名前を知っている反応をする彼女たちは、すぐに檻から抜け出して、まだ他にも捕まっている仲間の救出に僕から鍵を受け取って動く。その間にここまで駆け付けてきて、銃をこっちに向けてくる海兵から一斉に撃たられた。助けた彼女たちを守るために金棒を回しながら振るって銃弾を弾いては、海兵に飛び込み金棒を上段から思いっきり打ち下ろした。

 

「・・・・・退路、確保した」

 

「うわっ、ギリューか! ありがとう!」

 

 

ロビンside

 

 

「・・・・・青雉がここに」

 

私の過去から因縁ある男の存在に動悸が激しくなるのを嫌でもわかる。だからこそ、彼の存在を知った私は海兵に隙を与えてしまった。

 

「ロビンさんに手を出すなっー!!!」

 

白い毛並みで立派な巨大虎が私から海兵を守ってくれた。能力を使えばメガローを超える実力者なのに、この子は気弱な性格で大人しく優しい子。

 

「ごめんなさい、ありがとうヒナタ」

 

「戦いの最中に考え事は危ないぞ!!」

 

「気を付けるわ」

 

そう、いまの私は心強い仲間がいる。そして、海軍だろうと世界政府だろうと天竜人だろうと関係ない彼が私を守ってくれている。

 

「きっと彼は青雉と戦っているわよね」

 

「集中しろー!」

 

 

メガローside

 

 

ボカァァァァァァンッ!!!

 

「ガーシャシャシャ!!!」

 

軍艦を一隻破壊できる快感は最高だっ! 捕虜はいたが檻を開けてやったから勝手に出ていくだろうと放置して軍艦を沈めたところ、別の軍艦が派手に爆発した。

 

「まったく、メガロー殿。軍艦を破壊しないでもらいたいところですよ。危うく私まで沈むところでした」

 

あの野郎の仕業だろうと確信してると、何か詰め込んだ大きな袋を持っている坊主がおれにそう言ってきた。

 

「お前が遅れたからだろうが。何していやがったんだ」

 

「少々金品と食糧を拝借していました。勿体無いので」

 

この下等種族は、いまの世の中を憂い憂いているとかほざいているが、実際こいつは平然と悪さをする。こうして他の連中から悪そびれなく盗みもするから悪徳坊主だろうこいつ。

 

「さて、他の軍艦からも拝借しましょうかね。ふふ、今回は大量ですよー」

 

「お前、仏とやらが泣くぜ」

 

「祈ったところで現実的に何か変わるわけではありませんよメガロー殿」

 

「そうかよ」

 

やっぱりこいつは慈善の皮を被った悪徳坊主だ。

 

 

ガンヴァside

 

 

「ガンヴァ、そっちは片付いたか」

 

「当然だ。他の奴等も軍艦を無力化にしたようだな」

 

複数の軍艦から火の手が上がるか、強い力で海に沈められていた光景を見回し状況を確認する。お、襲撃を受けていないと思ってた軍艦が爆発した。どこの誰かが暴れているんだろうよ。

 

「そういやヴェージ。あのチビどもはどうしているんだ」

 

「執事の爺と留守番だ。ガキどもはかなり不満がっていたがな」

 

「海軍相手に戦わせるつもりはないってことか」

 

「だろうよ。んじゃ、次の軍艦を襲うぞ」

 

メガローと関わらなければこうも落ち着いて騒がないのに、なんで顔を突き合わせたら即口喧嘩するんだかな。馬が合わないってんならそれまでだが。

 

「んだよ、おれを見て」

 

「お前とメガローは毎度喧嘩して飽きないのかと思っただけだ」

 

「サメ野郎から突っ掛かってくるから相手をしているだけだ」

 

「じゃあ、相手をしなきゃいいだけの話か」

 

「無視ずっとしつこくいちゃもんをつけてくんだよ」

 

構ってちゃんかよメガローの奴・・・・・。

 

 

 

 

ハンコックside

 

大将青雉相手に肉弾戦を持ち込んだイッセーは、青雉の氷の身体に触れても影響が出ていないのは不思議でならない。でも、そんなの気にするわらわを知らずイッセーは青雉相手に拳を嵐のように付きだして追い詰めていった。

 

「おらおらおらーっ!!!」

 

「っっっ・・・・!!?」

 

どうして氷の能力を使わない、もしくは使えないかわからないが・・・・・これだけは言える。

 

イッセー、わらわと結婚してっ!!!

 

わらわを助けに来てくれた雄姿を見て、もう格好良すぎるのじゃ!! この昂り・・・・・もう抑えきれんっ!!

 

「あっ、姉様!?」

 

「姉様!!」

 

駆けるっ、駆けるっ! 駆けるっ!! 愛しい男のもとへと!! そしてわらわとイッセーの新婚生活を邪魔をする者に愛の鉄槌を下さねば溜飲が下がらん!

 

 

 

 

 

 

「わらわとイッセーの邪魔をするでない不届き者め!」

 

「え 何の?」

 

いきなり乱入してきて話が見えないことを言いながらクザンさんに鋭い蹴りを放ったハンコック。でも、一緒に戦うというなら吝かではない。

 

「・・・・・ボア・ハンコック」

 

能力が使えずとも大将の名は伊達ではないクザンさん。さて、このまま攻めいれようと思った矢先に複数人の海兵たちが駆け付けてきた。

 

「クザンさん! 謎の敵に一隻だけ残して他の軍艦全て沈められました!」

 

「・・・・・お前の仕業か?」

 

「知らないぞ」

 

真顔で嘘を吐いた。当然クザンさんは俺の言葉を信用しちゃいないみたいだから訊くなって話だ。

 

「で、どーする? このまま俺等に負ける戦いをするか? 胸張って罪のない人間達を強制的にマリージョアに連れ去るのがお前等の仕事なんだろ?」

 

「その原因を作ったお前さんが言うかね」

 

「違うね。元々の原因がお前等の背後にあって、お前等は見て見ぬふりをし被害者の言葉を聞かない振りをしていたんだ。天竜人の玩具として人間以下の奴隷にされた人間達を今まで見殺してな!! 海賊よりよっぽど悪だよお前等海軍は。だから少なくない数の海兵たちが海軍から離反されるんだよ」

 

籠手を解除して魔法を使えるように戻し、亜空間から天翔ける竜の蹄の焼印を取り出して熱を宿す。

 

「そういやぁ、大将って天竜人の直轄の部下なんだっけ? ―――なんでその証を持ってないんだぁ?」

 

チラッと海兵たちを見て悪戯っ子の笑みを浮かべる。

 

「ついでだ、お前等の身体にこれを刻んでやる」

 

「「「なっ!」」」

 

「フハハハァッ!!! 天竜人に従うなら全員焼印されろー!!」

 

赤熱してる焼印を数十も分裂させて、縦横無尽に駆け巡らせる。竜の蹄のマークを押しつけられるのが危機と感じたか、抵抗し始めるも死角や隙を見せた瞬間に海兵の身体のあちこちに焼印が押しつけられる。

 

「ぎゃあああああっ!!?」

 

「や、やめろっ。嫌だぁあああああああああっ!?」

 

「嫌だ、人間以下になりたくないぃいいいいっ!!」

 

それが嫌ならもっと本気で抵抗しろってんだ。おっと、氷の脅威が襲ってきた。

 

「能力が使えるようになったなら―――」

 

「残念♪」

 

クザンさんの脚元付近の空間から能力封じの鎖を放って氷の能力を封印する。両足を縛ってから今度は両手を縛り、Yの字に立たせる。

 

「能力が使えるからって四皇が負けるとでも思ったんのか? そもそも俺を四皇に認定したり、しまいには海賊扱いにしやがって海軍と政府め!! 俺は悪いことしてないんだけど!?」

 

「四皇の一人を倒して、天竜人を襲撃して、海軍に楯突いている時点でそうなる未来だったんだよお前」

 

「前者はともかく後者は完全にお前等のせいじゃん!! 奴隷を解放して何が悪い!!」

 

こいつは念入りにヤキをいれんといけないらしいなぁっ・・・!! 死ぬまで消えないように残してやる。手元に戻ってきた焼印を掴んでクザンさんに近づいた。

 

 

・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。・・・・・。

 

・・・・・。

 

 

海軍本部マリンフォードにボロボロな軍艦一隻が帰航の途に就いた。発見した、目撃した海兵は酷い災害に遭ったとしか思えない軍艦に乗っていた海兵たちもそうであって、停泊した軍艦に乗り込む海兵たちが目にしたのは・・・・・。上半身裸で天翔ける竜の蹄の焼印を一人残らずされ、絶望した顔の海兵とそのマークを腹と背中に輝かせている大将青雉がいた。何か遭ったのか聞き取り調査と並行に手当を始める最中、センゴクが青雉に問うた。

 

「何が遭った」

 

「拿捕に向かったボア・ハンコックが支配する島で天龍と交戦。御覧の通り俺も負けた上にコレを焼印されたんですよ」

 

「・・・・・元王下七武海と四皇天龍が繋がっていたと?」

 

「かなり親密な関係のようで。それに奴には複数の仲間がいることも発覚しました」

 

「・・・・・藪を突いて出てきたのは蛇ではなく、龍だったか」

 

「おそらく女ヶ島は密かに天龍が支配する島になっていたんでしょうね」

 

してやられたとしか思えない話に苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべたセンゴク。

 

「どうしますセンゴクさん。三大将のおれらが束になっても勝てないんなら、王下七武海の協力も不可欠ですよ。二大勢力で総戦力を以て倒すのが当初の予定だったはず」

 

「・・・・・今は何もできん。兵が足りない状況だ。女ヶ島は四皇天龍が縄張りの島と認定する」

 

次の瞬間。マリンフォードの石壁に描かれた“正義”が上書きされるように竜の蹄のマークに光り輝いた。次いで青空から赤熱した焼印が何千何万も降り注いで地上にいる全ての海兵を狙って落ちて来た。その異常現象を起こした元凶が空から現れた。

 

「天龍ッ!!!」

 

「マリンフォードにいる全ての海兵に天翔ける竜の蹄の焼印をほどこしてやる。お前等のやっていることは天竜人とさして変わらんからな」

 

「ふざけるな!! お前の好きにはさせんぞ!!」

 

「散々おれの後手に回って、世界中の罪のない人類を敵に回したような悪の親玉が何言ってんだ」

 

天龍が何百も分裂した光景に目を愕然と大きく見開いたセンゴク。

 

「お前等海軍を天竜人の奴隷と同類にしてやる。ハハハッ!! この世界の海の島にいる人間達を守るのが人間以下なんじゃ頼りないよなっ!!」

 

「おのれ、おのれ天龍ぅぅううううううー!!!」

 

何百人の天龍に襲われ抵抗する海兵たちが一人、またひとりとその身体に人間以下の証を刻まれていく。人だけでなく建物にも天竜人の証が施され海軍本部マリンフォードは第二のマリージョアと化していった。

 

「お前らのやり方じゃあ平和も秩序も守れやしない!! 神への反逆をしない限りは永遠にな!! 海賊王カイドウが後に作る後の暴力が支配する世界となるだろうよ!!」

 

高らかに宣言する天龍を誰もが止められない。家族を奴隷にされてない独身の海兵達までも人間以下の証を刻まれた現実は変えられない。

 

 

 

世界経済新聞社

 

「クワハハハハッ!! ビック・ニュースがないなら自分で作るってか!! すぐに記事にするぞ!! 表と裏に大きく載せるんだ!!」

 

「わかりました社長!!」

 

後日―――。

 

海軍が天竜人の紋章をその身体に刻まれた写真が全世界にばら撒かれ、世界は海軍を人間以下の天竜人の奴隷という認識したことで世界政府に加盟した国家の王族達は海軍の未来に不安を抱かざるを得なかった。

 

 

 

 

「ハンコック。今回の一件でわかっただろうが海軍はお前のこと七武海の地位と称号をはく奪したっぽい。三大将か総戦力で来られるとハンコック達だけじゃどうしようもないから、天龍の名で守られるなら貸すぞ」

 

「イッセーとの関係・・・・・!!」

 

なんかトリップしだした。大丈夫か?

 

「気にせんでええ。いつものことニュ。それより、蛇姫がただの海賊になってしもうたとならばこの島は安全ではなくなってしまった・・・・・」

 

「いっそのこと、おれとハンコックが結婚したとデマを世界中に知れ渡れば、連中はおれとハンコックの関係上おいそれと襲ってこなくなるだろうがな」

 

「結婚っ!!!」

 

何ぜそこで強く反応する? ニョン婆はおれとハンコックを交互に見ていやらしい笑みを浮かべ、サンダーソニアとマリーゴールドは妙案ねみたいな顔をするのも何故なんだ。デマ言ったろデマ。

 

「でもイッセー。あなたの名前を借りれるのはありがたいけれど、旗がないと女ヶ島は誰の縄張りか分からないわよ?」

 

「俺は政府と海軍に海賊にされたけど海賊じゃない!! だからこの先ずっと旗なんて掲げないから、縄張りにするつもりはない。友達の島なんだぞ」

 

「うーん・・・それじゃあ効果が薄いわねぇ。姉様と結婚した姿の写真を見せられればいいのに」

 

結婚した写真を世界中に? 悪くはないが・・・・・。それも出来なくはないし・・・・・。

 

「ハンコック、偽装でも俺と結婚したこと世界中に知れ渡ることになるぞ。構わないか?」

 

「構わない!! むしろわらわはイッセーと結婚したいのじゃ!!」

 

「・・・・・まじ?」

 

おれのことが好きだってことか? そんな素振りや言動をしていなかったのに・・・・・。

 

「おれは、異性に好かれやすいから複数人以上の女を娶るつもりだ。正妻とか妾とかそんな考えを持っているなら正直結婚は出来ない。平等に愛したいからだ」

 

「構わぬ。いや、むしろわらわがイッセーの一番を目指せるなら好都合じゃ。相手が誰でもわらわは後れを取らん」

 

喧嘩は厳禁だぞ。付け加える俺の言葉を受け入れるハンコック。ならいい。

 

 

 

 

 

 

―――一ヶ月後。

 

新世界のとある島で世界経済新聞社の社員を招いて、元海賊王の副船長と九蛇海賊団と百獣海賊団に祝福されながら、ある四皇の男と四人の美しい女性が結婚式を挙げた。新鬼ヶ島にその光景の映像が流れ大いに盛り上がった。その中で終始笑っていた大男が凄く珍しいものを見たと百獣海賊団一堂は思ったとかなかったとか。

 

逆に世界政府と海軍は、この一件で強い警戒心を抱くようになり戦力の増加と強化を図るようになった。


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